江戸時代にタイムスリップしたかのような風情ある町並みで人気の、岡山県の倉敷。
ぶらぶらするだけでも楽しいけれど、せっかくなら倉敷ならではのテーマを決めて歩いてみるのもおすすめ。
実は倉敷は、東京に続き2番めの民芸館が作られるなど、民藝運動との関わりが深い町。民藝運動とは、柳宗悦が中心になり、河井寛次郎や浜田庄司らとともに提唱された日用品の中に「用の美」を見出す運動。
倉敷きっての大地主で実業家、大原美術館などで知られる大原家が民藝のつくり手を支援するなどしたことから、見逃せないギャラリーやショップが点在。民藝にちょっと興味があるなら倉敷美観地区ではこの5箇所をチェックしてみては? 徒歩ですべて回れてしまいますよ。
倉敷でめぐりたい5つの民藝スポット
1. 大原美術館
昭和5年に出来た、日本初の西洋美術中心の私立美術館で、実業家の大原孫三郎が設立。
民藝好きなら、ここの工芸・東洋館は絶対外せないギャラリー。浜田庄司やバーナード・リーチ、富本憲吉、河井寛次郎、芹沢銈介ら民藝のスターたちの作品が並び、なんと展示室は芹沢銈介が設計したという贅沢さ。
2.倉敷民藝館
倉敷美観地区にある、東京の日本民藝館についで昭和23年に開館した長い歴史を持つ民芸館。
江戸時代末期の米倉を改装した歴史ある建物で、民藝の作品に触れられるのも贅沢。民藝運動を支援した大原孫三郎の息子、總一郎に招かれた外村吉之介が初代館長。約15000点にも上る所蔵品のほとんどは、外村が蒐集したものだとか。
3.融(とおる)民芸店
美観地区にあるファンの多い老舗の民藝のお店。2021年に名物店長だった小林融子さんが引退し、写真家の山本尚意さんがお店を継いだことがファンの間で話題に。
倉敷ガラスなど地元岡山の手仕事の他、全国の民芸品がセレクトされ、センス抜群。うつわ好きなら外せない名店だ。
4. 語らい座 大原本邸
倉敷絹織(現(株)クラレ)の創設者の大原孫三郎ほか大原家代々が暮らした家を利用したミュージアム。国の重要文化財に指定された貴重な家屋や、美しい日本庭園などが見どころ。
ブックカフェには民藝運動を支援した大原家ならではの蔵書も並び、倉敷と民藝との深いつながりに触れることができる。
5.倉敷国際ホテル
大原美術館創設者の大原孫三郎の息子、大原總一郎が創設したホテルで、メインロビーにある木版画としては世界最大(幅12.84m・高さ1.75m)となる棟方志功の大作でも有名。
岡山駅にも見逃せない名店
倉敷から岡山経由で新幹線で帰路なら、岡山屈指の民藝の有名ショップ「くらしのギャラリー 本店」にもぜひ立ち寄りを。
岡山県民芸振興株式会社が運営する民藝を中心としたうつわや手仕事を扱うショップで、創設者の杉岡泰は、柳宗悦の下で民藝運動に参加し、岡山県民藝協会会長も務めた人物。
店内のセンスも抜群で、お店の人も親切にいろいろ教えてくれますよ。
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トリッププランナー編集長。 これまで行った旅先は世界40カ国、うち半分くらいはヨーロッパ。興味関心のあるテーマは歴史と建築、自然。一眼レフ好きだったが重くて無理になりつつある今日このごろ。