スペイン、アンダルシアの州都・セビリア(Sevilla)。他にも、セビーリャ、セビージャなど、いろんな呼び方をされているが、ここではセビリアで統一したい。
なんとなく治安が悪いイメージがあり、ヨーロッパ内を16カ国以上も旅してきたくせに、未だ未踏だったスペイン、初めて足を踏み入れたのがこの街である。背中を押した理由の一つが、それこそ「治安」。
「セビリアはスペインの中ではすごく安全な街よ。カフェでバッグを椅子に置きっぱなしにしても誰も盗らないし」と、セビリア出身の友人が言う(※個人の感想なので真似しないように!)し、「特に何か盗られたりとかしたことないなぁ。のんびりしたところだよ」と現地在住のオンライン英会話の先生も太鼓判。
そして、バルセロナやマドリッドなどに比べ、観光地として有名過ぎないのもいい。正直、行くと決めるまで地名のみうっすら知ってるぐらいの街だったのだ。
しかし、
コロンブスのお墓があるスペイン最大の大聖堂はあるし、
インスタ映え間違いなしのびっくり建築はあるし、
アルハンブラ宮殿みたいな世界遺産があるし、
かわいい陶器街はあるし……
ちょっと、素晴らしすぎるんですけど、セビリア!
そして噂に違わぬ治安の良さ。一週間ほど滞在し一人で歩き回ったけど、怖い思いゼロ。温暖な気候ゆえか、人々もおおらかで優しく、スペイン語力ゼロの私が、翻訳アプリを使ってノロノロと応答しても、辛抱強く付き合ってくれた。
そんなセビリアをまずはざっくり解説。見逃せない有名観光地ばかりですぞ。
1 セビリア大聖堂
どうがんばっても全体像を撮影できないスペイン最大の大聖堂は、世界でも第三位の大きさなんだとか。元はモスクだった場所に15世紀から約100年かけて作られたという、イスラム教の意匠も残るエキゾチックな空間が魅力の世界遺産。
主祭壇には世界最大と言われる飾り壁。44もの聖書の場面がぎっしり描かれた黄金の壁は、思わず口が開いたままになるほどの迫力。
大航海時代、「太陽の沈まぬ国」と呼ばれたスペインで、新大陸との貿易を独占していたセビリアの港。その黄金期を今に伝える、豪華絢爛な大聖堂。いやあ、本当にスペインってあの頃世界でテッペン取ってたんだなぁ、と肌で実感。
ゴヤやムリーリョなど、スペインが誇る巨匠の絵画もふんだんにあるので、美術館のつもりで訪れるのも楽しい。
2 レアル・アルカサル
世界最古の宮殿の一つと言われる、アルカサル。一番の見どころは、イスラム宮殿跡に建てられたという、イスラムとキリストの建築様式が融合したムデハル様式のペドロ一世宮殿である。
繊細なレースで編まれたようなロマンティックな宮殿、ただひたすらに美しい…。
一体どれほどの職人が駆り出されたのか、想像すると空を仰ぎたくなるレベル、とでも言うのだろうか。繰り返すけど、かつてのスペインの財力よ…。
3. トリアナ市場
さて、観光だけじゃお腹が空くので、そろそろグルメスポットもご紹介。ここは店内にはバルもあり、気軽に飲食もできるセビリアの台所、トリアナ市場。
世界一高価なスパイス、サフランやオリーブオイルなど、お土産にしたいグルメがいっぱい。市場ツアー&スペイン料理教室を開催している店もあり、私は今回それに参加してパエリアづくりに挑戦。
お買い物だけじゃなく体験も楽しい市場(⇒私が参加した教室はこちら)。朝から昼時に行くのがおすすめ。
4. アルファレリア通り周辺
せっかく市場まで来たなら、そこから歩いてすぐの場所にある陶器街へ。
このあたりは、かわいい陶器の店がずらりと並び、心躍る。
色鮮やかな「セビリア焼き」。凹凸がある技法のタイルが有名だが、お皿や小物なども並んでいる。
5.メトロポール・パラソル
ドイツの建築家ユルゲン・マイヤーが設計し2011年4月に完成した、高さおよそ26メートル、世界最大級の木製建造物。愛称はキノコ。クラシカルな旧市街に突然挿入された異物感が半端ないが、このI♡Sevillaの前で記念撮影する観光客多数。
巨大な日陰では、子どもたちがサッカーを楽しんでいたりして和む。暑い日の日陰スポットとしておすすめ。
6.スペイン広場
「スターウォーズ エピソード2」のロケ地となった広場。なんとなく歴史ある場所に見えるが、作られたのは1929年と、ヨーロッパの時間感覚から言えば最近。
50,000平方メートルもある巨大な広場は、イベロ・アメリカ博覧会のために作られたもの。スペイン49県のタイル画が描かれたベンチでは、自分の出身地で記念撮影するスペイン人の姿も。
人気スポットからはちょっと離れているせいか私が訪れたときはほとんど人がおらず。人混みに疲れたら足を運びたい癒やしスポットかも。
と、いろいろ紹介したが、個人的には、名もない街角の風景などを愛でながら、のんびり過ごすのが楽しい街、という印象。
真夏は暑すぎるらしいので、訪れるならオレンジの花の香りが街を覆う春が良さそうだ。
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。