神社に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/神社 少し違う旅のアイデア Thu, 03 Apr 2025 04:05:40 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png 神社に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/神社 32 32 山奥で縄文と出会う。「塩竃金清神社」&「飛騨みやがわ考古民俗館」【飛騨市めぐり旅】 https://tripplanner.jp/topics/4943 Sat, 31 Aug 2024 00:00:13 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4943 岐阜県文化圏は、大きく飛騨地方と美濃地方に分かれています。飛騨地方で有名な場所と言えば、飛騨高山に下呂温泉、白…

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岐阜県文化圏は、大きく飛騨地方と美濃地方に分かれています。飛騨地方で有名な場所と言えば、飛騨高山に下呂温泉、白川郷あたりではないでしょうか。これらが「ドA級観光地」とするなら、「普通のA級観光地」に値する飛騨の有名な場所は、飛騨古川。映画『君の名は。』のモデル地とされています。

飛騨古川を有するのは、平成の市町村合併で生まれた「飛騨市」です。旧古川町、河合村、宮川村、神岡町の4つの町村からうまれました。今回は、そのうち、旧古川町、河合村、宮川村を巡るツアーに参加。山間の豊かな文化に触れてきた。訪れたスポットを順次紹介します。

今回ご紹介するのは、飛騨宮川の「塩竃金清神社」です。

縄文時代の遺跡に建つ山奥の“縄文神社”

以前、トリッププランナーに登場した武藤郁子さんの著作『縄文神社』では、神社と縄文遺跡の重なりを指摘していました。今回訪れた塩竃金清神社は、まさにその条件に当てはまる山奥の“縄文神社”! 神社の斜め前にある飛騨みやがわ考古民俗館には、この塩竃金清神社周囲にあると言う「塩竃金清神社遺跡」から発掘された石棒がたくさん収容されています。

石棒とは、石棒の聖地である飛騨みやがわ考古民俗館という場所を舞台としていかにして関係人口を増やしていけるかという地方創生のチャレンジングな試みに挑戦している「石棒クラブ」のHPによると、「男根を模したと考えられている縄文時代の石器です。子孫繁栄など様々な幸せを願ったり、祭祀などに使われていたと考えられていますが、真実は誰にもわかりません。」と書かれています。

位置は飛騨市から富山県に抜ける道から、少しそれた場所。田舎の片隅にある地元に密着した神社という風情です。地元の方がお掃除してきれいに保っている姿も見ることができました。

本堂にあがって参拝。無数の折り鶴が飾られた空間

こちらの神社は本堂の中に入ってもOK。靴をぬいで、きれいな本堂の中で参拝することができます。

きれいに保たれた空間から、こまめに人の手が入っていることがわかります。地元の方がいかに神社を大切にされているかが伝わってくるんです。

天井には無数の折り鶴。色とりどりの鶴が目を引きます。なかなか他ではみない風景に、思わず写真をパシャリ。でも、本殿側に目を向けると、カラフルな折り鶴とは全く異なる印象のご神体が。

さすが石棒がたくさん出てきた場所。この御神輿は昔はお祭りで使われていて、若い女の子たちが、これを担いで子孫繁栄や安産を願っていたそうです。壁には当時のお祭りの様子を映したお写真も。

もし、お祭りが今も続いていたら奇祭と言われたかもしれないですね。

「百度参り」カウント用アイテムも登場

この神社には、数字が書かれた木の札も残されています。これ、何だと思いますか? 実は、百度参りの時に数を数えるための道具なのだとか。

いつの時代のものかわかりませんが、墨で書かれた文字もきれいに残っていました。誰かが百度参りをしていた証しともいえる品。誰かがこれを使って祈りを捧げていたのですね。ちょっと胸が熱くなりました。

ここで発掘されたアイテムは「飛騨みやがわ考古民俗館」に

神社のななめ前には、年間30日しか開館しないことでも有名(?)な「飛騨みやがわ考古民俗館」があります。塩竃金清神社遺跡で発掘されたアイテムも、こちらに保管されているとのこと。ちなみに無人開館にもチャレンジされているそうですよ。詳しくはHPなどをチェック!

実はこのあたりは、石棒がたくさん出てきただけでなく、石棒の産地という機能があったことがわかっているのだそう。近くに、石棒の元となった塩屋石の産出地があり、このあたりに生産されていた痕跡が見つかっているのだそうです。こんな山奥で、なぜ!? 古代ロマンが広がります。

館内には、縄文に関する展示も盛りだくさん。

巨大な石棒は、目立つ場所でぐるぐると周りながら、存在を主張していました。

縄文土器ももりだくさん。静かな空間で縄文アイテムとキャッキャできます。最高です。

この館は縄文だけじゃありません。昔の暮らしを伝える民俗資料も豊富! 池ヶ原湿原自然保護センターの所長をつとめる岩佐 勝美先生が、どんな風に道具を使っていたのかを説明してくれました。実際に使い方をきくと、ただの不思議な道具に命が吹き込まれたかのように、使っている姿を想像しやすくなります。解説って偉大。

そして、道具の使用用途だけでなく、描かれているイラストのかわいらしさに悶絶! 描いた人は「ときめいてもらおう」なんて、ちっとも考えてなかったと思うんです。でも、時を経て、どこのだれかもわからない私のような人を笑顔にしてくれてるって、すごいですよね。

玩具系もかわいらしいアイテム勢揃い。土人形のなかで、特にときめいたのは、桃から生まれた(はずだけど瓜から生まれた感もある)桃太郎でした!

【施設情報】
飛騨みやがわ考古民俗館
岐阜県飛騨市宮川町塩屋104

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「俺の白兎」で話題沸騰の織田信長を祀る、京都の絶景神社「建勲神社」。 https://tripplanner.jp/topics/3424 Sun, 15 Jan 2023 10:00:11 +0000 https://tripplanner.jp/?p=3424 NHK大河ドラマ「どうする家康」第一回放送時、Twitterで世界トレンド一位になった「俺の白兎」。岡田准一演…

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NHK大河ドラマ「どうする家康」第一回放送時、Twitterで世界トレンド一位になった「俺の白兎」。岡田准一演じる魔王感溢れる織田信長が放った名セリフ(?)だ。

ということで、今回は旬の人物をピックアップ。あまり知られていないが、実はあの京都に、織田信長が御祭神の神社があるのである。

■ 京都の山々を見渡せる、船岡山にある絶景神社

観光客でごった返す四条あたりとはうってかわって、のんびりとした空気が漂う船岡山。清少納言が「丘は船岡…」と讃えるなど、平安時代から風流な人々に愛されてきた標高112メートルの小山である。

山頂に位置するのが織田信長を御祭神とする「建勲神社」(たけいさおじんじゃ、けんくんじんじゃとも)。京都にしては歴史は浅く、創建は明治2年(1869)。

標高112メートルの小山とたかをくくるとわりと息が切れたりする。歩きやすい靴で行くのがおすすめ。

とはいえ、織田信長とのこの山のゆかりについては、もう少し長い歴史がある。

本能寺の変で織田信長が没すると、豊臣秀吉はその御霊をここ船岡山に祀ろうとした。以来この地は信長の大切な地として伝わり、明治天皇が神社を創建したというわけだ。

山全体が神社になっているよう。

この神社の素晴らしさはなんといってもその眺め。

何も遮るもののない小山からは比叡山・大文字山などの京都の山々が見えまさに絶景。京都府の『京都の自然200選』にも指定されているのにも納得。

■ 登録有形文化財の建物や、刀剣ファンに人気の御朱印も。

境内の建物の多くは国の登録有形文化財。拝殿の中には、羽柴秀吉、蒲生氏郷、前田利家や池田恒興ら織田信長の三十六功臣のうち十二功臣の額が飾られており、戦国ファンも胸アツ。

国の登録有形文化財の神門(祝詞舎)。

この神社は、桶狭間の戦いで織田信長が今川義元から奪った名刀で重要文化財の「義元左文字」(よしもとさもんじ)を所蔵していることから、近年は刀剣ファンの聖地にもなっており、「京都刀剣御朱印めぐり」も人気。ちなみにこの刀、信長亡き後は豊臣秀頼、そして家康の手に渡ったことから「天下取りの刀」と呼ばれているとか。

個人的には信長公の天下布武御朱印がお気に入り。かっこええ。

天下布武龍章御朱印 500円

■ 帰りは船岡温泉に立ち寄るのもグッド。

参拝が住んだら、ぜひ近くにある登録有形文化財の銭湯「船岡温泉」に立ち寄ってみよう。⇒関連記事

大正時代のレトロなタイル装飾が残る美しく、全国の銭湯ファンが訪れる名所。ロマンティックな内装を楽しみながらプチ登山で疲れた足を癒やすのもよし。

ちなみに船岡温泉のすぐ近くに同じくタイル装飾が美しい銭湯建築を活用した美しいカフェ「さらさ西陣」もあり、こちらもおすすめ。

さらさ西陣
昔の銭湯の装飾の素晴らしさを堪能できるカフェ

<建勲神社> http://kenkun-jinja.org/index.html
京都市バス「建勲神社前」または「船岡山」バス停より徒歩9分。

<船岡温泉> http://funaokaonsen.net/dish.html
京都駅より市バス206系統、千本鞍馬口バス停下車、徒歩約5分。
地下鉄鞍馬口駅から徒歩約20分。

<さらさ西陣> 公式サイト
京都市北区紫野東藤ノ森町11-1  075-432-5075

<関連記事>

冬の京都はお風呂で温活。美しいタイルで知られる西陣のキングオブ銭湯と銭湯カフェへ。

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海にネギ…!?ゆったり走れば発見がいっぱい!よこしばひかりSUISUI自転車さんぽ https://tripplanner.jp/topics/3299 Sat, 24 Dec 2022 08:00:32 +0000 https://tripplanner.jp/?p=3299 2022年11月12日(土)、成田空港からわずか30分、都心からでも約80分で行ける知られざるアウトドア&グル…

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2022年11月12日(土)、成田空港からわずか30分、都心からでも約80分で行ける知られざるアウトドア&グルメスポット横芝光町で、メディアを招いた観光ツアーが行われました。電動アシスト自転車だからこそ、おさんぽ気分でゆるっと巡れる楽しい旅をご紹介します!

■スタート地点は、駅前情報交流館「ヨリドコロ」

スタート地点は駅前にある駅前情報交流館「ヨリドコロ」。観光情報をチェックしたり、地元のお土産が買えるスポットで、こちらで電動アシスト自転車の貸し出しをしています。

今回お借りしたのは、電動アシストママチャリ! かなりパワフルで、体力もほとんど消耗せず。おさんぽ気分でSUISUIゆったり、「街歩き」ならぬ「街走り」が楽しめました。

■かわいい狛犬さんにキュン!神楽も伝わる熊野神社で交通安全祈願

秋の気持ちいい青空の下、サイクリングスタート!

木々に囲まれた素敵な道を走り抜けた先にあるのは

熊野神社です。立派な参道をくぐり抜けた先にいらっしゃったのは……

笑顔がかわいい狛犬さん! 宝珠が素敵! 目がかわいい!

まっすぐで太い足は、アニメっぽくてキュート。角もちゃんとついてますよ!

こちらでは、江戸時代の神楽面も伝わっているそうで、コロナ前は毎年神楽のお披露目もあったのだそう。2023年はまだ未定とのことですが、無事神楽が舞えるといいですね。

そして、出発前に交通安全祈願をしていただきました! 最後まで事故らないように気をつけながら、次の目的地へレッツゴー。

■ブランドネギ「ひかりねぎ」の収穫体験&直売所「なのはな」でお買い物

続いて向かった場所はネギ畑。太くて白い部分がたっぷりある「ひかりねぎ」は、横芝光町の名産品。畑のまわりにはネギ特有のフレッシュな香りが広がります。ここでは特別に収穫体験をさせて頂きました!

意外と力をいれなくても簡単に収穫できるんです! 収穫したネギは、帰り際に頂いて東京まで持ち帰り。電車の中にも溢れんばかりのネギの香りが広がったのでした……(笑)。

続いて向かったのが、直売所「なのはな」。ここでは野菜の肉厚さと安さに、一緒に自転車さんぽしたメンバーが爆買い状態に!

個人的に惹かれたのは、肉厚しいたけ。手のひらくらいあるサイズが詰まって、この価格……安すぎます。得すぎます。購入した野菜はお家に帰って、おいしく頂きました!

■ランチは地元の人気レストラン「とん亭九十九」へ

おいしい野菜をたくさん目にしたら、お腹がペコペコに。そこで次に向かったのが、地元で人気のレストラン「とん亭九十九」です。定食やお魚などがありますが、イチオシは「とん亭」と名乗るだけあって、豚料理!

肉厚なトンテキは、かなりボリューム満点。でも、電動アシスト自転車とはいえ体力を使ったのでペロリと食べることができました。

ちょっと珍しかったのが、こちら「セグロイワシのごま漬け」。さっぱりとした味わいと胡麻のプチプチ感が癖になります。お酒と一緒に楽しみたくなる一品でした。

■腹ごしらえをしたら海辺や川沿いをサイクリング!

たっぷり腹ごしらえをしたあとは、美しい浜辺を眺められる海へ。白砂と青い空のコントラストは、とっても爽快! 撮影好きにはたまらないスポットです。

続いて、川沿いを走ります。ここで意外な障害となったのが、カマキリ……! 路上に大量に現れるカマキリを除けるために必死。途中からはゲームのような気分になっていきました。ちなみに、みんながつけたこの道の名前はカマキリロード……ひき殺さないよう、気をつけつつ、景色を楽しみつつ、SUISUIと自転車散歩を楽しみました。

■「NANJA MONJA」「プチタ・プチ・ロワゾー・フェ・ソン・ニド」でスイーツタイム

次に向かった先は、「コテージ&ペンションNANJA MONJA(なんじゃもんじゃ)」です。テニスやバーベキューなどが楽しめる宿泊施設。オシャレで広々とした空間は、みんなで泊まってみたい!と思うほど。

その向かいにある素敵すぎるカフェレストラン「プチタ・プチ・ロワゾー・フェ・ソン・ニド」で、ケーキタイムです。

お店の後ろ側に回ると、素敵な庭が! こぼれ日と木々のさざめきを感じる空間は、まさに非日常。運転疲れも吹き飛びます。

こちらで頂いたケーキは、キンモクセイのシフォンケーキとチーズケーキ。筆者はキンモクセイのケーキをいただきました。柔らかなスポンジの食感と、キンモクセイのよい香りにうっとり……。

チーズケーキにはコショウが添えられていて、大人のケーキ!という雰囲気でした。

■1日たっぷり楽しんで解散!自然と味覚を楽しみたくなる街

日が暮れる前に駅前情報交流館「ヨリドコロ」に戻って、楽しい自転車さんぽはお開きに。お土産に千葉県推奨の品種「チーバベリー」の「いちごジャム」や余剰いちごを使ったビール「さんむRED」、山武杉を使った「森のタンブラー SANBUSUGI」、そして熊野神社でご祈祷していただいたお守りや神饌をいただきました。

電車に乗る時間には、すっかり夕暮れ時。美しいグラデーションをみせる空も印象的でした。

今回の体験会では、電動アシスト自転車だからこそ、あまり疲れることなく、徒歩よりも広い範囲をSUISUIと行動できる快適さを実感しました。電動アシスト自転車は電話もしくは窓口で借りることができます。有名観光地じゃないからこそ、青い空と心地よい風、そしてローカルな空間をおもいきり満喫できる、まさに千葉の穴場!横芝光町。ぜひ、訪れてみてくださいね。

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『縄文神社』著者・武藤郁子さんに聞いた、縄文時代×神社=縄文神社の魅力 とは? https://tripplanner.jp/topics/2859 Wed, 21 Jul 2021 13:38:47 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2859 ――武藤さんが縄文に代表される古代史に惹かれるようになった原体験はありますか?  私の家は埼玉県にあるのですが…

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――武藤さんが縄文に代表される古代史に惹かれるようになった原体験はありますか? 

私の家は埼玉県にあるのですが、ちょっと土を掘ると土器の欠片が出てくるような地域で。子どもの頃から、よくかっこいい土器の欠片を探して遊んでいたんです。

――今回「縄文神社」というテーマで神社巡りをはじめたきっかけは何ですか?

実は7・8年くらい前から、縄文遺跡と神社が重なる場所をリストアップしていました。2020年3月からコロナ禍で、いくつかのお仕事が延期になったことをきっかけに、本気でリサーチを始めたんです。
遺跡×神社でざっくり調べただけでも思った以上に数があったので、これはただごとではないぞ……と感じました。

出典:『縄文神社 首都圏編』(武藤郁子著、飛鳥新社 2021年)

――「縄文神社」という名前も素敵ですよね。

そう呼んでみたらイメージが定まって、「強くていいな」と感じたんです。そこからさらにリサーチを重ねていたら、周りの人たちに「本にした方がいい」と言われるようになって、2020年5月に書籍化が決まりました。
今年6月に出版してみたら、歴史に興味なさそうな方にも反応してもらえたのが意外でしたが、嬉しかったですね。

――ちょうど縄文遺跡群が世界遺産登録、というニュースがありましたが今、縄文が注目される理由は何だと思いますか?

まずは、縄文と言われる時期を見てみると、長い! 1万3000年もの間を縄文時代と呼んでいて、弥生時代から現代の長さの何倍もあるんです。

また、縄文時代というのは、世界史的に見ると非常識な時代なんですよね。どう非常識かというと、狩猟採集でありながら定住という、世界的に見ても特殊な文明が発達していたこと。どんどん世界の常識は変わっているので、この縄文へのイメージも、また発見によって変わってくるとは思いますが……。
縄文時代は理想化されやすいのですが、私の中では「私たちと同じだな」と感じる部分があります。
例えば、今の時代は問題を抱えながらも、法治国家で福祉も充実しています。縄文時代も戦いが少なく、資源を分け合いながら比較的穏やかな時代と考えられています。
そう考えると、今とそう変わらないのかもしれません。

――ほかにも現代と縄文時代で似ているものはありますか?

縄文と現代では動物に対する思いも似ていて、たとえば食料にするために育てていたはずのイノシシが丁寧に埋葬されていたりするんですね。私の勝手な想像だと、たぶん子供の頃から育てていたイノシシを、結局食べられなかったんじゃないかと。そして、そのことを社会も許してくれていた。このような動物への意識は、弥生時代くらいから変わってくるんですよね。

――今との共通性を感じられるからこそ、縄文時代が人気なのかも知れませんね。今回の書籍のテーマである「縄文神社」ならではの魅力についても教えてください。

縄文神社は、どこも朗らかで清々しい雰囲気だったことが印象に残っています。「怖いな」と感じる場所はなかったですね。空気が循環していて、滞りがない、バランスのいい場所という感覚でした。
ただ、何度も参拝している神社でも、感じ方が以前とちょっと変わった気がします。”縄文マインド”を植え付けた状態だったからこそ、そう感じたのかも知れません(笑)。思いを持ってその場に立つことで、見えるものも感じることも変わってくるのですね。

――確かに。意識しないと目に入らないこと、感じられないことってありますよね。

また、巨石信仰は縄文からだとされる方がいるのですが、巨石は弥生時代以降の新しい信仰のようなんです。縄文時代は、加工した石を信仰していました。きっと、その当時は加工した石が貴重だったからだと思います。
今回取材させていただいた七社神社では、縄文時代の遺跡から出土した石棒をモデルにお守りを作られたそうです。再現するのは今の技術でもかなり難しかったそうですよ。高い技術力もある時代だったこともわかります。

――最後に『縄文神社』を手にした人へ、メッセージをお願いします。

縄文神社首都圏篇
『縄文神社首都圏編』

ぜひ、本に載っている神社を訪ねてみて欲しいです。いくつか肌で感じて「なるほど」と思うようになれば、自分でも探せるようになります。ぜひ数千年の時を超えて存在する祈りの場所を体感してみてください。

――ありがとうございました!

■『縄文神社』著者・武藤郁子さんに聞いた、縄文神社的視点で楽しむ大山信仰

(写真・文:武藤郁子さん)

神奈川県が誇る霊山・大山に対する信仰は、縄文時代から始まっていました。大山山頂からは縄文の遺物、山麓にはたくさんの遺跡が発見されています。代表的な縄文神社2社にお詣りして、元気をいただきましょう!

伊勢原駅→(バスを降りてこま参道を徒歩15分)→《大山ケーブル駅》→(ロープウェイ約7分)→《阿夫利神社下社駅(終点)》下車→大山阿夫利神社下社…(登拝門から登山:約90分)…大山阿夫利神社本社…(下山、約90分)…下社→《阿夫利神社下社駅》→《大山ケーブル駅》→(バス23分)→《石倉》バス停下車……(徒歩23分)………比々多神社…(徒歩5分)…元宮
*大山ケーブル駅から比々多神社へは、徒歩でむかうとなおよし。1時間20分ほど。

1)大山阿夫利神社下社

神奈川県伊勢原市大山12

山への信仰スタイルは、遠くから拝む「遥拝」と実際に登る「登拝」があり、縄文時代から行われていました。大山阿夫利神社はそのうちの「登拝」を継承する神社です。徒歩でも行けますが、ロープウェイなら約15分で到着。まだ大山の中腹なのですが、この地点からでも相模平野から相模湾まで一望でき、まさに絶景。心が洗われます。

2)大山阿夫利神社 登拝道からの鳥居と前社

大山阿夫利神社(前社) 神奈川県伊勢原市大山

下社拝殿の左手奥に登拝門があり、本社へはここが登山口になります。かなりちゃんとした登山なので、装備や飲み物などの準備を忘れずに。「縄文の人たちも登ったのよね…」と念じつつ、登っていきましょう。食べられそうな植物を探してみたり、水源の場所を想像しながら歩いてみると、だんだん心が縄文的に整っていきます。

3)大山阿夫利神社本社

大山阿夫利神社 本社 神奈川県伊勢原市大山

本社のご神体は「石」だとされ、お社の中に秘されています。山頂付近からは縄文土器が出土しているのですが、この「石」の周辺で祭祀が行われていた証拠ではないかと想像しています。縄文から現在まで祈りを捧げる対象が変わらないかもしれないと思うと、縄文の人々と自分が「祈り」で、シンクロしているような気がするんです。

4)比々多神社

神奈川県伊勢原市三ノ宮1472番地

大山山麓に鎮座する比々多神社一帯からは祭祀を伴う縄文遺跡が出土しているので、霊山・大山の遥拝地だったろうと考えています。境内は明るく優しい気配に溢れていて、私はこの朗らかな雰囲気こそ「縄文神社」だなあと思っています。境内に博物館があるので縄文土器も見られますし、周辺で出土した遺跡も復元されていますよ。

5)比々多神社元宮

神奈川県伊勢原市三ノ宮2265

本社の裏手から果樹園が点在する緩やかな傾斜地を上っていくと、約10分ほどの高台に元宮があります。元宮の背後には大山が、前方からは相模湾が一望でき、日当たりがよくて、優しい風が吹きぬける絶景地です。この台地周辺からも縄文遺跡が出土していて、400年ほど前まではこの高台付近に比々多神社本社があったそうです。

<取材協力>
武藤郁子(むとういくこ)

埼玉県生まれ。立教大学社会学部卒業後、出版社に入社、単行本編集に携わる。独立後、ベストセラー作家の時代・歴史小説やエッセイなどの編集に携わるかたわら、文化系アウトドアライターを名乗り、本質的な美や「場」に残された古い記憶を探し求める旅を続けている。webサイト「ありをりある.com」と「縄文神社.jp」を運営。著書に『縄文神社~首都圏篇~』(飛鳥新社刊)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人刊)がある。
ありをりある.com  https://ariworiaru.com/
縄文神社.jp  https://jomonjinja.jp/

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パワスポ巡りがライフワークのトラベルライター矢口あやは選、東京のかわいい天神さん5選。 https://tripplanner.jp/topics/3073 Sat, 16 Jan 2021 12:54:08 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=3073 日本各地を取材する神社好きライターの矢口あやはさんがお届けする学問の神様「天神さん」をめぐる東京さんぽのアイデ…

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日本各地を取材する神社好きライターの矢口あやはさんがお届けする学問の神様「天神さん」をめぐる東京さんぽのアイデア。授与品がかわいいのがポイントです!

御朱印ブームにのって、全国の神社をめぐりはじめて7年。稲荷神社に八幡神社、八坂神社、氷川神社…全国に同じ名前を持つ神社も数多く歩いてきました。そんななかで、最もわかりやすく、かつワンダーだと思うのが“天神さん”です。

天神社、天満宮、北野神社などと呼ばれるものはすべて同じ“天神さん”チームで、京都・北野天満宮や福岡・太宰府天満宮が有名です。学問の神・菅原道真公を祀っており、シンボルは「梅」と「なで牛」、そして門前の「お菓子」!

天神社のある古い町では、梅ヶ枝餅や天神菓子などがよく売られているため、天神ファンのお参りの記憶は甘いお菓子とセットになっていることがよくあります。

さらに、天神さんには知る人ぞ知る“隠れキャラ”も。全国の天神さんでは、毎年、初天神とよばれる日(1月25日)に「鷽(うそ)替え神事(※)」が行われ、木彫りの「鷽鳥」が授与されています。神社によっては瞬く間に売り切れてしまうので、この“鷽さん”に出会えたときはラッキーです。

前置きはこのくらいにして、「東京でおすすめの天神さん」を5つ、ご紹介しましょう。せっかくなので、初天神でにぎわう社と、各神社の鷽さんの様子も一緒にお楽しみください。

※木彫りの鷽を新しいものに取り(鳥)替えることで、これまでの悪いことを嘘にして吉運を招く神事のこと。


東京でおすすめの5つの天神さん

京都が北野なら、東京は亀戸だ!
亀戸天神社

東京の天神さんを語る上で絶対にはずせない神社。大きな鳥居をくぐって太鼓橋をのぼった瞬間、目の前に広がるのは藤棚と荘厳な社殿、さらに左手にはスカイツリー。早くも「きてよかった〜!」な景色が迎えてくれます。境内はとても広く、天神さんはもちろん、弁天さんや御嶽神社、花園社などもお参りできてホクホク。

ちなみに梅の木には一つ一つ品種の名前が幹にかけられています。いろんな品種の梅があって、まるでアイドルグループ。咲き始めたら“推し”を探すのも楽しそうですよ。帰りはぜひ「船橋屋」に寄って、名物の葛餅をどうぞ。

 

亀戸天神の鷽さんは、ちいさくてまんまるのキュートな姿。サイズが7つあって(多い!)、小さいものなら600円から手に入ります。つい多めに買って、大事な人へのお土産にしたくなる鷽さんです。

亀戸天神社

 

ミニチュアを作ったら人気が出そうな造り
五條天神社

上野の不忍池のほとりにたたずむ神社。創建はなんと1900年前。東夷征伐の為に日本武尊(やまとたけるのみこと)が上野を通った際、医薬の神さまの加護に感謝してここにお祀りしたのが最初とか。病気平癒のパワーがあるそうですよ。

見どころは、3Dプリンターでミニチュアを作ったら面白そうな境内。二段ベッド方式というか、広くて明るい「五條天神社」と、しっとりとして神秘的な「花園稲荷神社」が上下に合体しています。


お参りすると、それぞれ全くムードのちがう五條さんと花園さんが階段でつながっていて、のぼったり降りたりして異空間を往来できるのが魅力。

五條天神社の鷽さんは封筒に入っていてお姿は見えないので、えいやっと選びます。みんな頭に銀色の紙がはられているのですが、まれに金色の紙を戴く子も入っているんですって。星型のピノ、ならぬ金紙の鷽さん。いかにも真面目そうな神社がふいに見せるその遊び心、好きです。

五條天神社

フォトジェニックな江戸に迷い込む
湯島天満宮

もし時空がねじれるとしたら、こういう場所なんじゃないかと思わせる神社。まぎれもない令和の世なのに、薄いカーテンが重なるように、江戸時代の威勢のいい男女の出入りが景色に混じって見える気がする、ふしぎなスポットです。

晴れた日は参道にはお店が出ているので、1個150円のあげまんじゅうをいくつか買いこんで(1個じゃ終われないおいしさなのです)境内で食べて、道真公にご挨拶をして、撫で牛を撫でて、境内の中にある「笹塚稲荷神社」とスポーツの神さま・天之手力男神(あめのたぢからおのかみ)を祀った「戸隠神社」にも参拝。帰りはぜひお膝元にある御菓子司「つる瀬」で大福を買ってお土産に。

湯島天神の鷽さんはニョキっとしたスティックタイプの珍しいタイプ。ちょっとお神酒を飲んじゃったような、ポッと赤い顔がかわいい鷽さんです。

湯島天満宮

知る人ぞ知る絶景スポット
牛天神北野神社

ここは見晴らしが最高の天神さん! 後楽園駅のラクーアを背にして歩くこと10分、知るひとぞ知る小さな神社ですが、詣でると非日常が味わえます。鳥居の入り口が異界のはじまり。


薄暗い階段をひたすら登ります。登りきると、そこはもう神社の境内。結ばれたおみくじでモフモフになった白い牛が迎えてくれます。 

鳥居の横には一対の狛犬。さらに鳥居の内側には撫で牛が一対。撫で牛のかわいいところは、みんなに撫でられて角がとれ、テロテロになっているところです。

社殿に向かって左には源頼朝が腰かけたという岩。頼朝さん、こんなところまで来ていたんだ〜。って実はここ、東征中の源頼朝が、菅原道真のお告げと加護に感謝して建てた神社なのです。その帰り道は絶景ですよ。突き抜けるような青空と、眼下に広がる町を見ながら階段をおります。

牛天神北野神社の鷽さんは木箱に入り、ふわふわの紙にくるまれていました。まるまると太って、いかにもラッキーをもたらしてくれそうなお姿です。

⇒ 牛天神北野神社

撫で牛さんも神狐さんもみんなで“じーっ”
平河天満宮

東京メトロ半蔵門駅から徒歩5分、平河天満宮を訪れてまず思うのは「牛、多っ!」。その数なんと5体。境内にはお稲荷さんの社もあって、鳥居をくぐった瞬間、「よう来たのお〜」と迎えてくれる撫で牛さんと神狐さんです。

ビル街の神社なんて風情がない…と思われがちですが、オフィスビルにかこまれているからこそ時刻によって日光をビルに遮られて青い影に覆われたり、ビルの窓に反射した光がゆらめいてまぶしかったり。水に浸かっているような時間もあれば、カラッと眩しい時間もある、変化に富んだ顔を見せてくれるのがオフィス街系神社のいいところ。ここもまさにそんな神社です。

平河天満宮の鷽さんは金の紙を頭にペッタンと貼られて、お目目が大きく、誰が見てもかわいいお顔。おせんべいと一緒に授与されました。今年一年、我が家で一緒に過ごす鷽さんです。

<写真・文>

矢口あやは

ライター・編集・イラストレーター。大阪府生まれ。雑誌やWEB、広告などを中心に活動。得意分野はトラベル、アウトドア、科学、歴史。2013年に自然の豊かなパワースポットに魅せられて巡りはじめ、2020年に一級船舶免許を取得。現在の夢は、離島にある神社&寺社を海から訪ね歩くこと。

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