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南仏マルセイユで現代建築散歩なら訪れたい名所5つ

フランス第2の都市、南仏の港町マルセイユ。名物料理のブイヤベースなどグルメも楽しみな街ですが、実は建築好きの聖地でもあります。一番有名で世界遺産でもあるル・コルビジェが手がけた集合住宅と、見逃せない建築を紹介します。 ユニテ・ダビタシオン ル・コルビジュが設計した住宅、ホテル、レストランや幼稚園まであるマルセイユの集合住宅。豪華な屋上庭園や共有エリアなどショップやバー、カフェエリアなどが見学可能で、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の17件ある構成資産の一つ。建築ツアーも随時行っており、そちらだと見学できる範囲も広がります。 マルセイユの中心部からは地下鉄とバスを乗り継いで行くほど多少距離がありますが、思いの外観光客でいっぱい。ホテルに宿泊してのんびり過ごすのもよし。建築好きはわざわざマルセイユにこれを見るために訪れたりします。 L’Ombrière de Norman Foster 世界的建築家ノーマン・フォスターが設計した、観光客で賑わうマルセイユの旧港にある22メートル×48メートルの巨大な鏡の天井。建築というより巨大なアートといった存在で、下を歩く人はみな天井を見上げ、写真を撮る人も多数。何の役に立つのかわかりませんが、人々を楽しませていることだけは伝わる、港のランドマークです。 ヨーロッパ・地中海文明博物館(MuCEM) フランスの建築家リュディ・リコリが設計した、マルセイユの港にあるヨーロッパと地中海の文化テーマにした唯一の博物館。その独特の建築で、マルセイユ屈指の人気スポットになっています。博物館エリアは有料ですが、建築内には無料で入れて、屋上には眺めとインテリアの素晴らしいレストランも。地元民にもそこでの食事を強くおすすめされました。歴史的建造物とコンクリートの長い橋で結ばれていて、そちらも無料で楽しめるので、絶景と現代建築、歴史のコラボを楽しみにぜひ足を運びたい名所です。 マルセイユ現代美術センター / FRAC Fonds…

泊まれる世界遺産、ル・コルビジェによるマルセイユの名作「ユニテ・ダビタシオン」訪問レポー

近代建築三大巨匠のひとり、ル・コルビジェ。2016年には、世界7カ国にある17作品が「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」として世界遺産に登録されている。 その17作品の一つ、マルセイユの「ユニテ・ダビタシオン」はコルビジェの代表作と言われることも多い名作中の名作。建築好きなら一度は見てみたいと思う場所のひとつだ。 ロンシャン礼拝堂やサヴォア邸など、行くのがちょっと面倒な場所に多いのも巨匠作品の難点の一つだが、ここは大都市マルセイユにあり、交通アクセスも比較的簡単なので、初心者が訪れるのにはうってつけ。 マルセイユ中心部から地下鉄とバスを乗り継ぎ、目にしたそれは、遠くからでも「キター!」と声が出るほどの存在感。1952年竣工ながら、幼稚園やスーパーなどを備え、まさに日本の団地を先取りしている小さな町とも言える集合住宅。 世界遺産に登録されているとあって、思いのほか見学者も多数。ガイドツアーに参加しなくてもショップやレストラン、ホテルのフロントエリア、屋上の見学は可能なので、今回私は気軽にそちらで建物を堪能してみた。住居エリアなどをしっかり見たい人は、事前予約でツアーに参加してみるといいだろう。 ■3階&4階 ホテルロビー、カフェ、ギャラリー、ショップエリア こちらはホテルのフロント脇にある、カフェ・バーエリア。カフェと言ってもフードはなく、お酒やコーヒーなどのドリンク、マフィンなどの焼き菓子があるのみ。 訪れたのは夏なので、人気はやはりテラス席。周囲には山々の緑が広がり、眺めも良くてのんびりできる。このためだけに来ても楽しいかもしれない。マルセイユの地ビールなんかもあり、今回は疲れもあってかけつけ一杯。 ランチを食べることができず、仕方なくブルーベリー・マフィン。レストランなどが近くにないので、食事難民になりやすいのが玉にキズ? カフェ内のインテリアもいちいちかわいい。 同じフロアには、南仏の光がたっぷり差し込む廊下があり、コルビジェグッズが買えるお土産屋さんやアートギャラリーなんかもある。 黄色い郵便ポストが印象的な廊下。   ■ 屋上庭園 それでは、大型船のデッキに喩えられる有名な屋上庭園へ行ってみよう。…

路面電車でトコトコ、史跡と文化系スポットを巡るノスタルジック熊本まち歩き

ノスタルジックな路面電車が走る城下町、熊本。 歴史ある神社や庭園、カフェに本屋さんをめぐる、ちょっと文化系な熊本さんぽのご案内。 ガイドブックにあまり載っていない場所も多いけれど、フォトジェニックな風景がきっと見つかる一日観光コースで女子旅や一人旅におすすめ。 まずは熊本藩主ゆかりの名庭園からスタート。市電の1日乗車券を使えば、主要な見どころが回れてしまいますよ♪ 1 水前寺公園(水前寺成趣園) 水の都、熊本ならでは、湧水の絶えることのない池や、東海道五十三次を描いた庭園など見どころいっぱいの観光名所。熊本の伝統野菜「水前寺菜」のモデル圃場も。⇒ 地図 2. 出水神社(いずみじんじゃ) 水前寺公園の中にある、熊本藩歴代藩主を祀る神社。朱色の鳥居が連なる向こうに、東海道五十三次を模した庭園が見える眺めの良いカメラポイントでもあります。境内には神水「長寿の水」もあるので、ぜひ喉をうるおしてみて。御朱印もいただけます。 ⇒ 地図 3. 古今伝授の間 清らかな湧き水の池を抱く桃山式庭園を眺めながら抹茶とお菓子がいただける、水前寺公園内の建物。熊本県指定重要文化財にも指定されている茅葺きの屋敷は、約400年前に京都御苑の八条宮家の御学問所だったもので、明治になってから細川家に下賜されたものだそう。 そんな雅な建物のなかで、富士山を模した山を眺めながらのお茶は格別な体験なので、ぜひ水前寺公園を訪れたらこちらで休憩を。⇒ 公式サイト…

ネクラノヴァ通りの集合住宅

チェコ、プラハのキュビズム建築めぐり

20世紀初頭に、ピカソやブラックが主導した切子を思わせる幾何学的なデザインが印象的なキュビズム運動が建築に適用されたのはチェコだけ。 現実とはほんの少しルールが違う異界に放り込まれた不思議の国のアリスのような気分になれる、ギザギザな世界を味わってみましょう。 キュビズム博物館 観光名所が多くにぎやかなプラハの中心地にある「ブラック・マドンナ」(黒い聖母の家)内にある美術館。 家具、絵、インテリア雑貨、照明や建築模型など、あらゆるキュビズムを堪能できます。 ここは建築も、最も多くのキュビズム建築を残したというヨゼフ・ゴチャールが手がけ、中にあるカフェまでキュビズムです。 グランド・カフェ・オリエント(Grand Café Orient) キュビズム美術館がある「ブラック・マドンナ」にあるカフェ。照明からコートハンガー、カップ&ソーサーまでギザギザや多面体! ⇒ 公式サイト ブラック・マドンナ(黒い聖母の家) 観光名所が多くにぎやかなプラハの中心地にあり、キュビズム美術館やカフェを併設する「ブラック・マドンナ」(黒い聖母の家)(1912)。手がけたのは最も多くのキュビズム建築を残したというヨゼフ・ゴチャール(1880-1945)。 外見もさることながら、中の階段のあしらいがすばらしい。 フラッチャニの二世帯住宅 最も多くのキュビズム建築を残したというヨゼフ・ゴチャール(1880-1945)が手がけた住宅。プラハ城の裏手の閑静な住宅街にあり、観光名所ストラホフ修道院へ向かうトラムで途中下車すると簡単に行くことができる。…

丹波篠山、民藝の名所めぐりの旅

日本六古窯のひとつ、丹波焼で有名な丹波篠山。レトロな城下町として観光客に人気ですが、バーナード・リーチや河井寛次郎に技術を学んだ窯元が今も残る民藝の聖地でもあります。 ぜひ素敵なうつわを探す旅を楽しんでみて。 丹波古陶館 日本六古窯のひとつ、丹波焼の歴史と作品に触れられる、民藝ファンはもちろん、うつわ好き、歴史好きならマストゴーのギャラリー。ショップでは丹波焼の器も買えます。 丹波焼立杭登窯 丹波篠山市、多くの窯元が集まる今田町に現存する日本最古の登窯で、築窯は明治28年(1895年)。兵庫県の有形民俗文化財でもあり、今も年1回焼成を行っているそう。 丹波焼について学ぶなら外せない名所のひとつです。 俊彦窯 丹波篠山にある、河井寛次郎の孫弟子にあたる清水俊彦さんの窯。シンプルで日々の暮らしに重宝するうつわが並びます。 丹窓窯 丹波立杭 (たちくい) 焼の窯元のひとつ。7代目の市野茂良さんはイギリスのバーナード・リーチの工房でスリップウェアの技術を学んだ経験のある貴重な日本人の一人で、今も店舗にはスリップウェアの器が並んでいます。風情ある建物も素敵なショップ。窯元が多く集まる今田地区にあります。民藝の歴史に触れられる貴重な場所のひとつ。 岩茶房丹波ことり スリップウェアを多く手掛ける丹波の陶工、柴田雅章さんの器で食事ができる古民家カフェ。堀端の旧武家屋敷を改装した店内にはショップスペースも有り、うつわを買うこともできます。…

『縄文神社』著者・武藤郁子さんに聞いた、縄文時代×神社=縄文神社の魅力 とは?

――武藤さんが縄文に代表される古代史に惹かれるようになった原体験はありますか?  私の家は埼玉県にあるのですが、ちょっと土を掘ると土器の欠片が出てくるような地域で。子どもの頃から、よくかっこいい土器の欠片を探して遊んでいたんです。 ――今回「縄文神社」というテーマで神社巡りをはじめたきっかけは何ですか? 実は7・8年くらい前から、縄文遺跡と神社が重なる場所をリストアップしていました。2020年3月からコロナ禍で、いくつかのお仕事が延期になったことをきっかけに、本気でリサーチを始めたんです。 遺跡×神社でざっくり調べただけでも思った以上に数があったので、これはただごとではないぞ……と感じました。 出典:『縄文神社 首都圏編』(武藤郁子著、飛鳥新社 2021年) ――「縄文神社」という名前も素敵ですよね。 そう呼んでみたらイメージが定まって、「強くていいな」と感じたんです。そこからさらにリサーチを重ねていたら、周りの人たちに「本にした方がいい」と言われるようになって、2020年5月に書籍化が決まりました。 今年6月に出版してみたら、歴史に興味なさそうな方にも反応してもらえたのが意外でしたが、嬉しかったですね。 ――ちょうど縄文遺跡群が世界遺産登録、というニュースがありましたが今、縄文が注目される理由は何だと思いますか? まずは、縄文と言われる時期を見てみると、長い! 1万3000年もの間を縄文時代と呼んでいて、弥生時代から現代の長さの何倍もあるんです。 また、縄文時代というのは、世界史的に見ると非常識な時代なんですよね。どう非常識かというと、狩猟採集でありながら定住という、世界的に見ても特殊な文明が発達していたこと。どんどん世界の常識は変わっているので、この縄文へのイメージも、また発見によって変わってくるとは思いますが……。 縄文時代は理想化されやすいのですが、私の中では「私たちと同じだな」と感じる部分があります。…

ラーメンエディター・佐々木 正孝さんが明かす! ラーメンの最新トレンドと注目の5店。

東京、それは究極の麺とスープを武器とする頂上決戦が日々繰り広げられているラーメン激戦区。その最新トレンドやいかに? 今こそチェックしたい注目店は? 『石神秀幸ラーメンSELECTION』など数々の麺著…いや名著を世に送り出してきたラーメンエディター・佐々木正孝さんが、イチオシの5店を教えてくれました! ――佐々木さん、気になるラーメンの最新トレンドと店舗を教えてもらう前に、まずはラーメン追いかけ始めたきっかけから教えてください! 高校生まで過ごした秋田でもラーメン好きではありましたが、食べ歩くほどの文化資本がなく、大学進学と共に上京。東京でラーメン専門店に本格的に出合ってからはラーメンのまち荻窪に移り住み、ラーメン三昧の日々をおくりました。 ちょうど90年代中盤で、『中華そば青葉』『麺屋武蔵』『らーめんくじら軒』(1996年に創業し、96年組と定義されるレジェンド店)をはじめ、新たなトレンド、注目店がボコボコ出てくる、まさに「毎年がヴィンテージイヤー」でした。 この黄金時代、現代ラーメンがブレイクするプロセスを目の当たりにしたのが原点ですね。 ――毎年がヴィンテージイヤー! そんな豊漁を体感してきた佐々木さんが今思う「ラーメン」の魅力とは? 主要なスープタイプだけでも醤油、塩、味噌、豚骨、鶏白湯、煮干し、豚骨魚介など幅広く、さらに麺のタイプや具材の合わせ、香味油やスパイスの使い方で無限のバリエーションがあります。 歩くほどに新たな一杯に出会える、まさに味の無限遊園地や~! といった趣。新店は続々登場するし、名店も味をリニューアルし続け、地方の強豪も刃を研ぐ。必食! とリストアップしている全国、世界のラーメン店はおそらく生涯のうちに食べ切れることはないでしょう。 スープがないラーメン(まぜそば)や、そば粉入りの麺使いがあれば、麺なしラーメンなんてのもあり、「ノールールがルール」なのもラーメン。「こんなのラーメンじゃない!」と言う瞬間が来たら自分は終わりだと思ってます。 ――海のような深さのラーメン愛。佐々木さんの“終わり”を見る日はきっと来ない…そんな気がしております。最近のトレンドの傾向もぜひ! 大きく5つのトレンドがあります。詳しくご紹介しましょう。 ●トレンド1 「和ハーブ」 生姜や山椒などの和ハーブを取り入れるラーメンが増えています。近年はスパイスを前面に押し出したラーメンが人気ですし、唐辛子・山椒で辛味・シビれを演出する汁なし担担麺も増えてますが、そこまで刺激が強くなく、生姜のじんわり滋味、山椒の爽やかさを感じさせるラーメンは女性にもおすすめですね。 ●トレンド2 「洋風スープ」…

ゴールデンウィーク前後が見頃! 裏磐梯、猪苗代周辺で桜の名所をめぐる旅

日本百名山の磐梯山、日本で三番目に大きい湖、猪苗代湖。日本の湖水地方と言われる裏磐梯など、自然に恵まれた地方で、例年の見頃、GW前後にお花見ツアーはいかが? 磐梯山牧場 猪苗代湖と磐梯山の眺めが楽しめる、磐梯高原にある町営牧場。例年の毎年4月下旬から5月上旬にかけて、約200本のソメイヨシノが咲く「まきばの桜ロード」もある。 土津(はにつ)神社 徳川幕府三代将軍・家光の異母弟で、会津藩祖の保科正之を祀る神社。1675年造営後、戊辰戦争で社殿が消失。明治時代に再建された。紅葉、そして桜の名所としても知られる。会津藩主松平家の墓所でもある。 観音寺川さくら並木 川沿いソメイヨシノを中心とした桜並木が約1km続く、猪苗代町にある桜の名所。満開時には桜のトンネルが広がる。例年の見頃は、4月下旬~5月上旬頃。 桜峠 裏磐梯エリアにある3,000本のオオヤマザクラ(大山桜)が咲く桜の名所。2001年、敬宮愛子内親王殿下御生誕をお祝いし植樹が始まった比較的新しい桜の名所。日帰り入浴施設「ラビスパ裏磐梯」に隣接。ソメイヨシノに比べて濃いピンクの花なので、普通の桜の名所に飽きた人には新鮮な眺め。 亀ヶ城公園 JR磐越西線猪苗代駅より車で約5分のところにある、猪苗代氏代々の城跡。お濠の内外に桜があり、お花見の名所でもある。猪苗代城は慶応4年戊辰戦争で落城し、今はわずかに石垣等を残すのみ。他に、中世の丘(鶴峰城跡)もあり、その長い歴史を今に伝えている。 小平潟天満宮(こびらがた天満宮) 猪苗代湖畔にある、野口英世も信仰していたという神社。最近では受験生向けのパワースポットと言われているようで、五角絵馬(五角を合格とかけて?)がたくさん奉納されていました。 近くには桜の並木道も。

BOOKSHOP LOVER 和氣正幸さんにきいた、一度は行きたい全国の独立書店5選

街の本屋が減りつつあるなかでも、大型書店にはない切り口でファンを獲得し続けているのが「独立書店」と呼ばれる本屋さんたち。自ら東京・下北沢で「本屋のアンテナショップ」BOOKSHOP TRAVELLERを運営しつつ、独立書店を応援する活動・BOOKSHOP LOVERも主宰している和氣正幸さんに、独立系書店の魅力を聞きました。 ――いまや本屋に関する著作も多い和氣さんですが、本屋ライターになったきっかけは何でしょうか? 前職ではサラリーマンをしていたのですが、独立するために「自分がしたいことは何か?」と考え、思いついたのが本屋でした。でも、出版業界とは縁もゆかりもない業界だったのでどうしたら良いか分からなかったんです。 当時はインターネットで調べても、どうすれば本屋になれるのか見当もつかず……そこで「まずは現場へ行こう」と。 ――異業種からの転職とは意外でした。 そうなんです。本屋へ足を運ぶうちに、メモの量が膨大になってきたんです。どうせなら……とそれまで書きためてきたものをブログとして公開したのが、すべてのキッカケになりました。 ――では、今のお仕事も、ブログがきっかけになったのですね。 はい。ブログが読まれるようになり、気が付けば著書をいくつか出すまでに。さらに、憧れていた本屋になることもできました。人生どうなるか分からないものですね。 ――和氣さんが応援している独立書店さんの魅力は、どんなところにあると思いますか。 広さが限られているがゆえに、店主それぞれの方法論が如実に反映されることです。 例えば、古本をとにかく回転させていく街の古本屋もあれば、一方でミュージアムショップ的な本屋もあります。また、毎日イベントを開く本屋もあれば、こだわりの飲食を提供する店も。 それぞれが「本」というキーワードを軸に、生き残るための試行錯誤を続けているんです。何より、その動き続ける様が美しいと感じています。 ――最後に和気さんにとって、本屋さんを追いかけることについての最大の魅力はなんですか。…

マンガナイトBOOKS松尾奈々絵さんオススメ! 迷えるアラサー漫画『A子さんの恋人』の聖地を巡ろう

ユリイカ2021年3月号の特集にもなった漫画家/アーティスト・近藤聡乃さん。彼女の人気作品『A子さんの恋人』は、恋に生き方に揺れ動くアラサーたちの物語。阿佐ヶ谷をはじめ、押上や谷中など都内各地の名所が、美しいタッチで描かれています。揺れる心を抱えたときに漫画を重ねて立ち寄りたい、作品を象徴するスポットをマンガナイトBOOKS松尾奈々絵さんに教えてもらいました。 ――まずは、松尾さんが所属されている「マンガナイトBOOKS」について教えてください。 「マンガナイトBOOKS」は、文京区春日にあるマンガ専門の新刊ブックカフェ兼ギャラリーです。定期的にマンガ作品の原画等の企画展を実施し、展示期間に営業しています。現在新型コロナウイルス感染拡大防止のため、貸し切り予約制で営業しています。 ――お仕事にするほど、漫画に深くハマったきっかけなどはありましたか? 幼い頃からマンガが身近にある生活を送ってきたので、仕事になるほどハマったという明確なきっかけは思いつかないですね。 ただ、中学生の時に読んだ緑川ゆきさんの『蛍火の杜へ』には、特に心動かされました。当時はまだ今ほど緑川さんの作品が売れていない時期だったので、「世の中には知られていないけれども素晴らしい作品がたくさんあるんだな」と思ったのを覚えています。 ――数ある作品の中から今回推して頂いたのが、近藤聡乃さんの作品『A子さんの恋人』。この作品の魅力について教えてください。 学生時代の恋人 “A太郎”と、アメリカに残してきた恋人 “A君”の2人との関係性で揺れ動く “A子”さんが主人公です。 というと、色恋モノとして敬遠される方もいるかもしれませんが、それだけではなく、もうすぐ30歳をむかえる登場人物たちが才能や生き方に悩みながら、未来の取捨選択する様子が描かれています。ぜひ多くの方に手に取ってほしい作品です。 ――作品に登場する場所巡りは、アニメなどでもよく「聖地巡り」として楽しまれていますよね。今回の『A子さんの恋人』の聖地の特徴や作品と一緒に楽しむことでの魅力は何でしょうか。 商店街やお店、公園、美術館など、作中には実在するスポットがたくさん出てきます。そのリアルな場所に行ったことがなくても楽しめる作品ですが、実際に訪れることで「どうしてこの人がこの場所に住んでいるのか」など、キャラクターの「人となり」がよりよくわかります。そして、現地を訪れることで実際にキャラクターが現実に存在するような感覚が抱けるので、読了してから各所訪れるのがおすすめです。 ――ありがとうございます。実際に作品を読むと、行ったことがあるスポットも、何か別の場所のように感じさせるノスタルジックなドローイングにも心奪われます。読めば読むほど魅力を感じる登場人物たちを思い出しながら巡ってみてください。…

『物語で知る日本酒と酒蔵』著者の友清 哲さんが選ぶ、今オススメの5つの蔵元。

グルメ大国フランスをはじめ、いまや世界中で愛されている日本酒。その一滴には、造り手である蔵元の歴史とロマン、ときには不思議なミステリーも秘められているようで…!? 日本酒が生まれる源を訪ね歩いた『物語で知る日本酒と酒蔵』著者、ライターの友清 哲さんが、いまイチオシの蔵元5つをピックアップ。いざ、“ストーリーごと味わう”美酒の旅へ! ――友清さん、5つの蔵元のお話の前に、まずは「日本酒」に惹かれたきっかけから教えてください。 日本酒にはっきりと関心を寄せるようになったのは、およそ20年前くらいでしょうか。 当時はまだ“第三次焼酎ブーム”の気配が残っており、日本酒が少し元気を失っている時期でしたが、やがてブームが盛り上がり始めたことから、旅のプランに酒蔵見学を盛り込むようになりました。 もともと「お酒は造り手や背景を知ると何倍も美味くなる」が持論なので、酒蔵見学という文化の定着が、日本酒への興味をいっそう後押ししたように感じます。 ――20年の変遷をご覧になった身として、改めて「日本酒」の魅力をふりかえるなら?  お米由来の甘みやふくよかな旨味など味についてももちろんですが、ここ10~15年ほどは各蔵で代替わりが進み、新しい蔵元が新しい発想で酒造りを始め、新鮮な驚きに出会えるのがいいですね。 ――日本酒界に新しい風が! うーん、訪ねてみたい。蔵元めぐりのお作法はあるのでしょうか? 見学の際は、「当日は発酵食品を食べないように」など、よく言われる最低限のルールさえ守れば、あまり堅苦しく考え過ぎず、各蔵の案内に従って気ままに愉しめばいいのではないでしょうか。 日本酒の製造過程だけでなく、酒蔵は100年、200年と長い歴史を持っているところが多いので、建物や機材といった細かい部分までぜひ観察してほしいです。 ちなみに、それが泊りがけの旅なのであれば、蔵元さんに“その地域のおすすめの酒場”は絶対に聞いておくべき。ガイドブックに載らないツウ好みの店を教えてもらえることが多く、たいていその蔵の商品を多数取り揃えています。醸造の現場を見た上で飲む酒は、いっそう美味しく感じるはずです。 ■『物語で知る日本酒と酒蔵』著者が選ぶ、今オススメの5つの蔵元。(写真・文:友清 哲さん) 長崎県佐世保市 梅ヶ枝酒造 酒造りについては基本的に機械に頼りすぎず、人力の繊細な感覚を大切にしながら仕込むのが梅ヶ枝酒造のモットー。…

ワインマガジン編集長&酒旅ライターの岩瀬大二さんが選ぶ、旅して心満たされるワイナリー5選。

伊勢志摩サミットで各国の要人に提供されるなど、近年たびたび話題になる「日本ワイン」。 そのはじまりは明治時代。歴史としてはずいぶん浅い方ですが、近年では世界のコンクールで優れた賞を次々と受賞するなど海外からも熱い注目が集まっているとか。 シャンパーニュ専門のWEBマガジン「シュワリスタ・ラウンジ」編集長であり、“酒旅ライター”としても活躍する岩瀬大二さんが、フォトジェニックな絶景や美食が味わえる国内ワイナリーを5つピックアップしてくれました! ――岩瀬さん、5つのおすすめワイナリーを伺う前に、そもそも「日本ワイン」に注目しはじめたきっかけから教えてください。 時期は2005年ごろだったかと思います。それまでは、“日本のワイン”といえば昭和の観光土産のイメージ。ちょっとネガティブな印象を持っていて、わざわざ取り寄せてまでは飲まない…と思っていました。 が、いくつかのワインを「仕事の延長線上」で「仕方なく」テイスティングしたら、衝撃の美味。日本ワインがアップデートされていないのではなく、自分がアップデートできていなかったことにショックを受けました。 それ以降、日本ワインも世界のワインのひとつの個性ととらえるようにして触れてきました。そのころはまだまだ悪い意味で“昔ながら”のワインも多かったのですが、ここ5年は本当にすばらしい個性をもつワインが、当たり前のように世に出てきたと感じます。 ――現在の日本ワインはめきめきとレベルアップしてきた結果なんですね。ちなみに、現在のトレンドは? 日本ワインの路線は大きく分けて、地のブドウでクラフト的なワインを作るものと世界標準を目指すものがあります。今はその両方に優れたものが出てきていますね! 現在、各ワイナリーでは、むずかしい品種や技術にも積極的にトライし、さまざまな実験が活発に行われているようで、楽しみですね。こうしたマニアックな路線も極めていく一方で、もっと気軽に飲めて愛されるものも増えてくれるといいな、と思います。 ――最後に、そんな岩瀬さんからみた「日本ワイン」の魅力って? 日本の土地で生まれたものゆえに、やはり日本の食事によくあいます。和食というより、郷土料理、あるいは普段の食卓にぴったりなのです。 日本ワインの造り手は、大手といえども規模は小さめ。その分、手作りらしい素直な風合いがあり、造り手の姿が見えやすく、距離が近いところも楽しいですね。 そして、なんといっても一番の魅力は気軽な旅先になること! ワイナリーは広々とした斜面でぶどうを育てていることが多く、見晴らしのいい絶景の丘にあったり、レストランやテイスティングコーナーが併設されていたりして、まさに絶好の旅スポットです。 ■ワインマガジン編集長&酒旅ライターが選ぶ、注目のワイナリー5選。…