京都中心部から電車で20分足らずで着くわりに、わりと行ったことがない人も多い宇治。
10円玉でお馴染みの平等院など、藤原氏の貴族文化が息づく宇治は、雄大な宇治川の眺めも素晴らしく、清水寺あたりのエリアに比べれば、それほど混んでなくておすすめ。
宇治は、もともと菟道(うさぎのみち)と書いて「うじ」と読んでいたとも言われ、道に迷った応神天皇の皇子、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)を先導したうさぎの伝説が残っていることから、うさぎと縁の深い土地。
何度も振り返りながら菟道稚郎子を正しい道へと導いた「みかえり兎」は、神様のお使いなのだ。
■みかえり兎のおみくじが可愛い!宇治神社
この菟道稚郎子命を御祭神としているのが313年創始と伝わる宇治神社。
宇治神社公式サイトによれば、このあたりはもとは菟道稚郎子命の宮居跡とのこと。父である応神天皇崩御後、兄に皇位を譲るべく自ら命を絶った菟道稚郎子命の御神霊を、兄である仁徳天皇が祀ったことに始まる長い長い歴史がある神社。
うさぎとの縁も深いことから、卯年は注目度がアップ、さらに2023年は神社の創祀1710年にあたり、限定特別授与品も登場。境内の奥にはうさぎの置物もあり、パワースポットとして人気なんだとか。
■日本で一番古い神社建築で世界遺産、宇治上神社
宇治神社のすぐ近くには、世界遺産、宇治上神社があり、こちらの主祭神も菟道稚郎子命。元は宇治神社と宇治上神社は二社一体で、明治維新後に分離されたらしい。
この神社が特に有名な理由のひとつが、現存する神社建築最古の本殿があること。
主祭神の菟道稚郎子命や、その父の応神天皇、兄の仁徳天皇をお祀りしている国宝の本殿。960年も前のものとは思えない端正な建築だ。
個人的にこの神社で印象深かったのが、本殿のすぐ近くにあった注連縄を張った巨石。
これは「岩神さん」とも呼ばれている願掛けスポット、天降石。置いた石が落ちなければ願いが叶うといわれ、参拝者が置いていった小石がいっぱい積まれている。あまりにも絶妙なバランスで積まれた小石の山に圧倒されて、ただ眺めるだけだったけど、不思議なパワーを感じた石だった。
参拝が済んだら、自分はちゃんと正しい道に進めているだろうか…? と、自らに問いかけつつ、ぜひ、かわいいうさぎのおみくじを引いてみたい。
観光客でごった返す京都中心部から少し離れ、宇治でのんびりうさぎめぐりなんて、卯年にぴったりの観光コース。宇治茶の名所ならでは、茶そばや宇治茶味のお団子など、お茶グルメも絶品ですぞ。
<宇治神社> 京都府宇治市宇治山田1 URL
京阪宇治線 宇治駅 徒歩約9分
JR奈良線 宇治駅 徒歩約15分
<宇治上神社> 京都府宇治市宇治山田59 URL
京阪電車宇治線「宇治駅」下車徒歩10分
JR奈良線「宇治駅」下車徒歩20分
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。