フォトジェニック に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/category/photogenic 少し違う旅のアイデア Tue, 21 Oct 2025 11:39:25 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png フォトジェニック に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/category/photogenic 32 32 熱海の喧噪を忘れる絶景ホテル。ソラトニワ熱海伊豆山に行ってきた https://tripplanner.jp/topics/5803 Tue, 21 Oct 2025 11:25:40 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5803 2025年10月1日、熱海・伊豆山の高台に佇む「ゆとりろ熱海」が「ソラトニワ熱海伊豆山」として新たに生まれ変わ…

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2025年10月1日、熱海・伊豆山の高台に佇む「ゆとりろ熱海」が「ソラトニワ熱海伊豆山」として新たに生まれ変わりました。約1年間の改装を経て、全33室すべてがリニューアル。今回は、ご縁がありオープン直前に試泊体験してきました。

訪れてみると、熱海駅周辺の賑わいとは別世界。山の上ならではの静かで美しい空間が広がっていました。

テーマは「A Timeless Journey (タイムレスジャーニー)」生まれ変わったソラトニワ熱海伊豆山

JR熱海駅から無料送迎バス(事前予約制)で駅からおよそ20分。急な坂を上り続けると、伊豆山の頂上近くという立地にソラトニワ熱海伊豆山があります。

「ソラトニワ」という屋号には、”広がる空、ゆれる海、そびえる山、そして根を張る庭。移ろう季節とともに、風景は表情を変えても、時代が変わっても、この風景と心は変わらない”という想いが込められているといいます。「柔らかな音の響き」を意識したネーミングで、伊豆山の魅力をわかりやすく伝えることを目指しているそうです。

施設のテーマは「A Timeless Journey (タイムレスジャーニー)」。熱海のレトロ性と先進性の両立を意図したコンセプトで、古き良き熱海の歴史をリスペクトしながらも、今の時代にあったスタイルを追求していました。

写真映えするスポットがいっぱい。五感を刺激する館内

・ロビー:窓から広がる海の絶景

館内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが大きな窓から見える相模湾の絶景です。これだけで、テンションがあがってしまいます! さらに、ヒノキ、ジュニパー、ラベンダーを調合したという、オリジナルの香りにも包まれてうっとり。視覚も嗅覚も刺激されます。

ロビーとつながる足湯カフェは、相模湾と豊かな緑の絶景パノラマビューを眺めながら、足元からじんわりと温まることができます。タオルの貸し出しもありました。

チェックイン後のお楽しみは、ここでいただけるウェルカムアフタヌーンティー。抹茶のシフォンケーキ、わらび餅、いちごのマカロン、生クリーム大福など、一口サイズの色とりどりのスイーツが並びます。足湯に浸かりながら、目の前に広がる海を眺め、甘いものをいただく…という贅沢な時間を過ごせました。

本来は朝も日の出を楽しめるスポットなのですが、残念ながら試泊当日は悪天候で、朝日を見ることはできませんでした。晴れた日には、オレンジ色に染まる空と海のグラデーションが美しいそうですよ。

・フォトテラス:幻想的な夜のライトアップ

今回のリニューアルで新設されたフォトテラスも、ホテルの見どころの一つ。緑あふれる開放的な空間です。以前は「本当に何もなくて木が生えているだけだった」場所を、撮影スポットとして整備したとのこと。

日没後のライトアップが特に素敵で、テラスの下から炎が立ち上る演出も。スタッフの方によると、撮影のおすすめ時刻は黄昏時。木々のシルエットもしっかり写る時間帯だそうです。ベストな時間をスタッフの方にきいて、ぜひ写真撮影を楽しんで。

・大浴場:サウナとアメニティも充実

大浴場は、男女ともに露天風呂付きの同じ構造で、伊豆山温泉の「硫酸塩泉」を楽しめます。古くから湯治の地として愛されてきた温泉で、美肌効果のある弱アルカリ性のお湯です。広々とした空間は、気持ちいい!

サウナはMETOS監修の暗闇の瞑想サウナで、ロウリュや頭上から降り注ぐ打たせ水、水風呂など、極上のととのい体験ができます。

そしてちょっぴり嬉しかったのが、脱衣所に用意されたアイスとヤクルトのサービス。お風呂上がりのヤクルトは格別。マッサージチェアも2台設置されており、自由に使えますよ。

サウナも楽しめる客室も。スイーツからコンフォートまで一挙紹介

館内ツアーでは、いくつかの客室タイプを見学しました。全室に異なる写真作品が掲示されており、熱海の海や朝日をイメージした色調で統一されています。2階から4階にわたり、30点以上の作品が展示されているそうです。

・オーシャンビューコンフォート/オーシャンビュージャパニーズルーム

最も室数が多いのが「オーシャンビューコンフォート」(13室)。セミダブルサイズのシモンズベッドを2台配した洋室タイプで、定員は3名です。窓からは相模湾を一望でき、特に晴れた日は初島も見えるそうです。

和室タイプの「オーシャンビュージャパニーズルーム」は、和室8畳にセミダブルサイズのベッド2台を設置したお部屋。最大5名まで宿泊可能で、女子旅やグループ旅行に人気とのこと。どちらのお部屋も落ち着いた雰囲気でした。

・サウナ+露天風呂付デラックステラス「T01」(ティーゼロイチ))

テラスに専用のバレルサウナ(2名定員)とジャグジー付きの露天風呂を設置したお部屋です。3室あり、上層階は眺望がありますが、下層の「T01」(ティーゼロイチ)など一部は眺望がないタイプもあります。お部屋の露天風呂は温泉ではありませんが、プライベートな空間でゆっくりと過ごせます。

・ジュニアスイート

セミダブルサイズのシモンズベッドを2台配した洋室タイプ。14平米のテラスには3名でも入れるバレルサウナと、露天風呂・整い椅子を設置しています。お部屋からの眺望も素晴らしく、サウナ好きにはたまらない客室です。

・プレミアムスイート

上から2番目のスイートルームで、定員4名のお部屋です。23平米の広々としたテラスには、4名でもゆったり入れるバレルサウナと露天風呂、整い椅子を完備。浴槽に水を張って冷やすこともできるそうです。

120インチの3in1プロジェクターも完備されており、大画面での映画鑑賞や推し活利用にも対応可能です。オーシャンビューが自慢のお部屋で、贅沢な滞在を楽しめます。

・ラグジュアリースイート

最上級のスイートルームは、定員6名の広々としたお部屋。22平米のテラスには4名でも広々入れるバレルサウナと露天風呂、整い椅子を設置しています。120インチのプロジェクターも完備で、グループでの宿泊にも最適です。夜通し大人数でも楽しめそうなお部屋でした!

滞在に欠かせない食。夕飯後の別腹も堪能

ソラトニワでは、3ヶ月ごとにメニューを変更し、季節を意識したお料理を提供しています。特に前菜には力を入れているとのことでした。

試泊当日の夜に用意されていたのは、なんと「熱海最上級コース」! 一品一品丁寧に説明していただきながら、ゆっくりと味わうことができました。

どのお食事も季節を感じさせてくれたのですが、感動したのは〆のスイーツ「丹那ミルクプリン キャラメルコーヒーシロップ」!。地元・丹那の濃厚なミルクを使ったプリンは、なめらかで優しい甘さ。そこにキャラメルコーヒーシロップを加えたときの味変が、たまらなくおいしいんです。キャラメルと珈琲の独特の苦みが別のスイーツにしてしまったかのよう。またぜひ食べたい一品でした。

また、お食事のコースには飲み放題も含まれています。スパークリングワインやビール、日本酒、梅酒など、種類豊富なドリンクを楽しめます。静岡の地酒も揃っており、お料理との相性も抜群でしたよ。

さらに同じ会場で提供された朝食も魅力的! 地元の食材を生かした和朝食には、自家製スムージーや土鍋ご飯、静岡県産地養卵と特製出汁醤油、真鯛の刺身など、健康にも良さそうなラインナップ。優しく上質な味わいのおかずに加え、ご飯がおいしすぎて、ついついおかわりしてしまうほどでした。

・夕食後の別腹。〆パフェで特別な一日を

夕飯でもスイーツがありましたが、〆パフェは別腹ですよね。21時から22時の間、Barでは、食後でも無理なく食べられるミニサイズの〆パフェが提供されていました。ゆっくりお部屋で楽しむのもおすすめですよ。

日常を忘れられる空間。美しい景色とともに過ごすホテル

ソラトニワ熱海伊豆山は、熱海の喧噪から離れ、静かな高台で、相模湾の絶景を独り占めできる特別な場所。

絶景や香りに加え、ゾーン別・時間帯別に異なるBGMが流れているなど、五感すべてで「タイムレス」な空間を体験できました。「柔らかな音の響き」という屋号の通り、心地よく穏やかな時間のなかで、熱海の新しい魅力を発見できる素敵な宿でした。

施設概要
ソラトニワ熱海伊豆山
住所:〒413-0002 静岡県熱海市伊豆山1173-534
電話:0570-055-666
公式サイト:https://soratoniwa-atami.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/soratoniwa_atami/

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バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと https://tripplanner.jp/topics/5404 Sun, 27 Apr 2025 00:55:21 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5404 バルセロナのガウディ作品のうち、サグラダ・ファミリアと人気を二分するのが世界遺産「グエル公園」である。バルセロ…

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バルセロナのガウディ作品のうち、サグラダ・ファミリアと人気を二分するのが世界遺産「グエル公園」である。バルセロナの街を見下ろす高台にある15ヘクタールもの(東京ドームの約3.2倍)公園の中には、「世界一長いベンチ」と呼ばれるモザイクベンチが囲む広場や、おとぎ話の砂糖菓子のような建物、ガウディが実際に暮らした家など、見どころも多い。

グエル公園
サグラダ・ファミリアと並ぶ人気のガウディ作品なので、チケットの事前予約は必須。

実はこの公園、もともと約60戸が入る広大な分譲住宅地を目指していた。ガウディのパトロンだったグエルが出資し、1900年に着工したものの、その奇想天外すぎるデザインゆえか、なんと売れたのは2戸のみ。うち1軒はガウディが自ら購入して暮らしたモデルハウスというありさまで、端的に言えばビジネスとしては大失敗したプロジェクトだったのだ。

そんな「負の遺産」になりかねなかった分譲地は、その後公園としてバルセロナ市民に開放され、今では世界中から観光客が押し寄せる人気スポットになっている。

公園内のあちこちにある陸橋。建設当時は自然洞窟発掘の時代で、洞窟造形がこの公園の主要テーマだとも。

『ガウディ よみがえる天才』(鳥居徳敏著、ちくまプリマー新書)によれば、この分譲地を結果的に公園にせざるを得なかったことを記者に問われたグエルは、投資した何百万ペセタという大金について「しかし、他により良い使い方でもあるのかな」と返したとか。かっこいいですな、これぞあるべきパトロンの姿!

モザイクのベンチが縁を彩る「ギリシャ」劇場。
波打つベンチに座って記念撮影するのがお決まり。

この公園で最も驚く構造は、波打つベンチが印象的なギリシャ劇場と呼ばれる広場が、何本ものドーリス式列柱に支えられ宙に浮いていることだ。

グエル公園のドラゴンの噴水
ギリシャ広場で溜まった水は濾過されてドーリス式の柱を通り、「ドラゴンの噴水」から吹き出す構造。このドラゴンはギリシャ神話の聖地の守護者ビュートーンだそう。神社でいうと狛犬的なものだろうか。

広場の下は異世界。この空間では分譲住宅に住む人々のための市場が開かれる構想があったという。

ガウディは、古代ギリシャのデルフォイ神殿を再現し、これによりグエル公園を神域としたバルセロナを「世界の中心」に祭り上げることを目指していたと、前掲書の中で著書の鳥居さんは言う。

そうか、無邪気に「かわいい〜」などとはしゃいでいたが、ここはガウディの故郷カタルーニャへの愛が凝縮された神殿だったのか。そう思うと、ガウディが暮らしたあのつつましい家も、「神職の住まい」だと思えば合点がいく。

サグラダ・ファミリアの紹介記事でも触れたが、個人的にバルセロナ、ガウディ建築巡りで最も胸打たれたのが、グエル公園内にあるガウディが暮らした家だった。

グエル公園に残る、いまは博物館になっているガウディの自邸。ガウディが20年間暮らした家だが、建設を担当したのは、彼の弟子。
高台からバルセロナの中心部を見下ろす家
ガウディが手がけた家具なども展示されている。

建築会の巨匠の家としては非常にこぢんまりとしており、華美な要素はほとんどない。再現されているガウディの寝室などは、まるで修道士が暮らしていたかのような素っ気なさ。

晩年はサグラダ・ファミリア以外の仕事を断り、この質素な家から、仕事場であるサグラダ・ファミリアへ通勤、あとはミサなどに出席するだけ、という「聖人」ぶりだったというガウディ。

そんなエピソードを知ると、グエル公園という”神殿”から見下ろすサグラダ・ファミリアが神のような存在に見えてくる。

グエル公園から見下ろすサグラダ・ファミリア。彼は何を思い、日々この景色を眺めていたのだろうか。
曲線的な形状と色鮮やかなモザイクタイルで装飾されたかわいい「守衛小屋」と「管理事務所」。しばしばお菓子に喩えられる。

ガウディの空想力を楽しむテーマパークのように思っていたが、彼の宗教心やカタルーニャへの深い愛などを知ると、この公園はバルセロナを称える神殿のようにも、サグラダ・ファミリアを拝む遥拝所のようにも感じてくるのだった。

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祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる https://tripplanner.jp/topics/5378 Fri, 25 Apr 2025 03:13:30 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5378 サグラダ・ファミリアは、予備知識なく訪れても、美しさと荘厳さに誰もが圧倒されるわかりやすい名建築だ。濃密な彫刻…

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サグラダ・ファミリアは、予備知識なく訪れても、美しさと荘厳さに誰もが圧倒されるわかりやすい名建築だ。濃密な彫刻、ステンドグラスから漏れる色とりどりの光、有機的な石の佇まい……その視覚的なパワーを前にすれば、うんざりするような行列と荷物チェックを経てすでにくたくたになっている身体にも力がみなぎってくる。

実は私も大した知識もなくここを訪れた。心のメモ帳の「死ぬまでに見たい名建築」の上位に常にあった有名作品だから来てみた、ぐらいのものである。

ただ、ちょっとだけ建築の背景にあるストーリーを知ると、聖堂を見る眼差しも変わってきたりする。ということで、今回はこの名建築の感動ポイントを、ガウディの伝記等から得た情報を絡めながら個人的な感想メインでお届けしてみたい。

まず後から「へえ」と思ったのは、ガウディの代表作のように言われているサグラダ・ファミリアだが、実は一部しか世界遺産に登録されていないという事実だった。サグラダ・ファミリアと言えば、「光の森」と形容される樹木をモチーフにした柱が林立する聖堂内部が有名だが、実はこのエリアは世界遺産対象外。

サグラダ・ファミリア
森のように細い柱が林立し、多彩なステンドグラスから差し込む光が幻想的な空間を作り出す聖堂内部。ここは世界遺産じゃない部分。

実はこの聖堂内部はガウディが亡くなってから作られた部分。世界遺産の「アントニ・ガウディの作品群」に登録されているのはガウディが確かに関わったことがわかっている「最初に建設された地下聖堂」と「生誕のファサード(正面と塔)」のみなのだ。

ガウディの魂が宿る「生誕のファサード」

ガウディが生前に唯一完成させたファサード「生誕のファサード」は、3つの門(希望の門、慈愛の門、信仰の門)を中心に、キリストの誕生に関わる場面が細やかに描写されている。

生誕のファサード
彫刻の一部を日本人彫刻家である外尾悦郎さんが手がけたことが日本人として誇らしい。

まさに彫刻で埋め尽くされている、といっていいファサードは、ひとつひとつ読み解いていったら半日かかりそうな濃密さ。このファサードに関する史実を知ると、その美しさはさらに胸に迫ってくる。

ガウディの有名なエピソードとして、命の危険に及ぶほどの壮絶な「断食」がある。「生誕のファサード」の着工から1年後の1894年、すでに建築家として著名で、仕事も順調だったガウディが、「復活祭の前の四旬説に過去の罪を贖うために断食する」という教理に従って一切の食事を絶った。

それは周囲が「死ぬつもりか?」と思ってしまうほど壮絶なもので、家族や弟子がいくら説得しても何も食べず、ガウディはみるみるやせ細っていく。万策尽きた家族らは知り合いの神父に助けを求め、神父はガウディに「あなたはこの聖堂を完成させるという現世での使命を受けている」と語りかける。それにより、ガウディは自分の生きる意味、天命を悟ったのだった。

晩年のガウディは聖人と呼ばれ、朝夕必ず教会のミサに通う以外は聖堂の建設だけに命を捧げた。そんな彼のキリスト教の知識と祈りが凝縮したファサードは、まさに石でできた信仰のタペストリー。色鮮やかな聖堂内部だけでなく、立ち止まって彼の生涯に思いを馳せたいエリアだ。

見る場所によって表情が変わる聖堂は最も見学が楽しい「光の森」

さて、生誕のファサードを入ると、そこはまさに色の洪水。最もインスタグラマブルといえる空間に、観光客たちのシャッターを押す手が止まらない。

面白いのは見る場所によってがらりと表情がかわること。ファサード入ってすぐのあたりは、赤や青のステンドグラスの光に彩られ、祝祭感たっぷり。一方を見れば赤く、一方を見れば青い、そんな色の変化も楽しめる。

天井を見上げてみれば、そこは色数を押さえられ、際立つのは樹木をかたどった柱の美しさだ。

いまだ建設中の栄光のファサードは、聖堂内部から見ると幾何学模様のステンドグラスが現代的でスタイリッシュな印象。完成すれば正式な大聖堂の入場口となる予定だ。

ギリシャ神殿を思わせるエリアも。

モダンで異質な印象の「受難のファサード」

さて、見学の最後は、1954年に着工した比較的新しい「受難のファサード」へ。カタルーニャ出身の彫刻家ジュゼップ・マリア・スビラックスによる直線を多用した現代風なデザインは、生誕のファサードや有機的な”光の森”の聖堂を抜けてくると、若干違和感を感じてしまうのが正直なところ。

ここで描かれているのは、キリストの苦悩と悲しみ。最後の晩餐からキリストの十字架磔刑までの場面などが描かれている。

十字架を背負うキリストの彫刻。ダース・ベーダーみたいな人がいる…?

受難のファサードは「サグラダ・ファミリアは、ガウディの死後、ほとんど資料が残ってない中、手探りで建築が進められている聖堂」なんだよな、と改めて感じる箇所。聖堂内部の森のようなデザインなどはガウディの遺志を継いでいるというが、資料が残らない部分については後世に委ねられ、わりと自由に解釈されていたりもする。懐の広い建築なのだった。

ガウディは何を償わなければならなかったのか、想像を掻き立てた聖人の住まい

ざっと見学してつくづく感じたのは、とにかく規模が大きく、人も労力も、そしてお金もふんだんに使われた聖堂だな、ということ。

その大きさはまさに「バルセロナの灯台」と言いたくなる規模だし、彫刻やステンドグラス、柱の意匠など妥協のない美しさは、建築というより巨大なアート作品という印象。

この「華美」とさえ言いたくなるような華やかで荘厳な聖堂が、豊かとは言えない人々の献金を主な財源とするのを前提に着工されたという史実にも本当に驚く。

そもそもこの聖堂の正式名称は「サグラダ・ファミリア贖罪聖堂」。贖罪とは、「何らかの犠牲を通して罪を償う」という意味で、この理念をガウディは大切にし、自らも多大な犠牲を払った。それは、無報酬で聖堂の建築に携わること、晩年は聖堂以外の仕事を一切断ったこと、贅沢を禁じ、浮浪者と間違われるほどの質素な身なりをし、菜食主義を貫くなどだ。

建設資金が尽きた際には(当たり前だ)、すでに巨匠として著名であったにもかかわらず、自ら家々を周り募金を集めた。一体何がそこまで彼を突き動かしたのか、狂気のようなものさえ感じるエピソードである。

個人的に、バルセロナで一番胸に残ったガウディ体験は、グエル公園内にある「ガウディの家」を目にしたときのこと。

これが、あの華やかなアール・ヌーヴォー建築で人々を魅了した巨匠建築家の寝室? まるでクエーカー教徒の農夫の家のようではないか。

晩年のガウディが「聖人」と呼ばれていたという史実は知っていたが、ビジュアルでその倹約ぶりを突きつけられると、心の奥がぎゅっと締め付けられる。「聖堂を建てること以外に何もしたくない」と語り、この家と教会をひたすら往復していた、質素な身なりの老人の姿が目に浮かぶようだ。

一体、彼が何をしたっていうんだ。何を償う必要があるんだ、と小さな怒りさえ覚える。そうして、あの観光客たちを熱狂させる大聖堂が、飲み込まれたら二度と出てこれなくなる、美しい迷宮のようにも思えてくるのだ。

サグラダ・ファミリア

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<参考資料>

ガウディ よみがえる天才6」鳥居徳敏(ちくまプリマー新書)
入門 ガウディのすごい建築」鳥居徳敏監修(洋泉社)

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ウィーンのクリスマスマーケット2024、いち早く楽しんできました。 https://tripplanner.jp/topics/5139 Fri, 15 Nov 2024 11:04:23 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5139 ヨーロッパの冬のお楽しみといえばクリスマスマーケット。ドイツが一番有名だけど、オーストリアだって負けていない。…

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ヨーロッパの冬のお楽しみといえばクリスマスマーケット。ドイツが一番有名だけど、オーストリアだって負けていない。何しろウィーンのそれは1296年から始まった歴史あるイベントなのだ。

2024年は11月15日あたりから各地のクリスマスマーケットがオープン。ハプスブルク家ゆかりの宮殿やフォトジェニックなランドマークの前に多くの屋台が並び、寒い冬の景色を暖かく彩る。

私は、他の会場より一足先に始まったシュテファン大聖堂前とシェーンブルン宮殿前のマーケットへ。どこよりも早い(?)フォトレポートをお届けします!

1.シェーンブルン宮殿のクリスマスマーケット

開催期間:2024年11月8日〜2025年1月6日まで
屋台数:約99
URL

ハプスブルク家の夏の離宮で世界遺産のシェーンブルン宮殿。皇妃エリザベートゆかりの部屋や、6才のモーツァルトが演奏した鏡の間など、見どころもいっぱいの人気観光名所だ。

この優雅な宮殿の前がクリスマスマーケット会場。宮殿の見学はお高いけれど(全部の部屋が見られるグランドツアーが32€(今の為替だと約5300円!)、ご安心あれ、マーケットへの入場は無料だ。

案内図はこんな感じ。スケートリンクもある。

宮殿の前にはビッグなクリスマスツリーも。建築と呼応するようなゴールドオンリーの飾りつけがシンプルで美しく気品があり、貴族かよ!と(貴族です)。

ここのクリスマスマーケットは昼から観光客および地元民で大賑わい。家族連れも多く、スケートリンクでは子どもたちが大はしゃぎ。ウィーンっ子たちにとっては待ちに待ったイベントなのだろう。

干し野菜で作られたオーナメントのお店や、かわいいりんご飴が売っているお菓子のお店。
こだわり文具のお店も。

私は午前中に宮殿を見学していたので、ここでさくっとランチを。この日は寒かったので、あつあつチーズがとろーりのラクレットをいただくことに決定。

ラクレット普通は9.5€。グリューワインは1杯5€。

ほかほかのチーズトーストに温かいグリューワインが沁みる〜。ちなみにこのマグカップは料金の他にデポジットとして一つあたり5€徴収され提供され、返却すると5€戻って来るシステム。旅の記念に持ち帰りたい人は持ち帰ればいいし、いらん人は戻せば良し。

シェーンブルン宮殿のクリスマスマーケットは自然豊かな郊外にあるというのもあって全体的にのんびりしたイメージ。宮殿の広大な庭園も散策できるので、自然派の人におすすめのマーケットだ。

こんな広い庭もぶらぶらできる。

2.シュテファン大聖堂前のクリスマスマーケット

お次はウィーンの観光名所ど真ん中、ランドマークのシュテファン大聖堂前へ。

開催期間:2024年11月8日〜2025年1月6日まで
屋台数:約40
URL

屋台数も少なくこじんまりしているが、何せ街のど真ん中なので気楽に立ち寄れる。大聖堂とクリスマスマーケットの温かい光のコラボもフォトジェニックだ。

日本でも最近はポピュラーになってきたクリスマスマーケットだけど、やはりザ・ヨーロッパな歴史的建造物とともに楽しむマーケットは格別。絵になるわぁ。

ちなみに屋台の中身といえば、シェーンブルンでも見たぞ的チェーン店もあれば、そうでないものもあり。

ランプ、お菓子の家、スノードーム。
木製のオーナメント売り場
はちみつアイテムのお店はわりと定番ぽかった。

各クリスマスマーケット会場をめぐって、そのエリアでワンアンドオンリーの雑貨を掘り起こすのも楽しみ方のひとつなのかもしれない。

ちなみにここでのグリューワインはかわいい靴下型のものに入ってサーブ。お土産にマグガップほしいし飲みたい!と思ったけど、どこも長蛇の列…寒いしお腹すいたしでギブアップしてしまった。

ほかの会場がほとんどが11月15日からスタートなので、一足先に始まったこの2つの会場は、待ちに待った冬の風物詩を楽しむ人で溢れていた。寒い冬の暗い夜もこんなふうに彩れば楽しみに変わる……この催しは、ヨーロッパの人たちの暮らしの知恵でもあるんだろうな。

家にクリスマスツリーもないくせに、衝動的にオーナメントを買いそうになるなど、歩くだけで心踊るクリスマスマーケット。この冬はもう一箇所ぐらい巡ってみたい!と強く思うのだった。

※この2会場以外のウィーンのクリスマスマーケット情報はこのサイトが参考になりました。お出かけ前にぜひ。

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ググっても見つけられなかった、プリトヴィツェ湖群国立公園への行き方や回り方、チケット入手法など6つのお役立ちガイド。 https://tripplanner.jp/topics/5035 Thu, 22 Aug 2024 08:56:32 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5035 絶景ファンにはとても有名な、クロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園。エメラルドグリーンの大小さまざまな湖を、整…

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絶景ファンにはとても有名な、クロアチアのプリトヴィツェ湖群国立公園。エメラルドグリーンの大小さまざまな湖を、整備された遊歩道を歩きながら楽しめる、ユネスコの世界遺産だ。

プリトヴィッツェ湖群国立公園

首都ザグレブから車で約2時間ほどという、ほどよく便利な立地もあいまって、世界中から観光客が押し寄せる絶景スポット。もちろん、日本人にも大人気で、ちょっとググれば有益な情報がたくさん見つかる。

……が、意外と細かい情報となると見つけられなかったりしたので、今回は私が事前に情報を入手するのに苦労した些細な疑問6つと、現地で確認したアンサーをご紹介したい。

Q1. ザグレブからプリトヴィツェ湖群国立公園までのバスは、エントランス1でも止まってくれるの?

まず基本の行き方から。「ザグレブからプリトヴィツェ湖群国立公園 バス」などで検索すると、たいていFlixbusや、あるいはクロアチア語のチケット予約サイトなどに飛ばされたりする。しかし、できたら前日ぐらいまでキャンセル可能で日本語でも買えるチケットのほうが安心だ。

ということで、私が利用したのはGet Your Guide. 料金も片道11-13ユーロ程度と、ローカルバスと同じ料金(何なら少し安い)だし、アプリでチケットを簡単に発券できるし、何かあれば英語だがカスタマーサポートもあるし前日までならキャンセル無料で何かと便利。

ただ、そのチケットを見てみると、行き先がエントランス2の近くになっている。

バウチャーはさすがに日本語ではありませんのであしからず。

ちなみにプリトヴィツェ湖群国立公園にはエントランス1と2という2つの入口があり、両者は3キロ程度離れている。私が買った入場券はエントランス1。しかも、公園への入場はエントランスごとに厳格に管理されており、1のチケットを買った人は2からは入れないのだ

ということは、私、エントランス2近くのバス停で降ろされちゃったらエントランス1まで3キロ歩かなきゃいけないの…?

と不安に思い、色々ググったもののいまいちはっきりした情報がなかった。ということで、リアルに現地で入手した(というかバスの運転手さんに聞いた 笑)ファイナルアンサーをお伝えしよう。

大丈夫、エントランス1にもバスは止まってくれます!

ザグレブから行くバスなら先に着くのがエントランス1なので、寝過ごさないように注意。不安なら運転手さんにエントランス1で降ります!と声をかけておいてもいいかも(ま、起こしてはくれないだろうけど)。

Q2 エントランス1のチケットでエントランス2から入場できるの?

これは前の項目で話したけど、入れません。あらかじめどっちから回りたいかプランニングしておくのが肝心。

エントランス1から入ってすぐに見られる、名所の一つ、プリトヴィツェ大橋

Q3 公園のチケットは公式サイトから買ったほうがお得?

これはググるとみんなが口を揃えて言っているのだが、公園への入場券は絶対に予約しておいたほうがいい特にハイシーズンは死ぬほど混むので、当日窓口で入場券を…などと甘い考えで行くと、入れないか、もしくは入れても5時間後、みたいな悲劇が予想される。

プリトヴィツェ湖群国立公園
夢を壊して申し訳ないが8月のプリトヴィツェ湖群国立公園の一コマ。遊歩道から転げ落ちる人が出そう。

私の経験上、前日予約でも人気のエントランス1のチケットは午後3時入場みたいなものしか残っていなかったので、希望通りの時間に入場したいなら、念の為一週間前などに買っておくと安心だ。

そこで、多くのサイトで紹介されているのが、こちらのプリトヴィツェ湖群国立公園公式、オンラインチケット予約サイト:Plitvice Lakes National Park | Plitvice Lakes National Park

もちろん、公式サイトで買ってもいいんだけど、問題は一度買っちゃうとキャンセルできないこと。万が一雨予報になったりしたら辛いので、できればキャンセル可能なチケットがいいじゃない?

そこで活躍するのが、バスの項目でも触れたGet Your Guideだ。

なんとこのサイト、公式サイトと全く同じ料金でチケットが買え、しかも前日までキャンセル無料。サイトの使い勝手もいいし、いざというときキャンセルできるなら、絶対こっちがおすすめ!(PR案件じゃないですよ!)。詳細はこちら!

Q4 チケットの予約時間から遅刻したら入場できないの?

ということで、バスも入場券もGet Your Guideでらくらく買ったものの、一つ不安があった。私のバスは朝6:30発。移動時間の目安は2時間半とある。となると、到着が9時なので、9時の入場券を買ったのだが(その次となると10時になってしまい、入口でぼんやり1時間待つことのいやだし)、もし渋滞などで到着が遅れたら、もう入れなくなるのだろうか…?

こちらもググっても答えが見つからず、仕方なくGet Your Guideのカスタマーサポートに問い合わせてみた。それによると、「バウチャーに書かれた1時間過ぎるまでは入場可能」とのアンサーが!

ということで、1時間以上バスが遅れない限り入場できそう。私は運良くぴったり9時にエントランス1に到着し、窓口の人から「グレート!」と褒められたくらいのオンタイムな優良客であった。

Q5 見学ルートは変更できないの?

さて、プリトヴィツェ湖群国立公園にエントランス1から入場すると、こんなルート案内が出てくる。

下湖満喫して短期間か、ちらっと上湖までいってそこそこ楽しむか、がっつり両方の湖を楽しむか、みたいな提案であり、2時間から8時間程度まで4つのコースが紹介されている。

私は帰りのバスの時間も5時間後だし、Cの4ー6時間コースを歩くことにして出発。

しかし、朝早いうちはまだ良かったが、時間が経つに連れて混雑が激しさを増していき、滝の前まで行くのに行列に並ぶ、みたいなシーンにも遭遇し、普通に歩けば4時間もかからなそうなコースだったが、「これはひょっとしたら帰りのバスに間に合わないかも…」と不安になってきた。

途中遊覧船で移動するのだが、これに乗るのに1時間待つケースもあるらしい(私は待ち時間25分ほどで無事乗船)

ということで、Cのコースを引き返して、Google Mapを見ながらエントランス2へ向かおうと踵を返したところ、係員に「逆走しちゃだめ!」と怒られてしまった。そう、プリトヴィツェ湖群国立公園は、基本はルートどおりに歩かなければいけないのだ。

ちなみにプリトヴィツェ湖群国立公園公式アプリが現在地を表示できて便利なので利用していたのだが、そのアプリも決められたルート以外は一切ガイドしてくれない作りになっていた。

私は「あまりに公園が混んでいて帰りのバスに間に合わないかもしれないから、Cコースの最後の方をスキップしてエントランス2のほうに抜けたい」と係員に訴えたところ、「この先の2つの滝を超えたところでKコースの看板があるから、そっちに曲がってもいい」というお許しをいただいた。

わかりにくいが赤字がアプリでも教えてくれない抜け道ルート。こういうのは許してくれるっぽい。逆走はNG。

ということで「見学ルートは変更できないか」という問いに関しては概ねイエスといっていい。ただ、場所により選択肢がある、というぐらいか(しかしアプリや看板等には一切情報がないので、自力で係員に相談するしかない)。

Q6 入ったエントランスから出ないといけないの?

そして、アプリや看板のルート案内の問題点は、基本は入ったエントランスから出るルートになっていることだ。ただ、私は時間的にエントランス1まで戻る余裕がないし、そもそもバスはエントランス2の近くから出発するし(もちろんエントランス1にも止まってくれるだろうが集合時間とかいまいちわかりにくいし、バウチャーにエントランス1のバス乗り場も明記されていなかったので始発地点から乗りたかった)、帰りはエントランス2から出たかったのだ。

こちらもググってもわからなかったので、普通に係員に聞いた。

安心してください!どっちのエントランスからも出れます!

ということで、初めてのクロアチア、初めてのプリトヴィツェ湖群国立公園。IT業界25年選手の私がネットを駆使しても見つけられなかった(あるいは見つけるのが難しかった)6つの疑問についてレポートしてみた。

これは2024年8月時点の情報なので、今後アップデートがあるかもしれないが、ひとまずは最新版。グーグル先生が検索にひっかけてくれて、多くの人の役に立ちますように。

ただ、8月のプリトヴィツェ、私が行ったときは気温33度かつ激混みだったので、個人的にはこの季節は避けたほうが……。

プリトヴィッツェ
透明度が高いのでお魚がばっちり見える

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ギリシャのクレタ島、クノッソス宮殿以外に何があるんですか? https://tripplanner.jp/topics/4743 Tue, 25 Jun 2024 08:40:09 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4743 スペインはセビリアから、ポルトガルはポルトからと、ド定番の街以外から初めての国に入りがちな私。初ギリシャの目的…

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スペインはセビリアから、ポルトガルはポルトからと、ド定番の街以外から初めての国に入りがちな私。初ギリシャの目的地に選んだのもまた、やや横道とも言えるクレタ島であった。

とにかく猫だらけの島、クレタ島。

教科書の記憶が残っている人ならば、クレタ島と聞いてまず思い浮かべるのはクノッソス宮殿だろう。ギリシャの歴史の中でもトップレベルに古いミノス文明が誇る遺跡で紀元前1900年頃に建てられたと言われている。エジプトのピラミッドに迫る歴史があるので、古代史好きなら一度は行ってみたいと思う場所の一つだろう。

しかし、特に古代史好きでもなさそうなヨーロピアンたちがわりとクレタ島を好んで旅しているのを知るにつれ、「クレタ島にクノッソス宮殿以外に何があるのか?」という素朴な疑問が沸いてきた。聞けば、どうやら彼らは単にクレタ島を、ビーチも山も楽しめるリゾート地、と捉えているようだ。実際、各観光地のアクティビティを簡単に予約できて便利なGet Your Guideの画面もこんな感じで、クノッソス宮殿よりは明らかにビーチ推しである。

ギリシャはまだ行ったことがないし、エーゲ海の島は夏は死ぬほど混んで高くなると聞くし、安いうちにヨーロピアンに人気のリゾート地をちょっと覗いてみようではないか、と、6月のある日、私は一人飛行機に飛び乗ったのだった。

クレタ島第二の都市、ハニアから入国。

クレタ島最大の都市といえば、クノッソス宮殿にもほど近いイラクリオンだが、今回私が選んだのはハニアというクレタ島第二の都市近くの空港。ヨーロッパ各都市からライアンエアーという激安エアラインが就航しておりチケットが安かった、というのが選んだ単純な理由である。

非常にこじんまりとしているハニア空港

宿やレストランが集まるハニア旧市街までは片道2.5ユーロのバスが30分に1本くらい出ているので、それに乗って行くのがおすすめ。空港内に何の案内もないが、一歩外にでるとチケット売り場がわかりやすい場所にあるのですぐ見つけられるはず。

ちなみに、バスに乗ってきたのは私以外は全員白人であった。しかも英語話者が多い。今回は3日間の滞在だったが、この傾向はどこにいっても同じで、ほとんどアジア系の観光客を見かけなかった。イラクリオンを拠点にすればまた違ったのかもしれないが、ハニアは、特に欧米に人気のスポットという印象を受けた。

さて、私は何も完全に無計画でこの島にやってきたわけではなく、実は一箇所、どうしても行きたいと思っていた場所があった。それがサマリア渓谷でのトレッキングである。

ヨーロッパで2番目に長い渓谷とされ、全長13キロ。標高1250m地点にある村からスタートし、ひたすら下ってゴールは美しいビーチという絶景トレッキングコースだ。上りがないのもこの年になると嬉しいし、ハニア市内からはツアーもバンバン出ており、送迎付きで30ユーロくらいだったりするから、一人旅でも気軽に参加できる。

Get Your Guideではクノッソス宮殿を抜いて一番人気だった。

……と思っていたのに、クレタ島に着いた途端、6月半ばとは思えないほどの暑さにひるむ。天気予報を覗けば、予想最高気温が38度とある。

「40度近い場所で13kmのトレッキングしたら死ぬかな…」とビビり、トレッキングツアーの予約を断念。ほぼ第一の目的だったアクティビティが突如なくなり、この島で3日も何をすればいいのか、と初日から途方にくれるハメに。

宿のご主人に「この季節にこの気温は普通ですか?」と聞いたら「普通じゃない、8月の気温だ」とのこと。異常気象が残念すぎるが、後日「ギリシャで行方不明者続出、酷暑が脳に影響か」というニュースを目にし、「行方不明になった人たち全員が高温の中ハイキングに出かけていたという共通点」と書かれていたので、私の危険センサーは正しかったと言わざるを得ない。旅先で無理は禁物ですぞ…。

ということで、クレタ島で「クノッソス宮殿」(そしてサマリア渓谷)以外の見どころを、私が体験した中でざっくり紹介していこう。

ここは東京ディズニーシー? 石畳の小道とカラフルな建物がかわいすぎる「ハニア旧市街」

まずはフォトジェニックなハニア旧市街から。ここは迷路のように入り組んだ石畳の路地と、風景の一部みたいになっている、物欲がそそられまくる雑貨店や土産店に、インテリアもかわいいレストランやカフェ…と、女子たちが歓声をあげそうなかわいい場所である。

カーペット店でダレる猫

そして、「ベネチアン・ハーバー」と呼ばれる旧市街にある港は、もうまるで東京ディズニーシー

なぜ、ベネチアン・ハーバーなのかといえば、実はクレタ島は、1200年ごろから1670年ごろまで約470年間もヴェネツィア共和国の海外植民地だったため。

作家の塩野七生も『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』の中で、「東地中海では最大の島であるクレタは、今日でも東地中海に浮ぶ空母、と言われ、第二次大戦でも、イギリス軍とドイツ軍の死闘が行われたところで、戦略基地としての重要性は計り知れない。しかも、ヴェネツィアにとっては、戦略要地としてだけでなく、エジプトをはじめとする北アフリカ沿岸の都市との交易の中継基地として、なんとしても確保したい島であった。」と書いているように、この島は、世界最長の共和国と言われるヴェネツィア共和国の栄華を支えた重要拠点の一つだったのだ。

夜も人でいっぱいのハニア旧市街。夜遅くまで営業している土産店も多く、本当にテーマパークのよう。

ここだけは何としても死守したいというヴェネツィア共和国の願い虚しく、最後はオスマントルコがその支配権を奪い1646年から1898年年まではオスマン帝国領となったため、ベネチアン・ハーバーの一角にはモスクも残る。

かわいい小道だけではない、複雑な歴史を今に伝えるハニア旧市街なのである。

ピンクサンドビーチが有名、ハニアからお手頃価格でいけるエラフォニシビーチ

さて、サマリア渓谷行きを断念した私が選んだのは、ピンクサンドビーチで有名なエラフォニシビーチ。ハニアからも近いバロスビーチと悩んだが、ピンクの砂浜というのを一度は見てみたい、と今回はエラフォニシをチョイス。これもGet Your GuideやViatorなどでハニア発のツアーがバンバンでている。ツアー料金も37ユーロ程度で、ビーチだけでなく、途中にもう一箇所ぐらい名所に寄ってくれたりするのでひとり旅には嬉しい。

こんな山越えするので、車運転して行くのはハードル高そう。

途中、不思議なスピリチュアルスポット、教会でもある洞窟を見学して(これは別原稿で詳細書きます)、いよいよピンクサンドのビーチに到着。エラフォニシビーチの近くまでは車が入れないため、バスを降りて15分ほど歩く。

ビーチが見えてきた!
パラソルとベッドは有料。朝はやくいかないとパラソル席は売り切れてしまうので注意。

わー、普通にリゾート! 売店も公衆トイレもシャワーもあるし、快適そう!

…でも正直言ってピンクが微妙! 確かに近くで見ればピンクの砂もちらほら。でも写真でみたときはもっとずっとピンクだったぞ。加工しすぎちゃうのーん……?

後日行った人に聞いたら、その人が行ったときはもうちょっとピンクだったそうで、季節とか日によるのかもしれない。

とはいえ、この透明度。そしてどこまでもどこまでも続く遠浅の海。小さい子供も、泳げない人も、安心してくつろげるビーチ。なかなかのんびりできて良かった。少なくとも38度の中、山を歩くよりはずっと良かったと思っている。

ワインの名産地、ワイナリーでテイスティング体験

さて、クレタ島の名物といえば、オリーブとワインである。ワインにおいては、なんとミノア時代から作られているという長い歴史がある。ということで、ハニア旧市街の旅行代理店でふと目についたワイナリーツアーに申し込み。送迎付きで47ユーロ、ワイン5杯の試飲付きということである。

ちょっと高いが、正直他にやることがなかったし、車がないととても行けない丘の上のワイナリーにも行ってみたかったのだ。

ハニア旧市街からツアーに参加したのはなんと私一人。ドライバーの男子と二人でのんびりと田舎町にあるワイナリーに向かう。一人でも催行してくれるところがのんびりしていていい島である。

オレンジ畑、のどかな田舎町などを車窓から楽しみつつ、30分程度で、マヌーサキス ワイナリー (Manousakis Winery)に到着。

ワイナリーのショップ入口
花が咲き乱れるお庭も素敵。

現地にはすでに何組かツアーを待つ客が待機しており、私の到着を待っていた。さすがに現地ではワイナリー見学を一人でも催行とはいかないらしい。

セラーを見学したり、ワイン製造プロセスなどの説明を受けたら、お楽しみのテイスティングスタート!

テイスティング会場の雰囲気もいい。
ワインにはラスクとオリーブオイルが添えられていた。

私以外は全員カップルで、正直最初はちと寂しかったが、白2杯、ロゼ1杯、赤2杯を味わううちに、ぼっちテイスティングがなんぼのもんじゃい、といったいい気分に。要するに酔ったのであった。

ここのワイナリーはラベルのデザインにも非常にこだわりアーティストとコラボしているとか。お値段もかなり手頃。

カウンターもあり、ここでも飲めるのかも。

ショップも空間もとてもおしゃれで、自然豊かなワイナリー。インスタもあり、料理も美味しそう。ワイナリーに直接申込む場合のテイスティング料金は、公式サイトによれば15ユーロとのこと。車があるなら直接行くほうがお得そうですな。

毎週木曜日のお楽しみ、ハニアのファーマーズマーケット

さて、最後は素朴なマーケットのご紹介。調査段階ではハニア旧市街でトップレベルに行きたい場所の一つだった歴史ある市場は、なんとがっつり工事中。

壁しか残ってない市場。。。

旅先で市場に行くのを何よりの楽しみにしていた私にとってこの休業は痛い……と地元民に嘆いたところ、「毎週木曜日に小さなマーケットならやってるわよ」とのこと。ということで、行ってきました! 木曜ファーマーズマーケット。場所はハニアのこのあたり

ハーブやはちみつ。
フルーツや野菜。
クレタ産のチーズ。

クレタといえばのオリーブも。種類が多すぎる!

観光客というより地元民のためのマーケットで、お値段もお手頃。私はここでヤギのチーズとオリーブをお土産にゲット。どちらもたっぷり味見させてくれた。

ということで、クノッソス宮殿以外のクレタ島の見どころ、ちょっとはそそられましたか? 食事はどうなんじゃい。という方のために、食べ物編はまた別の原稿で!

エル・グレコという名前のホテルもあった。ちなみに画家のエル・グレコはクレタ島生まれ。

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永遠の都・ローマ女一人旅、徒歩で1日どれくらい観光名所をめぐれるのか? https://tripplanner.jp/topics/4657 Mon, 13 May 2024 10:18:54 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4657 何で今まで行かなかったのか、ローマ。旅を終えての感想は、そんな後悔にも似た思いだった。 海外旅行、特にヨーロッ…

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何で今まで行かなかったのか、ローマ。旅を終えての感想は、そんな後悔にも似た思いだった。
海外旅行、特にヨーロッパ旅行が好きで、これまで訪れた国は約40カ国、そのうち半分くらいはヨーロッパという私としたことが!

鉄板名所のコロッセオ。

ローマに行くのをためらっていた理由の大きなものは治安への不安だった。だってスリばっかりいる街なんでしょ?  歩いているとミサンガを腕に巻き付けられて料金請求されちゃうんでしょ? 写真撮ってあげるよって寄ってくるスマホ泥棒だらけなんでしょ?

基本は女ひとり旅派の私が震え上がるような情報ばかりが溢れていた永遠の都、ローマ。今回旅してみて、もちろん上記の噂には気をつけたほうがいいけれど(実際私には何も起こらなかったが)、別に治安が特に悪い感じはなく、ただひたすらに美しく、壮大な歴史を感じるすばらしい場所だった。ローマ、完全に誤解してたよ…なんかごめん…。

ということで、今後何回もローマに通う予感しかしない私が、女ひとり旅でどれだけローマを楽しめたか、まずは1日観光ルートをざっくり紹介します。

・ローマで見るべき鉄板観光名所とは?

初めてのローマなら、まずは観光ガイドの常連である以下の名所を見ておきたいのが人情というもの。

・コロッセオ  AD80年ごろ完成したという円形競技場。高さ48mと、今なら15階建てビルくらいの大きさ。すごい…。
・フォロ・ロマーノ コロッセオに隣接する遺跡。古代ローマ時代の官公庁街みたいなもの。
・スペイン広場 映画『ローマの休日』で一躍有名になった階段。
・トレビの泉 みんながコインを投げいれる泉。
・ナヴォーナ広場 ベルニーニによる噴水で有名な広場。周囲にはパンテオンなど見どころ多々。
・ヴァチカン市国 カトリック教会の中心地で、独立国家。ローマから徒歩で入れる異国。

ガイドブックなどでは、美術館などの割引付き・公共交通機関乗り放題のローマパス(2日以上滞在する人向け)がすすめられたりするが、上記だけなら特に必要を感じなかった。

なぜなら、上に挙げた箇所は基本はすべて徒歩で回れるから(ただし、1日10km歩いたけど)。地下鉄の駅を探して電車に乗って、というより歩いたほうが早い、というのがローマなのだ。ローマパスは博物館・美術館に行きまくる人向けかもしれない。

・ひとりで名所を徒歩でざっくり巡るローマ観光1日ガイド

まずはコロッセオ付近で朝10時半頃に観光スタート。さて、どこまで行けるかな?

第一目的地:コロッセオ&フォロ・ロマーノ

狙ったわけではないのだが、私が訪れた日はたまたま第一日曜日月に一度、ローマの博物館や美術館などが無料になるアート感謝デーみたいな日だった。本来ならラッキー!と喜ぶべきなのだが、無料デーゆえか、コロッセオの周りは超・長蛇の列。

最後尾が見えない…!

これでは中に入る頃には日が暮れてしまう…と、コロッセオは諦め、フォロ・ロマーノだけでも見ようと入口を探していたら、スタッフらしき人が「そこは入口じゃないよー」と注意してきた。入口はどこ?と聞くと「入口はあっちだけど今日は入るまでに5時間かかるよ」とのこと。
「でもあっちで旗持っている人のツアーに入れば、すぐ入場できるしコロッセオも見られるよ」と彼はいう。博物館のスタッフのような服装をしているが、なんてことはない、ツアーの客引きだったのだ。

とはいえ、ガイド付きで30ユーロとのことだしあの列に並ぶのは辛いし、ということでツアーに参加することに決定。この時点でなんやかやで11時近くなっていたのだ。時間を金で買おう。

とはいえ、説明やらスピーカーホンの配布やら移動やらで、フォロ・ロマーノに入れた頃には12時をまわっていた。普通に並んでいてもコロッセオに入れたのでは…と思わなくもない。

フォロ・ロマーノに足を踏み入れたときの感想は「壮大な廃墟」というものだった。こんなに巨大な崩れかけの建築を街の真ん中に抱え込んでいられるローマの豊かさに圧倒される。平らな土地が貴重な日本なら、すぐ埋め立てて新しい建物をこしらえるはずだ。

たまに「保存状態がいい!」と思うものはあるが、多くは、一部を残して最近(といっても数百年前だが)増築されたものだったりする。たとえば上の「アントニヌス・ピウス帝とファウスティーナの神殿」は、正面の階段と円柱のみが141年頃のもので、背後にある教会は18世紀頃に作られたものだとか。

ローマの歴史書を読み、皇帝の名前などを覚えてから行くと、「おお、ここがカエサルが演説した…」などと感銘に浸れると思うが、何の知識もなく行くと柱などがゴロゴロ転がっているだけの廃墟、みたいに感じてしまうかもしれない。

足元を見るとこんな風景。

この日は5月だというのに汗ばむ陽気で、ひたすら喉が乾いたが、フォロ・ロマーノ内には飲水を汲める水道がいくつかあるのでペットボトル持参で行くのがおすすめ。ローマ帝国時代に作られた水道設備から未だに水が供給されているというローマなのだから、水道水だってある意味観光資源でもあるのだ。

さて、フォロ・ロマーノを見学し終えたら、次はコロッセオである。正直、「外観だけでいいかもな…」と思っていたが、中には入れば、細部も細かく見られてそれはそれで楽しい。

たとえばこの虫食いのような無数の穴ぼこ。これは、この中に埋められていた石と石の間を強化する鉄の部品をほじくり出した跡だそう(詳しくはこのYouTubeを)。これだけ骨抜きにされてもしっかりと建ち続けた遺跡、建築技術がすごすぎないですか…?

中に入れば、手の込んだ建築なども一望できる。やっぱり時間があれば中に入ってみるのがおすすめ。しかし、娯楽のためだけにこれほどの規模の施設を作っちゃうなんて、ローマ人どれだけエンタメ好きなのか。

コロッセオ&フォロロマーノ ひとり旅向き度 ☆☆☆☆☆

なんと、コロッセオを後にした頃には15時近くなっていた。ツアー開始の待ち時間もあって、コロッセオ前に到着してからなんだかんだで4時間以上もかかってしまった。これから残りの鉄板名所、全部クリアできるのか?

近くのカフェでパニーニをさっとつまみ、次の目的地、ナヴォーナ広場&パンテオンへ取り急ぎ向かう。

<余談>フォロ・ロマーノは、フォリ インペリアリ通りから見下ろすだけでもよかったかも。

コロッセオからナヴォーナ広場までは、フォリ インペリアリ通りという道をひたすらまっすぐ歩く。個人的な感想だが、フォロ・ロマーノの中を歩いたときよりも、この通りを歩いたほうがずっと心に残った。

この通りはご覧のようにだだっぴろい道なのだが、フォロ・ロマーノ沿いに通っていて、歩道からあの世界遺産を優雅に見下ろすことができる。

死ぬほど苦労して入ったフォロ・ロマーノが無料で見放題。

古代ローマ遺跡なんて俺達にとっては日常なんだ、たいしたことないぜ、的なローマの壮大さ、懐の大きさは、この道からのほうがひしひしと感じ取れた。そして彼らの、歴史へのリスペクトも。

個人的には、見学にやたら時間がかかるフォロ・ロマーノの内部見学は余裕があるときにして、初めてのローマ観光なら、ここから見下ろすだけでまずはいいのではないかと思ってしまった。

・ナヴォーナ広場周辺は、無料の「生きた美術館」だった。

さて、次の名所、ナヴォーナ広場周辺へ。ここは無料で楽しめる名所が多く、有名なアート作品もごろごろ。まずは、パンテオンの裏手にある小さな教会、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会へ。ここにはなんと、ミケランジェロ作のキリスト像が残っているのだ。

ローマ名物オベリスクの前にある外観はシンプルな教会。オベリスクを背負っているゾウさんは巨匠・ベルニーニが手がけたものとか。
腹筋が割れている肉感的なキリスト。こういうところがミケランジェロっぽい。

同じことを毎回書いているけれど、私は美術館などに「移築」された美術品より、もともとあった場所で見るアートが好きなので、教会の祭壇画とか彫刻は大好物。建築やインテリアと呼応して輝くアートの素晴らしさよ。

続いては、古代ローマ時代の建築がほぼ完全な形で残されているパンテオンへ。こちらも無料開放日のせいで中に入るにはかなり待ちそう…ということで諦めて外観だけパシャリ。ミケランジェロが「天使の設計」と賞賛したという神殿、次こそは中に入りたい。

ちなみに無料開放デーは、結局大行列に並ぶ羽目になるので、個人的には普通の日に来てお金払ったほうがいい気がした(あるいは人気のない場所だけ狙う)。

そこから徒歩2分くらいの場所にあるサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会は、アート好きならぜひ足を運びたい名所。何しろカラヴァッジョがローマで一躍有名になるきっかけとなった出世作、マタイ三部作があるのだ。

内部でひときわ人だかりがある場所が、その絵が飾られているコンタレッリ礼拝堂。絢爛な内装とセットでこんなすごいアートが、しかも無料で見られるなんて、ローマに来た甲斐があったというもの。ちなみに中心に描かれている「聖マタイと天使」には面白い逸話が残っているので、ぜひ山田五郎さんのYouTubeで確認を。

建築もひたすら優雅で、キラキラ!!

このエリア最後の見どころ、ナヴォーナ広場はカラヴァッジョの教会から徒歩すぐ。

マラソンのトラックのような楕円形の広場は、ローマ帝国時代は競技場だったとか。ここに17世紀、ベルニーニにより四大河の噴水が作られ、ほぼ現在の景色に。

ローマを歩いていてつくづく思ったのは、この街ではミケランジェロよりベルニーニ、とにかく彼の存在感がすごい。

日本だと彫刻家としてはミケランジェロの知名度が圧倒的で、ベルニーニなんて、アート好きの人以外はほとんど「はて?」という感じ…ですよね?

Wikipediaによれば、「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」とか言われているらしいけど、実際に歩いてみるとそれをひしひしと感じる。本当に今の街の骨格を作ったのはベルニーニなんだろうな、と初めて来た私ですら察するレベル。

ベルニーニ作「四大河の噴水」

ミケランジェロの彫刻はすっきり整っている印象だが、ベルニーニのそれはとにかく「躍動感…!!」という印象。さすがバロック。

ベルニーニ作「ムーア人の噴水」

そして、ベルニーニの作品はちょっとおもしろいところがいい。上手いだけでなく、ユーモアを感じるのだ。

この「ムーア人の噴水」とかちょっと笑ってしまった。おっさん、何しとんねん。

ナヴォーナ広場周辺 ひとり旅向き度 ☆☆☆☆☆

・トレビの泉

ナヴォーナ広場からスペイン階段を目指す途中にトレビの泉があるので、ここから追い込んであと2箇所見ていこう。ちなみに、この時点でもう夕方の6時半を回っている。日が長い季節に来たので余裕だが、冬ならこのあたりで観光はジ・エンドかもしれない。

トレビの泉ってコインを投げるとまたローマに来られるってやつでしょ? と思っていたら、ガイドブックによると、そう単純でもないらしい。

曰く、「投げ方は右手にコインを持ち左肩越しに投げる」「一枚投げればローマにまた来れる」「二枚投げれば恋が叶う」「三枚投げれば結婚または離婚(!)できる」。

とりあえず一枚投げておいて、次までによりディープな願いを考えておくことにしよう。

とにかく人でごった返していて前に進むのも大変。さすがにスリがいそうなのでリュックを前に抱え厳重な体制で近寄っていく。何でここにこんなに人が集まるのか…?と思わなくもない。

まぁ確かに優雅ではある。バロック建築の傑作でもあるらしい。でも、ローマの街にこれぐらいの優雅はゴロゴロしているので、個人的には一回見ればいいかな、という感想。

トレビの泉 ひとり旅向き度 ☆☆☆ ※シャッターを押してくださいと頼みにくいという意味で。

・スペイン広場

あああ、とても今日1日でバチカン市国までは無理だった…。コロッセオ&フォロ・ロマーノの外観だけ見ていれば余裕で行けた気がするが。

ということで1日観光の最後はスペイン広場でフィニッシュ。トレビの泉からは徒歩15分ほど。

眼の前にどーんとある噴水は、一説にはベルニーニの父親によるものとか。ここも正直、なんてことなはない階段なんだが、やはり映画『ローマの休日』でオードリー・ヘプバーンがジェラートを舐めながら歩くシーンが印象深いゆえ観光名所となっている。ちなみに現在は飲食禁止なのでヘプバーンごっこはできません

とりあえず記念撮影。つい仁王立ちしてしまい、ヘプバーンとの差が歴然と。

まぁ、ただの階段といえば階段なので、映画を見ていない人にはいまいち感動ポイントが見つけにくいかもしれない。ただ、いいところは、スペイン広場のまわりは高級ブティック街で、かわいい小さなお店も散見されること。ぶらぶらとウィンドウショッピングを楽しむのも、女子旅的にはありかもしれない。

スペイン広場 ひとり旅向き度 ☆☆☆☆

ということで、バチカン市国以外は徒歩で難なくクリアできたローマ鉄板観光名所めぐり1日編。入場に行列する必要がない、街の風景を楽しむことがメインのコースだったのも勝因の一つ。足は棒になったけどな!

美術館や博物館に入ってゆっくりアート鑑賞するととてもこうはいかないが、初めてのローマなら、まずはざっくり街の規模感を掴んでおくのも良いかと思う。何しろ街全体が美術館と言われる古都、歩くだけで心躍るはずですよ。

ナヴォーナ広場近くで大行列していたジェラート店「フリギダリウム」。気になったけど先を急いでいたのでスルー。次は食べてみたい!

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写真で選ぼう、京都の紅葉。穴場の小さなお寺も見逃せない! https://tripplanner.jp/topics/4462 Sun, 12 Nov 2023 12:23:07 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4462 京都の紅葉、どこで見るか決められない人のために、私が過去に訪れて心打たれた風景を写真でご紹介。ピンと来たら、写…

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京都の紅葉、どこで見るか決められない人のために、私が過去に訪れて心打たれた風景を写真でご紹介。ピンと来たら、写真下の詳細情報をチェック。混雑具合など個人的感想も添えていますよ。

(1) 京都屈指の紅葉の名所は混雑もすごいけどやっぱりすごい

こちらは京都で紅葉といえばまず名前が挙がる、超名所の永観堂 。歴史ある建造物や仏像鑑賞も楽しみだが、紅葉の季節はのんびり庭園を散策するのが楽しい。紅葉は赤一色よりも、緑や黄色などが混ざっていたほうがキレイよね、と実感できる、鮮やかな色彩を堪能できるはず。拝観券を買うまでも結構な苦労なので、なるべく早朝を狙うのがおすすめ。

永観堂公式サイト

(2) 山門楼上から見下ろす京都市街が絶景、時代劇でもおなじみのお寺

美術館などアートスポットも多い岡崎エリアにある浄土宗の大本山、金戒光明寺。ここはぜひ夕暮れどきを狙って行き、山門から階段を登って京都を見下ろしてみたい。

紅葉シーズンは夜間ライトアップも実施。永観堂に比べれば人も少ないけど、まぁそこそこ混むので穴場とまでは言えない。ちなみに幕末は京都守護職の会津藩の本陣としても使われたので、時代劇ファンにはおなじみのお寺でもある。

金戒光明寺公式サイト

(3)真っ赤なもみじが印象的、そこそこ穴場の「女人守護」のお寺

金戒光明寺近くにありながら、ぐっと人手も少ない、わりと穴場の紅葉名所「真如堂」。ここはとにかく真っ赤系の紅葉を楽しみたい人におすすめ。三重塔とモミジのコラボなど、ザ・日本の紅葉でとてもフォトジェニック。ちなみに年に一度だけ公開される御本尊の阿弥陀如来立像は、女人守護の仏様として有名だ。

真如堂公式サイト

(4)重森三玲のモダンな庭で探したい、小さな紅葉

これまで紹介した紅葉の名所に比べれば、赤みが圧倒的に少ないが、個人的におすすめしたいのが東福寺の塔頭、光明院。昭和の作庭家・重森三玲が手がけたモダンな枯山水「波心庭」が素晴らしく、禅寺ならではの削ぎ落とされた美を堪能できる。

この小さなお寺で探したいのは、カーニバルのような色の洪水ではなく、こんな小さな紅葉。有名寺社からちょっと離れてポツンとある立地のせいか、人も少なめで穴場なのもいい。もちろん東福寺も超が付く紅葉の名所、あわせて訪れてみて。

光明院公式サイト

(5)あの有名紅葉名所のとなりにポツンとある、小さなお寺

永観堂と並ぶ京都屈指の紅葉名所、南禅寺。その入口入ってすぐのところにある塔頭、天授庵は、本堂から眺める絵画のような枯山水庭園、優美な池泉廻遊式庭園で知られる紅葉の名所。こちらも南禅寺に比べればぐっと人も少なく、ある意味穴場。しかし京都のお寺は塔頭が素晴らしすぎますな…。

・南禅寺天授庵(Google Map)

(6)嵐山を借景とする庭園が見事、春・秋以外は公開されない紅葉名所

また塔頭になるが、世界遺産・天龍寺の塔頭、宝厳院の紅葉もいい。回遊式山水庭園 「獅子吼(ししく)の庭」は、苔の緑、紅葉の赤、岩や石のグレーと、目にも鮮やか。塔頭といいつつ結構大きなお寺で、紅葉の名所として大人気、春秋の特別公開期間中はたくさんの人で賑わう。

宝厳院公式サイト

なんだかんだで塔頭推しになってしまった京都紅葉ガイド。紹介した以外にも名所はたくさんあるが、個人的には、迷ったら超有名なお寺の塔頭を狙うことにしている。ハズレがないので選ぶ基準としておすすめ。

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ベネチア屈指の「映え」スポット、カラフルすぎるブラーノ島を知っていますか? https://tripplanner.jp/topics/4370 Mon, 09 Oct 2023 10:15:41 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4370 水の都・ベネチアに行くなら、個人的に強くおすすめしたいのが、船でさくっと行ける近隣の離島、ブラーノ島へのショー…

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水の都・ベネチアに行くなら、個人的に強くおすすめしたいのが、船でさくっと行ける近隣の離島、ブラーノ島へのショートトリップだ。

ま、ベネチア本島もいいんですよ、風情があって。とはいえ、街はどこかすすけているし(思ったより落書きも多かったりする)、細い水路に狭い道といった迷宮感あふれる島は、歩いていていささか疲れないでもない

観光ガイドに載らないベネチアのリアル。わりと壁とかボロボロだった。この島の観光疲れについては、前の記事「登山より辛いベネチア観光、水の都は足腰が強いうちに行け!」で語っているのでここでは繰り返さない

そんな島からわずか11キロしか離れていないにもかかわらず、ブラーノ島はまるで別世界。世界中の人を魅了するカラフルアイランドとして大人気なのである。

行き方、歴史などブラーノ島をざっくり紹介

ブラーノ島への行き方は簡単だ。サンタ・ルチア駅前から、ベネチア唯一の公共交通機関といえる水上バス(ヴァポレット)がばんばん出ている。

しかもよほど人気なのか、スタッフが常に「ブラーノ島行きはこっちだよー!」的な叫びをあげているので乗り場も迷わない。切符は75分券で9.5ユーロである。

いざ、出発! 公共交通機関とはいえ船旅なのでアトラクション感もたっぷり。

ヴェネツィアングラスで有名なムラーノ島を経て、約40分程度でブラーノ島に到着。さすがは人気スポット、たくさんの人が下船していく。

港からちょっと歩けば、もうこんな風景だ。

全体的に紅茶で煮しめたような色合いだったベネチア本島から来ると、目の覚めるようなパワーあふれる色彩の洪水。元気出るわぁ!

かつては貧しい漁師ばかりが住んでいたというブラーノ島。漁から戻る彼らが自分の家を見分けられるようにと、こんなカラフルな家になったのだとか。

ブラーノ島観光、所要時間は? お土産は?

さて、歩いているだけで心踊るブラーノ島だが、映えている以外に何かあるのか?といえば、有名なのは名産のレースだろうか。

もともと貧しい漁村だったブラーノ島だが、16〜18世紀に伝統工芸のレース編みが作られるようになり、やがて世界中に輸出される名産品に。島の経済も大変うるおったとか。

街のあちこちにレースのお店がある。

ということで、今もレースのお店があちこちにある。街歩きしながら、お土産探しを楽しむのもいいだろう。

ただ、個人的にはカラフルな家をただ眺めるのが一番楽しかった。

カラフルにカラフルを重ねた扉がユニークな誰かのお宅は人気の記念撮影スポットになっていたり、

大体の家には扉代わりのカーテンが。ちょっと日本のすだれ的な役割を感じる。

扉代わりのカーテンもまた一軒一軒カラフルだったり、

壁と扉の色のコントラストがビビッドで印象深い家があったりと、それぞれ個性があって、見ていて飽きない。

とはいえ、小さい島だし、あっという間に徒歩で見終わってしまうのも確か。ゆっくり買い物したり、ランチしたりせずさっと歩いて見て回るだけなら、最短90分で見終わるのではないかと思う。ゆっくりしたいなら、ランチなども楽しんで3−4時間といったところか。

「ヴェネツィアとその潟(ラグーン)」として、ベネチア本島、ムラーノ島と共に世界遺産に登録されているブラーノ島。楽園というか、おとぎ話というか、ディズニーランドというか、とにかくわかりやすく楽しい場所なので、万人におすすめ。

ベネチアの街歩きに疲れたら、さくっと船で逃避してみよう。パワフルな色からパワーをもらえますぞ。

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標高2518m、イタリア・ドロミテの超名所セチェーダ山に登ってきました(ケーブルカーで) https://tripplanner.jp/topics/4261 Tue, 15 Aug 2023 10:49:01 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4261 イタリアの世界自然遺産ドロミテで、特に人気の場所のひとつが、標高2518mのセチェーダ山(Seceda)だ。ナ…

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イタリアの世界自然遺産ドロミテで、特に人気の場所のひとつが、標高2518mのセチェーダ山(Seceda)だ。ナイフのように鋭利に尖った大迫力のガイスラー峰群を一望できる絶景スポットである。

荒々しい岩肌が特徴的なドロミテの山々は、エリア内のどこからでも遠くに見ることが出来るが、せっかくここまで来たのなら、もっと間近で見たい、と思うのが人情というもの。東京タワーだって、六本木ヒルズから間近で見るとまた違った感動があるでしょ。

でも、ロッククライミングの経験もない私が、あんな岩山のてっぺんまで行けるはずがない…と写真だけ見て諦めていたが、現地近くの村の観光案内所で、誰でも簡単に登頂できることを発見。

詳しくは別原稿「イタリアのドロミテ・トレッキング、女ひとりで公共交通機関だけで行けますか?」に書いたが、ボルツァーノという鉄道駅からバスとケーブルカーで女や子どもでもさくっと行けるのである。

ということで、実際に行った私が、その絶景やおすすめのランチスポット、見た目のインパクトがすごいチロルの郷土料理などを紹介します。写真載せすぎぐらい載せているので、ぜひ最後までお楽しみ下さい。

・ ケーブルカーの終点からセチェーダ山頂まではなんと徒歩10分

バス停からセチェーダ山頂まではケーブルカーを2回乗り換えて約20分。

往復39.5ユーロという衝撃の価格だが、ディズニーランドのチケットだと思って投資しよう。
いよいよあの岩山エリアに入って参りました。

ケーブルカーの山頂駅には、レストランなども完備。ここでうっかり何か食べたくなるかもしれないが、もっとおすすめの絶景レストランがあるので、ここはぐっとこらえて、まずは絶景スポットに行ってみよう。

ケーブルカーの駅の裏に、丁寧に絶景スポットまであと10分だよ〜と教えてくれる看板がある。なだらかな斜面に沿って設けられた歩きやすい遊歩道を少し登れば、あっという間に山頂である。

山頂にどーんとキリスト像。

足首までカバーするガッチリとした登山靴に、雨具にライト、行動食、水2リットル、防寒着まで入れたリュックを抱えてきた私、完全に装備過剰。ここを起点に山を下るルートを取るなどガチ登山組じゃない限り、軽装で十分だったかもしれない。

・ セチェーダ山頂で楽しめる風景いろいろ

さて、ここからほ、ほぼフォトギャラリー。山頂付近をうろうろして捉えた風景をシェア。

遠くから眺めていたときは桁違いの迫力の岩山群
見る方向を変えると、少し優しい風景になる
整備された遊歩道をのんびり歩く。
かわいいお花と荒々しい岩のコラボ
ほぼ負荷の高い運動なしで厳しい岩山にここまで接近できた!

元気な人達は、上の写真の岩山のてっぺんまでよじ登っていたが(さすがにその場合は登山靴が必須だろう)、私はこの眺めだけで満足したので、のんびり山を下ってみることに。

・絶景レストランで味わう、衝撃の「チロル風餃子」

岩山から目をそらして下を見れば、アルプスの少女ハイジが駆け出してきそうな、のどかな風景が広がっている。

整備された遊歩道をぶらぶらと下っていくと、何やら人だかりのある建物があるではないか。

なんか人がいっぱいいるぞ。

人だかりの正体は、山の上のレストラン、Baita Sofie Hutteである。

ここはテラス席や、外に設けられた青空シートからドロミテの絶景を楽しみながら食事が出来る贅沢なスポット

何この天国感…!

ガチ登山服で来たのがアホらしくなるほどのリゾート感。こんなところで午後カクテル飲みながらのんびりすごすなんて貴族か。

しかし、この青空シートは大人気らしく、お昼時はほぼ着席が不可能だったので、私はひとりでテラス席へ。

まずはかけつけ一杯。この地方はほぼドイツなので、ビールが美味しい。メニューは、豪華な肉のステーキやパスタやラビオリなどが並び、イタリアンとドイツの混在といった印象。

そんな中、私の目を引いたのは、こちらのメニューの上にある、南チロル風餃子(South Tyrolian dumplings)である。

味はほうれん草とビートルート、チーズの3つの種類とのこと。餃子の皮に3種類の餡が包まれた、きっとポーランドで食べたピエロギみたいな餃子なんだろうなと想像し、せっかくならば郷土料理を、ということでオーダーしてみた。

すると……。

 

なんか想像してたものと全く違うもんが来たーーー!!!

これをdumplingって英訳するのどうなのよ、これは餃子じゃなくて団子でしょう!と思ったけど、団子も英語ではdumplingだったのね…。

断面図

ひとくち食べてみると、野菜と小麦粉をこねて茹でました、といった味。長野のおやきでも思うけど、山岳地帯の料理って主原料が粉と野菜になりがちだ。

後でググッてみれば、これはカネーデルリという南チロル地方の郷土料理。固くなったパンを美味しく食べるために生まれたレシピで、辻調理師専門学校のサイトには「入れる材料に決まりはないので、好きなものを加えて団子状にすれば出来上がりです」とある。シンプルすぎる…!

でもまあ、食べてみると、独特のふんわり食感は悪くない。パンをまるめて茹でただけでこんなにふわふわになるなんて不思議である。

パンといえば、食事に添えられたパンも日本では見ない珍しいタイプで美味しかった。特に薄くてパリパリの左側のパン。

これだけでお腹いっぱいになりそうな量が供された

なんだかんだで美味しくいただき、ビール片手に絶景を愛でる癒やしのひとときを満喫。

あとで地元のスーパーに行ったら普通に売ってた。
自転車でここまで来た猛者ども。
レストラン近くには放牧された牛も。

食後は少し坂を登ってケーブルカーの山頂駅へ。滞在時間は2時間くらいだっただろうか。
体への負担もほぼなく、手軽に絶景が楽しめるいい山でした。これならもう一山いける!と次に向かった先については、別の原稿で改めて。

今度はレストランの青空シートを予約して、友人たちとわいわい来たいなぁ。

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