スペインに関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/スペイン 少し違う旅のアイデア Wed, 14 Jan 2026 07:13:54 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9.1 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png スペインに関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/スペイン 32 32 モメて訴訟沙汰になった、ガウディの名建築、バルセロナの「カサ・ミラ」 https://tripplanner.jp/topics/5441 Tue, 13 May 2025 02:45:01 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5441 バルセロナの街中で気楽に立ち寄れるガウディ作品の一つが、ガウディが54歳の時に設計した「カサ・ミラ」である。バ…

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バルセロナの街中で気楽に立ち寄れるガウディ作品の一つが、ガウディが54歳の時に設計した「カサ・ミラ」である。バルセロナでも有数の高級ショッピング街であるグラシア通りに面しており、周囲にはホテルや歴史的な建造物が立ち並んでいることから、観光客にとって「何かのついで」に気軽に立ち寄れる名建築だ。

カサ・ミラ
星の飾りはクリスマスシーズン限定。

岩の塊のような見た目から、石切場とあだ名されることもあり、ほぼすべてが曲線で構成されていることも特徴だが、ガウディ作品にしてはトンガリすぎておらず、むしろシックとさえ呼びたくなる建築である。

印象的な鉄柵は、ガウディの重要な協力者であり、当時バルセロナを代表する鍛冶職人・金属彫刻家のジョセップ・マリア・ジュジョールが制作。

近くにカサ・バトリョというガウディ作品もあり、両方とも世界遺産なことから、この2つをはしごする観光客も多い。ほぼ同時期に作られたのに両者は驚くほど印象が違い、見比べるとガウディの多才さをより実感できるかもしれない。

カサ・ミラ見学で注意してほしいたった一つのこと

さて、この「カサ・ミラ」は、実はまだ現役で人が暮らしている集合住宅である。ゆえに、完全にミュージアム化している「カサ・バトリョ」と違って見学するときに注意してほしいこの住宅特有のルールがある。

それは、見学は1方向のみに進行しなければならず、後戻りができない、ということだ。進路に沿って係員が配置されており、次はこっちへ、などと誘導されるので、「あ、前の部屋もう一回見てみよう」みたいなことができないのである。私はそれを知らずに、最初の住宅エリアをかなり適当に見てしまい、後で戻れないと知ってかなり後悔した。

入口を入って誘導されるままに到着するのが住居エリア。
なんか普通…と思ってサッと見ただけですぐに次のエリアに移動してしまった。20世紀初頭のバルセロナの富裕層の生活が忠実に再現されているとか。

別の原稿で詳述するが、「カサ・バトリョ」がやたら個性的すぎる住宅なので、「カサ・ミラ」のアパートメント部分はとても普通に感じる。ガウディ建築と言われないと気づかないかもしれない。でも、本来、おだやかな日常とはこういう空間にこそ宿るものなのだ。よく見ると窓枠が波打っている程度のこだわりが、住むとなったらちょうど良いのだ。きっと。

もう少しゆっくり見物できれば、ガウディがこだわり抜いた繊細な装飾にもっと気づいたかもしれないが、いかんせん、先を急いでしまったが故に色々見落としてしまった。これから見学に行く人は、くれぐれも、十分見たぞ!と実感するまで先に進まないように。

ロマンティックなだけじゃない、美しいアーチを描く屋根裏部屋の機能性

さて、住居エリアを見学した後に誘導されるのが、屋根裏部屋である。

カサ・ミラの模型も展示されている。

住居エリアと打って変わり、まるでどこかの教会のようなおごそかな空間にハッとする。ここは今や「ガウディ館」と呼ばれ、ガウディに関する資料や、彼が手掛けた家具などが展示されているミュージアムゾーン。

何より印象的なのは煉瓦で作られた270余りにも登るというパラボラ型アーチ群。これは見た目が美しいだけでなく、夏の暑さを和らげる機能も持っているのだとか。ガウディは自身の作品でこうしたアーチを多用することで知られている。

わりとシックな外観、一見するとごく普通の住居のあとに、突然のおごそかすぎる屋根裏部屋。見学コースとしてはなかなかうまい演出と言えるかもしれない。

そして、この屋根裏部屋を出ると、いよいよ、この建築で最も人気でインスタグラム映えする屋上だ。

「戦士の屋上」とも呼ばれるユニークな造形と絶景の屋上

屋上に着いて、まず目を奪われるのは、鎧を被った古代ローマの戦士のような煙突や換気塔などの小塔群だ。波打つようにデザインされた起伏のある丘のような空間に、印象的な造形の塔が並ぶ様子はもはや彫刻の森。

給水塔は白大理石の石片や砕いたタイルでモザイク状になっている。
サグラダ・ファミリアを眺められるトンネルは人気の記念撮影スポット。

奇抜な形状に見えるが、煙突は排煙機能や、換気塔としての通気性をしっかりと確保しており、デザインと機能が見事に融合。こういうところがガウディの評価ポイントでもある。

屋上から見下ろす中庭。コンピュータのない時代にどうやってこんなぐにゃぐにゃ建築を設計できたのか?

この屋上は、ガウディによるデザインが楽しいだけでなく、バルセロナの街を360度見渡せる眺望もすばらしい。観光客たちも本当に楽しそうにゆったりとした時間を過ごしており、彼らを眺めているだけでも幸せな気分になれる。

この屋上は、住宅は単なる生活の場であるだけでなく、アートでもある、というガウディの主張なのだろうか。こうした「遊び」から遠く離れ、機能一辺倒になってしまった昨今のマンションなどを思い浮かべ、やや寂しい気持ちにもなる。

 

見学最後に見た中庭もかなりいい!

屋上からの帰りは階段で。ここもすべて曲線で構成されていて、ガウディの偏執が炸裂。

さて、屋上でたっぷり遊んだ後は、うねうねとうねる壁を持つ階段を降りて地上へ。入場する時に見ても良かったのだが、まだ見てなかった中庭へと足を運んでみる。

中庭に降り立ち、空を見上げる。

この中庭がまた素晴らしい。屋上の斬新すぎる戦士たちを眺めた後の、正統派アール・ヌーヴォーな空間の美しさよ。

蜘蛛の巣を思わせる有機的なドアや、

印象派の絵画を思わせる幻想的な天井画や、

色褪せた壁画や優雅な手すりなど、どこに目を向けてもロマンティック。

外観や住居部分のデザインは控えめに、屋上は思い切り楽しく、中庭は幻想的に…と、さまざまな表情をもつ名作住宅。本当によく考えられているなぁ。

……などと感心してが、後で資料を読んでびっくり。実はこの住居、もともとガウディは「聖母マリアの台座」にする計画だったという。あの岩山を思わせる、有機的だが華美ではない落ち着いた外観は、「台座」だったからなのか! その上に巨大なマリア像が作られていたら、どれほど派手な外観になっていたことか……。

しかし、この住宅に過剰な宗教的要素をもたせることに依頼主が激怒、裁判沙汰になり、結果、ガウディは完成前にプロジェクトを降りてしまった。だからここも、ある意味でサグラダ・ファミリア同様、ガウディ建築として「未完」といえるのかもしれない。

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バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと https://tripplanner.jp/topics/5404 Sun, 27 Apr 2025 00:55:21 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5404 バルセロナのガウディ作品のうち、サグラダ・ファミリアと人気を二分するのが世界遺産「グエル公園」である。バルセロ…

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バルセロナのガウディ作品のうち、サグラダ・ファミリアと人気を二分するのが世界遺産「グエル公園」である。バルセロナの街を見下ろす高台にある15ヘクタールもの(東京ドームの約3.2倍)公園の中には、「世界一長いベンチ」と呼ばれるモザイクベンチが囲む広場や、おとぎ話の砂糖菓子のような建物、ガウディが実際に暮らした家など、見どころも多い。

グエル公園
サグラダ・ファミリアと並ぶ人気のガウディ作品なので、チケットの事前予約は必須。

実はこの公園、もともと約60戸が入る広大な分譲住宅地を目指していた。ガウディのパトロンだったグエルが出資し、1900年に着工したものの、その奇想天外すぎるデザインゆえか、なんと売れたのは2戸のみ。うち1軒はガウディが自ら購入して暮らしたモデルハウスというありさまで、端的に言えばビジネスとしては大失敗したプロジェクトだったのだ。

そんな「負の遺産」になりかねなかった分譲地は、その後公園としてバルセロナ市民に開放され、今では世界中から観光客が押し寄せる人気スポットになっている。

公園内のあちこちにある陸橋。建設当時は自然洞窟発掘の時代で、洞窟造形がこの公園の主要テーマだとも。

『ガウディ よみがえる天才』(鳥居徳敏著、ちくまプリマー新書)によれば、この分譲地を結果的に公園にせざるを得なかったことを記者に問われたグエルは、投資した何百万ペセタという大金について「しかし、他により良い使い方でもあるのかな」と返したとか。かっこいいですな、これぞあるべきパトロンの姿!

モザイクのベンチが縁を彩る「ギリシャ」劇場。
波打つベンチに座って記念撮影するのがお決まり。

この公園で最も驚く構造は、波打つベンチが印象的なギリシャ劇場と呼ばれる広場が、何本ものドーリス式列柱に支えられ宙に浮いていることだ。

グエル公園のドラゴンの噴水
ギリシャ広場で溜まった水は濾過されてドーリス式の柱を通り、「ドラゴンの噴水」から吹き出す構造。このドラゴンはギリシャ神話の聖地の守護者ビュートーンだそう。神社でいうと狛犬的なものだろうか。

広場の下は異世界。この空間では分譲住宅に住む人々のための市場が開かれる構想があったという。

ガウディは、古代ギリシャのデルフォイ神殿を再現し、これによりグエル公園を神域としたバルセロナを「世界の中心」に祭り上げることを目指していたと、前掲書の中で著書の鳥居さんは言う。

そうか、無邪気に「かわいい〜」などとはしゃいでいたが、ここはガウディの故郷カタルーニャへの愛が凝縮された神殿だったのか。そう思うと、ガウディが暮らしたあのつつましい家も、「神職の住まい」だと思えば合点がいく。

サグラダ・ファミリアの紹介記事でも触れたが、個人的にバルセロナ、ガウディ建築巡りで最も胸打たれたのが、グエル公園内にあるガウディが暮らした家だった。

グエル公園に残る、いまは博物館になっているガウディの自邸。ガウディが20年間暮らした家だが、建設を担当したのは、彼の弟子。
高台からバルセロナの中心部を見下ろす家
ガウディが手がけた家具なども展示されている。

建築会の巨匠の家としては非常にこぢんまりとしており、華美な要素はほとんどない。再現されているガウディの寝室などは、まるで修道士が暮らしていたかのような素っ気なさ。

晩年はサグラダ・ファミリア以外の仕事を断り、この質素な家から、仕事場であるサグラダ・ファミリアへ通勤、あとはミサなどに出席するだけ、という「聖人」ぶりだったというガウディ。

そんなエピソードを知ると、グエル公園という”神殿”から見下ろすサグラダ・ファミリアが神のような存在に見えてくる。

グエル公園から見下ろすサグラダ・ファミリア。彼は何を思い、日々この景色を眺めていたのだろうか。
曲線的な形状と色鮮やかなモザイクタイルで装飾されたかわいい「守衛小屋」と「管理事務所」。しばしばお菓子に喩えられる。

ガウディの空想力を楽しむテーマパークのように思っていたが、彼の宗教心やカタルーニャへの深い愛などを知ると、この公園はバルセロナを称える神殿のようにも、サグラダ・ファミリアを拝む遥拝所のようにも感じてくるのだった。

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祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる https://tripplanner.jp/topics/5378 Fri, 25 Apr 2025 03:13:30 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5378 サグラダ・ファミリアは、予備知識なく訪れても、美しさと荘厳さに誰もが圧倒されるわかりやすい名建築だ。濃密な彫刻…

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サグラダ・ファミリアは、予備知識なく訪れても、美しさと荘厳さに誰もが圧倒されるわかりやすい名建築だ。濃密な彫刻、ステンドグラスから漏れる色とりどりの光、有機的な石の佇まい……その視覚的なパワーを前にすれば、うんざりするような行列と荷物チェックを経てすでにくたくたになっている身体にも力がみなぎってくる。

実は私も大した知識もなくここを訪れた。心のメモ帳の「死ぬまでに見たい名建築」の上位に常にあった有名作品だから来てみた、ぐらいのものである。

ただ、ちょっとだけ建築の背景にあるストーリーを知ると、聖堂を見る眼差しも変わってきたりする。ということで、今回はこの名建築の感動ポイントを、ガウディの伝記等から得た情報を絡めながら個人的な感想メインでお届けしてみたい。

まず後から「へえ」と思ったのは、ガウディの代表作のように言われているサグラダ・ファミリアだが、実は一部しか世界遺産に登録されていないという事実だった。サグラダ・ファミリアと言えば、「光の森」と形容される樹木をモチーフにした柱が林立する聖堂内部が有名だが、実はこのエリアは世界遺産対象外。

サグラダ・ファミリア
森のように細い柱が林立し、多彩なステンドグラスから差し込む光が幻想的な空間を作り出す聖堂内部。ここは世界遺産じゃない部分。

実はこの聖堂内部はガウディが亡くなってから作られた部分。世界遺産の「アントニ・ガウディの作品群」に登録されているのはガウディが確かに関わったことがわかっている「最初に建設された地下聖堂」と「生誕のファサード(正面と塔)」のみなのだ。

ガウディの魂が宿る「生誕のファサード」

ガウディが生前に唯一完成させたファサード「生誕のファサード」は、3つの門(希望の門、慈愛の門、信仰の門)を中心に、キリストの誕生に関わる場面が細やかに描写されている。

生誕のファサード
彫刻の一部を日本人彫刻家である外尾悦郎さんが手がけたことが日本人として誇らしい。

まさに彫刻で埋め尽くされている、といっていいファサードは、ひとつひとつ読み解いていったら半日かかりそうな濃密さ。このファサードに関する史実を知ると、その美しさはさらに胸に迫ってくる。

ガウディの有名なエピソードとして、命の危険に及ぶほどの壮絶な「断食」がある。「生誕のファサード」の着工から1年後の1894年、すでに建築家として著名で、仕事も順調だったガウディが、「復活祭の前の四旬説に過去の罪を贖うために断食する」という教理に従って一切の食事を絶った。

それは周囲が「死ぬつもりか?」と思ってしまうほど壮絶なもので、家族や弟子がいくら説得しても何も食べず、ガウディはみるみるやせ細っていく。万策尽きた家族らは知り合いの神父に助けを求め、神父はガウディに「あなたはこの聖堂を完成させるという現世での使命を受けている」と語りかける。それにより、ガウディは自分の生きる意味、天命を悟ったのだった。

晩年のガウディは聖人と呼ばれ、朝夕必ず教会のミサに通う以外は聖堂の建設だけに命を捧げた。そんな彼のキリスト教の知識と祈りが凝縮したファサードは、まさに石でできた信仰のタペストリー。色鮮やかな聖堂内部だけでなく、立ち止まって彼の生涯に思いを馳せたいエリアだ。

見る場所によって表情が変わる聖堂は最も見学が楽しい「光の森」

さて、生誕のファサードを入ると、そこはまさに色の洪水。最もインスタグラマブルといえる空間に、観光客たちのシャッターを押す手が止まらない。

面白いのは見る場所によってがらりと表情がかわること。ファサード入ってすぐのあたりは、赤や青のステンドグラスの光に彩られ、祝祭感たっぷり。一方を見れば赤く、一方を見れば青い、そんな色の変化も楽しめる。

天井を見上げてみれば、そこは色数を押さえられ、際立つのは樹木をかたどった柱の美しさだ。

いまだ建設中の栄光のファサードは、聖堂内部から見ると幾何学模様のステンドグラスが現代的でスタイリッシュな印象。完成すれば正式な大聖堂の入場口となる予定だ。

ギリシャ神殿を思わせるエリアも。

モダンで異質な印象の「受難のファサード」

さて、見学の最後は、1954年に着工した比較的新しい「受難のファサード」へ。カタルーニャ出身の彫刻家ジュゼップ・マリア・スビラックスによる直線を多用した現代風なデザインは、生誕のファサードや有機的な”光の森”の聖堂を抜けてくると、若干違和感を感じてしまうのが正直なところ。

ここで描かれているのは、キリストの苦悩と悲しみ。最後の晩餐からキリストの十字架磔刑までの場面などが描かれている。

十字架を背負うキリストの彫刻。ダース・ベーダーみたいな人がいる…?

受難のファサードは「サグラダ・ファミリアは、ガウディの死後、ほとんど資料が残ってない中、手探りで建築が進められている聖堂」なんだよな、と改めて感じる箇所。聖堂内部の森のようなデザインなどはガウディの遺志を継いでいるというが、資料が残らない部分については後世に委ねられ、わりと自由に解釈されていたりもする。懐の広い建築なのだった。

ガウディは何を償わなければならなかったのか、想像を掻き立てた聖人の住まい

ざっと見学してつくづく感じたのは、とにかく規模が大きく、人も労力も、そしてお金もふんだんに使われた聖堂だな、ということ。

その大きさはまさに「バルセロナの灯台」と言いたくなる規模だし、彫刻やステンドグラス、柱の意匠など妥協のない美しさは、建築というより巨大なアート作品という印象。

この「華美」とさえ言いたくなるような華やかで荘厳な聖堂が、豊かとは言えない人々の献金を主な財源とするのを前提に着工されたという史実にも本当に驚く。

そもそもこの聖堂の正式名称は「サグラダ・ファミリア贖罪聖堂」。贖罪とは、「何らかの犠牲を通して罪を償う」という意味で、この理念をガウディは大切にし、自らも多大な犠牲を払った。それは、無報酬で聖堂の建築に携わること、晩年は聖堂以外の仕事を一切断ったこと、贅沢を禁じ、浮浪者と間違われるほどの質素な身なりをし、菜食主義を貫くなどだ。

建設資金が尽きた際には(当たり前だ)、すでに巨匠として著名であったにもかかわらず、自ら家々を周り募金を集めた。一体何がそこまで彼を突き動かしたのか、狂気のようなものさえ感じるエピソードである。

個人的に、バルセロナで一番胸に残ったガウディ体験は、グエル公園内にある「ガウディの家」を目にしたときのこと。

これが、あの華やかなアール・ヌーヴォー建築で人々を魅了した巨匠建築家の寝室? まるでクエーカー教徒の農夫の家のようではないか。

晩年のガウディが「聖人」と呼ばれていたという史実は知っていたが、ビジュアルでその倹約ぶりを突きつけられると、心の奥がぎゅっと締め付けられる。「聖堂を建てること以外に何もしたくない」と語り、この家と教会をひたすら往復していた、質素な身なりの老人の姿が目に浮かぶようだ。

一体、彼が何をしたっていうんだ。何を償う必要があるんだ、と小さな怒りさえ覚える。そうして、あの観光客たちを熱狂させる大聖堂が、飲み込まれたら二度と出てこれなくなる、美しい迷宮のようにも思えてくるのだ。

サグラダ・ファミリア

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<参考資料>

ガウディ よみがえる天才6」鳥居徳敏(ちくまプリマー新書)
入門 ガウディのすごい建築」鳥居徳敏監修(洋泉社)

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”ガウディの都市”、スペイン・バルセロナ名建築めぐり【MAP付き】 https://tripplanner.jp/topics/5345 Thu, 17 Apr 2025 08:11:02 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5345 ローマに行った時、「ここは本当にベルニーニが作った街なんだな」と強く感じた、と「ローマ一人旅日記」でも書いたけ…

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ローマに行った時、「ここは本当にベルニーニが作った街なんだな」と強く感じた、と「ローマ一人旅日記」でも書いたけれど、たった一人のアーティストの作品が街全体を強く印象づける場所は世界でもそれほど多くない。ここ、バルセロナは、まさに、そんな珍しい場所の一つ。とにかくガウディ建築の圧が強く、なんなら「ガウディの都市」とさえ言ってしまいたい。サグラダ・ファミリアはもちろん、ガウディの建築作品は街の中心部に密集しており、主要名所なら歩いて回れるのも観光客には嬉しい。

ということで、今回は、ガウディ建築を中心に、バルセロナ名建築めぐりコースをざっとご紹介。一つ一つの建築は語りだすと長くなっちゃうので、今回は主要名作の概要をさらりとお届け。ガウディ以外の名作も見逃せませんぞ!

1. 波打つ石切場、「カサ・ミラ」

工期 1906-1910年。世界遺産。ガウディが設計した最後の個人向け邸宅で、これ以降、彼はサグラダ・ファミリアの建設に集中することになる。外壁は石灰岩で覆われ、石切り場を思わせることから「ラ・ペドレラ(La Pedrera、石切り場)」と呼ばれることも。

カサ・ミラ
星の飾りはクリスマスシーズン限定。

バルセロナの目抜き通りにあり、後述する人気作品「カサ・バトリョ」もすぐそば。ゆえにこの2つをはしごする観光客も多い。

外観、内観、すべてが曲線で構成された幻想的な空間は十分個性的ではあるが、他のガウディ建築と比べると落ち着いた印象。個人的にガウディ建築のどこか一つに住めるとしたら、このカサ・ミラが一番落ち着くかもしれないと思った。

実はまだ現役で人が住んでいる集合住宅で、見学できるエリアはそれほど多くない。一番の見どころは煙突や換気塔のデザインがユニークな屋上で、ここはバルセロナのビュースポットとしても最高。

一番人気はこの屋上。

実はとある事情で施主とガウディがもめてしまい、彼は途中退場、弟子たちが完成させたというカサ・ミラ。今や、そんなトラブルがあったことを感じさせないピースフルな名所となっている。

2. 海とドラゴンの迷宮、「カサ・バトリョ」

工期:1904年~1906年(改築)。世界遺産。海を表現したコンセプチュアルな建築は、もともとあった建物をガウディが大胆に改装したもの。聖ジョルディ(聖ゲオルギウス)と龍の伝説をモチーフにしている。

カサ・バトリョ
骨のような柱や窓枠が印象的

カサ・ミラを観た時、「ガウディもさすがに60歳近くなるとセンスも落ち着いてきたな…」などと思ったが、その数年前に完成したバトリョのぶっ飛びぶりを見ると、「全然落ち着いてなかったんか!」と思ってしまう。枯れない巨匠、ガウディのやりたい放題を存分に味わえる不思議建築である。

カサ・バトリョ

カサ・バトリョの屋上
ドラゴンの背中をイメージした屋上。

3. 若きガウディの野心を見よ、「カサ・ビセンス」

工期:1883年~1885年、世界遺産。ガウディの本格的デビュー作とも言える初期の邸宅で、ガウディの世界遺産7作品のうち、最後まで非公開だったが、2018年より一般公開。

カサ・ビセンス

他の作品同様、色彩豊かな濃密なデザインだが、直線を多用するなど円熟期の作品とは明らかにテイストが違い、素人の私から観ても「ガウディ、若いな!」と感じるエネルギッシュさ。若き建築家のほとばしる若い野心がひしひしと伝わってくる。

カサ・ビセンス

カサ・ビセンス
イスラム建築で観られる鍾乳石を模した天井など、ムデハル様式などを取り入れた空間。

随所に植物や花のモチーフが多用され自然への深い愛を感じるところはすでにガウディっぽい。イスラム建築の影響を随所にかじるが、明らかに日本の影響を感じる部屋もあり、建築当時流行ったという異国趣味が散りばめられている。

4.  ガウディ渾身の祈りの聖堂、「サグラダ・ファミリア」

工期:1882年~(現在も建設中)、ガウディが手がけた部分のみ世界遺産。文句なしに世界でもっとも有名なガウディ建築にして、バルセロナのシンボル。

ガウディが文字通り心血を注ぎ、生涯をかけて取り組んだ未完の大聖堂。内部の森のような列柱やステンドグラスの光の演出は圧巻で、訪れる観光客がひたすら上を見上げて呆然としていたりする。これぞ「死ぬまでに見たい名建築」の代表格。ガウディ没後100年にあたる2026年の完成を目指している。私が見たのは2025年の1月だが、わりと完成に近いところまで来ているように感じた。

サグラダ・ファミリア
実は夜が素晴らしい。人も少ない聖堂を堪能できるのでぜひ足を運んでみよう。

途中、資金不足により建設中断が危惧された際は、当時すでに巨匠となっていたガウディが自ら献金を募り、家々を回ったという胸打つエピソードも。

詳細はこちらでレポート ⇒ 祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる

5. モザイクの楽園、「グエル公園」

工期: 1900年~1914年、世界遺産。サグラダ・ファミリアと並ぶ人気のガウディ作品。訪れるなら前もってチケット確保は必須だ。

当初高級住宅地として計画されたものの商業的に失敗し(なんと2軒しか売れず、1軒はガウディが買って暮らしていた)、後に公園に。丘の斜面に沿って建設されているので見学はちょっとした登山感覚、ぜひ歩きやすい靴で。

こんな坂もある。

「世界最長のベンチ」と謳われるモザイクタイルの波打つベンチが印象的な広場は、ギリシャ神殿を思わせるドーリス式列柱に支えられているというびっくり構造。こんなん、よく100年以上前に作ったなぁ…ディズニーランド並の労力だったのでは…。

ここはとにかく歩いているだけでわくわくする、おとぎの国そのもの。高台からバルセロナを見下ろす絶景スポットでもあるので、ぜひよく晴れた日に散歩してほしい。サグラダ・ファミリアもばっちり見える。

詳細はこちらでレポート⇒⇒バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと

6. 世界一美しい病院、「サン・パウ病院」

さて、ここからはガウディ以外の名建築を。サグラダ・ファミリアから徒歩10分程度のところにある、知る人ぞ知る世界遺産、サン・パウ病院。

ガウディと同時期に活躍し、ライバルとも称された 建築家・ドメネク・イ・モンタネールの代表作。激混みのサグラダ・ファミリアから来ると、心が洗われるほど空いていて、ほっと癒やされる。さすが病院!

サンパウ病院の庭園

こちらもガウディ建築同様、当初予定していた工期も予算も大幅にオーバー、建築家が生きている間に完成しなかったという作品。ガウディ作品に負けず劣らず華やかで美しいアール・ヌーヴォー建築なので、ぜひサグラダ・ファミリアとはしごしてほしい。

詳細はこちらでレポート⇒ スペイン版アール・ヌーヴォーの傑作、世界で一番美しい病院、バルセロナの世界遺産サン・パウ病院がすごい

7. レス・イズ・モアを体現するミースの傑作、「バルセロナ・パビリオン」

こてこて、ぐにゃぐにゃ、色の洪水…だけがバルセロナの名建築ではない。最後は思いっきりスタイリッシュでシンプルの極みといった名作を。

1929年のバルセロナ万国博覧会に合わせて竣工、モダニズムの巨匠・ミース・ファン・デル・ローエ設計の「バルセロナ・パビリオン」(現在は「ミース・ファン・デル・ローエ記念館」)。鉄・ガラス・石・水面を用いたミニマルな構成は「近代建築の最高傑作」と絶賛されてきた。

バルセロナ・パビリオン

ガウディ建築めぐりをして情報過多でパンパンになった脳がスッキリするような感覚さえ覚える、ミニマルの局地。「ああ、私はやっと現代に戻ってきたんだな…」となぜかホッとしたりする。

今もモダンな家具としてファンの多い「バルセロナチェア」は、この建物のためにデザインされたもの。かっこいいですな。

「近代建築史上、最も影響力のある建築の一つ」と評価される名建築だが、博覧会終了後に解体されてしまい、いまあるのは1986年に原寸大で再建されたもの。街の中心部からはやや離れているにもかかわらず、意外にも見学客がいっぱい。建築ファンの巡礼地となっているようで、みなさん、建築学科の学生かしら…。

まぁ、見逃せない名建築は他にもあるけれど、上記の名所を見て回るだけでも丸2日はかかると思うので(2日あってもかなり駆け足)、初めてのバルセロナならこれぐらいで十分かも。

ということで、上記に紹介したスポットをGoogleMapにまとめました。建築名所めぐりのときはぜひご活用を。余裕があれば、ガウディの「グエル館」、モンタネールの「カタルーニャ音楽堂」を加えるのもいい。

上記以外にも、ロマンティックな建築が多くあり、自分だけの名所を見つけるのも楽しいバルセロナ。建築ファンにとっては天国みたいな場所なのだ。

町をぶらぶらして見かけた超かっこいい美術館。あとで調べたら設計はモンタネールだった。こういうふうにさらりと名建築が散りばめられているバルセロナ、楽しすぎる!

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スペイン版アール・ヌーヴォーの傑作、世界で一番美しい病院、バルセロナの世界遺産サン・パウ病院がすごい https://tripplanner.jp/topics/5304 Thu, 10 Apr 2025 13:12:37 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5304 世界屈指の有名建築、ガウディのサグラダ・ファミリアを一目見に、いつかはバルセロナに行きたい!と思っているあなた…

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世界屈指の有名建築、ガウディのサグラダ・ファミリアを一目見に、いつかはバルセロナに行きたい!と思っているあなた。

もちろんサグラダ・ファミリアは文句なしに素晴らしいけれど、そこからわずか徒歩15分程度で行ける、もう一つの世界遺産をご存知だろうか。渋谷のスクランブル交差点かよ、と言いたくなるほど混んでいるサグラダ・ファミリアから移動すると、天国みたいに感じる、ガラガラの超穴場。それが、今回紹介する世界遺産、サン・パウ病院(Hospital de Sant Pau)である。

サンパウ病院正面。言われないと絶対に病院だと気付かない。

ガウディ建築と同じく、スペイン版アールヌーヴォーの「モデルニスモ」を代表する名建築は、「本当にここが病院だったの…?」と唖然としてしまう壮麗さ。ゆえに「世界一美しい病院」とも呼ばれることも多い。

今回はバルセロナ名建築めぐりレポート第一弾、サン・パウ病院を写真たっぷりでご紹介!

入場はラクラクだが、見学は大変な世界最大のモダニズム建築群

さて、さっそく病院の中へと足を踏み入れてみよう。サグラダ・ファミリアと違って、2週間ぐらい前にチケットを予約しておかないと見学できない!みたいな悲劇も起こらず、当日サクッと入場券が買えるので、ふと時間があいたら気楽に足を運べるのも嬉しい。

ただ、気軽なのはチケットの入手方法ぐらいで、見学となるとかなり大変である。というのもこの病院(跡)である「サン・パウ・モデルニスム区域」は、世界最大のモダニズム建築群。12もの建築が並び、その大きさはサグラダ・ファミリアの約12倍ともいわれている。

サン・パウ病院
頑張ったけど、建物群すべてを写し込むのは無理…。

とにかく広大なので、見学にはせめて2時間程度は確保すべきだろう。私はこの時間配分を間違え、次の予定を入れてしまったので最後は駆け足に…。もっとゆっくり堪能したかったー!

では、早速、この病院がどれくらいゴージャスなのか、ばんばん写真で紹介していこう。

サンパウ病院
入場してすぐに現れる聖サルバドール分館。1916年の病院開業の際に最初に患者を収容した分館。
窓や壁の装飾がいちいちかわいい!
サンパウ病院の庭園
聖サルバドール分館を出ると、中庭が現れる。
中庭でひときわ目立つ、立派な彫刻のある手術室。
サンパウ病院の手術室
教会と見紛うほど、ロマンティックな彫刻群に彩られている。
サン・パウ病院
立ち並ぶ建築はすべて統一されたデザイン。ほとんどテーマパークだ。
聖ラファエル分館
聖ラファエル分館。患者の入院設備がどのようなものだったのかを再現している。天井がとにかく高い!

華麗で、濃密で、病院離れした建築が次から次へと現れる、目に入ってくる情報量がとにかく多く、めまいがしそうなサンパウ病院。2009年まで病院として現役で使われていたなんて信じられない…!

ガウディのライバル、 建築家・ドメネク・イ・モンタネールの代表作

さて、そもそもなぜこんなに豪華な病院が作られることになったのか。それは、設計した建築家ドメネク・イ・モンタネール(ムンタネーとも)の信念のため。

モンタネールはガウディの同時代人であり、かつガウディよりずっと早く名声を得たバルセロナを代表する建築家。なんと若干25歳で建築学校の教授に抜擢され、その学校では2歳年下のガウディも学んでいた。建築家としてはガウディよりはるかに先に”出世”していたのだ。今となってはガウディより知名度は劣るが、生前はガウディと並ぶ巨匠だった。

彼は、「芸術には人を癒やす力がある」と信じており、豊かな色彩のモザイクやステンドグラス、彫刻などの装飾、大きな窓から注ぐ自然光、心安らぐ庭園が、患者の回復への意欲を高めると考えていた。

聖サルバドール分館
聖サルバドール分館の天井。モザイクタイルと、豊かに注ぐ自然光が美しい。

特筆すべきは、地下トンネルでパビリオン同士を接続するシステムを採用したこと。これにより雨天の場合の移動を簡易にする効率性と地上部の景観維持を両立。美しいだけでなく機能面でも考え抜かれていたのだ。

サン・パウ病院
各病棟は地下の廊下でつながっている。
地下の廊下はシンプルだが、しっかりタイル張りで、ちゃんと手がこんでいる。

もちろん大きな代償も払った。その一つが莫大な建築費だ。モザイクや彫刻、ステンドグラスなどに多額の費用がかかったため(当たり前だ)、当初の予算を大幅に超過、加えて建設期間も長期化した。1902年に着工した工事は、完成までに約30年かかり、モンタネール自身が1923年に死去したため、最後は彼の息子が引き継ぐ羽目に。

ガウディといい、カタルーニャの建築家は壮大すぎるヴィジョンを抱きがちなのだろうか……。

サンパウ病院の中で、最もゴージャスな管理事務分館

さて、広大な敷地を歩き回り、いくつもの建物を見て、疲れ果てた頃に現れるのが、見学コース最後の建物、「管理事務分館」である。もうライフはゼロよ…な状態のところでドーン!とすごいのをよこしてくる残酷さよ。しかし、いくら疲れ果てていようとも、この建物だけはスキップ禁止。まるで祭りの最後の打ち上げ花火のような、ハイライトともいえる空間だからだ。

建物の外観と内部を飾る彫刻はスペインの著名な彫刻家、パブロ・ガルガヨ(Pablo Gargallo)によるもの。天使や歴史的人物、病院ケアに貢献した宗教団体などを描いたレリーフも見どころ。

ロビーに足を踏み入れると、鮮やかなピンクの天井がお出迎え。中央のヴォールトの四隅に描かれたシンボルは、バルセロナの紋章、カタルーニャの紋章、聖十字架と聖パウロなど。

ロビーから中庭を望む。

圧倒されるのが、かつては病院の集会場だったという「ドメネク・イ・モンタネール・ホール」。天井の高さはなんと18メートル。木、モザイク、錬鉄、ステンドグラス、大理石など多種多様な素材で彩られ、ため息が出るほどの豪華さ。

見上げると天井もひたすら濃密。

そして廊下も見逃せない。美しいステンドグラスをあしらった窓からはサグラダ・ファミリアが見える。

「花の建築家」と呼ばれることもあったモンタネールならでは。天井や壁などには乙女ゴコロをくすぐる花モチーフもいっぱい。

講堂と呼ばれる部屋のユニークな天井の意匠は、スペインらしくムデハル様式にインスパイアされたもの。

とにかく前後左右、上下と首を忙しく回していないといけない、見どころが多すぎる建築。いやぁこんなん、そりゃ、予算もオーバーしますわね…。

螺旋階段の上に広がる、美しいステンドグラス。

サグラダ・ファミリアから直線距離で約1km、徒歩15分ほどで到着するサン・パウ病院。これだけの美しさなのに、いまいち知名度が低く見過ごされがちなのが本当にもったいない。ガウディと並び、バルセロナのアールヌーヴォーを代表する建築家、モンタネールの代表作、ぜひサグラダ・ファミリアとはしごすることを強くおすすめ!

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一度はサン・セバスチャン映画祭に行ってみたい人のための楽しみ方ガイド https://tripplanner.jp/topics/4313 Thu, 21 Sep 2023 03:28:12 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4313 スペイン北部、バスク地方のサン・セバスチャンといえば、日本人にも有名な美食の街。一皿2−3ユーロのピンチョスが…

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スペイン北部、バスク地方のサン・セバスチャンといえば、日本人にも有名な美食の街。一皿2−3ユーロのピンチョスが楽しめるバル(居酒屋)がひしめき、食べ歩きを楽しむ人で一日中賑わう、食い飲み倒れ天国だ。

ここで毎年9月下旬に開催されるのが、サン・セバスチャン国際映画祭(サン・セバスティアンとも)。ヨーロッパでは、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭で、2022年には70周年を迎えて話題に。2023年は9月22日から30日まで開催される。

カンヌやベルリンなど大きな映画祭のシーズンになると、レッドカーペットをドレスアップして歩くセレブリティの写真などがニュースを彩るが、そもそも映画関係者以外がどう楽しめるのか、一般人としては正直、いまいち不明なイベントでもあった。

ところが実際は、(映画のチケットを買って鑑賞するという意味で)映画祭は誰でも参加できるし、ただ街を歩くだけでもお祭りムードに心踊る

セレブが宿泊するホテルの前には出待ちのファンたちが。

ということで今回は、セレブでも映画業界人でもない観光客としての映画祭の楽しみ方を解説したい。

1. 映画祭のチケットは簡単に買えて1200円程度

まずは肝心の映画チケットだが、普通に公式サイトで簡単に買える(英語版あり)。映画祭初日などには、監督や俳優たちのプレゼンテーションやQ&Aなどが行われる回が多いので、それらのチケットは早めのゲットがおすすめだが、そうでない日はわりとサクッと買えたりするし、チケットも8ユーロ程度と安い。

公式サイトの、Programmeの箇所で、希望する日時を選び、希望する作品の横にある緑のカートマークを押せば購入画面に進むことができる。

空席があれば以下のような画面になるので、希望の席(緑が空席の意味)を選んで購入。

チケットはメールで送られてくるので、スマホで持参すればOKだ。2022年に初めて映画祭を訪れた私は、有名&人気監督のチケットは買いそびれたが、まだ空席がある作品のチケットを2つほどゲット。2つともスペイン語の映画だったが、英語字幕もあったし、それなりに楽しめた。

2. 華麗な歴史的建造物で映画鑑賞ができる

正直映画オタクでもなんでも無いので、スペイン語圏の佳作といった映画だと、監督から俳優まで、一切誰も知らないという作品ばかりだ。そんな私の楽しみの一つは、会場そのものの建築やインテリアだった。

たとえば、会場の一つ、ビクトリア・エウヘニア劇場 (Victoria Eugenia Antzokia)は、1912年に完成したサン・セバスチャンでも豪華な建築の一つ。こんなところで映画が見られるだけでも非日常すぎて胸熱。この高級感よ…!

3. セレブリティが近くにうようよいる

プログラムにもよるが、会期初日や2日目くらいまでは、会場で監督や俳優たちが一緒に映画を鑑賞している場合も多い。映画が終わると、彼らは立ち上がって挨拶し、観客たちは惜しみない拍手を送る。その雰囲気がまたハートウォーミングでいいのだ。

会場の外でも、俳優や監督たちを身近で見る機会が多かった。ところでこの二人は誰なんだろう……。
高級ホテルの前で張っていれば、誰かが出てくる、そんな映画祭シーズン。
レッドカーペットは俳優たちに会える定番スポットで、出待ちのファンが常に張り付いていた。

3. 限定グッズや記念撮影コーナーも楽しい。

映画祭期間中は街中お祭りモードなので、あちこちに映画にちなんだフォトスポットが用意されている。

こんな感じの記念撮影スポットがいっぱい。

作品が上映されていない時間帯ならレッドカーペットの上を歩くことだって可能なので、ここぞとばかりにスター気分で記念撮影する人たちも多かった。また、メイン会場では、記念のTシャツやトートバッグなども販売していて、映画祭に参加した記念にもなっておすすめ。私もちゃっかり70周年記念のトートバッグを購入した。

4. 映画祭期間中だけの風景やムードを味わう

映画祭期間中は、夜遅くまでとにかく人でいっぱい。その祝祭ムードを満喫するのも一般人の楽しみ方の一つ。

これは70周年だった2022年の一コマ。
夜遅くまでたくさんの人が映画祭会場やホテルの前に集まっていた。

5. もちろんバル巡りも欠かせない

サンセバスチャンといえばのバル巡りも、欠かせないアクティビティの一つ。映画祭期間中も、人気のバルたちは平常営業中だし、別に特別価格になったりしないので、サンセバならではの食い倒れも大いに楽しんでほしい。

何もかもおいしすぎて感動すること請け合い

いつもと違う点といえば、バルに集まる人々の中に、映画関係者が多いことだろうか。何軒かはしごした中で出会った人は、女優の卵であったり、演劇人であったりと、その筋の人が多い印象だった。「日本の映画でおすすめある?」などと聞かれたりするので、とっておきのストックネタを用意しておくと盛り上がるかもしれない。

バル巡りについては、別記事「美食の街サン・セバスチャンでバル巡り、実際に食べ歩いて見つけたベスト3はこれだ!」で詳しくレポートしているので、こちらも是非チェックを。

日本でもおなじみガトーバスクなどお菓子も美味。

6. 美しい風景を楽しむ

そうそう、最近は美食ばかりが話題になりがちなサンセバスチャンだが、もともとは貴族の保養地として発展してきた歴史ある景勝地なのである。

美しい砂浜とビーチは有名だし、町並みも美しく、ぶらぶら歩くだけでも心踊るはず。美しい景色も堪能してほしい場所だ。

唯一の不満は、馬鹿高くなるホテルや宿、その解決策は…?

いいことばかり書いてきたが、実は映画祭シーズンの宿はクレイジーなほど高い。私が映画祭へ行こう!と思い立ったのは開催一ヶ月半ほど前だったが、それでも4人部屋のドミトリーですら一泊8,000円くらいだった。

他に選択肢がなかったのでしかたなく予約したが、その同じ部屋が開催一週間前になると一泊25000円くらいに値上がりしていて驚愕。宿は早め早めに押さえることを強くおすすめ。

もし、映画だけ見て、夕方などにちらっとバルめぐりできればいいな、くらいなら、いっそビルバオに泊まるのもいいかもしれない。サンセバスチャンへのバスも頻繁に出ているし、片道1時間20分ほどなので、移動もそれほど苦ではない。チケットも安く、片道7ユーロ程度である。宿代も特に映画祭シーズンだからといって値上がりしたりもしていないようだった。

ビルバオにも美味しいバルがひしめいており、サンセバと同様食い倒れも楽しめますぞ。

グッゲンハイムビルバオ
現代アートと建築で有名なビルバオ、こちらも見逃せない。

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美食のスペイン・バスク、ビルバオでバルめぐり。おすすめピンチョストップ3はこれです。 https://tripplanner.jp/topics/4005 Fri, 07 Apr 2023 08:45:55 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4005 美食の地として世界的に有名な、スペイン北部、バスク自治州。その最大の都市であるビルバオは、現代アート好きの聖地…

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美食の地として世界的に有名な、スペイン北部、バスク自治州。その最大の都市であるビルバオは、現代アート好きの聖地グッゲンハイム・ビルバオで知られるが、バル巡りが楽しい街というイメージは、お隣のサン・セバスチャンにトップを奪われているかもしれない。

でも、もちろん、ビルバオのバルだって無茶苦茶美味しい!

サン・セバスチャンの食べ歩きレポートと同様に、ここでもあれこれ食べた様子をシェアしてみたい。記事の最後に個人的な「ビルバオの美味しいピンチョスベスト3」も発表するのでお楽しみに。

■ ビルバオでバル巡り「旧市街編」

さて、ビルバオは大きく言って新市街旧市街に別れている。言葉どおりなのだが旧市街はクラシカルな古い建物が並び、いかにもヨーロッパという風情である。

ビルバオ旧市街
ビルバオ旧市街

とはいえ、実は旧市街と新市街は川を挟んで向かい合っており徒歩で行き来できる距離。だが、泊まっていたAirbnbのご主人によれば、「旧市街は観光客が多く、新市街は若者に人気」とのこと。距離は近いが文化圏的には異なるのかもしれない。

そんな観光客に人気の旧市街において、バル巡りするなら外せないのがヌエバ広場(Plaza Barria)だ。

この広場にはたくさんのバルがひしめき、一日中何かを食べたり飲んだりする人たちで賑わうまさにバル広場。中でも「Gure-toki(グレ・トキ)」は、ミシュラン掲載の人気店。1982年創業と歴史は長いが、そのピンチョスはどれも独創的なルックスでとてもモダンである。

Gure Toki

中でもとびきり美味しかったのが、ご覧のイディアサバルチーズのスープ(Sopa de queso Idiazabal)。一つ2.4ユーロ。

ピンチョスコンクールで優勝したこともあるという看板商品かつ人気の一皿。イディアサバルとは、「バスク州およびナバラ州北西部で生産される、ヒツジの乳を原料としたチーズ」(Wikipediaより)のこと。

花びらが散るルックスも美しく、繊細で濃厚な旨みが沁みる絶品スープ。日本なら高級レストランでしかお目にかかれなそうな一皿だけど、いわゆる安い居酒屋といえるバルでお手頃にいただけるのがビルバオの素晴らしいところ。

続いて、この広場でもう一軒。グレ トキ のすぐ近くにあるLa Olla de la Plaza Nuevaもまたピンチョス賞受賞店。グレトキより店の面積も広く、バルというよりレストランといった風情。

ウニなど濃厚な海産物入りのミニグラタンみたいな一皿や、マグロのステーキみたいなものなど、こちらもグレ トキ同様見た目もモダンで美しいピンチョスが並ぶ……というか、実際はほとんど並んでおらず、メニューを見ながらオーダーする店だ。

お次はヌエバ広場から歩いて数分のバル「BERTON」地図)へ行ってみよう。ここは、前2つの「おしゃれ系」ピンチョスに比べると、素朴な、というかホッとするメニューが並ぶ。

マッシュルームの焼いたやつやら、タコのグリルやら。そうそう、こういうのが居酒屋よね。

ここで食べ物以外で印象に残ったのは、赤いロゼワイン。

ナバーラの赤いロゼ

「こんな色のロゼワイン、珍しいでしょう。このあたりでしか流通していないのよ。この赤い色が見慣れないのか、あんまり人気ないみたい(笑)」と地元民。近隣のナバーラ州のワインだが、さっぱりとして軽く飲みやすく、個人的に大好きな味だった。この色が嫌とか言わず、日本も輸入してほしい。

続いて訪れたのはcon B de bilbao地図)。「ここは若い人に大人気の店なのよ」と地元民。

con B de bilbao

おしゃれかどうかはわからないが、確かに明らかに他のバルとは違うノリのインテリア。独創的ではある。

ここはどちらかというとバーという印象。ワインのこだわりもあるみたいなので、リオハなど、世界的に有名な産地のものなどいくつか提案してもらいつつ、貝のコロッケをつまみにゆったり飲む。

これだけ巡っても直線距離にするとせいぜい300mくらい。まだまだ行けるぞ!ということで新市街へゴー!

■ ビルバオでバル巡り「新市街編」

さて、グッゲンハイム・ビルバオなどがある新市街。こちらは旧市街と比べるとぐっとオフィス街っぽさが出てくる。実際バルに集う人たちも、明らかに会社帰り風が多い。

新市街は旧市街のようにいわゆるバル密集地というのはない。強いて挙げるなら人気のバル「La Viña del Ensanche(ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェ」があるあたりだ。ここにあるバル2軒は、あまりに美味しすぎて2日連続で通ってしまった。正直、次にビルバオに来てもこの2軒だけであらゆるメニューを試したいと思うほど。

それではまず、1927年創業の老舗、「La Viña del Ensanche(ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェ」から行ってみよう。

ここはイベリコ豚の加工で知られるので、生ハムなどはぜひ試したいところ。

イベリコ上ロースにとろけるチーズ、フォアグラをパンに載せたJosellini(ジョセリーニ)。4つで20ユーロ。濃厚…!

これは和食が恋しくなってきた頃に染みた一皿。ツナのマリネを白米に載せた一皿、美味しすぎた。この店、しいたけやら天ぷらメニューもあり、日本リスペクトもある様子。

しかし中でもその場にいた一同が感激したのがこちらの大きなステーキ。カリカリのおこげも美味しく、ボリューム満点。赤身肉は噛めば噛むほど旨みがじゅわっと…!

そして、ビルバオっ子が「ビルバオで一番美味しいチーズケーキよ!」と激推しするのがこちらのアイスクリーム添えの一品。

サン・セバスチャンでも思ったけど、本場のバスクチーズケーキ、それほどおこげが主張していない印象。ふんわり軽く甘さ控えめ。この店は人気店なので大混雑するのだが、なぜか皆、皿とグラスを持って外に出て食べていたりする。店の前にある図書館のあたりまでが店の勢力範囲っぽいので、このチーズケーキも道端で賞味。美味しかった。

さて、続いてはLa Viña del Ensanche(ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェ)のすぐ隣りにあるEl Globo taberna(エル グロボ)こちらもかなりの人気店だ。夕方は仕事帰りの会社員たちで混み合うので早めに行くかちょっとずらして夜8時頃に行くのがおすすめ。

仕事帰り風の人たちでいっぱい。

この店は接客もフレンドリーで(正直、ビルバオの人たちは観光地のサン・セバスチャンに比べると総じて「東京人」ぽい。都会だしビジネス街だからだろう)、価格も安く、何を食べても美味しかったので、店としてはビルバオNO1。

色々食べたが、特にハッとするほど美味しかったのがこちらの「カラスピオ:海の幸の海藻和え」

カラスミ? カニ味噌? なんだかわからない魚の旨味がぎゅっと詰まったグラタンとコリコリの海藻がミックスされて帆立貝の上で焼き上げられ…、もう日本酒必須という旨味。和食か!

そして、スペイン風オムレツの概念を覆す、ポテトオムレツ「エル・グロボ」白トリュフ入りグラタン(Tortilla de patata “El Globo”, gratinada con trufa blanca)。

じゃがいもを優しく包み込む濃厚なクリームとトリュフ。トリュフの香りがすべてを優しく包み込み、ただひたすら美味しい。とはいえ、かなり大きくかつ本当に濃厚なので、3人くらいでシェアしないと胃もたれするかも。

新市街では他にもバルをいくつか回ったけど、結局のところこの2軒が圧倒的に美味しく、かつ隣り合っていてハシゴも便利、ということで、2日連続でこの一角に居座ってしまった。

■ ビルバオのバル巡りで美味しかったものベスト3は?

さて、今回食べた中で、絶対にもう一度食べたいと思う個人的ベスト3を発表!

第3位 エル・グロボのポテトオムレツ(一つ7.9ユーロ) ⇒地図

同点3位 ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェのステーキ(値段失念したけど20ユーロくらいだったかな…)⇒地図

第2位 グレ・トキ のイディアサバルチーズのスープ(Sopa de queso Idiazabal)(一つ2.4ユーロ)⇒地図

そして、

第1位 エル・グロボの「カラスピオ:海の幸の海藻和え」(一つ3ユーロしなかった気が…)

この一皿は、本当に忘れられない美味しさ。ビルバオに行く全ての海鮮好き日本人にぜひ試してほしい。

全体を通して見ると、ビルバオのバルのピンチョスは、モダンな盛り付けで革新的なメニューが多かった印象。アンダルシアあたりで食べた生ハムやらマッシュルームのアヒージョやらの素朴なタパスに比べると、明らかにおしゃれなのだ。バルというと居酒屋をイメージしていくと、そのメニューのきらびやかさに驚くかもしれない。さすが世界的な美食の地。

グッゲンハイムビルバオ

現代アートだけではない、ビルバオ旅のお楽しみ。ぜひこの記事を参考に、ちょっとおしゃれなバルめぐりを楽しんでみては?

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たった一つの建築が、寂れかけていた工業都市を瞬時に蘇らせた……。そんな奇跡みたいなことって本当に起こるんだな、というのがこの街のなりたちを知ったときの感想だった。

その奇跡の建築こそ、フランク・ゲーリー設計の「グッゲンハイム・ビルバオ」である。

グッゲンハイムビルバオ
直線がひとつもないという驚異の曲線建築。

■ 世界で最も成功した町おこし、「ビルバオ効果」とは

スペイン北部、バスク自治州最大の都市ビルバオは、かつて鉄鋼業、造船業で栄えた工業都市だったが、1980年代に衰退。そこでこの街に誘致されたのがニューヨークの「グッゲンハイム美術館」の分館だった。

まるで鱗のようにチタニウムが外部を覆い、独特の質感を生み出している。

1997年、もとは倉庫街だったネルビオン川のほとりに、今まで誰も見たことがなかった鈍い光を放つチタニウムに覆われた建築が誕生。たちまち注目の的となり世界中から建築と現代アートを求めて観光客が殺到。寂れかけていたヨーロッパの地方都市に、開館後わずか3年間で計400万人が訪れたという。

この成功は「ビルバオ効果」として注目され、世界で最も成功した都市再開発事例となり、建築での町おこしの世界的ブームを起こす。グッゲンハイム・ビルバオが出来る以前に比べ、この街を訪れる観光客の数は20倍以上にもなった。まさに歴史を変えた建築なのだ。

■ グッゲンハイム・ビルバオを見た感想

絵や彫刻は、展覧会などで日本に来る可能性があるけれど(まあ門外不出の作品も多いのだが)、建築だけはそこにいって見るしかない。それが、旅先で私が絵や彫刻よりも建築を優先する動機である。

私が最初にこの奇跡の建築を見た感想は「存在感…!」というものだった。

巨大な船にも例えられるゲーリーの最高傑作

川側から見たほうがいいという情報が多かったのでネルビオン川をぶらぶらと歩いていったのだが、のどかな遊歩道の景色を一変させる迫力。とにかく大きいのと、チタニウムが放つ光のインパクトがすごい。

ちなみにこの対岸といえば、こんなふうにクラシカルなビルが並んでいたりするのだ。このコントラストのすさまじさと異物感。

イサム・ノグチは、ゲーリーに合ったときに「あなたな彫刻家ですね」と言ったそうだが、まさに巨大な彫刻作品のよう。

決して優しい雰囲気ではない。力強い巨大建築だ。

しかし、中に入るとその印象はがらりと変わる。

たっぷりと自然光が入る巨大な吹き抜け空間。中世の騎士の鎧をまとったかのような外観とは打ってかわって、柔らかく、明るくエレガントな印象だ。

「フラワー」と呼ばれる明るいアトリウム

気が遠くなるようなぐにゃにゃ空間は、当時最先端だったCADシステムを用いることで実現したテクノロジーの産物。このとき、ゲーリー68歳。その心と脳の若さよ…!

■ 体験するアートが楽しい

さて、さんざん建築ばかり語って来たが、ここは現代アートの美術館。この大迫力の建築とアートの競演もたっぷり堪能したい。

特に楽しいのはリチャード・セラの彫刻作品「スネーク」。重さ約180トン、長さ102mという巨大な彫刻作品は、グッゲンハイム・ビルバオの開館記念作品。

作品に迷い込めば誰かとかちあい、お互いに譲り合い、笑い合う。鑑賞するというよりも体験する、といったほうがいい作品。アート作品の巨大化も、この美術館がリードした潮流の一つだとか。

しかし、今やグッゲンハイム・ビルバオ、というかビルバオのアイコンの一つになっているのは、ジェフ・クーンズ「パピー」かもしれない。このお花でできた犬は、マグネットになって土産物屋に並んでいたりするのだ(権利関係かなり怪しいが…)。

花と子犬、というズルい設定ゆえか、グッゲンハイム・ビルバオの中でも屈指の人気スポット。記念撮影をお忘れなく。

グッゲンハイム美術館がある新市街はモダンな現代建築ウォッチングと歴史ある建物が共存しているのも面白いので、ぜひぶらぶらと散歩してみよう。この街がかつて寂れていたなんて信じられない思いがするはずだ。

ネルビオン川沿いには、サンティアゴ・カラトラパ設計のスピスリ橋や磯崎新設計のツインゲートが。

<グッゲンハイム・ビルバオ> https://www.guggenheim.org/

チケットはオンラインで購入可能。ミュージアムショップにはかわいいお土産も。私はTシャツ買いました。

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美食の街サン・セバスチャンでバル巡り、実際に食べ歩いて見つけたベスト3はこれだ! https://tripplanner.jp/topics/3900 Fri, 24 Mar 2023 11:15:14 +0000 https://tripplanner.jp/?p=3900 その面積の小ささに反してミシュラン星付きレストランが多いことから、世界一の美食の地と呼ばれる、スペイン・バスク…

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その面積の小ささに反してミシュラン星付きレストランが多いことから、世界一の美食の地と呼ばれる、スペイン・バスク地方。特にサン・セバスチャンは美しいビーチ王侯貴族の避暑地だった歴史から香るエレガントな雰囲気もまとうバスク屈指の人気の街。

ラ・コンチャビーチ
全長約1.3キロのラ・コンチャビーチ。白い砂浜、透明度の高さから夏は多くの人で賑わう。

ミシュランと聞くと「高級レストランしかないのでは…」と不安に思うかもしれないが心配ご無用。日本で言えば居酒屋と言えるバルがひしめく、安い!旨い!のセンベロタウンでもあるのだ。

今回はその安いほうのレポート。

昼から飲める街、サン・セバスチャン
昼から飲めるバルがひしめく、センベロタウン。混み合っている店に入ればハズレ無し。

さて、バスクといえば、ピンチョス。総じて薄く切ったバゲットの上に具を載せ爪楊枝(ピンチョ)で指した小皿メニューを指すが、爪楊枝がなくてもピンチョスと呼ばれることがあるので、まぁタパスと同義語であると言っていい。

ピンチョス
こういうのがピンチョス

ひとつ2〜3ユーロ程度の物が多く、見た目よりボリュームもあるので少食な人なら3つも食べれば結構満足してしまうだろう。とはいえ私は3皿でお腹いっぱいになりたくなかったので、地元の人に「パンを残してもいい?」と聞いたら「もちろん!」とのこと。パンで満腹になりそうだったら気兼ねなく残そう。

生ハム
オーダーしたそばから生ハムをスライスしてくれる店。地図はこちら
イベリコ豚の生ハム
しっとりつやつやの生ハムはインスタで自慢するしか…!
ムール貝の専門店もあった
日本酒が欲しくなる、カニ味噌のグラタンも!

1つの店で2皿くらいずつつまんだが、何もかも美味しく、世界屈指のグルメシティの実力にうなる。海藻や魚介など、日本人好みの食材も豊富で、洋食なのに胃もたれしない。

さて、ここからは、特に全力でおすすめしたい個人的ベスト3を発表。どこも人気店だが、混雑していても何とか入れるのがバルのいいところ。ひるまずに突進しよう。

■ サン・セバスチャンに行ったら絶対食べてほしい究極の3皿。

第3位 La Vinaのバスクチーズケーキ

ラ・ビーニャのバスクチーズケーキ
La Vinaの地図はこちら

突然おやつになってごめんなさい。ここは、サンセバスチャンで一番有名なチーズケーキが味わえるバル。日本でも定番となったバスクチーズケーキの人気店だ。

2切れで5ユーロくらい。

正直言って、コンビニで売ってるバスクチーズケーキしか食べたことがなかったが、本場のそれは、甘すぎすふんわり軽く、しっとりとろとろ。さっぱりしていて、ワインにも合うおやつという印象。見た目はボリュームたっぷりだが、なぜかするっと胃におさまってしまう。
バル巡りでのシメや、カフェタイムのおやつにおすすめ。もちろんつまみにしても。

第2位  Txepetxa Tabernabaのアンチョアのピンチョス

地図はこちら

ここはアンチョア(カタクチイワシ)に特化した老舗バル。日本でもおなじみのアンチョビみたいにしょっぱいやつではなく、さっぱりとした酢漬けをアレンジしたピンチョスが並ぶ。

ピーマンなどの野菜をトッピングした一皿。ひとつ2.5ユーロくらい。

肉厚でふわふわ、大きくスライスされたイワシの酢漬けは、口に入れた瞬間ハッとするほどの美味しさ。生臭さゼロ、トッピングした野菜とのハーモニーもたまらない。これは初めてのおいしさ…!

このあと数軒のバルでアンチョアのピンチョスを食べたけど、ここより大きいイワシにはついに出会えず、10種類以上のトッピングが楽しめる店なのでもっと色々試したかったと後悔。三世代続く家族経営の有名店で、アンチョアへのこだわりでは唯一無二のお店なので、忘れずに立ち寄りを。

第1位 Bar Sportのフォアグラのピンチョス

地図はこちら

ここはサン・セバスチャンの人気バルで、特にフォアグラのピンチョスで有名。

一つ4ユーロ。

バゲットを覆うのは、塩コショウでさっぱりと味付けされたフォアグラのソテー2枚。写真ではうまく伝えられないのだが、一口ではとても入らない大きさだ。高級食材のフォアグラ、日本では結婚式ぐらいでしか食べたことがなかったが、こんなにカジュアルなお値段でこんなにたっぷり載っけていいんですか…!

口に入れれば、濃厚とろ〜り、罪深さを感じる旨味を残して胃の中へ消えていく。脳の奥に響くような美味しさである。いやあ、絶対また来る!

夜もふければ更に賑わう居酒屋ストリート。

サン・セバスチャンのバル巡りのいいところは、スダンディングの店が多いせいか、隣り合った客同士ですぐ仲良くなれたりすることだ。仲間だけでテーブルに座り込んでしまうと、他をよせつけないバリアを張ってしまいがちだが、カウンターに並んで立てば、同じ食いしん坊仲間。

世界中からバスクの美味を求めて来た旅行客と軽口を叩きながらピンチョスを頬張ったのはいい思い出。一皿が小さいので、一人旅の女子でも楽しめるアクティビティだろう。治安も悪くないし、小さな街なので基本は徒歩で回れる。

思い出すだけでまた行きたくなるサン・セバスチャン。
毎年9月にはサン・セバスチャン映画祭が開催され街が賑わうが、直前は宿代がおそろしく上がるので、3ヶ月くらい前に予約するのを推奨。私はちょうどこの時期に行ったけど、昼は映画館をはしごして、夜はバル巡りという、天国みたいな日々だった。でも次は、泳げるシーズンに行ってビーチでごろごろしたいな。

映画祭時期の街。あちこちにスターを囲む人だかりができてお祭り気分。

<サン・セバスチャンへの行き方>

日本からだとヨーロッパ主要都市で乗り換えてビルバオ空港に行くのが一般的。ビルバオ空港からはサン・セバスチャン行きのバスが出ている。

スペインを拠点とするLCC、ブエリング航空なら価格もリーズナブルなので、どこかヨーロッパの街から移動するなら選択肢の一つにしても。

<スペイン・バスクの関連記事

一度はサン・セバスチャン映画祭に行ってみたい人のための楽しみ方ガイド

衰退した街を生き返らせ、現代アートの聖地に変えた奇跡の名建築「グッゲンハイム・ビルバオ」を見に行った。

美食のスペイン・バスク、ビルバオでバルめぐり。おすすめピンチョスはトップ3はこれです。

⇒ スペインの記事一覧

 

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あれ美味しかったなぁ…と今も思い出すスペイン・セビリアのマグロ料理 https://tripplanner.jp/topics/3885 Tue, 21 Mar 2023 09:37:24 +0000 https://tripplanner.jp/?p=3885 旅先では美味しいものを食べるのが一番の楽しみだったりするのだが、中でも忘れられない一皿が、スペイン、アンダルシ…

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旅先では美味しいものを食べるのが一番の楽しみだったりするのだが、中でも忘れられない一皿が、スペイン、アンダルシアのセビリアで食べたまぐろ料理である。

マグロのカルパッチョ、14ユーロ。今日の一皿だったので、いつもあるとは限りません。

ヨーロッパ人はマグロはトロより赤身が好き、とは良く言われるが、私がいただいた一皿のこの霜降りを見よ!
凍ったマグロを生ハムをスライスするような機械で薄〜く切って作ったカルパッチョは、口に入れるとふわっととろけてしまう。これは絶対日本人が大好きな味

味付けもビネガーと極上のオリーブオイルを使っただけでシンプル、さっぱり。刺し身は日本が世界一うまい、と思い込んでいたけれど、こういう仕事をされると、自分の無知を思い知らされますな…。

この究極の一皿をいただいたのは、Chiquilla (チキーラ、スペイン語で少女という意味らしい)というレストラン。セビリアの農産物を扱うアレナル市場のすぐ前にあり、ふらっと入ったのだがこれが大成功。野菜類はもちろんこの市場から直送らしい。

前菜にいただいたイベリコハムのコロッケ、2つで3.5 ユーロとタパス価格。

あとでググって知ったのだけど、シェフのウルバノ・ゴンサレスは、セビリアの人気レストランのオーナーなどを努め、ニュースなどにも登場するちょとした有名シェフのよう。特にこの店はシーフードにこだわりがあるそう。

実はマグロの次に美味しかったのがパンに添えられたオリーブオイル。濃厚でフレッシュで、これだけ舐めたいぐらいの旨み。間違いなく人生最高のオリーブオイル。

世界第1位のオリーブオイル生産国スペインで、その生産量の75%を占めるのがアンダルシア産。本場のオリーブオイルの底力すごすぎる。このオリーブオイルのブランド名を聞いておくんだった!と帰国してから後悔の嵐でした…。

デザートに固めプリン。6ユーロくらいだったかな。

お店はこぢんまりとしつつも、モダンなインテリアで居心地良し。スペイン人は普通21時前に夕飯を食べないので、19時半くらいに行くとガラガラで予約無しでするっと入れる。私が行ったときは私の他にアメリカ人カップルが一組いただけだった。しかし、夜遅くなると大混雑である。

コロッケ、マグロのカルパッチョ、グラスワイン1杯、プリンとコーヒーにサービス料合わせて合計30.5ユーロ。ヨーロッパのきちんとしたレストランとしてはかなりリーズナブルな方だと思う。

お店の人も親切で、店のロケーションも申し分なし。セビリアを旅するなら、居酒屋でタパスもいいけれど、こだわりのモダンなスペイン料理にも是非チャレンジを。

Chiquilla Restaurante> ⇒ instagram

<セビリアの関連記事>

宮殿、大聖堂、陶器、市場…スペイン・アンダルシア、セビリアの見どころ、ざっくり紹介。

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