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流氷にサウナ、ラウンジめぐりなど、ヘルシンキ冬の旅おすすめ5つの過ごし方

流氷にサウナ、ラウンジめぐりなど、ヘルシンキ冬の旅おすすめ5つの過ごし方

夜はマイナス5度、日中でも0度前後だったりする、冬のヘルシンキ。寒さはちょっと厳しいけれど、実は冬ならではの楽しみもいっぱいあるのです。航空券もホテルもぐっと安くなるお得な季節に試してほしい、とっておきのヘルシンキ「冬のアクティビティ」を5つご紹介します。

■ おすすめ冬のアクティビティその1:「流氷」

デザイン都市とか、インテリアショップとか、とかくおしゃれ情報が溢れがちなフィンランドの首都、ヘルシンキ。実は景色もすごい自然派の街!と気づかせてくれたのは、2016年秋にオープンしたばかりの海沿いの高層ホテル「クラリオン ホテル ヘルシンキ」。こぢんまりとしたデザイナーズホテルが多いヘルシンキでは珍しく、16階建て、客室数425、会議室や大型レストランを備えたタワーホテルです。

特筆すべきは、宿泊客以外にも大人気のスカイルーム。エレベーターで最上階に登り、窓の外から海を見下ろすと……!

わー、流氷! オホーツク海みたい!

日本だと流氷って、北海道などの大自然スポットでのみ楽しめるイメージだけど、普通におしゃれなショッピングエリアに隣接(カンピ・ショッピングセンターからわずか1km)してるのがヘルシンキのすごさ。ショッピングや美術館めぐりのあとに、さぁ流氷でも見るか、なんてことができてしまうのです。

スカイルームにあるバーコーナーは絶景を求める人たちでいっぱい。地元の若者たちにも人気のよう。


スカイルームには展望デッキもあり、港の風景を楽しみながら過ごすこともできますよ。ちょっと寒いけど。

なんとスカイルームにはプールも!冬はさすがに泳げないですが、夏は気持ちよさそうですな。

海が見える客室もあります。インテリアもおしゃれ!

さすがヘルシンキ。こんなに大型ホテルなのにしっかりブティックホテルで、照明や家具などがいちいちおしゃれ。冬はわりとお値段もリーズナブルだし流氷狙いでここに泊まるのもいいかも。ホテルの中でごはんもお酒も楽しめてしまうので、おこもり旅にもぴったりです。

・ クラリオン ホテル ヘルシンキ

 

 

■ おすすめ冬のアクティビティその2:「サウナ&アイススイミング」

フィンランド人が愛してやまないサウナも、冬はよりいっそう気持ちのよい温活スポットに。主だったホテルにはサウナが完備されているので、ヘルシンキ滞在中にサウナは手軽に楽しめますが、個人的にイチオシなのが「スモークサウナ」。

サウナの中の炉で薪を焚き、室内が温まるまで5時間以上かかるという非常に手間のかかる贅沢品でもあるスモークサウナは、かつてはフィンランドでは一般的なものでしたが、さすがに手間がかかりすぎるせいで、今やほとんどが電気のものに変わっています。

けれども、最近オープンし、「デザイナーズサウナ」としてメディアでも話題のおしゃれな公共サウナ「ロウリュ」には、今や貴重品となった、「キング・オブ・サウナ」とも呼ばれるスモークサウナがあるのです。ヘルシンキの中心部から2kmほどの海辺にあるのでアクセスも簡単。

Photo by Izumin

さすがはデザイン都市、ヘルシンキ。ウッディでナチュラルなトーンで統一された公共サウナはとってもおしゃれ。海辺なので眺めも良く、まるでどこか遠くのリゾート地をおとずれたよう。

Photo by Izumin

カウンターで19ユーロを支払いロッカーへ。タオルとサウナに座る時に敷く布、シャンプーとシャワージェルはついていますが、サウナ内は男女混浴なので水着を忘れずに。

Photo by Izumin

ロウリュの中には、スモークサウナ1つと薪ストーブ式のサウナ2つ。個人的に絶対試していただきたいのが、伝統的なスモークサウナ。じっくりと燻された木や薪から漂う香ばしいアロマに、心も身体もリラックス。スモーキーな香りにこんなに癒されるなんて、きっと来世は立派なベーコンになれそうな私です。

ほとんど真っ暗に近い空間で、「そこ席空いてますか?」「空いてるわよ、どうぞ」「お水かけていい?」「もちろん!」なんて声を掛け合っていると、親密さも深まります。江戸時代の銭湯は真っ暗で、このスモークサウナのように声を掛け合いながら入ったそうですが、これぐらい暗いほうがリラックスできるよね、日本ってちょっとどこもかしこも明るくしすぎなんじゃない? と「陰影礼賛」で暗さを讃えた谷崎潤一郎の気持ちに改めて共感。

photo by Izumin

サウナで温まったら、入場の際にお金を払ったカウンターでアルコールを含むドリンク類を買って一休み。ビールやワインでくつろいで、もう一回サウナに入りにいったりもできるのがちょっと日本の銭湯とは違うところ。
サウナ上がりでお酒を飲んでいると、隣同士になった人たちとも自然に会話が弾みます。「もうアイススイミングやった?」「ええー、この寒さでは無理!」「カモーン、何言ってんだよ、外の空気より水温は高いし最高だよ、絶対やるべき!」みたいに軽口を叩き合ってすっかり仲良しになったりしたのもいい思い出。お風呂がコミュニケーションの場なのは日本もフィンランドも同じですね。ああ、我ら風呂好き兄弟たちよ!

ちなみに、サウナ好きでもなく、日本でも冷水には入らない主義の私も乗せられてアイススイミングにチャレンジしましたが、これが意外と良かったです。健康に自信があるなら旅の思い出にチャレンジするのがおすすめ。

photo by Izumin

サウナを満喫した後は併設のレストランへ。

夜は地元の若者たちの社交場と言った盛り上がり。カップル文化の強いヨーロッパには珍しく、男同士のグループも目立ちます。サウナはどちらかというと男性に人気なのは日本と同じなのかも。

ロウリュ

■ おすすめ冬のアクティビティその3:「ホテルのラウンジで過ごす」

さて、3つめのアイデアは、おこもりが楽しい冬ならではのホテルステイプラン。観光シーズンではないので、ヘルシンキのホテルはどこもわりとリーズナブルに泊まれます。え、こんなにおしゃれで街の中心部なのに一泊10,000円?なんてことも珍しくありません。

しかも、ヘルシンキ中央部のホテルって、全体的にどこもこぢんまりとしていて、ロビーに併設されたラウンジが夜はバーになっているケースがほとんど。ここには宿泊客だけでなく、ヘルシンキで働く会社員たちなどが仕事終わりに集まってきて、夜ごとお酒を楽しんでいます。おしゃれな人も多いので、彼らを眺めながら地元っ子になった気分でお酒を飲んだりするのも楽しい。特に女性だと夜道はあんまり歩きたくなかったりするので、お得な冬にちょっと素敵なホテルに泊まって、夜はすてきなラウンジで過ごせば、寒い思いとも無縁。

ということで、個人的に一泊一部屋10,000〜15,000円(※時期にもよる)程度で泊まれて、かつラウンジスペースが素晴らしいホテルをいくつかご紹介しましょう。

1)グロ ホテルアート
1900年代のアールヌーヴォー建築をリノベーションしたまさにアートの名がぴったりの美しいホテル。蚤の市で有名なヒエタラハティマーケットからも歩いてすぐ。小さめですが、ラウンジスペースには席もあり、昼はお茶を楽しむ女性の姿も目立ちます。バーカウンターもあり、夜はうっとりするような空間でお酒も楽しめますよ。

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ロマンティックな螺旋階段の途中にも席が。カップルシートみたいで素敵です。

2)リラ・ロバーツ
デザインディストリクトにある、1908年に発電所として建てられたアールヌーヴォー建築も素敵なデザイナーズホテル。ロビーフロアは黒を貴重としたクールなデザイン。暖炉やバーカウンターもあって、大体3時くらいからバータイムがスタートしています。

3)ホテル・インディゴ・ヘルシンキ・ブレバルディ

もう少しカジュアルな雰囲気が好きならこちらのブティックホテルへ。客室やインテリアが北欧ブランドで統一されたヘルシンキならではのインテリアが可愛い系。各フロアごとに色やモチーフが違うイラストが描かれている客室も個性的で、ラウンジスペースもカフェ風で気取らない感じ。

もちろん、その1でご紹介した海辺のクラリオン ホテル ヘルシンキもおすすめですよ。

■ おすすめ冬のアクティビティその4:「冬のバーゲンセール」

12月〜1月にかけては、お楽しみのセール期間。街中には大幅にプライスダウンされた良いものが溢れています。かわいい北欧デザインの雑貨屋や小物をお得に手に入れるチャンス!

■ おすすめ冬のアクティビティその5:「クリスマスマーケット」

もう過ぎてしまいましたが、12月に訪れるなら、ヨーロッパでも最大級と言われるクリスマスマーケットをめぐるのもおすすめ。ストックマンデパートの前のアレクサンテリンカトゥ通りやヘルシンキ大聖堂前の広場には、人気のアパレルブランドなどがブースを出し、ジンジャークッキーやホットワイン、クラフトビールなどの屋台も出てそれは賑やか。

photo by IzuminPhoto by Izumin

■ 終わりに。冬のヘルシンキの服装について

さて、最後に老婆心ながら、年頃のお嬢さんたちが冬にヘルシンキを訪れる際の注意を。雪国で暮らしたことがない私にとって、ヘルシンキの冬は「昼も0度前後?ひゃー!」となってしまう寒さなので、日本からユニクロの暖パンをはじめ、アウトドアブランドのソレルのウィンターブーツ等、あたかも雪山に行くような服ばかり持って行ってしまったのですが……これが個人的に大失敗。

そう、ここはデザイン都市ヘルシンキ。みんな普通におしゃれしてました。特にヨーロッパの女性は身体にフィットした服を好むので、細身のパンツ姿の人が多く、すらりとしたシルエットが素敵。どっこいこちらは、たとえて言えばスキーウェアを着て表参道に来てしまったようなもので、ちょっとおしゃれなお店とか入りづらかったです……。

それに、フィンランドの屋内はとても温かいので、やたら厚着すると建物の中でひーひー言うことになります。

おすすめは高機能の下着を持って行くこと。私は冬山登山用のウールのインターウェアやタイツを持って行きましたが、それに普通に東京で着るような冬服を着ていれば十分でした。

絶対に必要だなと思ったのは、帽子と手袋、マフラーでしょうか。ポイントは寒暖差に備えて重ね着すること。

ヘルシンキの中心部では外よりも屋内にいることのほうがずっと多かったので、調節しにくいスキーウェア的な服は正直きつい。簡単に脱ぎ着できる服を持って行ってうまく調節するのが肝心。

ヘルシンキから足を伸ばして郊外の森のようなアウトドアスポットに行く人以外は、高機能インナーと重ね着で温かくして、おしゃれな街を楽しみましょうね。

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