トレッキングに関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/トレッキング 少し違う旅のアイデア Tue, 21 Oct 2025 11:37:10 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png トレッキングに関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/トレッキング 32 32 歩く難易度は井の頭公園以下? イタリア「ドロミテの宝石」カレッツァ湖で絶景トレッキング。 https://tripplanner.jp/topics/4242 Wed, 09 Aug 2023 10:32:35 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4242 世界自然遺産にもなっている、ヨーロッパ屈指の人気山岳エリア、イタリアのドロミテ(ドロミーティ)。 中でも絶景ス…

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世界自然遺産にもなっている、ヨーロッパ屈指の人気山岳エリア、イタリアのドロミテ(ドロミーティ)。
中でも絶景スポットとして高い人気を誇るのが、今回紹介するカレッツァ湖(Lago di Carezza)である。

カレッツァ湖
補正なしで本当にこの色、天国のような風景。

荒々しく切り立った岩山を背に、エメラルドグリーンの透き通った水をたたえる標高1,520mのエガ渓谷にある静かな湖。その美しさから「ドロミテの宝石」と呼ばれている、有名観光地だ。

写真だけ見ると、どんな秘境にあるのだろうか? と想像力をかきたてられる神秘さだが、今回女一人で行ってみて、そのあまりの簡易さに驚いたので、ぜひ行き方や鑑賞法などを紹介したい。

◎カレッツァ湖への行き方

詳しくは「イタリアのドロミテ・トレッキング、女ひとりで公共交通機関だけで行けますか?」にも書いたが、簡単にいうと、北イタリアのヴェローナから鉄道で1時間半程度で着くボルツァーノという駅から、バスがばんばん出ていておよそ30分でついてしまう。

しかも、この絶景はバス停を降りた目の前に広がっており、これだけ見てそのままバスで引き返すことすらできるお手軽さ。バス停から歩く必要もないなんて!

カレッツァ湖のバス停の前がもうこの景色。

◎カレッツァ湖の楽しみ方

とはいえ、せっかく来たのにUターンするのももったいないので、ちょっと湖畔を散策してみよう。

バス停から湖畔へは遊歩道ができている。

湖の周りには遊歩道が整備されており、ほぼアップダウンもないことから、老若男女、なんなら子犬までのんびり散策を楽しんでいる。20分もあれば一周できてしまうコンパクトさなので、正直、歩く難易度は井の頭公園以下だ。

湖畔を歩く楽しさは何かといえば、驚くほど透明な水を近くで見られることだろうか。

この透明度よ!

湖の背後にそびえるラテマールの峰々からこんこんと湧き出る地下水の清らかさ。湖の水位は季節によって変わり、春の終わりには雪解け水により約22メートルにもなり、10月にはわずか6メートルになったりもするらしい。私が行った7月はご覧の通り底が透けているので、せいぜい10メートルくらいだろうか。

湖のまわりをぐるりと歩いてみると、水の色も角度によってエメラルドグリーンから深いグリーンに変わったりしてなかなかおもしろい。

とはいえ、やはりこの湖のハイライトは、バス停を降りてすぐ目に飛び込んでくる、ラテマールの山々が鏡のような湖面に映り込む、下のような風景であることは否めない。

ドロミテ屈指の絶景スポット、カレッツァ湖
ドロミテ屈指の絶景スポット、カレッツァ湖

一番いい景色を最初に持ってきてしまうなんて、なんてサービスのいい湖だろうか。湖のまわりを一周すれば、もっと素晴らしい景色に出会えるはずだ、と期待していた人は、いささかがっかりするかもしれないけど。

◎いろいろと便利すぎるカレッツァ湖

さて、カレッツァ湖を歩いていてトイレに行きたくなったらどうすればいいだろうか。
実はカレッツァ湖の入り口すぐ横に、トイレ・レストラン、駐車場完備のショップエリアがあり、こちらも何の問題もない。

このエリアは複雑な歴史的事情があって、イタリアとはいえドイツ語話者が多いし、なんならドイツ語のほうが通じたりするので、レストランやカフェのメニューも完全にドイツである。

私は小腹が空いたので、ソーセージとビールで一休み。

ドイツのソーセージって美味しいよね〜。

井の頭公園程度の難易度の湖を歩くだけだと物足りない向きには、トレッキングコースも用意されている。駐車場あたりには案内板があるので、もうすこし歩いてみたい人は挑戦してみてもいいだろう(ただし、装備は万全に)。

私はのんびり休憩し、そのままバスでボルツァーノへUターン。これならヴェローナから日帰りでも十分楽しめるだろうなぁ。

昔、摩周湖からの地下水がこんこんと湧き出ているエメラルドグリーンの神秘スポット、神の子池を訪れたことがあるが、そのときは、森の中をけっこう歩いた先に出会った風景だったので、かなり感激したのを覚えている。

カレッツァ湖みたいにあまりにも簡単に手に入る絶景は、そうした達成感には少し欠ける感は否めないよな…と思ってしまう現代人は、ちょっと贅沢すぎますな。

<関連記事>
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イタリアのドロミテ・トレッキング、女ひとりで公共交通機関だけで行けますか?
標高2518m、イタリア・ドロミテの超名所セチェーダ山に登ってきました(ケーブルカーで)

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イタリアのドロミテ・トレッキング、女ひとりで公共交通機関だけで行けますか? https://tripplanner.jp/topics/4209 Wed, 02 Aug 2023 13:20:12 +0000 https://tripplanner.jp/?p=4209 ヨーロッパアルプスの東に位置する、イタリアのドロミテ。 ドロミーティとも呼ばれる、標高3000メートル級の切り…

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ヨーロッパアルプスの東に位置する、イタリアのドロミテ
ドロミーティとも呼ばれる、標高3000メートル級の切り立った岩峰が連なる世界屈指の絶景スポットだ。その独特の景観から、2009年に世界自然遺産にも登録されている。

ドロミテ屈指の絶景スポット、カレッツァ湖
ドロミテ屈指の絶景スポット、カレッツァ湖

以前雑誌で見てから、一度は行って、美しい山々を眺めながらトレッキングをしてみたい…と思っていた場所の一つだ。

とはいえ、何しろ日本語の情報が少ないし(もちろん「るるぶ」や「ことりっぷ」などのガイドブックには紹介されていない)、「ドロミテ 行き方」で検索しても、これ!という正解がパッと出てこない。絶景系の書籍を開いてみれば「ミラノから車で行くしかない」と書いてあったりする。ええー、イタリアで車の運転とか無理無理!

…と諦めかけていた2023年の夏。安心してください! タイトルにあるまんまの質問を、ドロミテの宿にメールしたところ、一人だろうが女だろうが難なく行けることが判明

今回はざっくりと公共交通機関を使ったドロミテの名所への行き方トレッキングの難易度を紹介。スポットごとの個別のレポートはまた改めて。情報は2023年夏の最新版です!

・そもそも、ドロミテってどこらへん?

まず情報収集のファーストステップでの間違いは、「ドロミテ  行き方」というワードで検索していたこと。

実はドロミテはイタリア北部、総面積約23万キロ平方メートルにおよぶ広大なエリアを占めるので、「ドロミテへはどうやって行くの?」という質問は、「日本アルプスへはどうやって行くの?」くらい大雑把だったのだ。日本アルプスのどこへ行きたいのよ!?  から始めなければならない。

たとえば、ドロミテで最も有名なチンクエトッリ(3つの頂、という意味)へ行きたいなら、東の玄関口と言われるコルティナ・ダンペッツォを選ぶといいだろう。ベネチアからは直通バスも出ている。

しかし、私は写真集で見てひと目で心惹かれたアルペ・ディ・シウジ(シウージ高原/ Alpe di Siusi)に行って見たかったので、ドロミテの西の玄関口と言われるボルツァーノ(Bolzano)のほうが近い。まずはどこへ行くかを決めてから公共交通機関を探そう。

ボルツァーノ
ドロミテへの西の拠点となる街、ボルツァーノ。すでにこの街からもドロミテの山々がばっちり見えている。

ボルツァーノはヴェローナから鉄道で1時間半程度で着く人口約11万人程度の中都市。ヴェローナはミラノとヴェネツィアの間くらいにあるので、どちらかの都市から列車で向かおう。そこで乗り換えればあとは一本だ。

ちなみにヴェローナもとても美しく、乗り換えだけではもったいない街なので(ロミオとジュリエットの舞台として有名)、一泊して行くのもいい(私はそうした)。

関連記事⇒イタリア・ヴェローナのシンボル、古代ローマ時代の円形劇場で野外オペラを鑑賞してみた。

・ドロミテの西の玄関口、ボルツァーノからドロミテの山々へ簡単に行ける?

さて、問題はボルツァーノ駅からアルペ・ディ・シウジなどのドロミテの名所までどうやって行くかだ。

色々検索してもいまいち確かな情報がヒットしなかったので、とりあえず、シウージ高原の近くの適当な宿を予約してから、メールで問い合わせてみることにした。

「今度、女ひとりでそちらの宿に宿泊するのですが、公共交通機関だけで宿まで行けますか? また近くのシウージ高原などの名所をトレッキングしたいのですが、一人で山を歩くことは危険ではないでしょうか?」

なぜこんなにビビっているかというと、日本でも低山を中心に登山を楽しんでいた私は、奥多摩や、何なら高尾山ですら、遭難事故があったりすることを知っているし、山へ一人で行くことは避けてきたからだ。

しかも、写真で見る限りドロミテは見るからに難易度が高そうである。

ドロミテ
こんなところへ一人で行ける気がしない!

すると宿からすぐにこんな返事が来た。

ドロミテはとてもツーリスティックな場所であり、あなたは完全に公共交通機関だけでどこへでも行けます。こちらの宿へはボルツァーノ駅から30分ことにバスが出ています。有名な場所にはたいていケーブルカーがあり、あなたは安全に山頂近くまで行けます。登山道は整備されており、たくさんの観光客で賑わっています。一人で歩くことに何の問題もありません

・ボルツァーノから公共交通機関とケーブルカーで行ける、超有名スポット3選。

結論から言うと、宿のオーナーからのメールは完璧に正しかった。

私はドロミテに滞在中、バスやケーブルカーで簡単に絶景スポットへ行くことができたし、それらの便もびっくりするくらい本数が多かった。

一応登山ということで、登山靴に雨具、ライト、寒くなったときのためのダウンや行動食までばっちり備えてリュックを担いで行ったのだが、正直言って、今回行った3箇所は整備された登山道を歩く限りは難易度はマザー牧場程度で(むき出しの岩肌をロッククライミングしたり、マニアックな登山ルートを行く人は別ですよ!)、「こんなんなら、普通のスニーカーにジーンズでもいけたんでは…」とあとから思ったくらいだった。今回の旅で気づいたのは、日本の山は全般的に難易度高いしタフすぎる。500m程度の低山でも死にそうにキツイもんなぁ…。

と、いうことで、今回はボルツァーノから行くドロミテの至宝3選を紹介したい。車の運転も、登山経験も無用な場所ばかりですぞ。

1. カレッツァ湖(Lago di Carezza)

ドロミテの宝石」と呼ばれるエメラルドグリーンの湖。ボルツァーノ駅から180番のバスで約45分でらくらく到着。バス代は片道2.5ユーロくらい。Karer Seeのバス停で下車すぐ。

よく、イタリアのバスは車内で切符が買えない、といったブログがあるけど、ドロミテでは大抵車掌さんが売ってくれた。ただし現金のみ。クレジットカードは使えないので注意しよう。

カレッツァ湖
補正ゼロでこの美しさ。

バス停の目の前がすぐ湖で、きれいに整備されたほぼ平坦な遊歩道を歩いて湖の周りを一周できる。子どもやお年寄り、なんなら小型犬ですらのんびり散策を楽しんでいた。

バス停付近にはトイレや売店、食堂も完備。ここを起点にいくつか登山ルートがあるのでそこからトレッキングをしたい人はそれなりの装備が必要だが、湖の周りを歩くだけなら軽装で全く問題なし

⇒さらに詳しいレポート記事「歩く難易度は井の頭公園以下? イタリア「ドロミテの宝石」カレッツァ湖で絶景トレッキング

2. セチェーダ(Seceda)

このエリア屈指の人気トレッキングスポット、標高約2,500mを誇るセチェーダ山。これぞドロミテ、といった、切り立った険しい岩肌を間近で鑑賞できるスリル満点の絶景スポットだ。

ボルツァーノ駅からは170番のバスでKasterlruth駅へ行き、172番に乗り換えてOrtisei駅下車。所要時間は約1時間半。バス停からSeceda山頂へのケーブルカー乗り場までは歩く歩道等を抜けて簡単に行ける。

オルティセイ
オルティセイのバス停を降りたら、この建物の間の細い道を山側へ歩こう。ケーブルカーの乗り場を指す標識もあるのでまず迷わない。
バス停からケーブルカー乗り場まではこんなトンネルを抜けていく。動く歩道になっててらくらく。

さて、公共バスはたいてい一回の乗車が2−3ユーロ程度(後述するがドロミテエリアの宿に泊まると使い放題のバスチケットがもらえるので私の場合は実質タダ)だが、ケーブルカーが鬼高い。たとえば、OrtiseiからSeceda山頂までの往復料金はなんと39.5ユーロ(2023年8月時点の為替で約6,200円!)である。

ベネチアからボルツァーノまでの3時間程度の鉄道料金が30ユーロくらいだったのでそれよりも高い。乗ってる時間は10分程度なのに!

しかし、自力で登るにはセチェーダはあまりにも急峻だし、ここはディズニーランドだと思って、ケーブルカー代はケチらず使おう。自力で行こうとすると難易度も疲労度も猛烈にアップする。

ケーブルカーを降りてちょっと歩くともうこんな風景。

ぼーっと景色を見ているだけで、こんな絶景スポットに到着。写真だけ見るとものすごく難しい登山中のようだが、基本はケーブルカーに乗っていただけである。

急峻な岩肌に沿うように遊歩道が整備されており、岩山の上のほうまで登るつもりがなければ、難易度はマザー牧場程度。でもみんな、わりとばっちり登山服を決めていたんだけど、ここを起点にどこか難しいところへ行くつもりなのか、せっかくなので登山気分を盛り上げるためか、あるいは私みたいに難易度を間違えてやってきた系かは不明。

見て、この完璧に整備された道を。何度も言うけど、日本の山は難しすぎるよ!

⇒さらに詳しいレポート記事「標高2518m、イタリア・ドロミテの超名所セチェーダ山に登ってきました(ケーブルカーで)

3.アルペ・ディ・シウジ(Alpe di Siusi)

さて、セチェーダでのトレッキングを楽しんでまだ午後2時ぐらいなら、その足でアルペ・ディ・シウジまで行ってしまおう。ケーブルカーでOrtisei駅まで戻り、徒歩10分ほど歩くと、アルペ・ディ・シウジ行きのケーブルカーの入口があるのだ。


シウジ高原行きのケーブルカー乗り場。地図はこちら

ここでは片道だけ購入する(それでも19ユーロ!)。なぜならアルペ・ディ・シウジをなだらかに下り、もう一つのケーブルカーに乗れば、ボルツァーノ方面へ戻るバス停があるからだ。

シウージ行きのケーブルカーからの眺め。とにかく急斜面で怖かった。
シウジ高原
ケーブルカーを降りればアルペ・ディ・シウジの絶景。

広く遠く、どこまでも続くなだらかな草原と急峻なドロミテの山々。優しさと厳しさのコントラストが美しい人気の絶景スポットである。私をドロミテへと誘った風景だが、この日は雲が出て厳しい山々を隠してしまったのが残念。

アルペ・ディ・シウジは午前中に行くと山側が逆光になるので、行くなら午後2時以降がおすすめらしい。本当は日が暮れる時間がより幻想的らしいのだが、ケーブルカーもバスも午後6時をすぎるとなくなる感じだったので断念(夏は日没が夜9時ぐらいなのでさすがにそこまで待っていられない)。もし日没間際のアルペ・ディ・シウジを写真に撮りたかったら、シウジにある宿を予約するのがいいだろう(だが高い)。

さて、ロープウェーを降りたら、GoogleMapで目的地をコンパッチョ(Compatsch)のバス停付近にセットし、あとはのんびり下っていこう。

道はコンクリートで舗装されていて普通のスニーカーでも全く問題ない。

アルペ・ディ・シウジは6月から7月はじめくらいの間は花が咲き乱れ、「ヨーロッパで一番広いお花畑」なんて言われたりするそうだ。私が行った7月末は、花はそれほど多くなかったが、何しろ夏のバケーションシーズンということで家族連れがいっぱい。なだらかな丘陵を電動自転車で走るのが人気のアクティビティらしく、下山中は常に誰かが自転車で横をサッと抜けていく感じで、山の恐怖感ゼロ

何度も申し訳ないがこちらも難易度はマザー牧場程度である。

コンパッチョに着いたら、そこからさらにケーブルカー(Seuser Alm Bahn)に乗れば、170番ルートのバス停Seis付近に簡単に着く。そこからボルツァーノまでバスで戻ろう(170番のバスは夏は結構遅くまで運行している)。なお、多くのケーブルカーの最終乗車が18時から19時あたりなので乗り損ねないように注意。

・ドロミテ観光ではボルツァーノに泊まるべき?

さて、最後にこの3つの名所を回るとしたらどこに泊まるべきかについて語りたい。

鉄道の駅があるボルツァーノにはユースホステルなどもあるが、正直せっかくドロミテまで来て、小都市に滞在するのはいささかもったいない。170番など本数の多いバスルート沿線の小さな村に滞在してみるのが、いかにも南チロルの旅、といった体験ができておすすめだ。

たとえば、私が滞在した宿は、170番ルート沿いでボルツァーノからバスで約20分程度のVols, Kreisverkehrという停留所付近。バス停前には旅行案内所もあるし、スーパーマーケットもあるし、レストランも充実。そして村の眺めはこんな感じである。

Vols, Kreisverkehr

シウジやセチェーダまで足を伸ばさずとも、この村からの眺めだって十分絶景。のんびり村の近隣をぶらぶらすればツーリスティックに過ぎないドロミテの一面にも触れられるだろう。

関連記事⇒ドロミテへハイキング旅行ならどこに泊まるべき? 選んでよかった、かわいい村をご紹介。

ちなみにドロミテエリアの宿に泊まると、公共バスの多くが無料になるチケットがもらえたりするので、ケーブルカーは鬼高いけど、それ以外の移動費はほとんど無料である。移動しまくってもあまりお金はかからないので、ぜひ小さな村に泊まってみよう。

ほとんどの公共バスや一部鉄道、一部リフトが乗り放題の神チケット。これさえあればどこへ行くにも概ねフリー。

来てみるまでは「ヨーロッパの秘境」とすら思っていたドロミテ。実はすごく簡単にトレッキングが楽しめる一人旅にも優しい絶景スポットだった。宿のオーナーも私の心配性すぎる質問メールに苦笑しながら返信したに違いない。

バスやケーブルカーの本数も多いし、遊歩道は観光客がいっぱいで安全だし、初心者ならまずは夏に旅するのがいいかもしれない。思ったより宿代も高くなかった(バス・トイレ付きのホテルのシングルルームが朝食付きで一泊80ユーロ程度から見つかる)し、夜は冷房いらず。

天気予報は毎日雨だったが、滞在中はほとんどずっと晴れていたので(降っても一瞬だった)、あまり気にせず、真夏のドロミテで、のんびりトレッキングを楽しんでみては?

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ドロミテへハイキング旅行ならどこに泊まるべき? 選んでよかった、かわいい村をご紹介。

歩く難易度は井の頭公園以下? イタリア「ドロミテの宝石」カレッツァ湖で絶景トレッキング

標高2518m、イタリア・ドロミテの超名所セチェーダ山に登ってきました(ケーブルカーで)

⇒ イタリアの旅行体験記事一覧

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南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。 https://tripplanner.jp/topics/2338 Tue, 25 Jun 2019 17:41:44 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2338 そもそもアルバニアに行こうと思ったのは、ここに来たいからでした。登山体験はわずか数回という初心者が、人っ子一人…

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そもそもアルバニアに行こうと思ったのは、ここに来たいからでした。登山体験はわずか数回という初心者が、人っ子一人いないディープ・アルバニアの山へ挑んだ記録をお届け。

「日本人が一番行かない国」なんて言われたり、そもそもどこにあるのか知らない人も多い、ヨーロッパの片隅にある小さな国アルバニア。

日本での知名度は低いけれど、欧米の若者に大人気の旅先になっている理由は、その手付かずの自然のクオリティと、アジア以下といっていい物価の安さ。ヨーロッパの若者にとって「安くて近くて絶景」の国なので、人気が出るのも当たり前なのだ。

今回私が挑んだのは、「アルバニア・アルプスの宝石」と呼ばれているヴァルボナバレー(Valbonë Valley National Park )でのトレッキング。

本当はTheth(テス)という山の反対側にある村に行きたかったのだけど、私が旅した5月はじめはまだツアーがリリースされておらず今回は断念(5月中旬から売り出すらしい)。

Thethはヴァルボナから山越えしないとたどりつけない秘境的な村で、ヴァルボナからテスへ向かうハイキングコースは初夏から夏にかけて大人気。

距離は長いけれど、知人によれば「高尾山が登れるくらいのスキルがあれば大丈夫」らしい。ま、片道6時間はかかるらしいけれど。(参考URL)

私は一人旅なので山のガイド付きのパッケージツアーに参加。今日は大学生ガイドのミュアヤンくんと二人、ヴァルボナのMaja e Rosit (2,533 m)方面に向けてプチ登山に挑戦するのだ。

宿を出て、牛がうろつく道路脇をスタスタと登山口へ。ちょっと山の方に足を向ければ、もうコースが始まっている手軽さだ。

トレッキングコース入り口。舗装された道路からすっと入るともうこんな風景です。
馬がいてなかなかフォトジェニックな風景なども。

ご覧のように頂上付近は針金のように尖った岩山。あんなところ、さすがに登る人いないよねぇとミュアヤンくんに聞いたら「え、僕登ったよ」とのこと。彼はロッククライミングが大好きなのだそうだ。

「冬になるとあのあたりはすっぽり雪に包まれるんだけど、前にアメリカのCM制作会社がヘリで頂上に乗り付けて、そこからプロスキーヤーに雪山を滑らせてたこともあったよ。」とのこと。場所によってはほぼ崖みたいな角度なのでさぞかしすごいCMになったに違いない。

ヴァルボナ渓谷には、たぶん大昔の火山で吹っ飛んできたのであろう巨石がごろごろしている。磐座(いわくら)信仰のある日本なら、しめ縄を巻いて拝んでしまいそうな立派な岩ばかり。
雪解け水が豊富なため、滝や湧き水が作った池などもそこかしこにあり、「巨石、滝、湧き水」と三拍子揃った、日本だったら何かしらの聖地になってもおかしくない土地だ。

そんなことを考えながら歩いているとガイドのミュアヤンくんが、「もう少し歩くと、この山では最後の村クーカイがあるよ」という。

クーカイ!?   巨石がごろごろしているスピっぽい風景の村の名前がクーカイだと?

「クーカイって日本で最も有名な僧の名前と一緒だよ! 日本人は巨石に神が宿ると信じているので、こんな場所にある村の名前がクーカイだなんて、不思議な縁を感じるわ!」と興奮気味にミュアヤンくんに伝えたが、「へえ」というそっけない回答。

私の英語力の問題で通じてないのか、彼が興味ないのか。どなたか、私のこの思いをヴァルボナのクーカイ村の人にお伝えください……。

「アルバニア人は地名を名前に付けることが多いんだよ。たとえば、男はアルバン、女はアルバーナ、これはアルバニア由来の名前。そして、ベラト、ブローラ、ヴァルボナ(すべて有名な観光地の地名)もよくある名前。地名が名字になるケースも多くて、たとえばさっきのクーカイ村出身の人はクーカイという名字が多い」とミュアヤンくんは付け足す。
「それは日本も一緒だよ。地名が名字になっているケースは多い。でも下の名前に地名を付けるケースは少ないかな」と私は返す。千葉という苗字の人は珍しくないけど、下の名前に千葉は珍しい。

そんな話をしながら到着したクーカイ村がこちら。

Kukai village

……えーと、家が一軒しかないけど本当に村?  という感想しかない。日本とは村の概念がずいぶん違うようだ。

何はともあれ、このクーカイを超えると、山の中には文字通り人っ子ひとりいなくなる。もちろん公衆トイレも、売店も、休憩所も見晴台もない。ちなみに往復3時間ほどのトレッキング中、一人のハイカーともすれ違わなかった。こういうところが「欧州最後の秘境」と呼ばれるゆえんかもしれない。

この日の気温は13度くらいだったけど、半袖半ズボンで登山に挑むミュアヤンくん。若い。力が有り余っているのか、軽装で軽快にスタスタと山を登っていく。登山経験がたぶん5回ぐらいの私は、息切れしながらついていくのが必死。ぜいぜい言う自分の息が見苦しい。

ときおり、私がついてきていないことに気づいて手を振ってくれる若者。こっちは初心者なんだぞ……。す、少しは休ませて……。

とブツブツいうと、立ち止まってくれて、ガイドらしい解説もしてくれた。この木に描かれている白と赤のマークは、「ここが正しいコースだよ」という意味らしい(これは世界共通とも)。道に迷ったかも?と不安になったらこのマークを頼りにするといいんだって、知らんけど。

この日は日本では令和元年の初日となった5月1日。ヴァルボナ渓谷は春を迎え、まさに花盛りだった。
花の写真を撮る口実で休憩しまくっていたら、ミュアヤンくんが「あんまり休むと足に悪いよ」と言い、またスタスタと歩き出す。そ、そうなの?

写真はほとんどミュアヤンくんの後ろ姿である。ついていくのが必死だった記録と言えよう。

ご覧のようにコースのほとんどは、大した傾斜もないので初心者向きというウリ文句に間違いないんだけど、普段から山歩きなどしていない私の心肺機能ではそれなりにこたえる。

「日本から羊羹持ってきたけど、ジャパニーズスイーツに興味ある?」「大変、GoProでムービーも撮らなくちゃ」などと、あらゆる言い訳を駆使して休んではミュアヤンくんの足を止める。

しかし、今日のトレッキングツアーがガイドと二人きりで本当に良かった、と途中胸を撫で下ろした。本来は複数人仕様のパッケージツアーなんだけど、人件費が安いアルバニアでは、一人でも申し込みがあればツアーを催行してくれちゃったりする。
おかげでマンツーマントレッキングが実現したので、それなりにマイペースを保って登山できたのだ。

これがガチアウトドア派のアメリカ人学生たち等と一緒だったら、団体行動に支障をきたしていたか、必死についていこうとして足がもつれて転倒するかしていただろう。登山がらみのツアーに入るときは、自分のレベルをチェックしてから参加がマストだな、という教訓を得た。

写真はほとんどミュアヤンくんの後ろ姿である。ついていくのが必死だった記録と言えよう。

私は日本で登山なんて数えるほどしかやったことがないけれど、眺めやコースそのもののクオリティでいえば、日本にも同じように美しい場所はたくさんあるのかもしれない。が、360度どこに目をやっても、人っ子一人いないという静かな登山風景は珍しいようにも思う。

季節がよく、アクセスもよく、難易度も手軽な山なのにツーリスティック過ぎない、というのが、あるいはアルバニアにおけるトレッキングの魅力の一つなのではないかと思った。絶景を独り占めできる喜びとでも言うのだろうか。どんなに素晴らしい場所でも人の数で印象は変わってしまうものだ。

あとで聞いたら、山岳地帯の住人とはいえアルバニア人やコソボ人にはまだあまり「登山」というカルチャーが浸透していないのだとか。「すぐ近くに山はあるけど基本的に住人はあまり登らない。登っているのはツーリストだけ」なんだそう。

そう考えると日本人はけっこうな登山好きなのかもしれない。同じように山だらけの国に住んでいても、文化が違うのだ。

トレッキングを始めて1時間半くらい経っただろうか。高低差でいうと900mくらい登った地点に、何やら人気を感じる建物を発見。

山羊飼いとかが使う施設らしい。今の季節は当然ながら誰もいないし山羊もいない。でも何かあったら避難場所にできそうだ。ちなみにここあたりの通信環境は完全に圏外。助け、どうやって呼ぶのかしら…。

建物の上を見上げれば、うっすらと雪が残るはだかの山肌がずっと続いている。

半ズボンの若者が、ヘイヘイーこっちだよー、と叫んでいる。彼の背後に広がる風景を見ると、この先頑張って登ってもそれほど目にする風景も変わらないのでは……と正直思ってしまう私。そしてついに意を決して大声で叫んだのだ。

「もう帰りたいー!」

ミュアヤンくんは私のギブアップの叫びを聞くと、スタスタと降りてきて、「予定より30分くらい早いけど、ま、いいか。よし戻ろう」と賛同してくれた。助かった…!

我々はくるりとUターンをして下山を始める。

下りは心臓への負担は減るが、膝や股関節へのダメージは強まる。膝が笑ってしまって気を抜くと転げ落ちそうである。ちょ、半ズボンくん……待って……。

などと弱音を吐きながらも無事下山。往復3時間くらいのトレッキングコース、やり遂げました!!

山を下りると水量の少ない河原に出る。橋がわりに架けられた板を使って乗り越えていく。

山を降りてようやく第一村人発見!  かと思ったが英語を話していたのでツーリスト。イギリス人か、アメリカ人か。

何やら愚痴が多すぎたきらいもあるが、人っ子ひとりいない、家も村も何もない、手付かずの自然を満喫できて本当に素晴らしい体験になったし本当に行ってよかった。

宿に戻ってすぐランチタイム。

この日のメニューはバタータイスといろいろ野菜のソテー添え、さっぱりとした山羊のチーズ入りのサラダ。この宿の料理は初日の夜を除けば、基本的にベジタリアンのようだった。でもこれがすごく美味しい。バターライスのバターの香りの素晴らしかったこと。なんでも、すべて自家製の素材を使うことにこだわっているようだ。

ゲストハウスのドアに掲げられていた「地元の食材しか使ってません」マーク。

半ズボン男子はちょっと目を話したすきにランチを完食していた。飲んだのか!?  的な早食いである。こういうところは日本の体育会系男子と一緒でほほえましい。
個人的にヨーロッパで男子が食事をがっついているシーンを見たことがなかったので(会話を楽しみながらカチャカチャ、みたいな人しかいないエリアだと思っていた)、地味に感動したひとこま。

私は正直もう一歩も動けないレベルに疲れ果てていたのだが、ミュアヤンくんは近所のコンビニ帰りくらいの元気さである。若いってすごい。そして一息つくと、彼はこんな提案を持ちかけてきたのだ。

「午後がまるきり空いちゃったから、サイクリングでもする?」

ということで、ライフはゼロなはずの私が老体に鞭打ってヴァルボナでサイクリングしてみた日記に続きます……。

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