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円安でも楽しめるお手頃ヨーロッパ、ブルガリアの山岳リゾート・バンスコ観光ガイド。

円安でも楽しめるお手頃ヨーロッパ、ブルガリアの山岳リゾート・バンスコ観光ガイド。

つい2−3年前まで1ユーロ130円だったのに、最近じゃ170円ってどういうこと? こんな円安じゃ大好きなヨーロッパに行けないじゃないの!……とお嘆きのあなた。

安心してください! 今世紀最悪の円安の今でも、まだまだ安く楽しめるヨーロッパがあるんです。

それが、日本人にはヨーグルトでおなじみの南東欧ブルガリア。EU内でも特に物価が安いことで知られており、2024年3月からはシェンゲン協定にも加入し、ヨーロッパ間の移動のハードルもぐっと下がったばかりである。

中でも私のおすすめは一等地のバストイレ付宿が一泊3000円くらいで見つかる山間の小さな街、バンスコ。夏は写真のように比較的落ち着いた雰囲気だが、冬ともなれば、ヨーロッパ中からスキー客が殺到するという山岳リゾートでもある。

でもスキーシーズン以外は人いないんでしょ? と思ったそこのあなた。

実はこの街、こう見えて、いまやヨーロッパ屈指のデジタルノマドの聖地。世界中のリモートワーカーが集まっており、ブルガリアの奥地の小さな街にもかかわらず、普通に英語が通じてしまうインターナショナルシティだったりするのだ。ちなみに毎年ノマドフェスティバルも開催している。

周囲を囲む山々がもたらす美味しい水、美味しい空気、申し分のない治安、ちょっと足を伸ばせば簡単に楽しめるハイキングや温泉など、魅力もいっぱい。これで物価が安いとくれば、ノマド民も住み着きたくなるというもの。

それでは、この街を旅する人に向けて街の楽しみ方とブルガリアの首都ソフィアからのアクセスなどの基本情報をお伝えしていこう。

・楽しみ方その1:街歩きと建築鑑賞

何はともあれ、景観そのものがとにかくかわいい。

窓に凝った装飾があしらわれた独特の石造りの低層建築が連なり、のどかなヨーロッパの田舎町そのもの。

こんなに可愛い建物なのに、英語の説明では、「the fortified houses in Bansko」(バンスコの要塞化された家)とある。確かによく見ると窓に鉄格子があって要塞っぽい。そしていかにも頑丈そうである。なぜ要塞化しなければならなかったのか…。その歴史が気になる。

観光スポットのひとつは、街の中心にある、塔が目印の聖トリニティ教会(Holy Trinity Church)。

シンプルな外観とは裏腹に教会内部のインテリアは重厚で、日本ではあまり馴染みのない東方正教会の独特の世界観を堪能できる。

美しい教会内部にうっとり

個人的に楽しかったのが、この教会に隣接するネオフィット・リルスキー(Neofit Rilski)のハウス・ミュージアム。ネオフィット・リルスキーとは、18世紀〜19世紀のブルガリア民族復興期の著名な啓蒙家、修道士、教師で、ブルガリア初の百科事典編纂者でもあるという偉人。このミュージアムは彼が1881年に亡くなるまで暮らした家をそのまま公開したものだ。

住居は2階建てで、家族の暮らす部屋や台所のほか。修道院の学校も兼ねていたよう。

この風情、かわいい!真似したい!

こういう民族調のインテリアや民芸品が大好物なので、調度品やテキスタイルに興味しんしん。ネオフィット・リルスキーの邸宅はバンスコの典型的な要塞建築とのことなので、街を彩る独特の建物の魅力をより深く知りたい人にもおすすめ。

・楽しみ方その2:近隣の温泉へいく

とはいえ、バンスコの街は30分も歩けば見終わってしまうので、他になにかしたい!という人は、バスなどで近隣の温泉へ。何しろこのあたりは有名な温泉地がそこかしこにあるのだ。トリニティ教会の真向かいにあるBansko Visitor Information Centreに行けば、温泉地行きのバスの時刻表もチェックできる。

Dobrinishteは近隣の大きな温泉街。

しかし、結論から言うと、バスの便は頻繁とはいえないし、温泉街についてからも結構歩きそうなので、私は諦めてタクシーで一番近そうな温泉に直接行ってみた。

ちなみにバンスコでタクシーを呼ぶのはなかなか難易度が高く、まず言語の壁があるし、何しろUberみたいな世界標準のタクシーアプリもない。現地の宿で教わったのは、Taxistrarsというヘボい現地仕様のアプリである。

このアプリはヘボいなりにまぁまぁ使えたし、このアプリ以外では誰かに車を呼んでもらうしかなさそうなので、とりあえずバンスコに行く人はダウンロードしておくといいのではないでしょうか。

結局私が行ったのは、バンスコ中心部から8kmほど(タクシーで10分程度)のAlpha Spa & Pool Dobrinishte。

プールじゃねえか!

……というツッコミは覚悟でご紹介しました。はい、ほとんどプールです。でもちゃんとお湯なんですよ!入場料は大人18レフほど(日本円で1500円程度、これはちょっと現地物価から考えると高め)。中にはレストランやバーなどもある。

この日は天気もいまいちだったので人もまばら。でもDJブースみたいなものもあったので、夏はそれなりにパリピが集まるホットな場所なのかも。

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バンスコの中心部からはタクシーも10レクぐらい(900円くらい)だったので、わりと気軽に行ける。健脚なら歩いても行けそうだけど、歩道がない道路を行くので危ないかも。

・楽しみ方その3:美味しいものを食べる

バンスコに限らず、食は旅の最大の楽しみの一つ。ここ、バンスコの食事もとても美味しいのでぜひいろいろ食べてほしい。お値段もお手頃だ。

街を歩いているとよく見かけるこの鍋のサインがバンスコの名物料理のひとつ、Kavarma(カヴァルマ)。

野菜や肉をスパイスで煮込んだ土鍋料理でこの看板があるレストランならどこでも味わえる。私はベタだが、トリニティ教会近くのブルガリア伝統料理を出すレストラン(メハナ)Obetsanova mehanaで味わってみた。

このレストランは、料理もさることながら店内がとてもディープな雰囲気で、ブルガリアに来たー!!と思えるのでおすすめ。

メハナ内部、この共産圏感がすごい。
こういう内装、まず日本にはあるまい。
これがバンスコ名物土鍋の煮込み、KAVARMA

民族音楽を奏でるバンドが回ってきたりして、観光気分も盛り上がる。頼んだカヴァルマも美味しかった。付け合せにライスを頼んで一緒にいただくと日本人歓喜の味になるので、ぜひごはんのおかずにしていただきたい。

ちなみに、毎週土曜日には、このあたりでマーケットも開かれ、乾物やはちみつなどが買えるので、タイミングあえばぜひチラ見を。日本では高級な乾燥ポルチーニなども激安で売っていたので私はお土産にどっさり買い込んだ。

個人的には、あちこち観光するというよりは、3−4泊して、どこかのコワーキングスペースにドロップインしたり(驚くほどすぐに友達ができるので激しくおすすめ。私は1日行っただけなのにその夜のコワーキングメンバー向けのBBQに誘ってもらえた)、カフェやレストランでのんびりしたりしつつ、1日は街歩き、1日は温泉、1日はハイキング、みたいな過ごし方がおすすめ。とにかく風景が美しいのでただ滞在するだけで心癒される、そんな旅先である。

・バンスコまでの行き方

最後に、アクセスについて説明を。こんな山奥、どうやって行くのよ?と不安になるかもしれないが、実はソフィアの空港や市内から直通バスが出ていて、オンライン予約もできるので行く難易度は高くない。

このサイトで、場所を選んで予約すればOK。

私は行きはソフィア空港から直接行ったのだが、バスは本来、スキー場のゴンドラ乗り場あたりにつくはずが、同乗していた人たちは口々に自分の宿名を言い、運転手さんはちゃんとその前まで連れていっていた。私もおそるおそる自分の宿を伝えたが、ちゃんと宿の前まで車をつけてくれた。夜に到着だったのでこれはとても助かった。

ただし、バンスコからソフィアまでのバスはわりとドライに全員同じバス停で降ろされるみたいなので期待しないように。

バンスコのバス停はやたら豪華な建物(ただしボロい)。バス停の場所はこちら

 

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