美しいアール・ヌーヴォー建築に彩られた世界遺産の街、フランス東部のナンシー。実は土日に訪れると、特にアート&建築ファンにはいいこと尽くしなのをご存知だろうか?
今回はたまたま土日に行っていろいろ得した私が、土日にナンシーを訪れるべき理由を紹介しよう。
1.土日はバスが無料
なんとナンシーは土日ならバスが無料。小さい町なので旧市街など人気エリアは徒歩で回れるが、次に紹介するジャン・プルーヴェ邸などは結構駅から離れているのでバス利用が必須。
2.ジャン・プルーヴェ自邸は土曜日のみ見学可能
ナンシー派の工芸家を父に持ち、この地で家具の製造を行うなど、ナンシーとゆかりの深いジャン・プルーヴェ。 2022年には「東京都現代美術館」で『ジャン・プルーヴェ展』が行われるなど、日本でも人気のデザイナーであり建築家である。
1954年に彼が建てた丘の上の自邸は、いまなお建築ファンに人気のスポット。1年のうち6月から9月までの土曜日のみ公開されている。家の中は現オーナーの私物などがあり建設当初の面影は薄いのが残念だが、丸窓の金属パネルなど、プルーヴェらしいデザインが残る外観などは貴重。
なお、プルーヴェファンなら、世界遺産のスタニスラス広場に面するナンシー美術館に行くのもお忘れなく。美術館の一角には、プルーヴェコーナーがあり、彼が手掛けた家具などが展示されている。もちろんこの記事で紹介したドームのガラスコレクションなど他にも見るべき展示もいっぱいだ。
・ナンシー美術館(公式)
3.日曜日は隣町にあるポンピドゥ・センター・メスへ
日曜日となると、レストランや店などが開いておらず、退屈しがちなフランスの町だが、それはナンシーも同じ。それなら日曜日でもオープンしている美術館を目指して、隣町のメス(Metz)まで電車に乗っておでかけしてみよう。駅前にどーんとそびえるポンピドゥ・センター・メスは、パリのポンピドゥ・センターの分館で、その建築は我らが坂茂が手掛けている。
メスはナンシーから電車でわずか40分程度しか離れていないのに、モダン建築に彩られた現代的な景観がナンシーとは対極。建築もさることながら、モダンアートの展示も素晴らしいので、ナンシーまで来たならぜひ一緒に巡ってほしいアートスポットだ。
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。