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まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!

まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!

手付かずの自然が残り、「ヨーロッパ最後の秘境」と呼ばれることもあるアルバニア。今回は人気のアルバニア・アルプスに向かう、絶景のフェリー航路をご紹介します。

今回のアルバニアの旅の最大の目的地は、北部の山岳リゾート、ヴァルボナ(Valbona Valley バルボナとも)だった私。これまでのヨーロッパ旅行は一人旅が多いということもあってどうしても都市部中心になっていたので、秘境のような場所で心癒されたかったのだ。疲れているのかもしれない。

ヴァルボナ
ヴァルボナはこんな場所。控えめに言っても絶景…!

2,000m級の山々が連なるアルバニア・アルプスにあるヴァルボナは、最近欧米のハイカー、トレッカーに大人気の8,000ヘクタールの広さを誇る国立公園(Valbonë Valley National Park)。

アルバニアの首都ティラナから行くには、コソボを経由して陸路で行くか、あるいは急峻な山々の間を縫うように行くフェリーを使って向かうのが一般的。

一人旅の私は自力でここへ向かうのは早々に諦め、ティラナからの送迎や宿、食事がついて382ドルというリーズナブルなパッケージツアーに参加。人件費が安いせいか「最少催行人数」とかないらしいアルバニアでは一人で申し込んでもあっさり催行が決定したりする。

行きは「明日ヴァルボナからコソボへ向かう一人旅女性」と一緒に、現地では「違う場所からヴァルボナに来たツアー客ら」と合流、二日後は、コソボからティラナに戻る団体客に混ぜられる、と会社としてなんとか赤字を出すまいとしているらしい編成を組まれはしたけれど、まぁ安いし色んな国の人と出会えそうでこちらはウェルカムだ。

早朝5時にティラナの宿にさっそうと4WDでピックアップに来てくれたのは、ティラナ大学でコンピュータサイエンスを学んでいるという大学生のミュアヤンくん。山登りとロッククライミングと、GoProとDJIのドローンが大好きな現代っ子。ちなみにティラナ大学はアルバニア最高学府の国立大学なのでたぶん賢い。

ティラナからしばらくは普通に舗装された道路だったが、アルバニア・アルプスに近づいてくると、結構なオフロードになってくる。
ガードレールのない道なのに崖みたいになっている箇所があったりして若干怖い。レンタカーで自力で行こうという猛者は注意されたい。

犬が道路で遊んでいたりもするので注意。

猛スピードで無茶な運転をするのがデフォルトと噂のアルバニア人だけど、さすがにこんな悪路だとミュアヤンくんもかなりのノロノロ運転である。「気をつけてね」と声をかけると、「実は4WD運転するの今日が初めてなんだよね、ははは」と苦笑い。え? そ、そうなの!?

正直な告白にちょっぴり肝を冷やしている間、なり続ける青年のスマホ。「出なくていいの?」と聞くと、ミュアヤンくんはちらりと着信画面に目をやり、「家族からだよ。心配で何度も電話してくるんだ」とはにかんでいる。
そういえば、彼はまだ子どもなのだ。そりゃママも心配だろうよ、こんな悪路を息子が不慣れな4WDで走るなんて……と、なんだか母親のような気持ちになる日本人旅行客なのであった。

なんだかんだで何事もなく無事にフェリー乗り場に到着。


工事現場のようにも見えるけれど一応ここがターミナル。近くに巨大なダムがあるため、こういう雰囲気なのかもしれないけれど、ここ、ターミナルって気づくかいな、普通……。

私達が乗船したターミナルは①Koman。②のFierza Lakeで降りて、ヴァルボナに向かうのだ。

船内はこんな感じ。小さな売店みたいなのもあって中でエスプレッソなんかも注文できる。

しかし普通は絶景で知られる航路(たとえばこんな感じ)なので乗客はあまり船内にいない。デッキに登ってその絶景を楽しむのが普通なのだがこの日は雨が降って極寒なので、しぶしぶいるという感じ。

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私も頑張って寒空の中、外に出てみる。こちらはフェリー乗り場からすぐのところで見た十字架。コマン湖にはこうしたキリスト教関連のスポットがいくつかあるらしい。

一瞬雨がやんだときの風景。これを秘境と言わずして何が秘境であろうか。行ったことないけど写真集で見かけたフィヨルドにそっくり。
近代的なものが、看板の類が、人の気配がまったくない、今どき珍しい深い深い自然の中。ここも何年かしたら、水辺にコテージなんかができちゃったりしているのだろうか。

デッキにわらわら集まってきた若者の多くは英語を話している。アメリカ人や、イギリス人に人気のリゾートという噂はどうやら本当のようだ。
晴れていればもっと鮮やかな美しさなのだろうが、緑が深く幻想的な雰囲気の雨の日も悪くない。

これはもう、交通手段というより、このフェリーこそが目的地でもいいのかもしれない、と思ったら、普通にここを目指す人も多く、専門のツアーなんかもある。

個人的にはこのフェリーを降りて向かったヴァルボナも素晴らしかったので、両方あわせてのアルバニア絶景の旅をおすすめしたい。

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