旅先では美味しいものを食べるのが一番の楽しみだったりするのだが、中でも忘れられない一皿が、スペイン、アンダルシアのセビリアで食べたまぐろ料理である。
ヨーロッパ人はマグロはトロより赤身が好き、とは良く言われるが、私がいただいた一皿のこの霜降りを見よ!
凍ったマグロを生ハムをスライスするような機械で薄〜く切って作ったカルパッチョは、口に入れるとふわっととろけてしまう。これは絶対日本人が大好きな味!
味付けもビネガーと極上のオリーブオイルを使っただけでシンプル、さっぱり。刺し身は日本が世界一うまい、と思い込んでいたけれど、こういう仕事をされると、自分の無知を思い知らされますな…。
この究極の一皿をいただいたのは、Chiquilla (チキーラ、スペイン語で少女という意味らしい)というレストラン。セビリアの農産物を扱うアレナル市場のすぐ前にあり、ふらっと入ったのだがこれが大成功。野菜類はもちろんこの市場から直送らしい。
あとでググって知ったのだけど、シェフのウルバノ・ゴンサレスは、セビリアの人気レストランのオーナーなどを努め、ニュースなどにも登場するちょとした有名シェフのよう。特にこの店はシーフードにこだわりがあるそう。
実はマグロの次に美味しかったのがパンに添えられたオリーブオイル。濃厚でフレッシュで、これだけ舐めたいぐらいの旨み。間違いなく人生最高のオリーブオイル。
世界第1位のオリーブオイル生産国スペインで、その生産量の75%を占めるのがアンダルシア産。本場のオリーブオイルの底力すごすぎる。このオリーブオイルのブランド名を聞いておくんだった!と帰国してから後悔の嵐でした…。
お店はこぢんまりとしつつも、モダンなインテリアで居心地良し。スペイン人は普通21時前に夕飯を食べないので、19時半くらいに行くとガラガラで予約無しでするっと入れる。私が行ったときは私の他にアメリカ人カップルが一組いただけだった。しかし、夜遅くなると大混雑である。
コロッケ、マグロのカルパッチョ、グラスワイン1杯、プリンとコーヒーにサービス料合わせて合計30.5ユーロ。ヨーロッパのきちんとしたレストランとしてはかなりリーズナブルな方だと思う。
お店の人も親切で、店のロケーションも申し分なし。セビリアを旅するなら、居酒屋でタパスもいいけれど、こだわりのモダンなスペイン料理にも是非チャレンジを。
<Chiquilla Restaurante> ⇒ instagram
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。