名建築に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/名建築 少し違う旅のアイデア Wed, 14 Jan 2026 07:13:54 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9.1 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png 名建築に関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/名建築 32 32 モメて訴訟沙汰になった、ガウディの名建築、バルセロナの「カサ・ミラ」 https://tripplanner.jp/topics/5441 Tue, 13 May 2025 02:45:01 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5441 バルセロナの街中で気楽に立ち寄れるガウディ作品の一つが、ガウディが54歳の時に設計した「カサ・ミラ」である。バ…

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バルセロナの街中で気楽に立ち寄れるガウディ作品の一つが、ガウディが54歳の時に設計した「カサ・ミラ」である。バルセロナでも有数の高級ショッピング街であるグラシア通りに面しており、周囲にはホテルや歴史的な建造物が立ち並んでいることから、観光客にとって「何かのついで」に気軽に立ち寄れる名建築だ。

カサ・ミラ
星の飾りはクリスマスシーズン限定。

岩の塊のような見た目から、石切場とあだ名されることもあり、ほぼすべてが曲線で構成されていることも特徴だが、ガウディ作品にしてはトンガリすぎておらず、むしろシックとさえ呼びたくなる建築である。

印象的な鉄柵は、ガウディの重要な協力者であり、当時バルセロナを代表する鍛冶職人・金属彫刻家のジョセップ・マリア・ジュジョールが制作。

近くにカサ・バトリョというガウディ作品もあり、両方とも世界遺産なことから、この2つをはしごする観光客も多い。ほぼ同時期に作られたのに両者は驚くほど印象が違い、見比べるとガウディの多才さをより実感できるかもしれない。

カサ・ミラ見学で注意してほしいたった一つのこと

さて、この「カサ・ミラ」は、実はまだ現役で人が暮らしている集合住宅である。ゆえに、完全にミュージアム化している「カサ・バトリョ」と違って見学するときに注意してほしいこの住宅特有のルールがある。

それは、見学は1方向のみに進行しなければならず、後戻りができない、ということだ。進路に沿って係員が配置されており、次はこっちへ、などと誘導されるので、「あ、前の部屋もう一回見てみよう」みたいなことができないのである。私はそれを知らずに、最初の住宅エリアをかなり適当に見てしまい、後で戻れないと知ってかなり後悔した。

入口を入って誘導されるままに到着するのが住居エリア。
なんか普通…と思ってサッと見ただけですぐに次のエリアに移動してしまった。20世紀初頭のバルセロナの富裕層の生活が忠実に再現されているとか。

別の原稿で詳述するが、「カサ・バトリョ」がやたら個性的すぎる住宅なので、「カサ・ミラ」のアパートメント部分はとても普通に感じる。ガウディ建築と言われないと気づかないかもしれない。でも、本来、おだやかな日常とはこういう空間にこそ宿るものなのだ。よく見ると窓枠が波打っている程度のこだわりが、住むとなったらちょうど良いのだ。きっと。

もう少しゆっくり見物できれば、ガウディがこだわり抜いた繊細な装飾にもっと気づいたかもしれないが、いかんせん、先を急いでしまったが故に色々見落としてしまった。これから見学に行く人は、くれぐれも、十分見たぞ!と実感するまで先に進まないように。

ロマンティックなだけじゃない、美しいアーチを描く屋根裏部屋の機能性

さて、住居エリアを見学した後に誘導されるのが、屋根裏部屋である。

カサ・ミラの模型も展示されている。

住居エリアと打って変わり、まるでどこかの教会のようなおごそかな空間にハッとする。ここは今や「ガウディ館」と呼ばれ、ガウディに関する資料や、彼が手掛けた家具などが展示されているミュージアムゾーン。

何より印象的なのは煉瓦で作られた270余りにも登るというパラボラ型アーチ群。これは見た目が美しいだけでなく、夏の暑さを和らげる機能も持っているのだとか。ガウディは自身の作品でこうしたアーチを多用することで知られている。

わりとシックな外観、一見するとごく普通の住居のあとに、突然のおごそかすぎる屋根裏部屋。見学コースとしてはなかなかうまい演出と言えるかもしれない。

そして、この屋根裏部屋を出ると、いよいよ、この建築で最も人気でインスタグラム映えする屋上だ。

「戦士の屋上」とも呼ばれるユニークな造形と絶景の屋上

屋上に着いて、まず目を奪われるのは、鎧を被った古代ローマの戦士のような煙突や換気塔などの小塔群だ。波打つようにデザインされた起伏のある丘のような空間に、印象的な造形の塔が並ぶ様子はもはや彫刻の森。

給水塔は白大理石の石片や砕いたタイルでモザイク状になっている。
サグラダ・ファミリアを眺められるトンネルは人気の記念撮影スポット。

奇抜な形状に見えるが、煙突は排煙機能や、換気塔としての通気性をしっかりと確保しており、デザインと機能が見事に融合。こういうところがガウディの評価ポイントでもある。

屋上から見下ろす中庭。コンピュータのない時代にどうやってこんなぐにゃぐにゃ建築を設計できたのか?

この屋上は、ガウディによるデザインが楽しいだけでなく、バルセロナの街を360度見渡せる眺望もすばらしい。観光客たちも本当に楽しそうにゆったりとした時間を過ごしており、彼らを眺めているだけでも幸せな気分になれる。

この屋上は、住宅は単なる生活の場であるだけでなく、アートでもある、というガウディの主張なのだろうか。こうした「遊び」から遠く離れ、機能一辺倒になってしまった昨今のマンションなどを思い浮かべ、やや寂しい気持ちにもなる。

 

見学最後に見た中庭もかなりいい!

屋上からの帰りは階段で。ここもすべて曲線で構成されていて、ガウディの偏執が炸裂。

さて、屋上でたっぷり遊んだ後は、うねうねとうねる壁を持つ階段を降りて地上へ。入場する時に見ても良かったのだが、まだ見てなかった中庭へと足を運んでみる。

中庭に降り立ち、空を見上げる。

この中庭がまた素晴らしい。屋上の斬新すぎる戦士たちを眺めた後の、正統派アール・ヌーヴォーな空間の美しさよ。

蜘蛛の巣を思わせる有機的なドアや、

印象派の絵画を思わせる幻想的な天井画や、

色褪せた壁画や優雅な手すりなど、どこに目を向けてもロマンティック。

外観や住居部分のデザインは控えめに、屋上は思い切り楽しく、中庭は幻想的に…と、さまざまな表情をもつ名作住宅。本当によく考えられているなぁ。

……などと感心してが、後で資料を読んでびっくり。実はこの住居、もともとガウディは「聖母マリアの台座」にする計画だったという。あの岩山を思わせる、有機的だが華美ではない落ち着いた外観は、「台座」だったからなのか! その上に巨大なマリア像が作られていたら、どれほど派手な外観になっていたことか……。

しかし、この住宅に過剰な宗教的要素をもたせることに依頼主が激怒、裁判沙汰になり、結果、ガウディは完成前にプロジェクトを降りてしまった。だからここも、ある意味でサグラダ・ファミリア同様、ガウディ建築として「未完」といえるのかもしれない。

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”ガウディの都市”、スペイン・バルセロナ名建築めぐり【MAP付き】 https://tripplanner.jp/topics/5345 Thu, 17 Apr 2025 08:11:02 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5345 ローマに行った時、「ここは本当にベルニーニが作った街なんだな」と強く感じた、と「ローマ一人旅日記」でも書いたけ…

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ローマに行った時、「ここは本当にベルニーニが作った街なんだな」と強く感じた、と「ローマ一人旅日記」でも書いたけれど、たった一人のアーティストの作品が街全体を強く印象づける場所は世界でもそれほど多くない。ここ、バルセロナは、まさに、そんな珍しい場所の一つ。とにかくガウディ建築の圧が強く、なんなら「ガウディの都市」とさえ言ってしまいたい。サグラダ・ファミリアはもちろん、ガウディの建築作品は街の中心部に密集しており、主要名所なら歩いて回れるのも観光客には嬉しい。

ということで、今回は、ガウディ建築を中心に、バルセロナ名建築めぐりコースをざっとご紹介。一つ一つの建築は語りだすと長くなっちゃうので、今回は主要名作の概要をさらりとお届け。ガウディ以外の名作も見逃せませんぞ!

1. 波打つ石切場、「カサ・ミラ」

工期 1906-1910年。世界遺産。ガウディが設計した最後の個人向け邸宅で、これ以降、彼はサグラダ・ファミリアの建設に集中することになる。外壁は石灰岩で覆われ、石切り場を思わせることから「ラ・ペドレラ(La Pedrera、石切り場)」と呼ばれることも。

カサ・ミラ
星の飾りはクリスマスシーズン限定。

バルセロナの目抜き通りにあり、後述する人気作品「カサ・バトリョ」もすぐそば。ゆえにこの2つをはしごする観光客も多い。

外観、内観、すべてが曲線で構成された幻想的な空間は十分個性的ではあるが、他のガウディ建築と比べると落ち着いた印象。個人的にガウディ建築のどこか一つに住めるとしたら、このカサ・ミラが一番落ち着くかもしれないと思った。

実はまだ現役で人が住んでいる集合住宅で、見学できるエリアはそれほど多くない。一番の見どころは煙突や換気塔のデザインがユニークな屋上で、ここはバルセロナのビュースポットとしても最高。

一番人気はこの屋上。

実はとある事情で施主とガウディがもめてしまい、彼は途中退場、弟子たちが完成させたというカサ・ミラ。今や、そんなトラブルがあったことを感じさせないピースフルな名所となっている。

2. 海とドラゴンの迷宮、「カサ・バトリョ」

工期:1904年~1906年(改築)。世界遺産。海を表現したコンセプチュアルな建築は、もともとあった建物をガウディが大胆に改装したもの。聖ジョルディ(聖ゲオルギウス)と龍の伝説をモチーフにしている。

カサ・バトリョ
骨のような柱や窓枠が印象的

カサ・ミラを観た時、「ガウディもさすがに60歳近くなるとセンスも落ち着いてきたな…」などと思ったが、その数年前に完成したバトリョのぶっ飛びぶりを見ると、「全然落ち着いてなかったんか!」と思ってしまう。枯れない巨匠、ガウディのやりたい放題を存分に味わえる不思議建築である。

カサ・バトリョ

カサ・バトリョの屋上
ドラゴンの背中をイメージした屋上。

3. 若きガウディの野心を見よ、「カサ・ビセンス」

工期:1883年~1885年、世界遺産。ガウディの本格的デビュー作とも言える初期の邸宅で、ガウディの世界遺産7作品のうち、最後まで非公開だったが、2018年より一般公開。

カサ・ビセンス

他の作品同様、色彩豊かな濃密なデザインだが、直線を多用するなど円熟期の作品とは明らかにテイストが違い、素人の私から観ても「ガウディ、若いな!」と感じるエネルギッシュさ。若き建築家のほとばしる若い野心がひしひしと伝わってくる。

カサ・ビセンス

カサ・ビセンス
イスラム建築で観られる鍾乳石を模した天井など、ムデハル様式などを取り入れた空間。

随所に植物や花のモチーフが多用され自然への深い愛を感じるところはすでにガウディっぽい。イスラム建築の影響を随所にかじるが、明らかに日本の影響を感じる部屋もあり、建築当時流行ったという異国趣味が散りばめられている。

4.  ガウディ渾身の祈りの聖堂、「サグラダ・ファミリア」

工期:1882年~(現在も建設中)、ガウディが手がけた部分のみ世界遺産。文句なしに世界でもっとも有名なガウディ建築にして、バルセロナのシンボル。

ガウディが文字通り心血を注ぎ、生涯をかけて取り組んだ未完の大聖堂。内部の森のような列柱やステンドグラスの光の演出は圧巻で、訪れる観光客がひたすら上を見上げて呆然としていたりする。これぞ「死ぬまでに見たい名建築」の代表格。ガウディ没後100年にあたる2026年の完成を目指している。私が見たのは2025年の1月だが、わりと完成に近いところまで来ているように感じた。

サグラダ・ファミリア
実は夜が素晴らしい。人も少ない聖堂を堪能できるのでぜひ足を運んでみよう。

途中、資金不足により建設中断が危惧された際は、当時すでに巨匠となっていたガウディが自ら献金を募り、家々を回ったという胸打つエピソードも。

詳細はこちらでレポート ⇒ 祈りの万華鏡、サグラダ・ファミリアでガウディの壮絶な魂に思いをよせる

5. モザイクの楽園、「グエル公園」

工期: 1900年~1914年、世界遺産。サグラダ・ファミリアと並ぶ人気のガウディ作品。訪れるなら前もってチケット確保は必須だ。

当初高級住宅地として計画されたものの商業的に失敗し(なんと2軒しか売れず、1軒はガウディが買って暮らしていた)、後に公園に。丘の斜面に沿って建設されているので見学はちょっとした登山感覚、ぜひ歩きやすい靴で。

こんな坂もある。

「世界最長のベンチ」と謳われるモザイクタイルの波打つベンチが印象的な広場は、ギリシャ神殿を思わせるドーリス式列柱に支えられているというびっくり構造。こんなん、よく100年以上前に作ったなぁ…ディズニーランド並の労力だったのでは…。

ここはとにかく歩いているだけでわくわくする、おとぎの国そのもの。高台からバルセロナを見下ろす絶景スポットでもあるので、ぜひよく晴れた日に散歩してほしい。サグラダ・ファミリアもばっちり見える。

詳細はこちらでレポート⇒⇒バルセロナを見守る神殿、ガウディの「グエル公園」で感じたこと

6. 世界一美しい病院、「サン・パウ病院」

さて、ここからはガウディ以外の名建築を。サグラダ・ファミリアから徒歩10分程度のところにある、知る人ぞ知る世界遺産、サン・パウ病院。

ガウディと同時期に活躍し、ライバルとも称された 建築家・ドメネク・イ・モンタネールの代表作。激混みのサグラダ・ファミリアから来ると、心が洗われるほど空いていて、ほっと癒やされる。さすが病院!

サンパウ病院の庭園

こちらもガウディ建築同様、当初予定していた工期も予算も大幅にオーバー、建築家が生きている間に完成しなかったという作品。ガウディ作品に負けず劣らず華やかで美しいアール・ヌーヴォー建築なので、ぜひサグラダ・ファミリアとはしごしてほしい。

詳細はこちらでレポート⇒ スペイン版アール・ヌーヴォーの傑作、世界で一番美しい病院、バルセロナの世界遺産サン・パウ病院がすごい

7. レス・イズ・モアを体現するミースの傑作、「バルセロナ・パビリオン」

こてこて、ぐにゃぐにゃ、色の洪水…だけがバルセロナの名建築ではない。最後は思いっきりスタイリッシュでシンプルの極みといった名作を。

1929年のバルセロナ万国博覧会に合わせて竣工、モダニズムの巨匠・ミース・ファン・デル・ローエ設計の「バルセロナ・パビリオン」(現在は「ミース・ファン・デル・ローエ記念館」)。鉄・ガラス・石・水面を用いたミニマルな構成は「近代建築の最高傑作」と絶賛されてきた。

バルセロナ・パビリオン

ガウディ建築めぐりをして情報過多でパンパンになった脳がスッキリするような感覚さえ覚える、ミニマルの局地。「ああ、私はやっと現代に戻ってきたんだな…」となぜかホッとしたりする。

今もモダンな家具としてファンの多い「バルセロナチェア」は、この建物のためにデザインされたもの。かっこいいですな。

「近代建築史上、最も影響力のある建築の一つ」と評価される名建築だが、博覧会終了後に解体されてしまい、いまあるのは1986年に原寸大で再建されたもの。街の中心部からはやや離れているにもかかわらず、意外にも見学客がいっぱい。建築ファンの巡礼地となっているようで、みなさん、建築学科の学生かしら…。

まぁ、見逃せない名建築は他にもあるけれど、上記の名所を見て回るだけでも丸2日はかかると思うので(2日あってもかなり駆け足)、初めてのバルセロナならこれぐらいで十分かも。

ということで、上記に紹介したスポットをGoogleMapにまとめました。建築名所めぐりのときはぜひご活用を。余裕があれば、ガウディの「グエル館」、モンタネールの「カタルーニャ音楽堂」を加えるのもいい。

上記以外にも、ロマンティックな建築が多くあり、自分だけの名所を見つけるのも楽しいバルセロナ。建築ファンにとっては天国みたいな場所なのだ。

町をぶらぶらして見かけた超かっこいい美術館。あとで調べたら設計はモンタネールだった。こういうふうにさらりと名建築が散りばめられているバルセロナ、楽しすぎる!

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超絶技巧に驚いた、過密で濃密なヨーロッパ名建築3選。 https://tripplanner.jp/topics/5215 Tue, 24 Dec 2024 13:48:13 +0000 https://tripplanner.jp/?p=5215 私の場合、旅の目的の多くを占めるのが建築ウォッチングだ。絵や彫刻などと違って、絶対に日本に来ることはないアート…

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私の場合、旅の目的の多くを占めるのが建築ウォッチングだ。絵や彫刻などと違って、絶対に日本に来ることはないアートだし、写真で楽しむにも限界があるからだ。大自然と違って天気に左右されず、いつもそこにいてくれるのも心強い

ということで、2024年もヨーロッパ各地で名建築を見たけれど、個人的に印象に残っているヨーロッパ建築ベスト3濃密編を紹介したい。シンプルでスタイリッシュな現代建築がお好きな人にはおすすめしないけど、余白恐怖症か何か…? と思わず心配になるくらいの濃密空間がお好きな方はぜひ。

第3位  ローマ丨サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会

バロックを代表する建築家であり彫刻家ベルニーニの最高傑作とも言われる「聖テレジアの法悦」で知られるイタリア、ローマにある教会。

聖テレジアの法悦この彫刻のすごさについては、山田五郎さんのYouTubeを観ることを強くおすすめ。

彫刻の魅力については「ローマで行くべき、美術館超えのアートが無料で堪能できる有名教会3選」で語っているので、今回は建築、インテリア編。

この教会を設計したのは、サン・ピエトロ大聖堂のファサードなどで知られ、ベルニーニの師でもあった初期バロック建築の巨匠カルロ・マデルノ(1556年 – 1629年)。ベルニーニの「聖テレジアの法悦」ばかりが注目されている教会だが、実は唯一、カルロ・マデルノが完成まで一通り指揮した作品でもある。彼の仕事の多くは建築の一部だったり改修案件だったため、まるごとプロデュースした教会は建築史上とても貴重なのだ。

金メッキされた柱、複雑な模様を描く大理石の壁面だけでも十分豪華なのに、それらに負けじと彫刻や絵が過剰に空間を埋め尽くす濃密空間。

たとえば天井を見上げれば、壮大なフレスコ画「異教徒に勝利する聖母マリア」。

「聖テレジアの法悦」がある、ベルニーニが内装、彫刻、壁画などすべてを手掛けたコルナロ礼拝堂の天井には、だまし絵のような雲のまわりを天使が舞踊る。

その他、どこを見上げてもこの有り様だ(褒めてます)。

もうお腹いっぱいだし帰ろう…と向かった出口でさえこれ。

余白に親でも殺されましたかーーー!?

まぁ、これぐらいの過剰さはヨーロッパのバロック教会あるあるなのだが、やはりこの教会のすごさは、これだけの濃密空間の中にあって埋もれない、「聖テレジアの法悦」の圧倒的存在感だと思う。金の細い棒の塊に、天然の光をあてることで実現したスポットライトが照らし出す美しくもエロティックな彫刻。

その視覚効果のすごさを体験しに、ぜひ足を運んでほしい場所。ローマには珍しく全然混んでないし、しかも見学無料ですよ。

サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会(地図)

第2位  マドリード丨サン・アントニオ・デ・ロス・アルマネス教会

「マドリードのシスティーナ礼拝堂」などとも呼ばれる、教会の内部すべてがフレスコ画で埋め尽くされた教会。正直、日本での地名度はいまいちだが、スペイン政府による「国立歴史芸術記念物(National Historic-Artistic Monument)」にも指定されている名所。まぁ、スペインの国宝みたいなものなのだ。

サン・アントニオ・デ・ロス・アルマネス教会

外観は、「え?ここ?」と戸惑うほど地味だが、中に入ると突然世界が変わる。

サン・アントニオ・デ・ロス・アルマネス教会

貧しい人々の守護聖人である聖アントニオに捧げられた教会。
天井画「パドヴァの聖アントニオの幻視」

壁から天井まで覆う一面のフレスコ画! いろんな教会を見てきたけど、こんな内装を見たのは初めてで、入った瞬間「うわぁ…」と思わず声が出た。この凄さを写真で伝えるのは難しい。空間すべてが幻想というかだまし絵というか、まさに没入型アートなのだ。

この教会が建てられたのは、1624年から1633年にかけて。ただし、内部のフレスコ画がすべて完成したのは、その建設から約70年も経った1705年ごろ。手がけたのは、スペインのバロック美術を代表する、王室付き画家でもあったフランシスコ・リシや、フランシスコ・カレーニョ・デ・ミランダなど当時一流のメンバーだ。

まさにトリックアート

正直言って、激混みで立ち止まるのも困難だったシスティーナ礼拝堂よりもずっと感動。彫刻や金メッキなどがないぶんもしかしたらコストはかかってないかもしれないけど、まるごとフレスコ画というアイデアで見事に異次元の美しさを達成。

スペイン・ハプスブルク家最後の国王となった、「カルロス二世」の肖像画もあってしんみり。繰り返された近親結婚の呪いを背負ったかのように誕生し、病弱で重い障害があった王が死去したのは1700年のこと。これによりスペイン・ハプスブルク家は終焉し、スペイン継承戦争が始まるのだ。

サン・アントニオ・デ・ロス・アルマネス教会 (地図)

第1位  グラナダ丨アルハンブラ宮殿のナスル宮殿

今年観てもっとも感動した建築の1位はぶっちぎりでアルハンブラ宮殿。「有名すぎるし混んでるよなぁ」となんとなく避けてきたけど本当に行って良かった! もう異次元の濃密さ、美しさだ。

3位と2位のバロック教会は、ともすれば「息苦しい」とさえ感じてしまう濃密さだが、こちらの宮殿は主に幾何学模様で埋め尽くされているので、濃密だけどスッキリしている。いまの私たちの感覚にも近いスタイリッシュなインテリア。

とはいえ、近くで見ると細部まで手が込んでいて絶句。こんなん、一体何人の職人が何年かけて作ったのか。

面白いのは、鍾乳石飾りと呼ばれる技法。

イスラム建築特有の装飾技術で、鍾乳洞のような立体的な形状を持っており、宮殿内の上を見上げるとよく出会う飾りだ。

見学中は、気がつけば口開いてた、くらいの放心状態。

スペインに最後まで残ったイスラム王朝であるナスル朝の遺跡を、征服した側のカトリックの王が、なぜここまで完璧に残したのだろう…と不思議に思ってたけど、こんなもん、誰だって壊す勇気ないよね…。

アルハンブラ宮殿についてはその建築的見どころ、歴史などはあまた情報があるので、ここではその美しい写真をシェアするに止めよう。もう絶対に実物を見てね!

アルハンブラ宮殿(公式サイト)

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まるでアール・ヌーヴォー専門のショールーム、「ナンシー派美術館」で未来のインテリアを夢想する

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お国によってこんなに違う! ヨーロッパの「アール・ヌーヴォー建築」

 

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心震える美しい祈りの空間。驚きに満ちたル・コルビュジエ設計のラ・トゥーレット修道院に宿泊してきた。 https://tripplanner.jp/topics/3530 Fri, 27 Jan 2023 10:18:22 +0000 https://tripplanner.jp/?p=3530 20世紀を代表する建築家の一人、ル・コルビュジエ。2016年に、近代建築運動への顕著な貢献として7カ国17の作…

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20世紀を代表する建築家の一人、ル・コルビュジエ。2016年に、近代建築運動への顕著な貢献として7カ国17の作品が世界遺産に登録されたくらいの巨匠中の巨匠である。

彼が切り開いたであろう四角い箱のような、直線的で機能的な建築は、現代の我々にとってはいわばスタンダード。
ゆえに彼の作品の中では、造形的に特徴のあるパリ郊外のサヴォア邸とかロンシャン礼拝堂などのほうに、個人的には興味が傾いていた。だって、私たちの住む街には、四角く直線的な建物ばかりが溢れているではありませんか?

サヴォア邸
ミーハーなんで行きました!サヴォア邸。

ロンシャン礼拝堂ロンシャン礼拝堂については別の原稿でたっぷり語っています

などという思い込みゆえ、巨匠の代表作の一つだとか、傑作!などと言われても、ご覧のように一見するとシンプルな箱型(に見える)外観のラ・トゥーレット修道院については、「何かのついでがあったら行くかな……」ぐらいのテンションだった。

ラ・トゥーレット修道院
ラ・トゥーレット修道院といえばこの角度からの写真が有名。確かに四角い。

■ 美食の都リヨンから列車で行く、リーズナブルに「泊まれる世界遺産」

そして、そのついでは2022年にやってきた。意を決してずっと憧れていたロンシャン礼拝堂に行くと決めたのだ。

同じフランスにあるとはいえ、この2箇所間は電車で5時間以上かかる距離であり、後から思えば全く「ついで」ではないのだが、北海道で札幌と釧路を周遊しようとするアホな東京人のように、無邪気な旅程を組んでしまったのである(⇒詳細な経緯はこちらでどうぞ)。

この名建築のいいところは、なんといっても宿泊できること。日本で言えば宿坊みたいなもので、簡素だが個室に泊まれ2食付きで54ユーロ(2023年1月時点)と、お高いおフランスのホテル事情を考えればわりとリーズナブルなのだ。

オンラインブッキングのような手頃な予約方法はないが、メールや電話で問い合わせるなど手間を惜しまなければ泊まることが可能。見たところ冷房も暖房もなさそうだったので、春や秋など良い季節を選んだほうがいいかもしれない。

私が行ったのは2022年の7月中旬。正直もう暑くなるはずの時期だが、運良く夜はそれほど蒸さず、冷房なしでも快適に過ごすことができた。

ラ・トゥーレット修道院の最寄りの都市は、フランス中部の都市、リヨン。今回は目的地へ急いでいたのでランチしかしなかったが、素通りするには惜しいくらい綺麗な街だった。

美食の街リヨン
美食の街として有名なリヨン。多くの有名ビストロが並ぶ。ゆっくりしたかった…!

そこから約30分ほど列車に乗りラルブレル (L’Arbresle)駅下車後、徒歩30分。フランスで列車に乗るのは難しそうな印象があるが、最近はSNCFが作ったスマホアプリ(SNCF Connectで検索してダウンロード)があるのでとても便利である(このあたりは別の記事『死ぬまでに見たい名建築、ル・コルビュジエの「ロンシャン礼拝堂」に行ってきた』を参照)

ラ・トゥーレット修道院へ向かう道
ラ・トゥーレット修道院へ向かう道。こんな風景が楽しめる。

結構な坂道なのであまりに重い荷物やスーツケースで行くのはおすすめしない。駅前にタクシーなんか止まっていないのでなるべく歩きやすい服装で行こう。

■ ラ・トゥーレット修道院の見学ガイドツアーに参加

えっちらおっちらと小高い丘を登れば、見逃しようがない異様なフォルムの修道院が見えてくる。

ラ・トゥーレット修道院
のどかな田園との対比が凄まじい、要塞のような建築。

そして、これほど巨大な修道院なのに、なんと入り口が……。

ラ・トゥーレット修道院の門

鳥居…?

建築のサイズ感に比すると簡素すぎる門。コルビュジエ、もしかして日本の神社リスペクトか?

早くもこの建築の不思議ちゃんぶりに心を掴まれつつ受付へ。

受付横にあるベンチ。左側の赤い扉は鍵がかかっており、宿泊者かガイドツアー参加者しか中には入れない。

意外なのが、ロンシャン礼拝堂よりもずっと、この修道院のほうが「建築を学ぶ人達の聖地」感があったことだ。私がロンシャンを訪れたときは、見学している人は3−4人といったところで、かつ、カップルとか家族連れとか、一見すると建築マニアではなさそうな客層だったが、こっちはガチで建築学科の学生っぽい人たちで賑わっていた。宿も満室である。

もしかしてロンシャン礼拝堂よりもこっちのほうが世界的には人気なのか? 日本人にはロンシャンのほうが有名なイメージがあったのでちょっと意外だった。

この日はチェックイン後すぐに建築ツアーが始まったので(有料)、荷物を部屋にぶち込んですぐさま見学へ。

さまざまな線が交差する、中庭。
ラ・トゥーレット修道院の廊下
廊下
ラ・トゥーレット修道院のライブラリー
客間とライブラリー
ラ・トゥーレット修道院の小礼拝堂
ライブラリー近くの小さなチャペル。ミニマルとはこういうことか…!
ラ・トゥーレット修道院の食堂
食堂。眺めが素晴らしい。

コルビュジエらしい、シンプルで直線的で、すっきりとした空間がひたすら続く。とにかく広い。最近ではカンファレンスセンターとして利用されているのも納得の公共建築感。

だが、この「すっきり機能的」という印象は、礼拝堂へ足を踏み入れた瞬間がらがらと崩される。

この空間に足を踏み入れたときの驚きは、写真ではうまく伝えられないかもしれない。赤や黄色、青のわずかな光のみが簡素なコンクリートの空間を優しく照らし出す静謐な祈りの空間。光以外に派手な装飾は一切ないが、その光が心震えるほど美しいのだ。まるで光のアーティスト、ジェームズ・タレルの作品のよう。

祭壇から「光の大砲」と呼ばれる丸い天窓が見えるや、見学ツアーの参加者たちがため息を漏らす。簡素で無駄のない空間をえんえんと歩いてきた先に現れるこの色彩の洪水。もはやこれはショーですね。見せ場がちゃんと作られている!

「光の大砲」が見えるほうとは反対側の壁。

さて、「光の大砲」がある地下礼拝堂も見学させてもらおう。

シンプルな素材、シンプルなデザインと完璧に調和するカラフル。美しいというよりかっこいい。

この空間に少しでも長くいたくて、キリスト教徒でもないのにミサにも参加させてもらった(誰でも参加可能なのだ)が、それがまた忘れがたい体験になった。この修道院の設計には、現代音楽作曲家であり建築家のヤニス・クセナキスがコルビュジエの弟子として関わっているが、そのせいか音響が素晴らしいのである。

修道士たちが読み上げる聖書の声や賛美歌は神秘的な響きをたたえ、美しい建築空間にこだまする。その震えるような音は言葉がわからない私の心の奥に力強く響く。正直言って、ちょっと泣いた。

■ 宿泊できる僧坊はこんな感じ

さて、見学ツアーが終わったあとは、夕食までは自由時間だ。自分の部屋に戻り、一息つくとしよう。

ベッドとデスク、小さなベランダがある簡素な部屋だが、色使いが楽しいので侘しさはない。

入り口近くには洗面台とロッカーがある。新しいシーツとタオル、紙コップが備え付けられているのみなので、歯ブラシなどは持参していこう。私は念の為、飲み水とおやつも持っていった。トイレとシャワーは共同で、各フロアにある。

ゲストハウスのドミトリーなどで過ごすのに比べればプライバシーは確保されているし個人的にはこれで十分だと感じた。

■ 夕方から夜にかけての過ごし方、気になるご飯は?

この修道院は建築だけでなく大自然の景観もまた素晴らしく周囲は公園でもある。日が暮れる時間帯を狙って夕日を見に外に出た。

美しい夕暮れ。

カメラを抱えて丘から修道院を撮影していたら、同じ目的の仲間たちがやってきて、「この角度からのほうがいい」とか「あっちも眺めがいい」など色々教えてくれる。そう、基本的に彼らはコルビュジエのファンなのだ。我々はいわば推し活仲間なのだ。仲良くならないはずがない。

7時半からはお楽しみのディナータイムである。食堂に集まり、1テーブル4,5人ずつ着席する。
私のテーブルには、アメリカから来てコルビュジエ建築巡りの旅をしているという老夫婦と(マルセイユのユニテ・ダビタシオンとカップ・マルタンに行ってきたとか)フィレンツェから一人で来たという女性が座っていた。

女性は子育てを終え、今は趣味の絵を描くのが楽しいという。「ここに3日ほど滞在して、昼は絵を描くのよ」と笑う。

会話が弾んでいたので、食事を細かく撮影するタイミングを逸してしまったが、唯一の写真がこれ。

食事にはしぼりたてみたいにフレッシュな赤ワインが添えられるのだが、これがすごく美味しかった。いまそこで絞ってきました!みたいな爽やかさで、何杯でも飲める。そんなに飲まなかったけど。

野菜を中心に全部で4皿ぐらいあっただろうか。コース料理のようにひとつずつ運ばれて来て、食べ尽くすと、おかわりいる? と聞いてくれる。どれも丁寧に作られていて美味しく、お腹もいっぱいになった。

この修道院の設計をコルビュジエに依頼したのは、ロンシャン礼拝堂も依頼したというクチュリエ神父である。彼は南仏にあるマティスが内装をすべて手掛けたことで有名なロザリオ礼拝堂にも関わっているという謎の仕掛け人なのだ。
おそらく芸術への思い溢れる神父だったに違いになく、この修道院が「ほとんどアート」といっていい空間になったのは彼の存在も小さくないのだろう。

ロンシャン礼拝堂の「ついで」に来たラ・トゥーレット修道院だが、そのスケールの大きさ、外観と内部のコントラストの激しさ、音と色の素晴らしさに圧倒され、個人的にはロンシャン礼拝堂よりも好きになってしまった。

翌日は列車で5時間もかかるロンシャンへの移動のために早朝に出発しなければならず、思いの外素敵だったリヨンも、この修道院の美しい朝もゆっくり楽しめなかった。次は絶対3泊はしよう、と心に決めている。

 

<ラ・トゥーレット修道院 Couvent de la Tourette> 基本情報
BP105 Eveux, 69591 L’Arbresle cedex 公式サイト

1960年竣工のカトリック ドミニコ会の修道院。2016年、ル・コルビュジエの建築群としてユネスコの世界遺産に登録。

アクセス: L’Arbresle駅下車徒歩30分。Lyon-Gorge de Loup駅からは平日は15分〜3o分間隔 、日曜は1時間に1本の便あり。Lyon-Part Dieu 駅だと2時間に一本となる。

宿泊料金:シングルルームのみ 1泊(夕食+宿泊+朝食): 54ユーロ
※18時にフロントが閉まるので到着は17:30までに。ホテルは8月とクリスマス休暇の間は閉鎖。

修道院の内部ガイドツアー:日曜の午後のみ開催。[email protected] へメールするか、電話で問い合わせる。 +33 4 72 19 10 90

※上記情報は2023年1月に公式サイトにて確認したものです。

<コルビュジエ関連記事>

死ぬまでに見たい名建築、ル・コルビュジエの「ロンシャン礼拝堂」に行ってきた。
泊まれる世界遺産、ル・コルビジェによるマルセイユの名作「ユニテ・ダビタシオン」訪問レポート

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南仏マルセイユで現代建築散歩なら訪れたい名所5つ https://tripplanner.jp/topics/2891 Mon, 14 Nov 2022 16:31:15 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2891 フランス第2の都市、南仏の港町マルセイユ。名物料理のブイヤベースなどグルメも楽しみな街ですが、実は建築好きの聖…

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フランス第2の都市、南仏の港町マルセイユ。名物料理のブイヤベースなどグルメも楽しみな街ですが、実は建築好きの聖地でもあります。一番有名で世界遺産でもあるル・コルビジェが手がけた集合住宅と、見逃せない建築を紹介します。

ユニテ・ダビタシオン

ル・コルビジュが設計した住宅、ホテル、レストランや幼稚園まであるマルセイユの集合住宅。豪華な屋上庭園や共有エリアなどショップやバー、カフェエリアなどが見学可能で、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の17件ある構成資産の一つ。建築ツアーも随時行っており、そちらだと見学できる範囲も広がります。
マルセイユの中心部からは地下鉄とバスを乗り継いで行くほど多少距離がありますが、思いの外観光客でいっぱい。ホテルに宿泊してのんびり過ごすのもよし。建築好きはわざわざマルセイユにこれを見るために訪れたりします。

L’Ombrière de Norman Foster

世界的建築家ノーマン・フォスターが設計した、観光客で賑わうマルセイユの旧港にある22メートル×48メートルの巨大な鏡の天井。建築というより巨大なアートといった存在で、下を歩く人はみな天井を見上げ、写真を撮る人も多数。何の役に立つのかわかりませんが、人々を楽しませていることだけは伝わる、港のランドマークです。

ヨーロッパ・地中海文明博物館(MuCEM)

フランスの建築家リュディ・リコリが設計した、マルセイユの港にあるヨーロッパと地中海の文化テーマにした唯一の博物館。その独特の建築で、マルセイユ屈指の人気スポットになっています。博物館エリアは有料ですが、建築内には無料で入れて、屋上には眺めとインテリアの素晴らしいレストランも。地元民にもそこでの食事を強くおすすめされました。歴史的建造物とコンクリートの長い橋で結ばれていて、そちらも無料で楽しめるので、絶景と現代建築、歴史のコラボを楽しみにぜひ足を運びたい名所です。

マルセイユ現代美術センター / FRAC Fonds Regional d’Art Contemporain

マルセイユのウォーターフロント地区にある建築家、隈研吾設計の美術館。角度の異なるエナメルガラスのパネルが南仏ならではの強い光を分散させ、独特の外観を生み出しています。このエリアは大きなショッピングモールも多く、買い物を楽しむのにもぴったり。ぜひ散策を。

Les Docks Village

マルセイユの現代的なビジネス・ショッピングエリアにある19世紀半ばの歴史的建造物で、現在はオフィスやレストラン、ショップが集まる複合ビルに。現在は回収され、モダンと歴史が融合する独特の空間になっています。

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フォスター卿が手がけた「鎌倉歴史文化交流館」と白玉と民藝をめぐる鎌倉さんぽコース https://tripplanner.jp/topics/3130 Mon, 16 Nov 2020 13:25:10 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=3130 イギリスではナイトの称号を持つスター建築家で、ドキュメンタリー映画が日本でも公開されたノーマン・フォスター卿。…

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イギリスではナイトの称号を持つスター建築家で、ドキュメンタリー映画が日本でも公開されたノーマン・フォスター卿。実は鎌倉の住宅街の隅に彼が手がけた名建築を活用したミュージアムがあるのをご存知ですか? 
すぐ近くには行列のできる白玉のお店もあり、賑やかな小町通りとは違った鎌倉の魅力に触れられる、おすすめの観光コース。喫茶を絡めて1時間〜2時間程度で楽しめるおさんぽアイデアなので、ぜひ鎌倉の名所めぐりと組み合わせてみて。

鎌倉屈指の賑わいスポット、小町通りがある東口とは反対側の西口を出れば、いかにも地元御用達という普段着のお店も多い鎌倉駅。
最近は西口の注目度も急上昇中でニューオープンのお店の話題には事欠かないけれど、駅から歩いて約7分、扇ガ谷の丘の上ともなれば、さすがにぐっと静かな住宅街が広がる。そんな穴場に2017年5月にオープンしたのが、今回ご紹介する「鎌倉歴史文化交流館」だ。

正直、歩いていると「本当にここにあるの…?」と不安になるほど周囲は静かなお屋敷街。それもそのはず、この建物もつい最近まで一般人が入れない「個人宅」だった。しかしただの個人宅ではない。なんとその建物は、世界のスター建築家、ノーマン・フォスター率いるフォスター・アンド・パートナーズが手がけた現代建築なのだ。

中でも代表作のひとつが、写真右手にある丸いガラスの塔のような建物、愛称「ガーキン」(キュウリの意味)。今やロンドンの絵はがきやお土産グッズなどに描かれる、街のアイコンにもなっている名建築だ。

そんな世界のスター建築家が手がけた、以前は入ることなどできなかった「個人宅」だったミュージアムに、大人1人300円で入館できるなんて、もう建築好きなら行くしかない鎌倉の新名所。さっそく足を踏み入れてみよう。

◎ 有力御家人や三菱財閥ゆかりの華麗なる土地、無量寺谷

鎌倉歴史文化交流館があるのは、かつては「無量寺谷(むりょうじがやつ)」とよばれ、鎌倉幕府の有力御家人だった安達氏の屋敷やゆかりの寺院があったとされる、周囲を山に囲まれた谷。大正時代には三菱財閥第四代当主、岩崎小弥太の別荘があったという、世界のスター建築家が手がけた個人宅があっても何ら不思議はない華麗なる土地なのだ。

 

 

ばりばりの現代建築というクールな外観だが、ここで学べるのはしっかり和風な鎌倉の文化や歴史。山に囲まれ、谷や崖だらけの鎌倉を歩くなら、知っておいたほうがずっと楽しい展示がいっぱいで、個人的には鎌倉観光の必須立ち寄りスポットのように思う。

たとえば、この額縁のような窓から見えるのは、鎌倉ならではの谷戸の風景。鎌倉の寺社めぐりをしているとよくこうした崖のような場所に掘られた洞窟に出会うが、実はその穴は「やぐら」と呼ばれる鎌倉特有の葬送施設。平地が少ない鎌倉では墓地の確保が難しく、山肌を削ってお墓や供養塔が作られたのだのだそう。

このミュージアムでは、本物のやぐらのある風景を窓の外に眺めながら、館内のパネルでやぐらの意味について学ぶことができるという臨場感たっぷりの歴史体験を楽しめる。

建物のすぐ横には、「やぐら」が残る鎌倉ならではの風景が広がる。穴の全てが葬送施設ではなく、昭和になって作られた貯蔵庫や防空壕等も残る。パネルや展示物だけで学ぶ歴史はときに退屈だけれど、実際の風景と一緒に学ぶとすごく面白い。

この施設の敷地内の高台には、江戸時代に刀鍛冶によって作られた「刀稲荷」を三菱財閥が復興した「相槌稲荷社」が最近まであったのだが、今はその社殿等は近くの神社に移設され、神社跡地が見晴らし台として一般客にも開放されている。

見晴し台の上は、フォスター建築なめの海の風景も楽しめる隠れた絶景スポット。なかなか気持ちよいのでぜひ登ってみて。

どこから見てもかっこいいフォスター建築。開館日の毎週土曜日11:00から学芸員による展示解説を行っているそうなのでこちらも公式サイトで要チェック。

鎌倉歴史文化交流館    ※日曜・祝日は休館日

 

 

◎ 鎌倉歴史文化交流感すぐそば、巨大白玉で有名な行列のできる甘味処へ。

さて、鎌倉歴史文化交流館の前には、たっぷりとした駐車場や駐輪場スペースがあるのだが、なんとそこを突き抜けた正面には行列のできる甘味処として有名な茶房雲母(きらら)がある。ミュージアムカフェか!?という立地が嬉しすぎて、もちろん食べるよねぇ。

さて、ここの白玉がどれくらいすごいかは、言葉でつべこべ言うより写真の方が伝わりやすい。

チェリーの大きさからどれくらい白玉が大きいかおわかりいただけるだろうか。個人的に自分史上最大の白玉。こんなの誰だって行列しちゃうに決まってます。

食べる直前に作られる白玉はできたてほやほや、これまで味わったことのないふわっふわっの食感も素晴らしい。行列覚悟の甘味処だけど、意外と穴場なのが平日のランチタイム。女子ならこれだけでお腹いっぱいになるボリュームなので、なるべく並びたくないならこの時間帯を狙ってランチ代わりにするのもおすすめ。

こんもりと盛り上がっている、元気いっぱいのふわもちの白玉。人気の抹茶クリーム白玉あんみつは、添えられる抹茶シロップをいただく直前に回しかけていただきまーす。箸休めの漬け物や昆布茶が添えられているのも嬉しい。

・ 茶房雲母(きらら)

鎌倉の歴史や文化を学び、クールな建築を愛で、丘の上から鎌倉の絶景を楽しみ、絶品白玉で一休み。もうこれで完璧な気がするけど、待って、ここで駅に戻らないで!

個人的にもう一カ所ぜひ寄っていただきたいのが、お店のたたずまい、品揃え、全てがうっとりすぎる手仕事の名店、「もやい工藝」。茶房雲母の前の道をトンネル方面に進み、トンネルをくぐると現れる風情ある日本家屋の店舗も素敵なお店。

店の前で記念撮影する外国人観光客もいる日本の美に溢れた空間。店内には日本各地から集められた手仕事の逸品、民窯のうつわ、染織品などが並び、欲しいものいっぱい。お値段も手頃なものが多いのが嬉しい。

にぎやかな東口とは全く違う鎌倉駅西口のずっと奥を歩くプチ観光。何度でもリピートしたいおすすめの散歩道だ。

 

 

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ヴォーリズの洋館、町屋、現代建築。バラエティを楽しむ、近江八幡たてものめぐり。 https://tripplanner.jp/topics/2897 Thu, 14 Nov 2019 16:35:10 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2897 江戸時代に建てられた豪商の館、ヴォーリズが築いた明治大正時代の洋館群、そして現代建築家による話題のニュースポッ…

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江戸時代に建てられた豪商の館、ヴォーリズが築いた明治大正時代の洋館群、そして現代建築家による話題のニュースポットなど、たてもの好きに嬉しい近江八幡。
ぜひ訪れてほしい名所をピックアップしました。

ラ コリーナ近江八幡

建築家・建築史家の藤森照信さんが手がけた草屋根の建築が話題となり、今や滋賀県の観光地では集客数NO.1となっている大人気スポット。公園と農園、カフェレストラン、ショップなどで構成された、たねやグループの複合施設。

フォトジェニックな建物やオブジェは必見。建築好きなら一度は足を運びたい新名所です。

旧八幡郵便局

近江八幡にあるヴォーリズ建築の中でも、内部見学が可能でフォトジェニックなのが、大正10年に建てられたこちらの旧八幡郵便局。内部にはヴォーリズについて説明するパネル等があり、簡易な資料館になっています。

近江兄弟社アンドリュース記念館

1907年竣工、ヴォーリズ設計第一号の建築で、旧YMCA会館。

日本キリスト教団 近江八幡教会 牧師館

アンドリューズ記念館の向かいにあるヴォーリズが設計した建物。1940年、近江兄弟社の独身青年社員宿舎「旧近江兄弟社地塩寮」として建てられ、今は近江八幡教会の会議室や牧師家族の住居として使われています。

ヴォーリズ記念館

近江八幡にあるウィリアム・メレル・ヴォーリズが自ら設計し後半生暮らした自邸を利用した記念資料館。滋賀県指定有形文化財。見学は予約制。

池田町洋風住宅街(ヴォーリズ建築群)

近江八幡にあるウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の西洋館が連なる一角。ほとんどが外観のみ見学可能。ダブルハウス(1921年)、ウォーターハウス記念館(1912年)、吉田悦蔵邸(1913年)などが並び、大正時代のモダンな町並みを今に伝えています。

近江八幡市立資料館

近江八幡の郷土の歴史を伝える資料館。1886年に八幡警察署として建設された建物を、1953年、ヴォーリズ建築事務所の手で改築。モダンな外見からは想像できませんが、建物の中に江戸時代末期の民家が歴史民俗資料館として残されており、近江八幡の商家の暮らしを垣間見ることができますよ。

白雲館(旧八幡東学校)

近江八幡の日牟禮八幡宮の鳥居前にある漆喰塗系の擬洋風建築。1877年に学校建築物として建てられ、現在は、観光案内所等として利用されています。

旧伴家住宅

郷土資料館の前にある、豪商の館。現在のものは1827〜1840年にかけて建築されたもので、明治になってからは小学校・役場・女学校として利用されていたとか。

近江八幡市立資料館(旧西川家住宅)

「近江商人の町並み」を今に伝える、近江八幡きっての「江戸時代そのまま!」な新町通りにある豪商の邸宅を利用した資料館。1706年に建てられた国の重要文化財。

コルミオ/Kolmio

近江八幡にある江戸時代の建物が味わい深いカフェ。クレープやランチなどが主力メニューですが、土日モーニングもあり、朝ごはんスポットが少ない近江八幡の旧市街で重宝するスポット。ホテルも併設しています。

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熱海、名建築旅行。優雅でロマンティックな別荘や現代建築をめぐってみよう。 https://tripplanner.jp/topics/2596 Mon, 12 Nov 2018 22:13:48 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2596 最近人気が再燃中の熱海へ、優雅なお屋敷や有名建築家が手がけたクールなスポットをめぐる旅プラン。 明治〜昭和にか…

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最近人気が再燃中の熱海へ、優雅なお屋敷や有名建築家が手がけたクールなスポットをめぐる旅プラン。
明治〜昭和にかけて、実業家や文豪が暮らした邸宅や別荘は今見てもロマンティックだし、杉本博司や隈研吾が手がけた新名所も話題です。
曜日限定や事前予約が必要な場所もあるので、訪れる前の準備も怠りなく。

MOA(エムオーエー)美術館

MOA(エムオーエー)美術館/静岡県熱海市桃山町26−2

熱海にある、海を一望する高台にある絶景の美術館。
2017年に現代美術作家・杉本博司と建築家・榊田倫之主催の新素材研究所が手がけた展示室とともにリニューアルオープン。毎年梅の季節になると、尾形光琳作の国宝「紅白梅図屏風」が公開され多くの人で賑わう「花の名所」でも。

絶景の美術館

建築と眺め、日本の美に触れられる、熱海屈指のアートスポット。敷地内にレストランや茶室もあり、眺めの良いカフェもあるので半日ぐらいいても楽しそうです。 ⇒公式サイト

起雲閣

静岡県熱海市昭和町4-2

1919(大正8)年築、熱海市指定有形文化財となっている施設。もとは根津嘉一郎ら実業家の別荘として利用されていた邸宅で、のちに旅館となったあとは太宰治や谷崎潤一郎、志賀直哉ら名だたる文豪が滞在した華やかな歴史を持つ史跡。ちなみに太宰治は『人間失格』をこの宿で書いています。

ロマンティックなアール・デコ調のサンルームや、広々した日本庭園を望む客室、ローマ風浴室などフォトジェニックな空間がいっぱい。⇒ 関連サイト

旧日向別邸ブルーノ・タウト「熱海の家」

静岡県熱海市春日町8−37

ブラタモリにも登場した、熱海にある、日本で唯一残るドイツ人建築家のブルーノ・タウトが設計した部屋が残る建築。土・日・祝祭日のみ公開で、見学は要予約。貿易などを手がけていた実業家の日向利兵衛の別邸の離れとして1936年(昭和11年 )に竣工するも、実はほとんど使われたことがなかったとか。
外観は普通の日本家屋ですが(とはいえ、設計はあの銀座和光を手掛けた渡辺仁と豪華)、実は地下室があって、そちらをブルーノ・タウトが設計。撮影不可のため、地下室はリンク先を見ていただきたいのですが、和を装いつつもどこかヨーロッパも感じる、独特のデザインのホールになっています。⇒ 関連サイト

双柿舎

静岡県熱海市水口町11−17

熱海の高台、来宮神社からも歩いて15分くらいの場所にある、明治の文豪、坪内逍遙が、1920年から、1935年に亡くなるまでの15年間を過ごした住居跡。会津八一の筆による扁額がある門をくぐると、瀟洒な日本家屋が現れますが、なんと逍遙自ら設計したのだとか。

海側は丘の斜面を活かした日本庭園になっていて縁側からは美しい海の眺めも楽しめます。


仏教施設のようなユニークなデザインの書庫の前には狛犬ならぬ狛羊?な彫刻なども置かれていて、見どころもたくさん。⇒ 関連サイト

 

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まるでアール・ヌーヴォー美術館。巨匠オットー・ワーグナーの最高傑作、ウィーンの森にあるアム・シュタインホーフ教会 https://tripplanner.jp/topics/2227 Wed, 27 Sep 2017 02:59:01 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2227 オーストリア、ウィーン郊外にある建築家オットー・ワーグナーの最高傑作の一つとされるアム・シュタインホーフ教会。…

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オーストリア、ウィーン郊外にある建築家オットー・ワーグナーの最高傑作の一つとされるアム・シュタインホーフ教会。当時一流の芸術家や職人が参加した、まるごとアートな教会の、圧倒的な美しさをたくさんの写真とともにご紹介。どこよりも詳しい行き方付き徹底ガイドです!

「運命の神の美しき皮肉ではなかろうか。ウィーンで最初の分離派様式のまともな建物が、まともじゃない人々のために建てられただなんて」

1907年に完成したアム・シュタインホーフ教会を見て、あるオーストリアの州議員はそう言ったという。まるで映画の台詞みたいなエモーショナルな感想ではないか。

しかし110年後にこの地を訪れた私も、似たような、感傷的な気持ちを抱いた。それはこの教会の特異ななりたちに関係しているのかもしれない。

ウィーン郊外の森の中にあるこの教会の正式名称は「聖レオポルト教会」、アム・シュタインホーフ精神病院付属の礼拝堂である。

1.4キロ平方メートルという広大な敷地内に複数の白い病棟が並ぶこの病院は、20世紀初頭に作られ、約2,000名の患者を収容する当時ヨーロッパでは最大最新の精神病院。その起工式にはハプスブルク皇帝フランツ・ヨゼフも出席するほどの力の入ったプロジェクトだった。

なだらかな丘陵地帯の森の中に突如現れた「白い街」、その最も高い場所にそびえる個性的すぎる教会は、病院の中にある礼拝堂にしてはあまりにも華麗すぎるため、訪れるものに何か壮大の物語の中に巻き込まれたような感覚を与えている。

その印象から、冒頭で紹介したようなセンチメンタルな感慨が生まれたのだろう。

◎  20世紀初頭は議論の的となった「問題作」は今やワーグナーの代表作に。

建設当初は「インドのマハラジャの墓所のようだ」などともいわれ議論の的となったというこの教会も、今ではウィーンを代表する名建築の一つであり、近代建築の巨匠オットー・ワーグナーが手がけた中で最も美しいと評価されているマスターピース。

19世紀末のウィーンの都市計画を牽引したワーグナーが手がけたユーゲント・シュティール(アール・ヌーヴォー)の建築は美しい駅舎をはじめ、ウィーン旧市街でいくつも見ることが出来る。

オットー・ワーグナー・パビリオン・カールスプラッツ / OTTO WAGNER PAVILLON KARLSPLATZ
オットー・ワーグナー・パビリオン・カールスプラッツ / OTTO WAGNER PAVILLON KARLSPLATZ。近代建築の父、ウィーンを代表する巨匠、ワーグナーの設計で1898-99年に完成した駅舎で、今はワーグナーに関する資料を展示する博物館。美しい駅舎のインテリアを楽しみながら、ワーグナーが手がけた建築の模型や、各種資料を見学できます。

しかし、ここは多少の不便を押してでも訪れる価値がある、まるでアートのような、というか、実際まるごとアートな教会なのだ。

建築を彩る各種彫刻、椅子などの家具、ステンドグラス、祭壇画などを手がけたのは当時一流の職人や芸術家たち。
ウィーン美術アカデミーの教授だったオットー・ワーグナーの面目躍如ともいえるすさまじいプロデュース力に恐れ入るしかない、有名アーティストたちの夢の競演。
迫り来るハプスブルク帝国の崩壊の前に、まるで爆発するように一瞬きらめいた世紀末ウィーンの美。

たとえば、教会の正面で祈りを捧げているかに見える、黄金の翼を持つ天使像を手がけたのはウィーン分離派のオトマー・シムコヴィッツ。ウィーン中心部にあるワーグナーが手がけた有名な世紀末建築メダイオンハウスや郵便貯金局の屋上にある女性像も手がけている建築彫刻家だ。

天使の像の後ろにポンポンと打たれている丸い点は、ワーグナー建築ではおなじみの手法となっているリベット(頭が丸い鋲)。鉄板を留めるように鋲で固定された大理石の表情がとても個性的でおしゃれ。

黄金のドーム屋根の前で人々を見下ろすのは、オーストリアの保護聖人である聖レオポルトと、起源400年頃ドナウ地方の伝道者だったという聖セヴェリンというウィーンにゆかりのある二人。

やさしげな天使像の上にそびえる二つの像は、優美にふれがちな教会の印象をきりりと引き締め、男性的な力強さを添えている。


ちょっと日本の城の石垣を思わせる石の壁、ねじの形の銅製の柱、白い大理石にうがたれた鋲など、教会の外観は天使の像を除けばどちらかといえば力強くハードな印象で、威厳があるとさえ言っていい。けれど、この扉を開けると、驚くほどがらりと印象が変わるのだ。

さぁ、ワーグナー劇場へ足を踏み入れてみよう。

◎  ウィーン分離派の美に溢れた、奇跡のようなアール・ヌーヴォー教会

堂内に足を踏み入れると目の前にぱっと広がるのは、光り溢れる白と金の世界。

あまりの美しさに多くの人が声をもらす。もちろん私だってもらす。
外と内の印象の差がドラマティックすぎる!

金色に輝く繊細で優美な装飾や照明、透明感のある白い大理石の壁、優しく包み込むような神々の姿。光り溢れる祈りの場は、世紀末ウィーンの芸術家たちの夢の跡。


まるで天国へ足を踏み入れたよう。けれど手放しに楽園にきたとは喜べない、どこかアンニュイな美はウィーンならでは。

華麗で装飾過多になりがちなアールヌーヴォーに、モダンな印象を添えているのが幾何学模様の壁や天井。重厚と軽妙のバランスが素晴らしい。

参加している芸術家の中でも特に有名なアーティストが、ステンドグラスを手がけたコロマン・モーザー。
ヨーゼフ・ホフマンらとウィーン工房を設立したデザイナーで、ヨーロッパでは有名な、ワーグナーが最も信頼していた芸術家のひとり。
日本でも2016年に銀座のギャラリーで作品展が開催されるなど注目を集めている。

両脇の祭壇の上の壁画は、ウィーン分離派の画家ルドルフ・イェットマーが手がけている。

教会の入り口の上にあるのはオルガン職人スボボダが手がけたパイプオルガン。こちらも極めて珍しいアール・ヌーヴォー・スタイルのオルガンである。

全てが徹底的にアール・ヌーヴォーな堂内は、個性が強い作品が集まっているのにもかかわらず見事に調和している。その耽美な美しさはあまりにも完璧でちょっと辛いほど。

そんな研ぎすまされた空間に暖かみを添え、ほっとさせてくれるのが、ウィーン工房がオリジナルで作ったという素朴な佇まいの木製の椅子。角が丸いのは、病人たちがぶつかってけがをしないためだとか。

アム・シュタインホーフ教会の内部は通常非公開だが、毎週土曜日の15時からガイドツアー(ドイツ語のみ、約1時間=大人8ユーロ)を行っており、その後も16-17時まで開館していて(ガイドツアー後に入る場合は入館料2ユーロ)見学が可能。日曜も12-16時まで開館(入館料2ユーロ)、16時からガイドツアー(ドイツ語のみ、約1時間=大人8ユーロ)を行っている(2017年夏時点)。

私は張り切りすぎてドイツ語のガイドツアーにまで参加してしまったが、正直何を言っているのかわからず、人々が注目する視線の先を見て、「あ、あそこが重要なんだな」と推測するくらいだった。約1時間、じっとそれを聞いているのが辛い人は、入館だけでもいいように思う。

入り口で売っている公式ガイド本には日本語バージョンもあるので、それを購入して見学するとより理解が深まっておすすめ。

◎ どこよりも詳しいアム・シュタインホーフ教会への行き方

それでは最後に、どこよりも詳しいウィーン中心部からアム・シュタインホーフ教会までの行き方を伝授しましょう。たっぷりの写真付きで図解しているので迷わずたどり着けるはず。

まず、地下鉄U4で「Volkstheater(フォルクス劇場)」駅に向かいます。

上の写真がフォルクス劇場。この入り口の隣にある小さな公園の横にバス乗り場があります。下の彫刻が目印。写真左端に「H」という文字が見えますよね? そこが乗り場です。

あまりにも小さくて目立たないバス停なので、拡大版はこちら↓。48Aに乗ります。

時刻表を見るとびっくりするぐらい本数が出ているので乗り遅れてもご安心を。下の写真で赤い矢印でチェックを入れいるOtto-Wagner-Spitalが降りるバス停。

バスの中はこんな感じ。正面モニターで次の駅がどこか表示されているのでとてもわかりやすく、言葉がわからなくても大丈夫。約30分で到着します。

バス停を降りたら、下の写真左のゲートを入って左に進みます。下の写真右のような案内板があるので、Kircheのほうへ進み、約5分ほど丘を登れば到着。なだらかな丘陵地帯にあるので眺めも最高です。

帰りは道路を渡ってすぐのところにバス停があります。

 

またフォルクス劇場まで乗って地下鉄で帰るもよし、終点までいけばトラムにも乗り換えOK。

注意事項としては、病院周囲にはスーパーマーケットはおろかカフェ等も何もないので、飲み物を街の中心部で買っていったほうがいいことかな。けっこう坂を上るし喉が渇きます。

 

2018年はオットーワーグナーが亡くなってからちょうど100年。奇しくもクリムト、シーレ、コロマン・モーザーらウィーンを代表する芸術家たちも同年にこの世を去った。オーストリア=ハンガリー帝国の崩壊とともに一斉に消えたウィーン美術界のスターたち。なんだかすべてが出来すぎた小説みたいだ。そんな歴史を思うと、いっそうアム・シュタインホーフ教会の美しさが胸に迫る。

2018年は火花のように散ったアーティストたちのメモリアルイヤー。イベント等ももりだくさんのようなので、きっとアートファンがハプスブルク家ゆかりの古都に集まる一年になるはずだ。

アム・シュタインホーフ教会

参考文献:『アム・シュタインホーフ教会』(Psychiartisches Krankenhaus der Stadt Wien, 1998、※教会内で販売されている公式ガイド本)

<取材協力>
オーストリア大使館商務部
この記事はウィーン商工会議所(ウィーンプロダクツ主催のプレストリップ参加時に、個人的に訪れて執筆しました。

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