盆地のせいか、冬は特に寒さが身に沁みる古都・京都。風邪などひかぬよう夜はお風呂でしっかり温まりたいもの。
実は京都は100軒以上の銭湯が残るお風呂パラダイス。中でもその内装の絢爛さで「キングオブ銭湯」と呼ばれる西陣の船岡温泉は、立派な観光名所の一つだ。
1923年(大正12年)に料理旅館「船岡楼」の付属浴場として営業を開始した歴史ある銭湯。色鮮やかなマジョリカタイルに彩られたロマンティックな館内は「ほう…」と声が出る絢爛さ。
残念ながら館内は撮影できないので、なんとなくその様子を想像できる別の銭湯建築を紹介したい。
船岡温泉から徒歩すぐのこちらの建物は、1998年まで営業していた元銭湯。今はカフェとして営業している「さらさ西陣」である。
大正時代に作られた銭湯をリノベーションした店内は、船岡温泉と同じくマジョリカタイルがびっしりの華麗空間。
西陣の旦那衆が主な顧客層だったという、船岡温泉街の景気の良さを今に伝える、ひとつひとつ丁寧に作られたタイル、美しすぎる…。
船岡温泉は、天狗と牛若丸の彫刻のある格天井や緻密な欄干の透かし彫りなど、また違った見どころもあり国の登録有形文化財にも指定。レトロ一辺倒といえばそうでもなく、お風呂そのものは超モダンで、電気風呂、ジェットバス、露天風呂やくすり風呂もスタンバイ。普通の銭湯料金(2022年1月現在、大人 430円)で入れるのもうれしい。私が入ったときは、観光客よりも地元民が多い印象だった。
なかなか交わることのない、京都で暮らす普通の人たちと同じお風呂で温まる。これもまた、観光だけでは得られない、京都体験のひとつだ。
<船岡温泉> 公式サイト
京都駅より市バス206系統、千本鞍馬口バス停下車、徒歩約5分。
<さらさ西陣> 公式サイト
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。