トリッププランナー編集長 Miki https://tripplanner.jp/topics/author/miki 少し違う旅のアイデア Thu, 05 Feb 2026 05:20:53 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9.1 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png トリッププランナー編集長 Miki https://tripplanner.jp/topics/author/miki 32 32 イタリア・ミラノで何見る?どこ行く? 鉄板名所とそうでもない名所をめぐる1日観光コース https://tripplanner.jp/topics/5931 Thu, 05 Feb 2026 05:20:53 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5931 ミラノ・コルティナ2026オリンピックで盛り上がっているタイミングなので、個人的視点でミラノ街歩きガイドをお届…

The post イタリア・ミラノで何見る?どこ行く? 鉄板名所とそうでもない名所をめぐる1日観光コース appeared first on トリッププランナー.

]]>
ミラノ・コルティナ2026オリンピックで盛り上がっているタイミングなので、個人的視点でミラノ街歩きガイドをお届け。

読み手のペルソナとしては「有名観光スポットはもちろん押さえたいが、それほどでもないけど一部で話題の場所にも行ってみたい。美味しいものを食べたいが、高級レストランよりは庶民的なグルメに惹かれる。もちろん移動は徒歩と地下鉄だ」という(私のことだ)、まぁ日本人の8割ぐらいに当てはまるのではないかというタイプに設定してみた。

実際に訪れてみた場所を【鉄板名所編】と【一部で話題編】の2つに分けて、個人的推しポイントを絡めながら挙げていきます。オリンピックで湧く街の、スタジアムの外の風景に思いを馳せてみてください。

ミラノで見るべき観光名所【鉄板名所編】

1. ミラノ大聖堂(ドゥオモ)  Map

ドゥオモ
ミラノのドゥオモ

ミラノの観光ガイドの表紙を飾る率ナンバーワン、文句無しのミラノのアイコン

写真では何度も見ていたので、実際に行っても感動しないかもな…などと思っていたが、地下鉄を降りて眼の前にそびえる白亜の大聖堂を目にしたときは、思わず「うわぁ…」と声が出た。

想像以上にでかいのと、白大理石の神々しさが、眼の前に何も遮るものがない広大な広場の効果も相まって、圧倒されるほどの美しさ。さすがはイタリア最大のゴシック建築。最も高いものは108.5mもあるという135本の尖塔で飾られた大聖堂は完成まで500年かかったという超力作。これは絶対に見ておくべき!

ドゥオモ内部

内部ももちろん華麗。ステンドグラスが美しい。

そんな隙のないゴージャス美女みたいな大聖堂だが、実は外観をよく見るとほっこり彫刻がいくつもあったりして和む。こういうおもしろ彫刻をもっと間近でみたいなら、大聖堂併設の宝物庫に行ってみよう。かつて飾られていた彫刻が保管されていて、間近で見ることもできる。

宝物庫に残る彫刻たち。狛犬とか石像好きならコ゚ー。

2.ヴィットリオ・エマヌエーレ2世ガッレリア Map

ガッレリア
ガラス張りのドームが印象的な建築は建築家ジュゼッペ・メンゴーニによるもの。

ドゥオーモの横にある優美な大アーケード、通称ガッレリア。ガッレリアとはイタリア語でアーケードのことで、なんとここが世界で最初のショッピングアーケードだとか。

プラダなどの高級ブランドの本店などが連なるとても貴族的な場所。移動は徒歩か地下鉄で、などという庶民が楽しめるのは、ウィンドウショッピングと建築鑑賞、「幸福になれる」という噂の雄牛のレリーフの上でくるくる回るくらいだが、ここも一応見ておく名所だろう。

くるくる回ると幸福になれる? という名所も。

詳細は「ミラノの人気観光地、巨大アーケード「ガッレリア」で体験したい5つのこと。」にまとめてあるので興味があったらこっちを見てね!

3.ブレラ美術館 Map

ブレラ美術館

ルネサンス絵画の傑作を収蔵する、ミラノを代表する美術館。元は17世紀にイエズス会の建物として建てられた建築の中は、部屋ごとに壁紙の色が変えられていて楽しい。

フィレンツェのウフィツィ美術館はTheクラシック貴族の館という印象の内装だったが、こちらはミラノという土地柄なのか、空間を印象付けるのは壁紙の色だけ、というすっきりモダンなインテリア。美術館にも土地柄が出るものだ。

カラヴァッジョの名画「エマオでの晩餐」
カラヴァッジョの名画「エマオでの晩餐」

ブレラ美術館

ラファエロやベッリーニなどの巨匠の絵画もあるが、アートに詳しくなくても、絵画の隅々を眺めて、意外なゆるキャラを発見したりも楽しい。たとえば、このヴィンチェンツォ・カンピの「台所」という作品。

ヴィンチェンツォ・カンピの「台所」
ヴィンチェンツォ・カンピの「台所」

よく見ると、犬と猫が喧嘩していて猫の怒りっぷりが可愛い。

フーッとなっている猫たん。

難しいことがわからないときは、こんな”粗探し”に興ずるのもあり。アートなんて自由に楽しめばいいのだ。

4.サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会 Map

最後の晩餐
撮影はフラッシュ厳禁。

レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』で有名なドメニコ派の修道院。あまりにも人気なので、当日ぶらりと行ってもまず入れない。必ずミラノの旅行日程が決まったらオンライン予約サイトでチケット予約をしておこう(Get Your Guideが便利です)。入場にはパスポートが必要になることもあるので持参を。

修復されているとはいえ、すすけたように色が落ちはかなげな印象の名画が、薄暗い空間におぼろげに浮かび上がるさまは幻想的だ。

しかし、この”おぼろげ”、実は狙ったものではなくダヴィンチのチョンボだったらしい。詳細は山田五郎さんの人気YouTubeチャンネル「大人の教養講座」の「【最後の晩餐】知られざるレオナルド・ダ・ヴィンチの挑戦と失敗!?」を鑑賞推奨。

この修道院があるあたりは、ドゥオーモ周辺のきらびやかさとは違い、レンガ造りの建物や雰囲気のよい小路、個人経営のカフェやギャラリーなどがあって、ぶらぶら歩くのも楽しかった。白大理石がまぶしいガッレリア周辺とは全く違う風情を楽しんでほしい。

グラツィエ教会
最後の晩餐から徒歩すぐの場所にあるグラツィエ教会

5. ナヴィリオ地区  Map

ナヴィリオ地区

中世のミラノの風景を今に伝える、運河沿いのまち。かつてはヴェネチアのように運河がはりめぐらされていたというミラノの片鱗を遺し、高級ブランドがひしめくファッションの街・ミラノの印象をぐっと変えてくれる田舎町のような風情がいい。かわいいカフェやギャラリーなども多く、週末は骨董市などで賑わう、観光客だけでなくローカルに人気のスポットだ。個人的にミラノで訪れて一番好きだったエリア。日本人ってあまりにも大きいもの(ドゥオーモ)やキラキラしすぎるもの(ガッレリア)に免疫ないのかも。

こちらも詳細は別記事「ミラノに行くのは月末がベスト!? ミラノ最大の骨董市、ナヴィリオ・グランデの蚤の市が楽しい。」にたっぷり書いているのでぜひチェックを!

6.スフォルツェスコ城  Map

14世紀にミラノを支配したヴィスコンティ家の居城跡で、その建築にはレオナルド・ダ・ヴィンチも加わったとか。

スフォルツェスコ城

とにかく広いのだが、場内の美術館に入場しない限りは、正直「広いな…」という印象しかない。時間がある人はぜひ美術館に行ってみてください。私は時間の関係で美術館に入れず、建築を見ただけだが、とりあえずミラノの名所の一つなので来てみた、以外の感想がない。しいて言えば、その広大すぎる空間に、昔のミラノ貴族の財力すごい…と肌で感じたくらいか。

都会の喧騒に疲れ、広々とした空間で憩いたい、という人におすすめ。

ミラノで見るべき観光名所【一部で話題編】

さて、続いては、ドゥオーモやガッレリアに比べるとそれほど話題でもないけど、一部の人が行きたいところリストに入れてるっぽい場所をピックアップ。

1.スターバックス リザーブ ロースタリー ミラノ Map

スターバックス リザーブ ロースタリー ミラノ
スターバックス リザーブ ロースタリー ミラノ

スターバックス リザーブ ロースタリー ミラノ

なんとヨーロッパ初でもある、世界で3番目にオープンしたスタバの最高峰ブランド「リザーブ ロースタリー」のミラノ店。

スターバックス リザーブ® ロースタリー1901年に建てられた元郵便局という歴史ある建築も見どころで、オープン当初は「世界一美しいスタバ」と呼ばれたことも。イタリアでアメリカ文化は根付くのかな?と思いきや、普通に人気スポットで、ミラノ限定ドリンクや限定グッズもあるので、ちょっと変わったお土産探しスポットとしても。

ミラノ限定アイテムをゲットしよう。

とにかく空間の使い方が贅沢すぎるので、1度は訪れてみるのもよさそう。ちなみにこの店の正面には、これまた歴史的建造物が美しい我らがユニクロもある。

2. ボスキ・ディ・ステファノ財団美術館 Map

ガイドブックにほとんど載らない、知る人ぞ知る、ミラノのアートスポット。地下鉄M1号線のリマ駅(Lima)からすぐの歴史あるアパートメントの一室を利用した美術館で、なんと入場無料。

この美術館の良いところは、絵画だけでなく家具や照明器具などインテリアも鑑賞できること。国際家具見本市「ミラノサローネ」で有名なインテリアの都ならではのミュージアムといえる。

詳細は別記事「建築&インテリア好きにもおすすめ、個人宅を利用したミラノの小さな美術館「ボスキ・ディ・ステファノ財団美術館」で詳しく紹介しているので一読を。個人的にお屋敷訪問が趣味なので、今回ミラノでめぐったアートスポットの中では一番良かった。

3. サン・シンプリチャーノ教会 Map

サン・シンプリチャーノ教会

創建は4世紀という、ミラノで2番目に古いという歴史ある教会。たまたま通りかかり、ふらりと中に入ってみてじんわり感動した場所。内部の光の入り方も美しく優しく、人が少なくて静かなのもいい。

ほっと癒やされるやわらかな光。

私はヨーロッパの街を歩いていて教会を見つけたら、時間が許す限り中に入ることにしている。たとえガイドブックに載っていなくても、建築、絵画、家具などが同じ美意識でまとめられており、まさに「総合芸術」だからだ。混雑も人混みもない、ほぼはずれなしのアクティビティといえる。

訪問後に調べてみると、飾られていたのは著名な作家の最高傑作とされる宗教画だった、なんてこともしばしば。たとえば、以下の写真。主祭壇の背後にある半円蓋に描かれた作品は、アンブロージョ・ダ・フォッサーノ(別名:ベルゴニョーネ)の最高傑作とされる『聖母戴冠』だそう(あとで知った)。

聖母戴冠

この教会には不思議な逸話も多く、1176年「この教会に安置されていた殉教者たちの遺体が鳩となってレニャーノの戦い(神聖ローマ帝国とロンバルディア同盟との戦闘でロンバルディア同盟が勝利した)の戦場へと飛び去り、ミラノ軍の戦車に舞い降りた」というものや、1252年に暗殺されたヴェローナの聖ピエトロ・マルティレの遺体が安置されると、通夜に訪れた群衆から奇跡の報告が相次いだことなどがある。

左右に飾られている絵画は、17世紀にミラノで活躍したジョヴァン・バッティスタ・ディシェーポリ(Giovan Battista Discepoli、1590年頃–1654年頃)による作品

こんなふうに自分だけが見つけた!と感じる場所は、のちのちまで親密な記憶を残してくれていい。ミラノは素敵な街だけど、大都会すぎて観光疲れしやすい場所でもある。ぶらりと小路に迷い込んで、自分だけのスポットを見つける宝探しのような旅をしてみるほうが楽しいのではないかと思った。

とはいえ、もし友人に「ミラノで一番のおすすめアクティビティは?」と聞かれたら、ガッレリアの中にあるカンパリソーダ発祥の地として人気の「カンパリーノ」のアペリティーボを薦めてしまうかも。豪華な空間が素晴らしいのと、ミラノの人たちの夕方ちょっとお酒とつまみを楽しむというライフスタイルを体験できるのと、思いの外リーズナブルだから。

こちらも別記事で詳細をレポートしているので、やってみたい人は「ミラノの名所“ガッレリア”で本場のカンパリソーダを楽しむ、優雅なアペリティーボ。」をチェック!

<関連記事>

ミラノの人気観光地、巨大アーケード「ガッレリア」で体験したい5つのこと。
ミラノでは、老舗カフェ「マルケージ 1824」から巨大アーケードのガッレリアを優雅に眺めよう。
イタリアオペラ界の最高峰、ミラノのスカラ座の天井桟敷席でオペラ鑑賞デビュー。【ヴェルディ「シチリアの晩鐘」】
ミラノに行くのは月末がベスト!? ミラノ最大の骨董市、ナヴィリオ・グランデの蚤の市が楽しい。
建築&インテリア好きにもおすすめ、個人宅を利用したミラノの小さな美術館「ボスキ・ディ・ステファノ財団美術館」
ミラノ、ヴェルディが眠る礼拝堂で須賀敦子が見た景色を幻視する。

The post イタリア・ミラノで何見る?どこ行く? 鉄板名所とそうでもない名所をめぐる1日観光コース appeared first on トリッププランナー.

]]>
白菜だけのチヂミがこんなに美味しいとは…!ソウルの京東市場で味わう「あっさりした韓国料理」の魅力 https://tripplanner.jp/topics/5838 Fri, 07 Nov 2025 07:21:19 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5838 韓国好きの人なら普通に知っていると思うが、コリアンフードは辛いものばかりではない。でも何せ韓国二度目のド素人た…

The post 白菜だけのチヂミがこんなに美味しいとは…!ソウルの京東市場で味わう「あっさりした韓国料理」の魅力 appeared first on トリッププランナー.

]]>
韓国好きの人なら普通に知っていると思うが、コリアンフードは辛いものばかりではない。でも何せ韓国二度目のド素人たる私は、そんなことはつゆ知らず。今回の旅で、あっさり滋味深い韓国料理に出会って、深く感動したのだった。

ソウルで一番大きな市場、京東市場の地下食堂で味わう白菜チヂミ

今回向かったのは、トップオブ有名観光地とは言い難い、おそらく地元民のための市場、「京東市場(キョンドンシジャン)」。とはいえ、料理好きには有名な市場で、私の友人などは、韓国旅行のたびに、わざわざここまで足を運んで、ごま油を買うのだという。

京東市場/キョンドンシジャン
市場の外は高層ビル群。このコントラストも面白い。
韓国最大の韓薬剤市場でもあるということで、体に良さげなものもずらり。
もちろんキムチなども並ぶ。

もちろん買い物も超楽しいが、今回ここに来た理由は、遅めの朝ごはんを食べるため。例のごま油を買いに来る友人からのタレコミによると、この市場の地下に、白菜だけのチヂミを出す店があり、とても美味しいという。

しかし、ここはとにかく巨大かつ迷路のような市場。地下の食堂への入口を探すのも一苦労なのだが、迷っていると市場のおばさんが韓国語で声をかけてくれ、身振り手振りで地下に行きたい旨を伝えたら入口まで案内してくれた。やさしい!

やっとのことで地下にたどり着いたものの、ぱっと見、お目当てのお店が見当たらない。

ええと、食堂はどこに…?

【クイズ】上の写真の中のどこにお店があるでしょうか?

 

 

 

あ!これか!

白地に黒のシンプルすぎる看板で、控えめすぎて気づかなかったよ!

安東チッ(アンドンチッ)」と読むらしいこの店の名物は、白菜と煮干しで作る滋味深いスープを使った麺、カルグクス。でも私の友人のように白菜チヂミを目当てに来る客も多いそうだ。着いたのがオープン直後だったので人もまばらだが、混んでくると、手前のカウンターでも食せる。この風情なのにクレジットカードが使えるところもポイント高し。

そして頼んだのがこちら。

名物カルグクス(下の麺)、ポッサム、そして右にあるのがお目当ての白菜チヂミだ。

白菜と粉、という白✗白コンビの地味な見た目、かつシンプルすぎる具材ゆえ、ものたりないかと思いきや、もっちりした生地に白菜の甘みが品よく絡み合い、うまーーー!

脂身が抜けてあっさり柔らかいゆで豚、ポッサムも、カルグクスも、みなすべて優しい味で、じんわり沁みるようなうまさ。いやぁ韓国料理のイメージ変わったわぁ。これならガチ和食党の人でも好きなんじゃないだろうか。とはいえ、つけダレや副菜がきちんとスパイシーだったりするので、物足りない向きはそこで調節するもよし。

白菜だけのチヂミ、お財布にも優しそうだし、冬の簡単ランチなどに大活躍しそう。絶対この冬、自作してみるぞ。

<おまけ>

市場では、友人おすすめのごま油ももちろん買いました。韓国産のごまをつかったごま油は日本で買うととってもお高いとのことだが、ソウルでだって、300g程度の瓶で約2800円とそれなりのお値段だった。

でも味見してみたら、ごまの風味がものすごく濃くて、油というよりもはやスパイス。炒め物などに使うのはもったいないので、ラーメンやおひたしなどに、チラリとかけるなど、まさにスパイスとしてちまちまと楽しんでおります。おすすめ!

<関連記事>

韓国ソウル旅、江南〜カロスキル界隈で歩いて見つけた行って良かったスポット

The post 白菜だけのチヂミがこんなに美味しいとは…!ソウルの京東市場で味わう「あっさりした韓国料理」の魅力 appeared first on トリッププランナー.

]]>
韓国ソウル旅、江南〜カロスキル界隈で歩いて見つけた行って良かったスポット https://tripplanner.jp/topics/5765 Wed, 01 Oct 2025 04:52:53 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5765 すれちがう日本人から漏れ聞こえる話題は、12年前は主に韓流ドラマだったが、今やヒアルロン酸やシミ取りといった美…

The post 韓国ソウル旅、江南〜カロスキル界隈で歩いて見つけた行って良かったスポット appeared first on トリッププランナー.

]]>
すれちがう日本人から漏れ聞こえる話題は、12年前は主に韓流ドラマだったが、今やヒアルロン酸やシミ取りといった美容関連ばかりなのに隔世の感を抱いた、久しぶりのソウル旅。
江南〜カロスキル界隈を徒歩で歩き回ってみたら、意外と楽しく、美味しかったのでおすすめスポットをシェア。ソウルあんまり行ったことない、海外で公共交通機関に乗るの苦手な人に向けたガイドとしてぜひチェックを。

 泊まったのは彦州駅近くの「ホテルカプチーノ」

格安でソウルに行きたがる層が選ぶ空港といえば仁川(インチョン)だが、ソウル中心部からえらい遠く…いわば成田空港ポジション。でもこのホテルカプチーノなら仁川からのシャトルバスが、文字通りホテルの眼の前に止まるから、時間はちょっとかかるけどアクセス至便。ホテルからカロスキルあたりまでは徒歩圏だし、洒落たインテリアのわりに宿泊代もまぁまぁリーズナブルなのが決め手で予約。

客室はこんな感じ。なんとクラスカなどを手がけている日本のUDSがデザイン監修しているとか。
1Fはカフェになっていて、リモートワークする若者などで1日中賑わっていた。このホテル、あとから知ったけどBTSの聖地のひとつでもあるらしい(カフェ『BTS’ Life in Seoul』のロケ地)。

ホテル カプチーノ

ホテル近くの一人飯スポット、お手頃マラタン

泊まったホテルカプチーノは幹線道路沿いにあり、周囲は大型ホテルなどが連なって、パッと見、近隣に気軽に食事できそうなところは見当たらない。Google Mapで飲食店を探してみると、大通りから脇にそれた小道沿いにいくつか飲食店が連なっているらしく、そちら方面に向けて一人飯スポットを探しに行ってみた。

脇道に入ると風景が日本ぽい。

しかし、ここでトラブルが発生。期待していたデータローミングがうまくいかず、外に出てみたらネットが全くつながらないのである。韓国語は翻訳アプリで乗り切ろうとしていた私にとって、これは致命傷。メニュー指差しでなんとかなりそうなファーストフードしか乗り切れそうもない。

そんな時に見つけたお店がこちら。どう見てもファーストフード店だし、若者で賑わっているし、具がいっぱい載った麺の写真もなんだか美味しそうではないか。

しかし、この時点で私は全く知らなかった。ここが、自分で食べたい具材を選び、肉やスープなどをカスタマイズして食べるマラタンの店だということを。

店に入るなり、ボウルを渡され、このケースの前に誘導された私。い、一体何をどうすれば…?
翻訳アプリも使えないので、試しに英語で「どうすればいい?」と聞いてみるも、もちろん通じず。身振り手振りでなんとか気に入った具材をボウルに放り込めばいいらしいと理解。

韓国語が一切わからないのにこんな店に入るなんて、英語が全く話せない人がアメリカでサブウェイに行くぐらいの暴挙である。ソウルで食事する時はファーストフードっぽいから安心、という油断は禁物!

しかし、ネットがなかった頃の海外旅行の難易度を思い出した。そして、言語のほとんどはボディランゲージでなんとかなるという、昔の成功体験も蘇った。もうこうなったら身振り手振りだ!

見て、韓国語一切使わずにちゃんと注文できた!(号泣)

残念ながらGoogle Map上には情報がないのだが、このあたりにあるお店なのでホテルカプチーノに泊まったら、散歩がてら探してみて。店名は「황비홍 마라탕」。황비홍 = ファンビホン(黄飛鴻 )、마라탕 = マラタン(麻辣湯)なので、とりあえずファンビホンマラタンとしておく。

徒歩でカロスキルに向かう途中で、ソルロンタンで朝ごはん

さて、翌朝は徒歩で宿からカロスキル方面へ。朝ごはんは、道中にある牛骨スープが滋味深いソルロンタンを。

頼んでないのにボウルいっぱいにどーんと来たキムチにビビるが、これは食べる分だけハサミで切っていただくスタイル。うまみたっぷり、淡白なスープと相性もばっちり。

この店でぜひ一緒に頼みたいのは、こちらのマンドウ。細かく刻んだ野菜たっぷりの餡を薄い皮でつづんで蒸し上げた大きめの餃子のような一品。見た目の大きさにびびるが、あっさりと軽い味なので、ばくばくいただける。

地元民しかいない風情のローカル感いっぱいの店なので、カードが使えるか心配だったけど問題なく使える。実は今回、なんと両替なしでここまで来てしまったのだ。

江南ソルロンタン

店舗デザインも必見、ジェントルモンスター&タンバリンズ

おい、食べてるだけかよ、という声が聞こえそうなので、そろそろお店も。何しろこの界隈は、東京でいえば青山とかそんな感じのポジション。マンドウとかマラタンばかりを食べている場合ではない。もっとお洒落を楽しまないと!

ソルロンタンの店から歩いてすぐ、店舗を見るだけでも価値があるのが、韓国発のアイウェアブランド、ジェントルモンスターのフラッグシップストア。日本にも店舗があるので知っている人も多いかと思う。

お店の中は現代アートの美術館のようなので、メガネを買う予定がなくてもぜひ立ち寄りたいもの。内装は季節によって変わるが、たとえばこんな感じだ。

そして、同じ通りにある、ジェントルモンスターが手がける香水店タンバリンズも一見の価値あり。

ここの店舗デザインももちろん素敵なのだが、興味深いのが店舗の前がフォトスポットになっていること。それこそ常に若い女の子たちが群がり、店の前でセルフィーをとりまくっていた。

お目当てはTAMBURINSのキャンペーンモデルを務めているBLACKPINK、ジェニーの巨大写真。こういう文化、日本であんまり見かけない気がする。そんな異文化を見つけるのも、街歩きの楽しみのひとつだ。

Gentle Monster Flagship Store
Tamburins フラッグシップストア 新沙

私はタンバリンズで香水と、目についたシルバーのお店でアクセサリーを購入。このあたりは気ままに横道にそれてもなんかしら気になるお店があるので、ガイドブックなどなくても歩いて楽しい。

しかし、ショッピング中に驚いたのが、この街、平均年齢、23歳ぐらいなんじゃないの? というぐらいの客層の若さ。なんか通りの入口で検問でもあるんかいな? ぐらいに見事に若者ばかりである。

日本にも若者が集うエリアはたくさんあるが、それでもある程度は中高年も混じっていたりするものだ。カロスキル界隈、おじさんおばさんは一体どこに消えた?

と、いい年こいたおばさんである私はやや気まずくなり、ふらふらと現代百貨店 狎鴎亭本店へ逃避。安心してください!このデパ地下は中高年も入りやすいぞ!

カロスキル界隈のおじおばスポット
市場でも見かけた巨大なつくね的なもの。美味しそう。
濃い緑すぎるおもちも、市場で見かけた。美味しそうすぎる。

イベントスペースに並ぶ、お餅や惣菜などがどれも美味しそうで、あれも食べたい、これも食べたい、となったが、日持ちがその日限りというものが多く買い物を断念。通常の販売エリアにはごま油や乾物など日持ちするものも並んでいるので、お土産にはそちらをディグるとよいと思う。

あと、一人でも気軽に入れそうなフードコートがあるのもポイント高し。手軽なランチスポットにおすすめだ。

現代百貨店 狎鴎亭本店

夕飯はカンジャンケジャンの老舗へ。

さて、ウィンドウショッピングやら、百貨店でのおみやげ探しやらをしているうちに、もう夕飯の時間である。夜は豪華に、ソウル名物のあのうまいカニをいただくとしよう。
「元祖馬山ハルメアグチム」は、新沙洞(シンサドン)で1969年から営業を続けるカンジャンケジャンの老舗。なんと24時間営業なので、夜遅くソウルに着いた、なんて向きにも嬉しいお店だ。

外観はとっても庶民的。夜、予約無しで行き行列に並んだが、わりとすぐ入れた。
ねっとりと舌に絡みつくワタリガニの醤油漬け。たまらなくうまい。
かにみそやら魚卵やらがたっぷりのったごはんもオーダー。痛風になったら食べられない健康なうちに食べときたい一品。

元祖馬山ハルメアグチム

おすすめスポットと言えど、結局食べ物ばかりになってしまって笑う。もっとおしゃれスポットを紹介すべきエリアなのに!
言い訳のように書くけど、カロスキル界隈はカフェ激戦区で、特にこじゃれたコーヒーロースターも多い。ぜひそんなお店を見つけたらコーヒーブレイクを楽しんでみよう。そこも若者しかいなかったけどな。

夕飯を食べたら、トコトコあるいてホテルカプチーノへ。結構歩くけど、食後のはらごなしにはちょうど良い運動。
ちなみに本日の観光はすべて徒歩で現金を一切使わずに乗り切れました。キャッシュレス社会ありがたや。

そして、夜のカロスキル界隈もやっぱり若者ばかりで、日本に比べてエリアごとの年齢縛りがきついのかもなぁ、とおばさんは少し居心地の悪い気がしたのだった。

The post 韓国ソウル旅、江南〜カロスキル界隈で歩いて見つけた行って良かったスポット appeared first on トリッププランナー.

]]>
なぜか「100円ショップ」がいっぱい!? 奈良にある日本最古の道「山の辺の道」を歩く https://tripplanner.jp/topics/5604 Fri, 25 Jul 2025 08:30:58 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5604 オフィスビルが林立する東京の真ん中にひっそりと残された古い石垣を見て、失われた江戸城の広大な姿が目に浮かぶ、と…

The post なぜか「100円ショップ」がいっぱい!? 奈良にある日本最古の道「山の辺の道」を歩く appeared first on トリッププランナー.

]]>
オフィスビルが林立する東京の真ん中にひっそりと残された古い石垣を見て、失われた江戸城の広大な姿が目に浮かぶ、といった空想力が失われてから、もう何年経っただろうか。

自分の脳には、もう見えないものを幻視する力も、心の余裕もなくなってしまったのかもしれない、と寂しく思いはじめた昨今、ここなら何らかの脳トレができるかもしれない、と思ったのが奈良にある日本最古の道、「山の辺の道」である。

山の辺の道

何しろ、この道を味わい尽くすなら、失われてしまったかつての風景を幻視する能力は必須。なんの予備知識もなく歩くとごく普通ののどかな田園風景にしか見えないが、実はすごい史跡、みたいな場所がたっぷり待ち構えている歴史ロマンあふれる地なのだ。

おすすめはボランティアガイドをお願いして一緒に歩くこと。なんと10名までなら一人1000円という破格でガイドの方をお願いできる。

こんもりと盛り上がった丘が古墳だったり、なんてことのない池がかつての大寺院の一部だったりと、その風景を読み解くための知識を一朝一夕で得るのは簡単ではない。ガイド付きで歩けば、ここが日本最古の道なのだと実感できるだろう。早めの予約が必要なので、ぜひサイトで要項のチェックを(詳細はこちら)。

今回は、「山の辺の道」でも、アップダウンが少なく所要時間も3時間程度とライトな、石神神宮(いそのかみじんぐう)〜長岳寺を結ぶコースを歩いてみた。ここからは、写真とともにその感想をシェアしていきたい。

山の辺の道のハイライトの一つ、ロマンあふれる「石神神宮」へ

さて、前の原稿でも書いたが、山の辺の道を歩くにあたり、宿泊先に選んだのは「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」。石神神宮から徒歩16分程度で、宿の名前にもある通り山の辺の道を歩くのにぴったりの立地の宿である。モダンで機能的な客室は、若い世代にも過ごしやすいと思う。

「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道 」で注文できる朝ご飯。素晴らしく美味しかったし、見た目もうるわしい!

柿の葉寿司など奈良の名物が並ぶ朝ご飯をいただいたら、さっそく石神神宮へ。山の辺の道沿いにある神社仏閣の中でも屈指の由緒を誇る神社である。

2025年の4月〜6月まで奈良国立博物館で開催された『超 国宝』展の目玉のひとつだった七支刀(しちしとう)など、多くの宝物を収蔵していることでも有名で、古代、武門の棟梁だった物部氏の総氏神でもあったという歴史ある神社。とり・みきさんの漫画『石神伝説』にもミステリアスな場所として登場しているので、読んでからいくとさらにわくわくするかもしれない。

境内を歩く神鶏の姿もフォトジェニック。国宝の拝殿など見どころも多い。

石神神宮

山の辺の道を歩き始めて最初に、早くもハイライトともいえる超名所に来てしまったが、ここをすぎれば、お待ちかねの(?)想像力で補わないと真価がわからない、奥深い風景が待っている。

100円玉必須! 古代の道に並ぶ美味しい無人ショップ

石上神宮をあとにすると、いよいよ、歩くことがメインのアクティビティになってくる。正直、しばらくは石神神宮クラスのわかりやすい名所もなく、目に映るのはただひたすらの田園風景だ。

言われないと、ここが日本最古の道なんてわからないよね〜という、ザ・田園風景。
のんびりとした風景が続く。

かつてここが文化人たちを魅了した場所なのだと思い出させてくれるのが時折現れる歌碑。古今和歌集に選ばれた名歌や、松尾芭蕉や柿本人麻呂、小野小町などが読んだ歌碑が道沿いにぽつんぽつんとあり、その筋の素養がある人には楽しいかもしれない。

しかし、その筋の素養がない人でも楽しめるものも点在している。それが、ボランティアガイドの人が「100円ショップ」と呼ぶ、無人の野菜や果物、お菓子などの直売所だ。

新鮮な野菜がお値打ち価格で!
美味しそうな干し柿も100円!

これがもう、どれもすごく美味しそうで安く、100円玉ジャラジャラ持ってきて良かった! としみじみ思ったもの。野菜やら果物などをたっぷり買い込んでしまった。

私が訪れた5月は冷蔵庫にいちごが冷やしてあった。これがまた甘くて絶品!

これから山の辺の道を歩くという人がいたら、私は絶対に「100円玉を10枚は持っていけ!」とアドバイスする。

池や丘、建物に残る歴史を感じ、読み解いてこその山の辺の道

さて、100円ショップめぐりに夢中になっているうちに到着したのが、この小綺麗な池。

実はこの池は、かつて「西の日光」と呼ばれるほどの大寺院で、50を超える堂塔を有していたという内山永久寺のあと。明治の廃仏毀釈で廃寺となり、今はこの池のみがかつての面影を伝えている。その歴史については奈良県のサイトに詳しいので興味あれば一読を。

歩いていたらこんな風景も。フォトスポットとして有名だというトンネル。ウクライナの「愛のトンネル」みたい?

なんと大小あわせて1700以上もの古墳が集中するという天理市ならでは、ぼんやり歩いていると見逃してしまう古墳も、道沿いにあまたある。たとえば下の写真の、畑の隣にあるこんもりとした森も、実は古墳だ。こんもり盛り上がった場所はだいたい古墳だと思っておけば間違いない、みたいな感覚である。

ここが古墳だなんて、自分ひとりでは絶対に気が付かない。
なんと寺院の敷地内にも古墳が。古墳の上に墓地が重なるのは、理にかなっているかも。

古墳の他、この道を歩いていて出合うユニークな風景が環壕(かんごう)集落。これは濠で囲まれた集落のことで、戦乱が多かった中世に、村の暮らしを守るために考え出されたもの。のどかに見える風景からは想像できないが、乱世にはそれなりにこの地にも危険が満ちていたんだろう。

歌碑、100円ショップ、古墳に環壕集落。神社仏閣のようなわかりやすい見どころとが多いとは言えないが、奈良ならではの歴史の年輪に触れつつ脳内で古の風景をイメージして歩くこと約3時間、ついに目的地の長岳寺に到着!

日本最古の楼門で、創建当時から残る唯一の建物。

824年に弘法大使が開いたとされる古刹で、四季折々の花の美しさでも知られ、「花寺」とも呼ばれる長岳寺。日本最古の玉眼仏や狩野山楽による大地獄絵など文化財も多く、山の辺の道散策の半日コースの締めくくりにうってつけの華やかな名所。

訪れた5月末はカキツバタが花盛り。

長岳寺に隣接する「天理市トレイルセンター」には、「洋食Katsui」も併設しており、ここでランチ休憩をとれば完璧。

天理市トレイルセンター
洋食Kastuiのごはんの一例。牛のカツレツやら
ローストビーフやら。美味しかった!

スタートとゴールに、わかりやすく華やかな神社仏閣を据え、残りはのんびりとした田園を歩く3時間ほどのゆるハイキング。普段それほど歩かない人でも、それほど疲れない良いコースだったと思う。

途中にはお店らしいお店がないので、夏場は十分な水分補給など熱中症対策は必須。歩きやすいのはやはり春と秋だろうか。

奈良公園付近のような「ザ・観光地」といった雰囲気とは無縁だが、古代奈良への理解も深まる田園散歩。また違った奈良の魅力に出合えるはずだ。

宿泊した「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」は、道の駅「なら歴史芸術文化村」の隣。文化財保存や修復などを行う施設を見学できたり、美味しいおみやげショッピングも楽しめて便利。

<紹介した主な場所>

フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道

石上神宮

長岳寺

天理市トレイルセンター

洋食KATSUI

<関連記事>

奈良、飛鳥時代から続く薬草の里・宇陀の古民家で癒やしのヘルシーランチ&薬草散歩

奈良の観光記事一覧

The post なぜか「100円ショップ」がいっぱい!? 奈良にある日本最古の道「山の辺の道」を歩く appeared first on トリッププランナー.

]]>
奈良、飛鳥時代から続く薬草の里・宇陀の古民家で癒やしのヘルシーランチ&薬草散歩 https://tripplanner.jp/topics/5557 Wed, 11 Jun 2025 01:21:56 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5557 奈良を旅行するなら、やはり神社仏閣、そして鹿よね……などと考えがちな皆さん。今回は、そんな紋切り型のイメージと…

The post 奈良、飛鳥時代から続く薬草の里・宇陀の古民家で癒やしのヘルシーランチ&薬草散歩 appeared first on トリッププランナー.

]]>
奈良を旅行するなら、やはり神社仏閣、そして鹿よね……などと考えがちな皆さん。今回は、そんな紋切り型のイメージとはちょっと違う、知られざる奈良の旅をお届けしたい。

ここは奈良の東側、宇陀市榛原八滝。山と、ぽつりぽつりと点在する古民家が見えるのみの、時が止まったかのような深山の里だ。

田舎らしい田舎を持たない私は、ドライブなどでこういった古民家の脇を通り過ぎる度に、「こんな家がうちのおばあちゃんちなら良かったのに」と憧れたものだ。いくら素敵でも、車を降りて家の周りをうろつこうものなら、完全に不審者になってしまう山奥の集落は、遠くからそっと眺めるしかない「手の届かない場所」だった。

しかし、今回は、この古民家の周りを徹底的に歩き回ることができた。なぜならここは、創作イタリアンのレストランでもあり、古民家オーベルジュでもある『うだ薬湯の宿 やたきや』だからである。

うだ薬湯の宿 やたきや
『うだ薬湯の宿 やたきや』は2022年5月に開業。元は庄屋だったという築300年にもなる古民家は、一時とある大学教授の別荘となっていたものを、宇陀市内にある畳店3代目が取得し、宿として再生させたという。立派な門に期待が膨らむ。
今では貴重となった茅葺き屋根が見事な母屋。
玄関前の絶景。

■ 飛鳥時代からの薬草の里ならでは、体の中から癒される珠玉のランチコース

さっそく『うだ薬湯の宿 やたきや』の母屋へ足を踏み入れてみよう。古民家ならではの建具や欄間の美しさ、額縁のような窓越しに広がる美しい庭などに思わずため息が漏れる。

交通アクセスは悪いけれど、わざわざ来る価値がある素敵すぎる空間。着いたばかりだけど、「絶対また来る!」と早くも再訪を決意したほどだ。

やたきやは「宿」と謳っているものの、ランチやディナーなど食事だけの利用も可能。今回は、宇陀牛メインの「たまひコース」をいただいた(税込6,600円程度)。パスタがメインの「やをらコース」なら税込3,850円〜とさらにお手頃。この空間で食事ができるという体験も含めるとかなりリーズナブルな印象である。

古民家ランチなら日本のあちこちにあるだろう、という声もあるだろうが、「やたきや」が特別なのが、ここが飛鳥時代から続く薬草の里にあるということ。宇陀は推古天皇が日本で最初の薬草狩り(611年!)を始めた地として知られ、ツムラ、ロート製薬、アステラス製薬など、日本を代表する製薬メーカーの創始者もこの地の出身。こういうところに「日本建国の地」と言われる奈良の底力を感じる。

特に「やたきや」が力を入れているのが自家栽培をしているという奈良の伝統的な薬草である大和当帰血行促進や女性特有の不調を整える効果があるとされ、漢方薬などにも使われてきた薬草である。

この大和当帰を使ったクラフトコーラでまずは乾杯!

大和当帰に加え、シナモン、クローブ、カルダモン、コリアンダー、黒胡椒なども入ったスパイシーなドリンク。
採れたて野菜のミックスサラダ。
前菜の盛り合わせ。右上から、豆腐のスモーク粒マスタードのせ、ズッキーニのグリル、セミドライミニトマト、椎茸のマリネ。
本日のスープ、グリーンカリフラワーのポタージュ。
わらびとそら豆とフレッシュトマトのパスタ

と、ここまでは完全にベジタリアンメニュー。ひとつひとつ、野菜の個性を引き出すよう調理されている。何もかも美味しい!

そしていよいよ、メインの宇陀牛。

脂身が少なく、しっとりやわらかい宇陀牛。美味!
本日のデザート。ナッツとさつもいものケーキにいちごを添えて。散らされている茶色い粒はカカオニブ、白い粒は麻の実だ。

しみじみ美味しく、体の中が浄化される気分になれたほぼ野菜づくしのランチ。何度も言うけど、絶対また来ます…!

■ 薬草ウォッチングも楽しい、宿のまわりの散歩コース

さて、食事の後は腹ごなしに宿の周りを歩いてみることに。今回は取材ということで、特別に地元の薬草に精通したスタッフの方に、この地の薬草について教わりながら歩いてみた。こうしたアクティビティは本来は宿泊客向けに提供しているとういう。

まずは宿から少し山を登ったところにある「めぐみの庭」「まなびの森」と名付けられたエリアへ。このあたりの散策の醍醐味はとにかくその絶景で、宇陀の里山を見下ろしながらのんびり過ごす宿泊客が多いとか。

小高い場所から見下ろすと、「やたきや」の端正な建築がまるまる拝めてなかなか良い。

周囲は完全な里山なので、ここに泊まって何をするのだ? と最初は思ったが、こうして自然の中に足を踏み入れ、歩いたり、森林浴をしたりするのも立派なアクティビティと気付いた。旅先で「何もしない」が苦手な人は(日本人に多い)、一度修行だと思ってここに数日滞在してみてはいかがだろうか。多忙な日々から逃れてきたはずなのに、なぜ旅先に来てまで、私はあくせくしているのだろうか? と目が覚めるかもしれない。

次に向かったのは宿の前に広がる薬草園。無農薬で大和当帰を栽培しているところは非常に珍しいのだそう。

「ここが畑ですよ」
「大和当帰はこちら」

畑を見学したあとは、徒歩10分程度の神社までぶらぶらとお散歩。歩きながら、ガイドさんが道端に生えている薬草を見つけては色々教えてくれる。これはよもぎ、これはセリ、カキドオシは糖尿病に効能が……などなど。さすがは古来から続く薬草の里、本当にそこらじゅうに薬草が生えていた。

そして目的地の神社に到着。

宿の近所にある五社神社。

こんなにこぢんまりした神社なのに、なんと20年に一度社殿を建て替えているそうで、歴史があるのに真新しい印象だ。式年遷宮は、伊勢神宮とか春日大社クラスの神社が行うものとばかり思っていたので、このこぢんまりとした神社で続けられてきた事実にびっくり。

さらに、この神社の隠れた見どころとして、幕末、孝明天皇から「日本一」と称賛されたという逸話が残る、当時一流の石工、通称「丹波の佐吉」(1816年生まれ)による狛犬が残っていること。

丹波の佐吉作の狛犬。わざわざこの狛犬だけ見に神社を訪れるファンもいるそうだ。

「なぜ巨匠の作品がこんなところに…?」と言っては失礼なのだが、大阪を中心に活動していた佐吉がこの地に狛犬を残しているのには理由がある。この神社のすぐ近くに住む裕福な旧家が、家の裏山に「四国八十八ヶ所」の石仏群を制作してほしいと佐吉に依頼したため、しばらく彼はこの地に滞在していたのである。その仕事の合間に、近隣の神社仏閣向けに狛犬や石仏なども制作したというわけだ(詳細はこのサイトに詳しい)。

里山の美味しい空気、心癒される風景の中で、歴史秘話や、道端の薬草について話を聞きながら散歩するのはとても楽しかった。自然の美しさだけでなく、歴史まで楽しめるのが奈良の山歩きの醍醐味である。

ということで、さらにディープな奈良の里山歴史探訪を楽しむべく、今夜は「フェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道」に宿泊し、隣接する日本最古の道「山の辺の道」を歩いてみることにしよう。

続きは次の原稿で!

「なら歴史芸術文化村」に隣接している歴史ファンに嬉しいホテル。
すっきりと機能的な客室。
奈良のご当地ビールなど奈良グルメも買えるロビーラウンジ。

<関連記事>

なぜか「100円ショップ」がいっぱい!? 奈良にある日本最古の道「山の辺の道」を歩く
道の駅最強ランキング全国1位にも選ばれた、京都府唯一の村にある道の駅でお茶グルメを味わい尽くす

関西の記事一覧

 

 

The post 奈良、飛鳥時代から続く薬草の里・宇陀の古民家で癒やしのヘルシーランチ&薬草散歩 appeared first on トリッププランナー.

]]>
「お茶ってこうやって作られるのか…!」、京都唯一の「村」の茶畑で茶摘み&青空茶会を体験 https://tripplanner.jp/topics/5517 Tue, 27 May 2025 03:05:55 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5517 新茶のシーズンの茶畑に入ることは簡単ではない。新緑の季節、淡い緑色に染まる茶畑はことのほか美しいのだけれど、な…

The post 「お茶ってこうやって作られるのか…!」、京都唯一の「村」の茶畑で茶摘み&青空茶会を体験 appeared first on トリッププランナー.

]]>
新茶のシーズンの茶畑に入ることは簡単ではない。新緑の季節、淡い緑色に染まる茶畑はことのほか美しいのだけれど、なにせ4月下旬から5月にかけては茶農家が最も忙しい時期。茶畑のまわりをうろついたり、ましてや茶摘み体験などもってのほかだ。

しかし、京都唯一の村で、宇治茶の主産地である南山城村では、なんとこの時期でも茶摘み体験を受け付けている。

「1年で一番の繁忙期に、茶農家さんが畑に入れてくださるのは全国でも珍しいと思います。これは『道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村』の運営を通して築いた信頼関係があってからこそ」と語るのは、道の駅を運営するほか、南山城村を拠点とした体験ツアーなどをカスタムメイドで提供している「むらびとらべる株式会社」の森本健次さん。

ということで、森本さんたちの案内で、ふだんは立ち入ることが難しい新茶の季節の茶畑に潜入!

かつては琵琶湖の底だった!? 滋養豊かな土地が育む旨味たっぷりのお茶を摘む

訪れたのは、これぞ日本の原風景といえる、山々に囲まれた茶畑。淡い色あいは、新緑、新茶のシーズンならではで、思わず深呼吸する美しさだ。

驚いたのは、この茶畑がある土地は、かつて琵琶湖の底にあったということ。古琵琶湖の時代に蓄積された土の栄養分と、畑に水分を与えるだけでなく適度に日光を遮ってくれる近隣の川から立ち上る霧、朝晩の寒暖差などがおいしいお茶を育むのだという。

「それでは、さっそく茶葉を摘んでみましょう。一芯二葉(いっしんによう)と呼ばれる、針のような芯に1〜2枚の葉がついている形のものを集めてください」と森本さん。

私達が畑を訪れたのは5月の中旬で、一度新茶が刈り取られた後。畑の中で、新しく生えてきた一芯二葉を見つけるのは意外と難しい。

これなんかいい感じかも!?

上で紹介した葉などはいい線行っているのでは?と思ったが、それでも芯の葉がやや開きすぎだという。

正解を教えてもらった。芯の部分が開いておらず、針のように見えるものが望ましい。

畑の畝に入り込み、一芯二葉をひたすら探す作業は無心になれて、まさにマインドフルネス。これは癒やされるわぁ……などと思うのは部外者だからだろう。一芯二葉を探す作業、結構な重労働である。

30分くらいかかってもこれくらいしか摘めなかった。

お茶ができるまでの理解が深まる青空茶会

さて、ある程度の量の茶葉が集まったら、青空茶会の開始だ。

「この茶葉を蒸して熱を通すことで酸化発酵を止めたものが緑茶です。茶葉を蒸さず、酸化発酵をある程度進めたものが烏龍茶、さらに発酵させると紅茶になります」と森本さん。

まずは、いま摘んだばかりの茶葉が、どう緑茶になるのかの実演から。

最初に茶葉を水で洗う。

「せっかくなので、摘んだばかりの茶葉にお湯を注いだだけのお茶も味わってみましょう」と森本さん。これぞ本当の「生茶」。茶畑の横でしか飲めない貴重な味に期待が膨らむ。

何も手を加えない茶葉にお湯を注ぐ森本さん。
これが正真正銘の生茶だ!

……これが正直、なんというか、青臭い。虫になった気分である。「生茶」って、いかにも美味しそうな響きだけど、実際は微妙だ。

「この味を覚えておいてくださいね。次はちゃんと蒸してみましょう」。

蒸すとはいえ、青空茶会の設備なのでフライパンで炒る感じ。
火を通した後は、手で良く揉んで、針状に形を整える。

日本茶の本来の製造工程は、葉を蒸して、乾かし、さらに揉んで風味を出し、針状に形を整え、乾燥させるというものだが、今回は即興バージョンなので、蒸して揉み、針状にするところで完成。

なんかお茶っぽくなってる!
お湯を注いで完成。

さっそくできたばかりのお茶をふたたび試飲。

美味しい!これはもう完璧にお茶! 山の中の茶畑で味わう、自分で摘んだ葉で作るお茶に感激もひとしお。

しかし、あの青臭い葉が美味しいお茶になることを発見した昔の人はすごい。茶葉に火を通すまでは想像できそうだけど、揉むとか、針状にするとか、一体誰が思いついたのか。尊敬しかない。

興味がある人は製茶工場見学もどうぞ

さて、茶摘み&茶畑での茶会体験で、日本茶への興味が湧いた人には、さらに茶工場の見学も用意されている。摘み取られた生の茶葉が、さまざまな工程を経て、製品としての緑茶になるまでを見学してみよう。

この状態の茶葉が
こうなって
こうなる。

私達が訪れたのは親子二代でかぶせ深蒸し煎茶を作っている辻本製茶工場。宇治茶では珍しい深蒸し煎茶も作っている。

試飲もさせてもらえた。やはりプロが作るお茶の美味しさは別格。辻本製茶工場のお茶は「道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村」でも販売中。

日本茶の奥深さを知ることができるだけでなく、自然の中でリフレッシュもできる貴重なツアー。新茶シーズン以外も随時オーダーメイドの体験ツアーを開催しているので、興味がある人は、むらびとらべるのサイトからお問い合わせを。

<関連記事>

道の駅最強ランキング全国1位にも選ばれた、京都府唯一の村にある道の駅でお茶グルメを味わい尽くす

⇒ 京都の旅レポート一覧

 

 

The post 「お茶ってこうやって作られるのか…!」、京都唯一の「村」の茶畑で茶摘み&青空茶会を体験 appeared first on トリッププランナー.

]]>
道の駅最強ランキング全国1位にも選ばれた、京都府唯一の村にある道の駅でお茶グルメを味わい尽くす https://tripplanner.jp/topics/5474 Mon, 26 May 2025 03:20:21 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5474 単なるドライブ中の休憩スポットの域を超え、地域の魅力を発信する拠点として注目を集める「道の駅」。その土地の特産…

The post 道の駅最強ランキング全国1位にも選ばれた、京都府唯一の村にある道の駅でお茶グルメを味わい尽くす appeared first on トリッププランナー.

]]>
単なるドライブ中の休憩スポットの域を超え、地域の魅力を発信する拠点として注目を集める「道の駅」。その土地の特産品や手仕事を販売するだけでなく、美味しいレストランやカフェ、温泉やアクティビティ施設を併設するなど、もはや中継点ではなく目的地になりうる場所も少なくない。

そんな道の駅戦国時代に、京都の山奥にありながら2024年の「道の駅最強ランキング」1位に輝いた道の駅をご存知だろうか。それが、今回紹介する「道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村」である。

京都、大阪、奈良から電車でも行ける、茶グルメづくしの道の駅へ

京都府の東南端、奈良、滋賀、三重の県境にある、京都府唯一の村、南山城村。宇治茶の主産地で、京都府産のお茶の約3割を生産するお茶の名産地だ。

南山城村の茶畑
南山城村の茶畑。日本人の心のふるさとのような風景。

お茶はお茶でも、この村が背負うのは、「宇治茶」という最強ブランド。ゆえにこの道の駅がプロデュースした濃厚な抹茶スイーツなどは、全国の百貨店の催事でも大人気なんだとか。今は新茶のシーズンを迎え、お茶グルメを堪能するには絶好のタイミング、これは行くしかない!

道の駅とは言え、JR関西本線月ヶ瀬口駅から徒歩10分。JR奈良駅からは電車で40分、JR京都・JR大阪駅からは約1時間40分と、電車派にも嬉しいアクセスの良い道の駅。インバウンド客でごった返す街歩きに疲れたら、ローカル線に乗って、のんびり訪れてみるのもいいのではないか。

アンテナショップで見たことのない野菜や調味料、名酒、銘菓などを探すのに目がない私にとって、道の駅パトロールは大好物。さっそくどんなものが並んでいるか、店内をチェックしてみよう。

お茶や野菜、南山城村特産品のお茶「村茶」を使ったオリジナル商品が並ぶ店内。
むら茶プリン
左が人気商品の南山城村産の春摘みの香り豊かな抹茶「おくみどり」だけを混ぜ込んだ濃厚な抹茶プリン。右はほうじ茶プリン。
どらやきも抹茶とほうじ茶味がスタンバイ。白あんベースに「おくみどり」だけをたっぷり使用した抹茶あんと、深煎りのほうじ茶が香り高いほうじ茶あん。
アイスやら
南山城産の紅茶も!
値札を二度見してしまったお手頃価格のお茶も並ぶ。こういうのは道の駅ならでは。
こんなに濃い緑色のメロンパンを見るのは初めて!
お茶の新芽が売っているのも新茶シーズンならでは。新芽のおにぎり、食べてみたい。

…と、とにかくお茶商品ならどんとこいなのだが、奈良、滋賀、三重の県境という立地ならでは、お茶グルメ以外も気になる名物が並ぶ。

車ですぐの場所にある奈良の月ヶ瀬は梅の名所なので梅関連商品も充実。
南山城村の人たちがわざわざ買いに行くという、月ヶ瀬にある「大西豆腐店」の商品も並ぶ。
地元のおばちゃんが手作りしているというお弁当たち。大人気で売り切れてしまうことも多いとか。

お茶づくしランチ、抹茶ソフトクリームは必食!

おいしそうなものばかりを眺めていたらお腹が空いてきたので、そろそろ道の駅にある村風土食堂「つちのうぶ」でランチをいただこう。せっかくなので名物の「お茶づくし御膳」をチョイス。

「おくみどり」を贅沢に使った抹茶天重と茶そば、小鉢や甘味も付く、お茶づくし御膳、税込み1600円。
茶そばは冷たいのと温かいのを選べる。この緑の濃さよ。

目にも鮮やかな緑の御膳に心も弾む。抹茶天重のご飯もほうじ茶を使った茶飯というこだわりぶりだ。小鉢に並んでいた南山城村産の厳選された茶葉を使用しているというお茶の佃煮も、口に入れた瞬間に「わ、お茶!」ぐらいのインパクトだ。

ということで、道の駅でゲット。家に連れ帰り、おにぎりにして食べたい。

さて、食後には、周囲から「絶対食べたほうがいい!」と勧められた道の駅名物の抹茶ソフトクリームを。

道の駅人気商品ランキング第1位だという春摘み抹茶を使用した抹茶ソフトクリーム。道の駅内の「村茶屋」で販売中。

こちらもとにかく抹茶味が濃い。 苦みとうまみたっぷりの、大人のソフトクリーム。食後にいただくと、口の中がリフレッシュされる感じで、おなかいっぱいだったはずなのにするすると胃の中へ。美味しかった!

そんなこんなで胃がいくつあっても足りない道の駅なのだが、あれも食べたいしこれも食べたい、もうここに住みたいぐらい!……などと思った人には、なんと宿泊というオプションが用意されている。この道の駅には、「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」が隣接しているのである。

道の駅の隣を見れば、近代的なホテル。ドッグフレンドリーでもある。

周囲はほぼお茶畑のみという山間の村に、近代的な設備がある宿は珍しい。

部屋によっては茶畑ビューも楽しめる。

しかし、道の駅グルメを楽しむ以外に、ここに泊まって何をすれば…?と思った人向けに、茶処ならではの体験メニューを紹介しよう。詳細は次の原稿、「お茶ってこうやって作られるのか…!」、京都唯一の「村」の茶畑で茶摘み&青空茶会を体験にて!

<訪れたのは…>

●道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村

京都府相楽郡南山城村北大河原殿田102
TEL:0743-93-1392
https://michinoeki.kyoto.jp/

●フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ

京都府相楽郡南山城村大字北大河原小字殿田105番地

TEL:0743-93-1555

https://www.marriott.com/ja/hotels/ukyfi-fairfield-kyoto-minamiyamashiro/overview/

<おまけ>

私が家に連れ帰ったお茶たち。左から、畑に覆いをして旨味を増やした茶葉を蒸して作る「深冠 FUKAKABUSE 」(1080円)、ひげ茶(300円!)、辻本製茶工房の深蒸しの宇治茶「新茶やぶきた」(1200円)。市場に出回る宇治茶はブレンド茶だが、単一農園・単一茶葉、いわゆるシングルオリジンが買えるのが産地の道の駅ならでは。

珍しいひげ茶は、茶葉を少し多めにして淹れると美味しい。

<関連記事>

「お茶ってこうやって作られるのか…!」、京都唯一の「村」の茶畑で茶摘み&青空茶会を体験

⇒ 京都の旅レポート一覧

The post 道の駅最強ランキング全国1位にも選ばれた、京都府唯一の村にある道の駅でお茶グルメを味わい尽くす appeared first on トリッププランナー.

]]>
モメて訴訟沙汰になった、ガウディの名建築、バルセロナの「カサ・ミラ」 https://tripplanner.jp/topics/5441 Tue, 13 May 2025 02:45:01 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5441 バルセロナの街中で気楽に立ち寄れるガウディ作品の一つが、ガウディが54歳の時に設計した「カサ・ミラ」である。バ…

The post モメて訴訟沙汰になった、ガウディの名建築、バルセロナの「カサ・ミラ」 appeared first on トリッププランナー.

]]>
バルセロナの街中で気楽に立ち寄れるガウディ作品の一つが、ガウディが54歳の時に設計した「カサ・ミラ」である。バルセロナでも有数の高級ショッピング街であるグラシア通りに面しており、周囲にはホテルや歴史的な建造物が立ち並んでいることから、観光客にとって「何かのついで」に気軽に立ち寄れる名建築だ。

カサ・ミラ
星の飾りはクリスマスシーズン限定。

岩の塊のような見た目から、石切場とあだ名されることもあり、ほぼすべてが曲線で構成されていることも特徴だが、ガウディ作品にしてはトンガリすぎておらず、むしろシックとさえ呼びたくなる建築である。

印象的な鉄柵は、ガウディの重要な協力者であり、当時バルセロナを代表する鍛冶職人・金属彫刻家のジョセップ・マリア・ジュジョールが制作。

近くにカサ・バトリョというガウディ作品もあり、両方とも世界遺産なことから、この2つをはしごする観光客も多い。ほぼ同時期に作られたのに両者は驚くほど印象が違い、見比べるとガウディの多才さをより実感できるかもしれない。

カサ・ミラ見学で注意してほしいたった一つのこと

さて、この「カサ・ミラ」は、実はまだ現役で人が暮らしている集合住宅である。ゆえに、完全にミュージアム化している「カサ・バトリョ」と違って見学するときに注意してほしいこの住宅特有のルールがある。

それは、見学は1方向のみに進行しなければならず、後戻りができない、ということだ。進路に沿って係員が配置されており、次はこっちへ、などと誘導されるので、「あ、前の部屋もう一回見てみよう」みたいなことができないのである。私はそれを知らずに、最初の住宅エリアをかなり適当に見てしまい、後で戻れないと知ってかなり後悔した。

入口を入って誘導されるままに到着するのが住居エリア。
なんか普通…と思ってサッと見ただけですぐに次のエリアに移動してしまった。20世紀初頭のバルセロナの富裕層の生活が忠実に再現されているとか。

別の原稿で詳述するが、「カサ・バトリョ」がやたら個性的すぎる住宅なので、「カサ・ミラ」のアパートメント部分はとても普通に感じる。ガウディ建築と言われないと気づかないかもしれない。でも、本来、おだやかな日常とはこういう空間にこそ宿るものなのだ。よく見ると窓枠が波打っている程度のこだわりが、住むとなったらちょうど良いのだ。きっと。

もう少しゆっくり見物できれば、ガウディがこだわり抜いた繊細な装飾にもっと気づいたかもしれないが、いかんせん、先を急いでしまったが故に色々見落としてしまった。これから見学に行く人は、くれぐれも、十分見たぞ!と実感するまで先に進まないように。

ロマンティックなだけじゃない、美しいアーチを描く屋根裏部屋の機能性

さて、住居エリアを見学した後に誘導されるのが、屋根裏部屋である。

カサ・ミラの模型も展示されている。

住居エリアと打って変わり、まるでどこかの教会のようなおごそかな空間にハッとする。ここは今や「ガウディ館」と呼ばれ、ガウディに関する資料や、彼が手掛けた家具などが展示されているミュージアムゾーン。

何より印象的なのは煉瓦で作られた270余りにも登るというパラボラ型アーチ群。これは見た目が美しいだけでなく、夏の暑さを和らげる機能も持っているのだとか。ガウディは自身の作品でこうしたアーチを多用することで知られている。

わりとシックな外観、一見するとごく普通の住居のあとに、突然のおごそかすぎる屋根裏部屋。見学コースとしてはなかなかうまい演出と言えるかもしれない。

そして、この屋根裏部屋を出ると、いよいよ、この建築で最も人気でインスタグラム映えする屋上だ。

「戦士の屋上」とも呼ばれるユニークな造形と絶景の屋上

屋上に着いて、まず目を奪われるのは、鎧を被った古代ローマの戦士のような煙突や換気塔などの小塔群だ。波打つようにデザインされた起伏のある丘のような空間に、印象的な造形の塔が並ぶ様子はもはや彫刻の森。

給水塔は白大理石の石片や砕いたタイルでモザイク状になっている。
サグラダ・ファミリアを眺められるトンネルは人気の記念撮影スポット。

奇抜な形状に見えるが、煙突は排煙機能や、換気塔としての通気性をしっかりと確保しており、デザインと機能が見事に融合。こういうところがガウディの評価ポイントでもある。

屋上から見下ろす中庭。コンピュータのない時代にどうやってこんなぐにゃぐにゃ建築を設計できたのか?

この屋上は、ガウディによるデザインが楽しいだけでなく、バルセロナの街を360度見渡せる眺望もすばらしい。観光客たちも本当に楽しそうにゆったりとした時間を過ごしており、彼らを眺めているだけでも幸せな気分になれる。

この屋上は、住宅は単なる生活の場であるだけでなく、アートでもある、というガウディの主張なのだろうか。こうした「遊び」から遠く離れ、機能一辺倒になってしまった昨今のマンションなどを思い浮かべ、やや寂しい気持ちにもなる。

 

見学最後に見た中庭もかなりいい!

屋上からの帰りは階段で。ここもすべて曲線で構成されていて、ガウディの偏執が炸裂。

さて、屋上でたっぷり遊んだ後は、うねうねとうねる壁を持つ階段を降りて地上へ。入場する時に見ても良かったのだが、まだ見てなかった中庭へと足を運んでみる。

中庭に降り立ち、空を見上げる。

この中庭がまた素晴らしい。屋上の斬新すぎる戦士たちを眺めた後の、正統派アール・ヌーヴォーな空間の美しさよ。

蜘蛛の巣を思わせる有機的なドアや、

印象派の絵画を思わせる幻想的な天井画や、

色褪せた壁画や優雅な手すりなど、どこに目を向けてもロマンティック。

外観や住居部分のデザインは控えめに、屋上は思い切り楽しく、中庭は幻想的に…と、さまざまな表情をもつ名作住宅。本当によく考えられているなぁ。

……などと感心してが、後で資料を読んでびっくり。実はこの住居、もともとガウディは「聖母マリアの台座」にする計画だったという。あの岩山を思わせる、有機的だが華美ではない落ち着いた外観は、「台座」だったからなのか! その上に巨大なマリア像が作られていたら、どれほど派手な外観になっていたことか……。

しかし、この住宅に過剰な宗教的要素をもたせることに依頼主が激怒、裁判沙汰になり、結果、ガウディは完成前にプロジェクトを降りてしまった。だからここも、ある意味でサグラダ・ファミリア同様、ガウディ建築として「未完」といえるのかもしれない。

<関連記事>

”ガウディの都市”、スペイン・バルセロナ名建築めぐり【MAP付き】
祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる
バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと
スペイン版アール・ヌーヴォーの傑作、世界で一番美しい病院、バルセロナの世界遺産サン・パウ病院がすごい

バルセロナの記事一覧

 

The post モメて訴訟沙汰になった、ガウディの名建築、バルセロナの「カサ・ミラ」 appeared first on トリッププランナー.

]]>
バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと https://tripplanner.jp/topics/5404 Sun, 27 Apr 2025 00:55:21 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5404 バルセロナのガウディ作品のうち、サグラダ・ファミリアと人気を二分するのが世界遺産「グエル公園」である。バルセロ…

The post バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと appeared first on トリッププランナー.

]]>
バルセロナのガウディ作品のうち、サグラダ・ファミリアと人気を二分するのが世界遺産「グエル公園」である。バルセロナの街を見下ろす高台にある15ヘクタールもの(東京ドームの約3.2倍)公園の中には、「世界一長いベンチ」と呼ばれるモザイクベンチが囲む広場や、おとぎ話の砂糖菓子のような建物、ガウディが実際に暮らした家など、見どころも多い。

グエル公園
サグラダ・ファミリアと並ぶ人気のガウディ作品なので、チケットの事前予約は必須。

実はこの公園、もともと約60戸が入る広大な分譲住宅地を目指していた。ガウディのパトロンだったグエルが出資し、1900年に着工したものの、その奇想天外すぎるデザインゆえか、なんと売れたのは2戸のみ。うち1軒はガウディが自ら購入して暮らしたモデルハウスというありさまで、端的に言えばビジネスとしては大失敗したプロジェクトだったのだ。

そんな「負の遺産」になりかねなかった分譲地は、その後公園としてバルセロナ市民に開放され、今では世界中から観光客が押し寄せる人気スポットになっている。

公園内のあちこちにある陸橋。建設当時は自然洞窟発掘の時代で、洞窟造形がこの公園の主要テーマだとも。

『ガウディ よみがえる天才』(鳥居徳敏著、ちくまプリマー新書)によれば、この分譲地を結果的に公園にせざるを得なかったことを記者に問われたグエルは、投資した何百万ペセタという大金について「しかし、他により良い使い方でもあるのかな」と返したとか。かっこいいですな、これぞあるべきパトロンの姿!

モザイクのベンチが縁を彩る「ギリシャ」劇場。
波打つベンチに座って記念撮影するのがお決まり。

この公園で最も驚く構造は、波打つベンチが印象的なギリシャ劇場と呼ばれる広場が、何本ものドーリス式列柱に支えられ宙に浮いていることだ。

グエル公園のドラゴンの噴水
ギリシャ広場で溜まった水は濾過されてドーリス式の柱を通り、「ドラゴンの噴水」から吹き出す構造。このドラゴンはギリシャ神話の聖地の守護者ビュートーンだそう。神社でいうと狛犬的なものだろうか。

広場の下は異世界。この空間では分譲住宅に住む人々のための市場が開かれる構想があったという。

ガウディは、古代ギリシャのデルフォイ神殿を再現し、これによりグエル公園を神域としたバルセロナを「世界の中心」に祭り上げることを目指していたと、前掲書の中で著書の鳥居さんは言う。

そうか、無邪気に「かわいい〜」などとはしゃいでいたが、ここはガウディの故郷カタルーニャへの愛が凝縮された神殿だったのか。そう思うと、ガウディが暮らしたあのつつましい家も、「神職の住まい」だと思えば合点がいく。

サグラダ・ファミリアの紹介記事でも触れたが、個人的にバルセロナ、ガウディ建築巡りで最も胸打たれたのが、グエル公園内にあるガウディが暮らした家だった。

グエル公園に残る、いまは博物館になっているガウディの自邸。ガウディが20年間暮らした家だが、建設を担当したのは、彼の弟子。
高台からバルセロナの中心部を見下ろす家
ガウディが手がけた家具なども展示されている。

建築会の巨匠の家としては非常にこぢんまりとしており、華美な要素はほとんどない。再現されているガウディの寝室などは、まるで修道士が暮らしていたかのような素っ気なさ。

晩年はサグラダ・ファミリア以外の仕事を断り、この質素な家から、仕事場であるサグラダ・ファミリアへ通勤、あとはミサなどに出席するだけ、という「聖人」ぶりだったというガウディ。

そんなエピソードを知ると、グエル公園という”神殿”から見下ろすサグラダ・ファミリアが神のような存在に見えてくる。

グエル公園から見下ろすサグラダ・ファミリア。彼は何を思い、日々この景色を眺めていたのだろうか。
曲線的な形状と色鮮やかなモザイクタイルで装飾されたかわいい「守衛小屋」と「管理事務所」。しばしばお菓子に喩えられる。

ガウディの空想力を楽しむテーマパークのように思っていたが、彼の宗教心やカタルーニャへの深い愛などを知ると、この公園はバルセロナを称える神殿のようにも、サグラダ・ファミリアを拝む遥拝所のようにも感じてくるのだった。

<関連記事>

”ガウディの都市”、スペイン・バルセロナ名建築めぐり【MAP付き】
祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる
スペイン版アール・ヌーヴォーの傑作、世界で一番美しい病院、バルセロナの世界遺産サン・パウ病院がすごい

バルセロナの記事一覧

 

 

The post バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと appeared first on トリッププランナー.

]]>
祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる https://tripplanner.jp/topics/5378 Fri, 25 Apr 2025 03:13:30 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5378 サグラダ・ファミリアは、予備知識なく訪れても、美しさと荘厳さに誰もが圧倒されるわかりやすい名建築だ。濃密な彫刻…

The post 祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる appeared first on トリッププランナー.

]]>
サグラダ・ファミリアは、予備知識なく訪れても、美しさと荘厳さに誰もが圧倒されるわかりやすい名建築だ。濃密な彫刻、ステンドグラスから漏れる色とりどりの光、有機的な石の佇まい……その視覚的なパワーを前にすれば、うんざりするような行列と荷物チェックを経てすでにくたくたになっている身体にも力がみなぎってくる。

実は私も大した知識もなくここを訪れた。心のメモ帳の「死ぬまでに見たい名建築」の上位に常にあった有名作品だから来てみた、ぐらいのものである。

ただ、ちょっとだけ建築の背景にあるストーリーを知ると、聖堂を見る眼差しも変わってきたりする。ということで、今回はこの名建築の感動ポイントを、ガウディの伝記等から得た情報を絡めながら個人的な感想メインでお届けしてみたい。

まず後から「へえ」と思ったのは、ガウディの代表作のように言われているサグラダ・ファミリアだが、実は一部しか世界遺産に登録されていないという事実だった。サグラダ・ファミリアと言えば、「光の森」と形容される樹木をモチーフにした柱が林立する聖堂内部が有名だが、実はこのエリアは世界遺産対象外。

サグラダ・ファミリア
森のように細い柱が林立し、多彩なステンドグラスから差し込む光が幻想的な空間を作り出す聖堂内部。ここは世界遺産じゃない部分。

実はこの聖堂内部はガウディが亡くなってから作られた部分。世界遺産の「アントニ・ガウディの作品群」に登録されているのはガウディが確かに関わったことがわかっている「最初に建設された地下聖堂」と「生誕のファサード(正面と塔)」のみなのだ。

ガウディの魂が宿る「生誕のファサード」

ガウディが生前に唯一完成させたファサード「生誕のファサード」は、3つの門(希望の門、慈愛の門、信仰の門)を中心に、キリストの誕生に関わる場面が細やかに描写されている。

生誕のファサード
彫刻の一部を日本人彫刻家である外尾悦郎さんが手がけたことが日本人として誇らしい。

まさに彫刻で埋め尽くされている、といっていいファサードは、ひとつひとつ読み解いていったら半日かかりそうな濃密さ。このファサードに関する史実を知ると、その美しさはさらに胸に迫ってくる。

ガウディの有名なエピソードとして、命の危険に及ぶほどの壮絶な「断食」がある。「生誕のファサード」の着工から1年後の1894年、すでに建築家として著名で、仕事も順調だったガウディが、「復活祭の前の四旬説に過去の罪を贖うために断食する」という教理に従って一切の食事を絶った。

それは周囲が「死ぬつもりか?」と思ってしまうほど壮絶なもので、家族や弟子がいくら説得しても何も食べず、ガウディはみるみるやせ細っていく。万策尽きた家族らは知り合いの神父に助けを求め、神父はガウディに「あなたはこの聖堂を完成させるという現世での使命を受けている」と語りかける。それにより、ガウディは自分の生きる意味、天命を悟ったのだった。

晩年のガウディは聖人と呼ばれ、朝夕必ず教会のミサに通う以外は聖堂の建設だけに命を捧げた。そんな彼のキリスト教の知識と祈りが凝縮したファサードは、まさに石でできた信仰のタペストリー。色鮮やかな聖堂内部だけでなく、立ち止まって彼の生涯に思いを馳せたいエリアだ。

見る場所によって表情が変わる聖堂は最も見学が楽しい「光の森」

さて、生誕のファサードを入ると、そこはまさに色の洪水。最もインスタグラマブルといえる空間に、観光客たちのシャッターを押す手が止まらない。

面白いのは見る場所によってがらりと表情がかわること。ファサード入ってすぐのあたりは、赤や青のステンドグラスの光に彩られ、祝祭感たっぷり。一方を見れば赤く、一方を見れば青い、そんな色の変化も楽しめる。

天井を見上げてみれば、そこは色数を押さえられ、際立つのは樹木をかたどった柱の美しさだ。

いまだ建設中の栄光のファサードは、聖堂内部から見ると幾何学模様のステンドグラスが現代的でスタイリッシュな印象。完成すれば正式な大聖堂の入場口となる予定だ。

ギリシャ神殿を思わせるエリアも。

モダンで異質な印象の「受難のファサード」

さて、見学の最後は、1954年に着工した比較的新しい「受難のファサード」へ。カタルーニャ出身の彫刻家ジュゼップ・マリア・スビラックスによる直線を多用した現代風なデザインは、生誕のファサードや有機的な”光の森”の聖堂を抜けてくると、若干違和感を感じてしまうのが正直なところ。

ここで描かれているのは、キリストの苦悩と悲しみ。最後の晩餐からキリストの十字架磔刑までの場面などが描かれている。

十字架を背負うキリストの彫刻。ダース・ベーダーみたいな人がいる…?

受難のファサードは「サグラダ・ファミリアは、ガウディの死後、ほとんど資料が残ってない中、手探りで建築が進められている聖堂」なんだよな、と改めて感じる箇所。聖堂内部の森のようなデザインなどはガウディの遺志を継いでいるというが、資料が残らない部分については後世に委ねられ、わりと自由に解釈されていたりもする。懐の広い建築なのだった。

ガウディは何を償わなければならなかったのか、想像を掻き立てた聖人の住まい

ざっと見学してつくづく感じたのは、とにかく規模が大きく、人も労力も、そしてお金もふんだんに使われた聖堂だな、ということ。

その大きさはまさに「バルセロナの灯台」と言いたくなる規模だし、彫刻やステンドグラス、柱の意匠など妥協のない美しさは、建築というより巨大なアート作品という印象。

この「華美」とさえ言いたくなるような華やかで荘厳な聖堂が、豊かとは言えない人々の献金を主な財源とするのを前提に着工されたという史実にも本当に驚く。

そもそもこの聖堂の正式名称は「サグラダ・ファミリア贖罪聖堂」。贖罪とは、「何らかの犠牲を通して罪を償う」という意味で、この理念をガウディは大切にし、自らも多大な犠牲を払った。それは、無報酬で聖堂の建築に携わること、晩年は聖堂以外の仕事を一切断ったこと、贅沢を禁じ、浮浪者と間違われるほどの質素な身なりをし、菜食主義を貫くなどだ。

建設資金が尽きた際には(当たり前だ)、すでに巨匠として著名であったにもかかわらず、自ら家々を周り募金を集めた。一体何がそこまで彼を突き動かしたのか、狂気のようなものさえ感じるエピソードである。

個人的に、バルセロナで一番胸に残ったガウディ体験は、グエル公園内にある「ガウディの家」を目にしたときのこと。

これが、あの華やかなアール・ヌーヴォー建築で人々を魅了した巨匠建築家の寝室? まるでクエーカー教徒の農夫の家のようではないか。

晩年のガウディが「聖人」と呼ばれていたという史実は知っていたが、ビジュアルでその倹約ぶりを突きつけられると、心の奥がぎゅっと締め付けられる。「聖堂を建てること以外に何もしたくない」と語り、この家と教会をひたすら往復していた、質素な身なりの老人の姿が目に浮かぶようだ。

一体、彼が何をしたっていうんだ。何を償う必要があるんだ、と小さな怒りさえ覚える。そうして、あの観光客たちを熱狂させる大聖堂が、飲み込まれたら二度と出てこれなくなる、美しい迷宮のようにも思えてくるのだ。

サグラダ・ファミリア

<関連記事>

”ガウディの都市”、スペイン・バルセロナ名建築めぐり【MAP付き】
バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと
スペイン版アール・ヌーヴォーの傑作、世界で一番美しい病院、バルセロナの世界遺産サン・パウ病院がすごい

バルセロナの記事一覧

<参考資料>

ガウディ よみがえる天才6」鳥居徳敏(ちくまプリマー新書)
入門 ガウディのすごい建築」鳥居徳敏監修(洋泉社)

The post 祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる appeared first on トリッププランナー.

]]>