神奈川に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/神奈川 少し違う旅のアイデア Tue, 21 Oct 2025 11:37:04 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png 神奈川に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/神奈川 32 32 これが1万年続く聖地…!『縄文神社』著者と川崎のミステリアスな縄文神社を訪ねてみた。 https://tripplanner.jp/topics/4607 Tue, 23 Jan 2024 00:35:49 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4607 みなさんは縄文神社という言葉をご存知だろうか。これは『縄文神社 関東甲信篇』『縄文神社 首都圏篇』の著者、武藤…

The post これが1万年続く聖地…!『縄文神社』著者と川崎のミステリアスな縄文神社を訪ねてみた。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
みなさんは縄文神社という言葉をご存知だろうか。これは『縄文神社 関東甲信篇』『縄文神社 首都圏篇』の著者、武藤郁子さんが作った「縄文遺跡と神社が重なっている場所」を意味する言葉。いわば、1万年以上、祈りの場として続いている最強の聖地を指す。

縄文神社 関東甲信篇
2023年12月に発売されたばかりの『縄文神社 関東甲信篇』。なんと明治神宮も縄文神社だった!?

縄文遺跡といえば、青森の三内丸山遺跡とか長野の諏訪など、東北、甲信越をまず思い浮かべてしまうが、武藤さんのリサーチによれば、実は圧倒的に多いのは関東地方。渋谷とか池袋といった大都会にも普通にあるのが縄文遺跡、あるいは縄文神社なのだ

そんなに身近な聖地なら一緒に参拝しましょう、ということで、贅沢にも武藤さんのガイドで首都圏の縄文神社へ行く機会に恵まれた。これはそのレポートである。おお…これが縄文神社か!という興奮をお伝えできると嬉しい。

⇒前作『縄文神社 首都圏篇』の際にインタビューした記事はこちら

■多摩丘陵でひときわ高い場所の聖地へ

今回私が行ってみたい!とリクエストしたのは、縄文遺跡が数多くあることでも知られる多摩丘陵にある長尾神社。この神社がある川崎市多摩区は、日本民家園、藤子・F・不二雄ミュージアム、岡本太郎美術館など多くの観光名所があり、なんとなく人を引き寄せるパワーがあるように感じたからだ。

長尾神社は多摩丘陵の中でも、最も標高の高い権現台に位置するので、足腰が弱い人なら登戸駅などからバスで行ったほうが良いのだが、武藤さんによれば「宿河原駅から30分ほど歩いて行って、多摩丘陵の登り下りを体感するのがおすすめです。長尾神社の良さはあの地帯を歩いてみてわかる良さなので」とのことなので、我々は宿河原駅からの徒歩コースで向かうことにする。

駅を出て長尾神社方面に少し歩くと、驚くほどの透明度の小川が見えてくる。二ヶ領用水といい、明治から大正にかけてはこの水で天然氷が作られ、東京方面に出荷されていたらしい。それぐらいきれいな水なのだ。

カモもいっぱい。桜並木があるので春は綺麗だろうな。

縄文神社は水との関係が深いらしいので、この清らかな水を前に、来たぞ来たぞ…と思いつつ先へ進む。

長尾の花めぐり
長尾神社への道はおすすめの散歩コースらしく、看板などもあった。

■丘の上にある絶景の縄文遺跡へ

ちょっとした低山登山なみの坂をえっちらおっちら登ると、最初に現れるのがふじやま遺跡公園(長尾台遺跡)である。縄文、弥生、古墳時代の竪穴(たてあな)住居跡が約30軒ほど発見された場所だが、現在は特に再現されておらず、見晴らしのいい公園になっている。

なお、武藤さんが定義する縄文神社が鎮座する典型的な「縄文ロケーション」は、

  1. 湧水がある山麓や台地崖下
  2. 見晴らしの良い台地
  3. 水辺に突き出した土地の先端
  4. 霊山の形が綺麗に見える丘陵や自然堤防の上
  5. 岬の先にある島や湖沼の中の島

とのことだが、この遺跡はまさに、に当てはまるな…と実感。

遠くに新宿や六本木が見える!夜はさぞかしきらびやかだろう。

何しろ、公園の片側は完全なる崖。
「最も海進が進んだ頃には、川崎市千年から宮内のあたりまで海が来ていたそうなので、右手には海が見えたことでしょう」(『縄文神社 関東甲信篇』P167)という武藤さんの文章を参考にしながら、縄文人が見た景色を思い浮かべる。の「水辺に突き出した土地の先端」とは言えないが、遠くに海を望む土地の先端ではあったのだろう。

よし、心がだんだん縄文人に寄り添ってきたぞ…!

■ 山のふもとにあるお寺を経て、高台の長尾神社へ

この遺跡から少し歩けば、長尾神社とも縁が深いという妙楽寺が見えてくる。

こぢんまりとしたお寺だが、文化財も豊富で、手入れされたお庭、掃き清められた境内がすがすがしい。紫陽花の名所でもある。その歴史は古く、源氏ゆかりのお寺として知られ、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の愛されキャラ(?)阿野全成が住職をしていた威光寺の旧跡とのこと。

なお、妙楽寺と長尾神社とは、つながっているといっていいほど近く、明治の廃仏毀釈まではほとんど一体だったのではないか…と感じるほどだ。

妙楽寺をお参りし、さらに坂道を少し登っていよいよ長尾神社へ。

長尾神社
着いたー!と思ったらまだ登る!

プチ登山の最終地点ともいえる神社は、さらに急勾配の石段を上がった先に鎮座する。何しろ、このあたりの最高丘陵(海抜約82m)にあるお社である。

鳥居の向こうには都会の絶景。

長尾神社の公式ホームページには、霊峰富士丹沢山塊など、関東一円の山々が一望できるとある。これは、縄文ロケーションその4「霊山の形が綺麗に見える」に当てはまるではないか! むっちゃ縄文神社だ!

「ここはもともと修験の人たちの道場だったみたいで、昔は水源があって、滝のような水場もあったかもしれませんね」と武藤さん。縄文ロケーションには水も大切な要素だが、今は神社の周囲は住宅地となっており近くに泉のようなものは見当たらない。崖の上という地形を考えると、おそらく以前は湧水があったのだろうが、枯れてしまったか、開発時に埋められたのか……そこは想像するしかない。

ご挨拶をする武藤さん

長尾神社は、明治以前は五所権現社という名の修験道のお社だったという。なぜ「五所」かというと、五柱の神仏を祀っていたからだそう。この5という数字は、このあとに知ることになる、神秘的すぎるこの土地の歴史のキーワードでもある。

神社の裏手の林では、猫たちが楽しそうに走り回っていた。のんびりとした空気と、木々を揺らすやわらかな風が心地よい。

「このおだやかな感じ、流れる空気のよさが縄文神社の特徴なんですよね」と武藤さんがニコニコしながら言う。きっと縄文人たちも、同じようにこの場所を気持ち良いと感じていたことだろう。

猫に話しかける武藤さんと、ツンデレちゃん

■五所塚から長尾神社へ、ミルフィーユのように重なるミステリアスな歴史

さて長尾神社を訪れたなら見逃せないポイントがある。権現台遺跡という縄文時代中期から後期の集落跡がある平坦な台地部分に、長尾神社とともに並んでいる五所塚第一公園

この五所塚第一公園が、なんとも言えない不思議スポットなのだ

どうがんばっても、写真ではそのミステリアスさをお伝えできないので、ぜひ現地に足を運んでほしいのだが、要するに、土をまんまるに盛った「塚」が、ぽんぽんぽん、とほぼ等間隔に5つ並んでいるのである。正直、それまでにみたことがないユニークなルックス。しかもその塚はよほど神聖なものなのか、がっちりと柵でガードされており立ち入ることはできない。

「五所塚は、直径四メートル・高さ二メートル前後の五つの塚が南北に並んでいることから、地元では古くから、こう呼ばれてきました。外観は古墳時代の円墳(えんぷん)に似ていますが、実際は、中・近世に村境や尾根筋に築かれた十三塚などと同様の、民俗信仰に基づく塚であると考えられています。」と、川崎市教育委員会による掲示にある。

「なんの根拠もないんですが…」と断った上で、武藤さんが話す。

「私の想像では、密教の修法の中でも大がかりな五壇法みたいなことをやった跡ではないかと思います。五箇所の塚の前に壇を築いて修法を行った可能性もあるんじゃないでしょうか」

五壇法とは、不動明王を中心に、降三世明王、大威徳明王、軍荼利明王、金剛夜叉明王の五大明王それぞれに壇を築き、5人の行者が各座にて息災などを祈願する、かなり強力な密教の修法

神社について語り合う武藤さんと『狛犬さんぽ』著者のミノシマタカコさん。塚が結構大きいのがおわかりいただけるだろうか。

ちなみに、川崎市教育委員会が言う十三塚とは、Wikipediaによれば、13基の塚(マウンド)から構成される土木建造物。「十三塚は中世の遺構なんですが、こういう形は本当に珍しいんですよ」と武藤さん。確かに十三塚で画像検索を試みても、こんな妙な(?)ルックスのものは見当たらない。こんなにミステリアスなのに、ほぼ猫と近所の子どもの遊び場でしかないなんて! 『ムー』編集部あたりでぜひ謎を解明してほしい。

そして、さらに私が衝撃を受けたのが、このあたりで五角形という特異な形状の縄文中期の竪穴住居跡と祭祀跡が発見されたと同じ掲示に書かれていたこと。

五角形の竪穴式住居があった場所に、つの塚が築かれ、その隣に五柱の神仏を祀る社が作られた…だと?

五角形の竪穴式住居は縄文中期(5000~4000年前)のものなので、五所塚が作られた中世には地中深くに埋れており、人々はその存在を知らなかったはずだ。
なのにそこに5つの塚を作るなんて、その符号は一体何? 超能力!? 教えて『ムー』編集部ーー!

「縄文神社の一つの仮説は、人が聖なる場所に選ぶ基準は意外と変わっていない、ということ。今の私たちは、発掘調査などからここに縄文時代の祭祀跡があったことはわかっています。でも、そんなことを知らなかったはずの中世や近世の人たちも「聖なるものを作るならここだ」と思った。やはり誰もが祈りたくなる場所は不変だからなのだと思います」と、武藤さん。

五所塚から長尾神社方面を望む。遠くに見える高い木が神社のもの。同じ高さの平坦な台地上に5に関係する2つの祈りの場が連なる。

縄文時代の祭祀跡、中世の祈りの場、鎌倉幕府から重要視された天台宗の寺院、そして修験の道場でもあったという長尾神社。いくつもの異なる時代と、異なる祈りの形がミルフィーユのように重なり合うこの土地の不思議。

時代は移れど、変わらない何かを軸に私たちは昔の人たちとしっかり繋がっているのだ…そんな実感に心震えた縄文神社なのだった。縄文神社巡拝、くせになりそうに良い…!

長尾神社界隈は閑静な住宅街でコンビニなどは見当たらないので、散歩のときは必ず水を持参しよう。

【取材協力】
武藤郁子(むとういくこ)さん

埼玉県生まれ。立教大学社会学部卒業後、出版社に入社、単行本編集に携わる。独立後、ベストセラー作家の時代・歴史小説やエッセイなどの編集に携わるかたわら、文化系アウトドアライターを名乗り、本質的な美や「場」に残された古い記憶を探し求める旅を続けている。webサイト「ありをりある.com」と「縄文神社.jp」を運営。近著に『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)、著書に『縄文神社 首都圏篇』(飛鳥新社)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人刊)がある。
現在、密教に関する著書を執筆中。
ありをりある.com  https://ariworiaru.com/
縄文神社.jp  https://jomonjinja.jp/

■長尾神社 https://nagaojinjya.com/

<関連リンク>
『縄文神社』著者・武藤郁子さんに聞いた、縄文時代×神社=縄文神社の魅力 とは?

The post これが1万年続く聖地…!『縄文神社』著者と川崎のミステリアスな縄文神社を訪ねてみた。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
東京からすぐ行ける城下町、小田原で楽しむレトロなランチ&おやつ https://tripplanner.jp/topics/3461 Thu, 19 Jan 2023 03:22:51 +0000 https://tripplanner.jp/?p=3461 首都圏からサクッと日帰りできる城下町、小田原にはレトロスポットがいっぱい。 せっかくならランチもおやつも歴史あ…

The post 東京からすぐ行ける城下町、小田原で楽しむレトロなランチ&おやつ appeared first on トリッププランナー.

]]>
首都圏からサクッと日帰りできる城下町、小田原にはレトロスポットがいっぱい。
せっかくならランチもおやつも歴史あるお店をチョイスして、非日常を味わいましょう。

■小田原ランチスポット

割烹 清風楼

割烹 清風楼
神奈川県小田原市本町2丁目12−6

創業文久二年の小田原の老舗料亭「清風楼」の味が、気軽に楽しめる青物商店街に面した割烹。ランチは天丼セットなどが1000円程度で味わえ、ボリューム満点で大満足。
ちなみに料亭のほうは、映画監督の小津安二郎が通ったお店で、彼が贔屓にしていた部屋もそのまま残されています。

清風楼
映画監督の小津安二郎が贔屓にしていた部屋

料亭というと構えてしまいますが、コース料金は意外とリーズナブル。予算に余裕がある人は、こちらを予約して、江戸時代の建築で小田原名物のうなぎを堪能するのもいい記念になりそう。

だるま料理店

だるま料理店
神奈川県小田原市本町2丁目1−30

重厚かつ独特の外観が街中でも目を惹く。登録有形文化財の建物でごはんがたべられるお店。入り口にはだるまさんとおかめさんの像があり、おかめさんにいれられたお賽銭は、通称「おかめ寺」で知られる大報恩寺に届けられるとのこと。

魚市場食堂

魚市場食堂
神奈川県小田原市早川1丁目10−1

小田原の早川の小田原魚市場2階中央にある行列のできる食堂。相模湾で穫れた旬の地魚を丼や刺身、定食等で味わえます。日替わりや数量限定のものも多く、ボリュームも満点。早川駅から歩いて7分ぐらいですが、小田原城からも頑張れば徒歩20分くらいで着きます。

■小田原のおやつ&お茶スポット

守谷製パン店

守谷製パン店
神奈川県小田原市栄町2-2-2

小田原駅近くにある老舗のパン屋さん。ショーケースに並んだパンを店員さんに注文する対面型になっています。一番人気はあんパンですが、懐かしい味わいのクリームがふわやわなパンにたっぷり入ったクリームパンもおすすめ。懐かしの甘食は、小田原さんぽのお土産にも良さそう。

きんじろうカフェ

きんじろうカフェ
小田原城の敷地内、報徳二宮神社併設のカフェ。江戸時代に金治郎が食べていた食事「呉汁」や大福などがいただけるほか、報徳オリジナルグッズも販売。

甘味喫茶 岡西

甘味喫茶 岡西
神奈川県小田原市栄町2-8-38 中戸川ビル 1F

小田原駅近くにあるジャンボおはぎで知られる昭和22年創業の甘味喫茶。あんこ、きなこ、ごまの3種類。良い小田原土産になりそうです。

 

The post 東京からすぐ行ける城下町、小田原で楽しむレトロなランチ&おやつ appeared first on トリッププランナー.

]]>
フォスター卿が手がけた「鎌倉歴史文化交流館」と白玉と民藝をめぐる鎌倉さんぽコース https://tripplanner.jp/topics/3130 Mon, 16 Nov 2020 13:25:10 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=3130 イギリスではナイトの称号を持つスター建築家で、ドキュメンタリー映画が日本でも公開されたノーマン・フォスター卿。…

The post フォスター卿が手がけた「鎌倉歴史文化交流館」と白玉と民藝をめぐる鎌倉さんぽコース appeared first on トリッププランナー.

]]>
イギリスではナイトの称号を持つスター建築家で、ドキュメンタリー映画が日本でも公開されたノーマン・フォスター卿。実は鎌倉の住宅街の隅に彼が手がけた名建築を活用したミュージアムがあるのをご存知ですか? 
すぐ近くには行列のできる白玉のお店もあり、賑やかな小町通りとは違った鎌倉の魅力に触れられる、おすすめの観光コース。喫茶を絡めて1時間〜2時間程度で楽しめるおさんぽアイデアなので、ぜひ鎌倉の名所めぐりと組み合わせてみて。

鎌倉屈指の賑わいスポット、小町通りがある東口とは反対側の西口を出れば、いかにも地元御用達という普段着のお店も多い鎌倉駅。
最近は西口の注目度も急上昇中でニューオープンのお店の話題には事欠かないけれど、駅から歩いて約7分、扇ガ谷の丘の上ともなれば、さすがにぐっと静かな住宅街が広がる。そんな穴場に2017年5月にオープンしたのが、今回ご紹介する「鎌倉歴史文化交流館」だ。

正直、歩いていると「本当にここにあるの…?」と不安になるほど周囲は静かなお屋敷街。それもそのはず、この建物もつい最近まで一般人が入れない「個人宅」だった。しかしただの個人宅ではない。なんとその建物は、世界のスター建築家、ノーマン・フォスター率いるフォスター・アンド・パートナーズが手がけた現代建築なのだ。

中でも代表作のひとつが、写真右手にある丸いガラスの塔のような建物、愛称「ガーキン」(キュウリの意味)。今やロンドンの絵はがきやお土産グッズなどに描かれる、街のアイコンにもなっている名建築だ。

そんな世界のスター建築家が手がけた、以前は入ることなどできなかった「個人宅」だったミュージアムに、大人1人300円で入館できるなんて、もう建築好きなら行くしかない鎌倉の新名所。さっそく足を踏み入れてみよう。

◎ 有力御家人や三菱財閥ゆかりの華麗なる土地、無量寺谷

鎌倉歴史文化交流館があるのは、かつては「無量寺谷(むりょうじがやつ)」とよばれ、鎌倉幕府の有力御家人だった安達氏の屋敷やゆかりの寺院があったとされる、周囲を山に囲まれた谷。大正時代には三菱財閥第四代当主、岩崎小弥太の別荘があったという、世界のスター建築家が手がけた個人宅があっても何ら不思議はない華麗なる土地なのだ。

 

 

ばりばりの現代建築というクールな外観だが、ここで学べるのはしっかり和風な鎌倉の文化や歴史。山に囲まれ、谷や崖だらけの鎌倉を歩くなら、知っておいたほうがずっと楽しい展示がいっぱいで、個人的には鎌倉観光の必須立ち寄りスポットのように思う。

たとえば、この額縁のような窓から見えるのは、鎌倉ならではの谷戸の風景。鎌倉の寺社めぐりをしているとよくこうした崖のような場所に掘られた洞窟に出会うが、実はその穴は「やぐら」と呼ばれる鎌倉特有の葬送施設。平地が少ない鎌倉では墓地の確保が難しく、山肌を削ってお墓や供養塔が作られたのだのだそう。

このミュージアムでは、本物のやぐらのある風景を窓の外に眺めながら、館内のパネルでやぐらの意味について学ぶことができるという臨場感たっぷりの歴史体験を楽しめる。

建物のすぐ横には、「やぐら」が残る鎌倉ならではの風景が広がる。穴の全てが葬送施設ではなく、昭和になって作られた貯蔵庫や防空壕等も残る。パネルや展示物だけで学ぶ歴史はときに退屈だけれど、実際の風景と一緒に学ぶとすごく面白い。

この施設の敷地内の高台には、江戸時代に刀鍛冶によって作られた「刀稲荷」を三菱財閥が復興した「相槌稲荷社」が最近まであったのだが、今はその社殿等は近くの神社に移設され、神社跡地が見晴らし台として一般客にも開放されている。

見晴し台の上は、フォスター建築なめの海の風景も楽しめる隠れた絶景スポット。なかなか気持ちよいのでぜひ登ってみて。

どこから見てもかっこいいフォスター建築。開館日の毎週土曜日11:00から学芸員による展示解説を行っているそうなのでこちらも公式サイトで要チェック。

鎌倉歴史文化交流館    ※日曜・祝日は休館日

 

 

◎ 鎌倉歴史文化交流感すぐそば、巨大白玉で有名な行列のできる甘味処へ。

さて、鎌倉歴史文化交流館の前には、たっぷりとした駐車場や駐輪場スペースがあるのだが、なんとそこを突き抜けた正面には行列のできる甘味処として有名な茶房雲母(きらら)がある。ミュージアムカフェか!?という立地が嬉しすぎて、もちろん食べるよねぇ。

さて、ここの白玉がどれくらいすごいかは、言葉でつべこべ言うより写真の方が伝わりやすい。

チェリーの大きさからどれくらい白玉が大きいかおわかりいただけるだろうか。個人的に自分史上最大の白玉。こんなの誰だって行列しちゃうに決まってます。

食べる直前に作られる白玉はできたてほやほや、これまで味わったことのないふわっふわっの食感も素晴らしい。行列覚悟の甘味処だけど、意外と穴場なのが平日のランチタイム。女子ならこれだけでお腹いっぱいになるボリュームなので、なるべく並びたくないならこの時間帯を狙ってランチ代わりにするのもおすすめ。

こんもりと盛り上がっている、元気いっぱいのふわもちの白玉。人気の抹茶クリーム白玉あんみつは、添えられる抹茶シロップをいただく直前に回しかけていただきまーす。箸休めの漬け物や昆布茶が添えられているのも嬉しい。

・ 茶房雲母(きらら)

鎌倉の歴史や文化を学び、クールな建築を愛で、丘の上から鎌倉の絶景を楽しみ、絶品白玉で一休み。もうこれで完璧な気がするけど、待って、ここで駅に戻らないで!

個人的にもう一カ所ぜひ寄っていただきたいのが、お店のたたずまい、品揃え、全てがうっとりすぎる手仕事の名店、「もやい工藝」。茶房雲母の前の道をトンネル方面に進み、トンネルをくぐると現れる風情ある日本家屋の店舗も素敵なお店。

店の前で記念撮影する外国人観光客もいる日本の美に溢れた空間。店内には日本各地から集められた手仕事の逸品、民窯のうつわ、染織品などが並び、欲しいものいっぱい。お値段も手頃なものが多いのが嬉しい。

にぎやかな東口とは全く違う鎌倉駅西口のずっと奥を歩くプチ観光。何度でもリピートしたいおすすめの散歩道だ。

 

 

The post フォスター卿が手がけた「鎌倉歴史文化交流館」と白玉と民藝をめぐる鎌倉さんぽコース appeared first on トリッププランナー.

]]>