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こんな狛犬見たのはじめて!と心が震える、南福島の白河界隈でアートな神社めぐり

更新:2017年08月26日
みきP

福島県の白河市の名産と言えば約300年もの歴史を誇る『白河だるま』……ですが、昨今は狛犬でも注目を集めているのをご存知ですか? ふだん神社めぐりをしていてもうっかりスルーしてしまう狛犬、南福島にはとても素通りできない「なんだこれはっ!」な芸術的狛犬がいっぱいいるのです。

福島県白河市を中心とした南福島には、ものすごく個性的、というかほとんどアートな狛犬が多く残っているのをご存知だろうか。
どれくらいアートかというと……。



こんな感じ。

こんな狛犬見たことありますか? 私はなかったです。

なぜ南福島に、局地的にアート狛犬が増殖したのか。その歴史は、江戸時代末期、1人の天才石工がこの地へ流れ着いてきたことに始まる。

江戸時代の信濃の高遠は、全国的に知られる「石工(いしく)」のブランド藩。山間部の農家の次男以下の男子に石工の技術の習得させ「高遠石工」に育て上げ、他藩に派遣して売上の一部を治めさせる政策で収益を得ていた職人のまちだった。
そんな高遠から白河エリアに流れ着いた石工が小松利平。南福島のアート狛犬文化を拓いたいわばイノベーターである。小松利平にくわえ、彼の丁稚となり後に養子となった小松寅吉、寅吉が開いた工房で修行した小林和平。この3人の天才によって、南白河は全国的にも特殊なアート狛犬パラダイスになった。ちなみに、白河市長の鈴木和夫さんは小松寅吉と小林和平を「東北のミケランジェロ」と讃えている。

2017年春には白河市が主催するバスツアー「狛犬は芸術だツアー」も実施され、全国から狛犬ファンが殺到。今回はそのツアーで鑑賞したアート狛犬の中から、勝手に賞を贈りながらその魅力をお伝えしたい。あなたの狛犬観がきっと変わるフォトコレクションをどうぞお楽しみあれ。

◎ ベストかわいい賞

昭和5年、小林和平作石都々古和気神社(いわつつこわけじんじゃ)の狛犬。



くりくりとした大きな目、むにゅっとつぶれた鼻、もうこのまま雑貨屋さんに並べていいですか? 的なかわいさ。チビのくせに一生懸命威嚇しているけどちっとも怖くない子狛犬もかわいい。

◎ ベストハンサム賞

明治36年、小松寅吉作、白河市の鹿嶋神社の狛犬。
空を飛ぶような「飛翔獅子」というスタイルの傑作で、寅吉最高傑作との声も多い人気作品。


見よ、この日本人離れしているルックス。ヨーロッパの宮殿にあってもおかしくない彫りが深いハンサム狛犬。明治36年(1903年)といえば、世界的にもアール・ヌーヴォー全盛期。まさに日本のアールヌーヴォーともいえる曲線美が素晴らしい。

◎ ベストユニーク賞

昭和7年、小林和平作、古殿八幡神社の狛犬。これは不謹慎ながらちょっと笑ってしまうルックス!

南福島の狛犬がいかに独特か? と聞かれて最初に見せるのはたぶんこれがいいだろうなと素直に思う、挑戦的すぎるデザイン。これを見るためだけに旅してもいい、アート狛犬の傑作中の傑作。

◎ ベスト不思議賞

天保11年、小松利平によるものではと言われている八槻都々古別神社の狛犬。狛犬研究家のたくまよしみつさんによれば『この狛犬こそ、南福島エリアに芸術性豊かな狛犬群を誕生させた「元祖アート狛犬」』なんだとか。

不思議なのは、普通は似たようなルックスのペアになっている狛犬の顔が、阿吽で全然違うこと。決められた型を破壊したいという芸術家の創作欲を感じる作品。

◎ ベスト少女漫画賞

明治26年、小松寅吉作の新地山羽黒神社の狛犬。

このロングでカールなヘアはまさに少女漫画の世界。憧れのテニス部のお姉様が振り向いた瞬間のひとこま、と勝手に妄想。

こっちは花をくわえてキメています。オスカル…?

◎ ベストこわもて賞

明治31年、小松寅吉作、東白川郡鮫川村の「熊野神社」の狛犬。



下からにらみつける狛犬の目ヂカラがすごい。境内に悪者が入ってこないように見張っている、狛犬の役割を思い出させてくれる力強い作品。

おまけ:かわいい赤ちゃん狛犬コレクション

ちっちゃいけど強いんだぞう! といいたげなチビたちの愛らしさ。わざと谷に落として厳しくしつけるという故事「獅子の子落とし」に由来するモチーフだと思うけど、普通に甘えててかわいい。

さて、主に見た目だけで語ってきた白河界隈のアート狛犬。もっと詳しく歴史や功績、職人の技について知りたいなら、狛犬研究家のたくきよしみつさんの「神の鑿」が詳しいので、興味がある人はこちらをチェック! (みきP)

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