カステラ、天ぷら、金平糖など、日本に多くの美味しい食をもたらしてくれた、歴史的にも我が国と縁の深い国、ポルトガル。気候も温暖でイギリスやフランスなどに比べれば物価も安く、治安も良好なことから、近年はデジタルノマドにも人気の国である。
将来はここでノマドライフも悪くないかも…と下見がてら旅してみた私が、この街の歩く難易度をレポートします。
■「7つの丘の街」、リスボン
観光のスタートにおすすめなのが、リスボンの随一の繁華街バイシャにあるロシオ広場。多くのウォーキングツアーの集合場所にもなっている人気の待ち合わせスポットだ。
もちろん私もウォーキングツアーに参加するためにやってきた。周囲には世界最古の書店やエッグタルトの名店、カフェやレストランもひしめき、ぶらぶら歩くだけで楽しいエリアである。
しかし、私はこの時点でまだ気づいていなかった。この一見なんでもない広場が、リスボンではいかに貴重な「平らな場所」だったかを…。
リスボンの別名は「7つの丘の街」。起伏の激しさからそう呼ばれているのは知っていたが、訪れてみるとその丘の急峻さに驚く。
たとえば、待ち合わせ場所の広場から歩いてすぐのところにある、バイシャのランドマーク「サンタ・ジュスタのエレベーター」。
20世紀初頭に、丘の上にあるバイロ・アルト地区に移動できるように作られたエレベーターは、作られた当初は坂の多い街で暮らす人々の救世主的乗り物だったのだろうが、今は行列しているのは観光客のみである。
我々はエレベーターの行列を嫌って普通に坂を登ってエレベーターの終点地点までいったが、この眺めのとおりさっきまでいた広場あたりとの高低差がすさまじい。大体、バイロ・アルトという地名そのものが「高い地区」という意味なのだ。正面のこんもりとした山の上に見えるのは観光名所のサン・ジョルジェ城。しかし、あそこも登るのきつそうだな…。
■ 衝撃的な勾配、人気のアルファマ地区のガチ坂道
ウォーキングツアーで、バイシャからバイロ・アルトあたりをぶらぶら歩いている辺りではまだ持ちこたえていた私の足も、観光客に人気のアルファマ地区散歩でついに悲鳴をあげる。
だって、
ひたすら、
こんな、
急勾配の坂道が続くんですよ!!
イスラムの影響を残す迷路のように入り組んだノスタルジックな路地や家々は、リスボン屈指のフォトジェニックスポットなのは間違いないが、心臓と膝が弱い人は要注意といっていい難所。石畳も足に響くのでくれぐれも履き慣れたスニーカーで登山してほしい。
と、辛いことばかり書き連ねたが、登山と同じく、登頂後は絶景が楽しめる。このご褒美のために頑張るのもよし。
■ 登山だと思うと辛くないリスボン観光
ということで、リスボンに行っちゃおうかな…と軽く考えているあなたのために、ガチ坂道の数々を写真で紹介してみた。将来ここでノマドライフを送るかどうかは、自分の足腰と相談してみたいと思うが、今のところ自信がない。
起伏の富んだ地形やカラフルな家々、ロマンティックなアズレージョなど、リスボンの美しい風景は、タクシーもケーブルカーも入り込めない狭い路地とともにあることを覚悟して。
最初から登山だと思って行くのがおすすめです!
<関連リンク>
・平坦な土地だと油断していったら登山並みに辛かったイタリアのベネチアの観光レポートもどうぞ。
・リスボンの名物蚤の市、アルファマ地区の泥棒市に行ってきた。
・ポルトガル、世界遺産の街ポルトの鉄板観光名所をめぐる半日徒歩コース
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。