単なるドライブ中の休憩スポットの域を超え、地域の魅力を発信する拠点として注目を集める「道の駅」。その土地の特産品や手仕事を販売するだけでなく、美味しいレストランやカフェ、温泉やアクティビティ施設を併設するなど、もはや中継点ではなく目的地になりうる場所も少なくない。
そんな道の駅戦国時代に、京都の山奥にありながら2024年の「道の駅最強ランキング」1位に輝いた道の駅をご存知だろうか。それが、今回紹介する「道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村」である。
京都、大阪、奈良から電車でも行ける、茶グルメづくしの道の駅へ
京都府の東南端、奈良、滋賀、三重の県境にある、京都府唯一の村、南山城村。宇治茶の主産地で、京都府産のお茶の約3割を生産するお茶の名産地だ。

お茶はお茶でも、この村が背負うのは、「宇治茶」という最強ブランド。ゆえにこの道の駅がプロデュースした濃厚な抹茶スイーツなどは、全国の百貨店の催事でも大人気なんだとか。今は新茶のシーズンを迎え、お茶グルメを堪能するには絶好のタイミング、これは行くしかない!
道の駅とは言え、JR関西本線月ヶ瀬口駅から徒歩10分。JR奈良駅からは電車で40分、JR京都・JR大阪駅からは約1時間40分と、電車派にも嬉しいアクセスの良い道の駅。インバウンド客でごった返す街歩きに疲れたら、ローカル線に乗って、のんびり訪れてみるのもいいのではないか。
アンテナショップで見たことのない野菜や調味料、名酒、銘菓などを探すのに目がない私にとって、道の駅パトロールは大好物。さっそくどんなものが並んでいるか、店内をチェックしてみよう。








…と、とにかくお茶商品ならどんとこいなのだが、奈良、滋賀、三重の県境という立地ならでは、お茶グルメ以外も気になる名物が並ぶ。



お茶づくしランチ、抹茶ソフトクリームは必食!
おいしそうなものばかりを眺めていたらお腹が空いてきたので、そろそろ道の駅にある村風土食堂「つちのうぶ」でランチをいただこう。せっかくなので名物の「お茶づくし御膳」をチョイス。


目にも鮮やかな緑の御膳に心も弾む。抹茶天重のご飯もほうじ茶を使った茶飯というこだわりぶりだ。小鉢に並んでいた南山城村産の厳選された茶葉を使用しているというお茶の佃煮も、口に入れた瞬間に「わ、お茶!」ぐらいのインパクトだ。

さて、食後には、周囲から「絶対食べたほうがいい!」と勧められた道の駅名物の抹茶ソフトクリームを。

こちらもとにかく抹茶味が濃い。 苦みとうまみたっぷりの、大人のソフトクリーム。食後にいただくと、口の中がリフレッシュされる感じで、おなかいっぱいだったはずなのにするすると胃の中へ。美味しかった!
そんなこんなで胃がいくつあっても足りない道の駅なのだが、あれも食べたいしこれも食べたい、もうここに住みたいぐらい!……などと思った人には、なんと宿泊というオプションが用意されている。この道の駅には、「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」が隣接しているのである。

周囲はほぼお茶畑のみという山間の村に、近代的な設備がある宿は珍しい。

しかし、道の駅グルメを楽しむ以外に、ここに泊まって何をすれば…?と思った人向けに、茶処ならではの体験メニューを紹介しよう。詳細は次の原稿、「お茶ってこうやって作られるのか…!」、京都唯一の「村」の茶畑で茶摘み&青空茶会を体験にて!
<訪れたのは…>
●道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村
京都府相楽郡南山城村北大河原殿田102
TEL:0743-93-1392
https://michinoeki.kyoto.jp/
●フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ
京都府相楽郡南山城村大字北大河原小字殿田105番地
TEL:0743-93-1555
https://www.marriott.com/ja/hotels/ukyfi-fairfield-kyoto-minamiyamashiro/overview/
<おまけ>
私が家に連れ帰ったお茶たち。左から、畑に覆いをして旨味を増やした茶葉を蒸して作る「深冠 FUKAKABUSE 」(1080円)、ひげ茶(300円!)、辻本製茶工房の深蒸しの宇治茶「新茶やぶきた」(1200円)。市場に出回る宇治茶はブレンド茶だが、単一農園・単一茶葉、いわゆるシングルオリジンが買えるのが産地の道の駅ならでは。

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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。