ミラノ屈指の観光名所、巨大アーケード「ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世」、略して”ガッレリア”。
こちらは前にも書いたけど、高級ブランドがひしめくショッピングアーケードなので、そういうのに興味がない人はいまいち楽しみ方がわからない場所でもある。
そんなあなたにおすすめなのが、意外とプチプラで楽しめる、優雅なアペリティフ(イタリア語ではアペリティーボ)。
この目にも鮮やかな赤いドリンクは、日本でもおなじみのカンパリソーダ。実はこのカンパリはミラノ生まれで、街の名物リキュールなのだ。
ドゥオーモのすぐ横、ガッレリアの入り口にあるこちらのバールはカンパリソーダ発祥の地として人気の「カンパリーノ」。
1867年、ガッレリアが完成するや、カンパリを発明したガスパーレ・カンパリは、ドゥオーモ広場の角に有名な「カフェ・カンパリ」をオープン。その息子、ダヴィデ・カンパリが1915年に「カフェ・カンパリ」の “弟分 “としてオープンしたのがこの店で、その歴史、なんと100年以上。
ここのカンパリソーダは、貯蔵庫からソーダ水を直接入れる画期的なシステムを導入することで、常に完璧に冷えたカンパリ&ソーダを提供すると当時話題に。私も目の前で作るところを見たが、たしかにホースのようなものからシャーっとソーダを注ぎ入れていた。
店はスタンディングと着席に別れているが、イタリアならではのバール感があるし予約も不要なスタンディングが個人的におすすめ。
著名な家具職人や鍛冶職人、画家が内装を手掛けたアール・ヌーヴォースタイルのインテリアも必見。
夕食前のアペリティーボの習慣はここから生まれ、カンパリを飲みながら政治や文化について語り合う知識人や著名人たちで常に賑わってきたという歴史ある店。敷居が高い気もするが、カクテルの料金はわりと普通で8ユーロぐらいである。
ではさっそく店に入り、飲みのものをオーダー。色々メニューはあるが、まずはこの店の最もアイコニックなドリンク、campari seltz(カンパリソーダ)が間違いない!
そしてすごいのが、ご覧の無料で付くおつまみ。これ全部食べ放題なんてすごい……。8ユーロのカンパリソーダにこのおつまみなら、かなりリーズナブルな印象である。
窓の外にはドゥオーモ、眺めも最高である。公式サイトによれば、2021年には、最も人気のあるバーリストで世界の27位を獲得したとか。
アペリティーボタイムは17時から23時だけど、朝ごはんやランチも可能。ガレリアを訪れたなら、本物のカンパリソーダを一度は味わってみては?
<公式サイト>※英語
Camparino
https://www.camparino.com/en/
<ミラノの記事>
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。