旅の楽しみ、名物料理をご紹介するシリーズ「世界名物料理紀行」。今回はトルコ名物キョフテをご紹介。
トルコ風ミートボールとか、トルコ風ミニハンバーグなどと訳されることも多いキョフテ。日本でもそこそこ知られるようになってきて、検索すればレシピも多くヒットする。
ラム肉か牛肉の挽肉に玉ねぎやパン粉を混ぜて捏ねて焼くレシピが多いので、ほぼハンバーグだが、クミンやパプリカなどのスパイスを混ぜるところがややエキゾチック。日本でいえば餃子みたいなどこにでもあるメニューなので、トルコ国内であれば概ねどこでもありつける名物だ。
イスタンブールでキョフテを食べるなら
もしトルコの首都イスタンブールを旅していてキョフテが食べたくなったら、おすすめは雰囲気も抜群なこちらのレストラン。
店内のレトロな雰囲気も魅力的な食堂、「スルタンアフメット キョフテジシ セリム ウスタ」(tarihi sultanahmet köftecisi)。1920年創業と歴史も古く、キョフテが名物の老舗食堂である。
創業から変わらないというレシピは、材料は牛肉とパン、玉ねぎのみ、味付けも塩だけとスーパーシンプル。香辛料を全く使っていないのが自慢だというキョフテは、ハンバーグよりもねっとりした食感で、肉の練り物、といった優しい味。
物足りない人は、テーブルにセットされたスパイスなどを使う仕組み(らしい)。試さなかったけど。
これにパンが付いて180トルコリラくらい(今の為替で1000円程度)。ガイドブックにも良く出ている有名店だけど、予約せずにサクッと入れるのでイスタンブール観光のランチにおすすめ。
近くの観光名所は「アヤソフィア」
この食堂はいわばイスタンブールの観光地のど真ん中にあるので、観光名所も目白押し。特に有名なのは、2020年までは博物館だったのに、ふたたびモスクに回帰した世界遺産のアヤソフィア、正式名称アヤソフィア イ ケビル ジャーミィだ。
ここはビザンツ帝国(東ローマ帝国)時代、ギリシャ正教の総本山だったという歴史を持つモスク。15世紀にイスタンブールがオスマン帝国により征服された後はモスクに改修され、今ではキリスト教とイスラム教の要素が混在する貴重な歴史遺産となっている。
キリスト教時代のモザイク画は、トルコ共和国により無宗教の博物館に生まれ変わった際に、覆われていた漆喰を剥がして復活させたもの。
今はふたたび、モスクとして利用されているアヤソフィア。私が訪れたのは、今思えばここが博物館だった最後の年にあたる2019年。あの時は、そのすぐあとにパンデミックが発生して簡単に旅行ができなくなるとか、アヤソフィアが再びモスクになるとか、全然想像できなかったな…。旅は行けるうちに行かないと!
今は礼拝のある時間は入れないなど観光のルールも変わっているみたいなので、訪れる前に服装なども確認を。
・アヤソフィア https://muze.gen.tr/muze-detay/ayasofya
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・逆にイスラム寺院だったのをキリスト教会にしたスペインのセビリア大聖堂もすごいぞ。
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。