アルバニアに関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/アルバニア 少し違う旅のアイデア Wed, 21 May 2025 20:42:00 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9 https://tripplanner.jp/wp-content/uploads/2021/01/cropped-favicon-32x32.png アルバニアに関する旅行の現地取材記事まとめ - トリッププランナー https://tripplanner.jp/topics/tag/アルバニア 32 32 アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。 https://tripplanner.jp/topics/2379 Mon, 29 Jul 2019 06:18:58 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2379 観光スポットなんてあるの? という印象のアルバニアの首都ティラナ。確かに華やかな観光スポットはないけれど、誰で…

The post アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
観光スポットなんてあるの? という印象のアルバニアの首都ティラナ。確かに華やかな観光スポットはないけれど、誰でも参加できる無料のガイドツアーから見えてくる景色もありまして……。

これまでハイキングだ雑貨ハンティングだと、楽しくて一点のくもりもない旅行体験記を書き散らかしてきたわけだが、首都ティラナで過ごす1日には、やや影がある。

もちろん、人々が優しくてオープンマインドなのは変わりないし、街歩きも楽しいのだけれど、首都には共産主義時代の傷跡がそこかしこに残されており、国の人々はそれを「反省すべき定点」として冷めた目で見ているように感じる機会が多いからだ。

そんな憂いを帯びた首都のなりたちをさくっと知りたいなら、おすすめなのが毎日オペラハウス前から午前10時、午後6時スタートしている無料のウォーキングツアー

この日のガイドは、ティラナ大学で歴史を学んだというアルバンさん(仮名)。とても流暢な英語を話す。

オペラハウスがあるスカンデルベク広場は、国立歴史博物館などもあるティラナの中心地。

ここに残されている1789年築の「ジャーミア・エトヘム・ベウト」は、共産主義時代に無神国家を目指した政府によって一度閉鎖され、その後1991年に宗教の自由を求める国民のデモによって復活した記念碑的なモスク。そう、参加者たちはまず最初に「無神論」という極端なアルバニアの歴史の1ページに触れるのだ。

この無神論に限らず、アルバニアの近代史をちらりと読むとしばしば、風変わりなエピソードに出合う。作家の清水義範さんも『夫婦で行くバルカンの国々』(集英社文庫)の中でアルバニアのことを「なんだか変な国」だの「面白い国」だのと度々語っているが、たとえてみればクラスに一人はいる変わった子という印象の国なのだ(というとかわいいが、国民はたまったものではないのかもしれない)。

「共産主義時代、私たちはいつも友達を探していました」とアルバンさんは言う。
「最初はユーゴスラビア、その後はソ連。彼らとうまくいかなくなると今度は中国に声をかけました。でも、あの国はとても遠いし、新たな友情もうまくいきませんでした。そして最後には、私達は鎖国することになったのです」。
誰も友達になってくれないなら一人でいい! クラスで一度は浮いた存在になったことのある人なら、ちょっと胸がつまるような歴史ではないだろうか。

この鎖国政策のせいで、アルバニアは「ヨーロッパの北朝鮮」などと呼ばれたりすることもある。

 

 

かつての友人、ソ連の独裁者たちの銅像は、いまやナショナルアートギャラリーの裏にうち捨てられている。

レーニン、スターリンに並んで、破壊され上半身だけ残されているのは共産主義時代のアルバニアの独裁者、エンヴェル・ホッジャ。「これらはもう私達にとって重要ではない」と何度も反芻できるように、わざと残しているのではないかと思うぐらい、ぞんざいな扱いである。

同様に、見る人をぎょっとさせるのが、街の中心地にある旧エンヴェル・ホッジャ博物館だ。落書きだらけの壁、割れたガラス、廃墟にしかみえない巨大な建物が、壊されることなく放置されている。

1985年、ホッジャが亡くなると、後任のラミズ・アリアは、ホジャのモニュメントを作ろうと発案。こうして、娘のベラ・ホジャがピラミッドのようなユニークな建築を設計、これが今やティラナのB級スポットとなっている。

「かつてここを訪れたアルバニアの人々は泣いたものでした。けれども今や、泣く人はいません」とガイドのアルバンさんはいう。

「一度は壊してアパートメントを建てようという話も出ていました。けれど、この建物を”醜い”という人たちと、”面白い”という人たちで議論した結果、”面白い”が優勢となり、壊されずに再利用されることになったのです」。
今後は、内部は若い人たちがテクノロジーを学ぶためのエディケーションセンターに、外は誰でも登れる階段のある公共スペースとして利用するのだとか。

ティラナのマザーテレサスクエアの近くにある公園でも、こうした共産主義時代の「負の遺産」が、忘れ去られないようにオブジェ化して残されている。丸いコンクリートの塊、アルバニア名物の「トーチカ」だ。

かつて外国が攻めてきたときに備え、国民の三人に一基の割合で作られたシェルターで、国内に50万〜100万基とも言われるほど膨大に残っている。あまりにも頑丈すぎて壊せないのだそうだ。

「これはアルバニアのパラノイアの歴史なのです」とアルバンさんは言う。

このトーチカは私には不安神経症の発作の名残のようにも感じてしまう。古代より、ローマ、ギリシャ、オスマン・トルコ、近代では隣国イタリアなど、常に巨大な隣人に脅かされ続けてきたアルバニア。

恐怖の連続だった歴史がもたらしたパラノイアを、単純に「変わってる」と笑い飛ばすこともできない。日本の歴史にだって、そういう不安神経症やパラノイアはいくらでも見いだせるからだ。

「ユニークなことにティラナのメインストリートにはジョージ・W・ブッシュという名前がつけられています」と街角で足を止め、アルバンさんは解説する。

メイン通りにアメリカ大統領の名前がつけられている。

「2007年、NATO加入が決まったアルバニアをブッシュ大統領が訪問しました。彼はこの国を訪れた唯一の米大統領なんです。もしトランプが我が国を訪問したら、きっと新しいビルにはトランプタワーという名前がつけられるでしょう(笑)」

かつては家の中にコカコーラのボトルを飾る人もいたくらい、アルバニアは親米なのだという。理由はバルカン紛争時に、常にアルバニア側に立ってくれた国だから。

「こんなにアメリカ文化が好きなのに、アルバニアにはまだマクドナルドもスターバックスもありません。でもケンタッキーフライドチキンだけはあちこちにあって人気です。そして、皮肉なことに、ティラナのケンタッキーは、かつてホッジャの官邸として使われていた邸宅の道路を挟んだ向かい側にあるんですよ」とアルバンさんは笑う。

ケンタッキーフライドチキンの向かい側にある旧首相官邸。資本主義と共産主義が向かい合う、意味深い場所だ。

ウォーキングツアーで垣間見て来た近代史を踏まえると、新しい友だちを手放しで愛するアルバニアにやや不安を覚えたりもする。「そんなに手放しで誰かを信用して大丈夫?」と、実際に会ったアルバニアの人たちがいい人たちばかりだったために、その人を疑わない性格が心配になってしまうのだ。

ユーゴ、ソ連、中国と決裂し、鎖国状態になってからは、国中にシェルターを作りまくり、宗教を禁じるなど混乱を極めたホッジャ時代のアルバニア。彼の死後は安定するかと思えば、国内の大手金融会社が「ネズミ講」式に資金を集めた挙げ句、いわば国ごと破産のような形になり、一時は無政府状態に。ついにはヨーロッパ最貧国と呼ばれるまでの事態になったアルバニア。

ヴァルボナツアーをガイドしてくれた、いつも半ズボンの明るくて無邪気な青年も、ドライブ中にふと、「ねぇ、日本で暮らしていて幸せ?」と真顔で聞いてきたことがあった。「そうね、たぶん幸せだよ。あなたは?」とこたえると、「うーん、政治があまり良くないかもしれないな……」と答えた。

手付かずの美しい自然、明るくて親切なアルバニア人と接しているだけでは見えてこない、複雑な国民感情。

ティラナはけっして観光地ではないけれど、国はいとも簡単に変な国になってしまうこともある、という歴史に触れられる貴重な場所でもあった。自分はあまりにもノンポリすぎる、少しは危機感を持たないと……と意識も高まる約2時間のツアーなのだった。
※ガイドツアーは無料ですが、気に入ればチップをどうぞ。

<おまけ>アルバニアの首都ティラナ1日街歩きプラン

女の足でも十分回れるコンパクトなまちの観光名所をご案内。

1.国立歴史博物館 / Muzeu Historik Kombëtar

国立歴史博物館 / Muzeu Historik Kombëtar

ティラナにある、古代から現代までのアルバニアの歴史が俯瞰できる博物館。ティラナの鉄板観光名所のひとつ。ローマ、ギリシャ、オスマン・トルコなど時代により支配者が変わる複雑な歴史を学ぶことができます。地味ですがミュージアムショップもあり、アルバニアのハンドメイド品などが並んでいるので、手仕事に興味がある人は覗いてみるといいかも。ショップへは入場料なしで入れます。⇒ 地図

2.House of Leaves


個人的に、アルバニアの首都ティラナでいちばん行くべきと思った博物館。共産主義時代のアルバニアの秘密警察(シグリミ)の本部だった建物を使った、盗聴、盗撮、諜報、監視に関するあらゆるものが展示されているミュージアムで、ディスプレイとキュレーションの巧みさから、現代アートを見ているような感覚にもなる不思議な空間です。
個人の自由、プライバシーの大切さについて深く考えさせられるとともに、この監視は今もなお続いているのだと気付かされて、ちょっと背筋が寒くなります。⇒ 地図

3.エンヴェル・ホッジャ博物館


ティラナにある通称ピラミッドと呼ばれるミュージアム跡地。アルバニア共産主義国家時代の独裁者として、鎖国や国内にトーチカというシェルターを70万ほども作るなど国をやや風変わりな方向にリードしたエンヴェル・ホッジャの名を冠していますが現在は閉鎖中で、まちの一等地にあるのに完全に廃墟(!)。

あの時代が今となっては市民に全くリスペクトされていないのをアピールするかのように放置されていますが、いくつかの議論を経て、壊さずに違う用途にリニューアルされるそうです。⇒ 地図

4. Postbllok – Checkpoint


ティラナのマザーテレサスクエアの近くにある公園。アルバニアの負の遺産といわれるトーチカがオブジェのように残されていて中に入ることができたり、共産党時代の孤立を忘れないために、とドイツから寄贈された本物のベルリンの壁の一部が飾られていたりします。
混乱した歴史を経て立ち上がろうとするアルバニアの意志を感じる公園。ちなみにこの公園の裏手(市庁舎方面)は、ティラナきってのクールなエリアらしく、夜はナイトクラブやバーが若者で大変盛り上がるとか。地価も一番高いんだそうです。⇒ 地図

5. Pazari i Ri

ティラナにある果物や乾物、ハンドクラフト品、はちみつなどが並ぶ市場。

ここでははちみつも買ったのだけど、すごく良い香りのする逸品だった。2つ買うとちょっとおまけしてくれて、大きな瓶ふたつで1000円くらい。

その周りにはカフェやレストランもいっぱい。ここで売っているドライフルーツのクォリティは、日本に帰ってきてから信じられないレベルだったと気付かされるので、ぜひおみやげに買うのをおすすめします! ⇒ 地図

日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。 https://tripplanner.jp/topics/2277 Sat, 29 Jun 2019 03:35:33 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2277 「ヨーロッパ最後の秘境」などと言われることもある南東欧のアルバニア。 主な観光資源は山や海などの大自然と史跡で…

The post アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
「ヨーロッパ最後の秘境」などと言われることもある南東欧のアルバニア。
主な観光資源は山や海などの大自然と史跡ですが、唯一のお買い物好き女子におすすめのスポットと言えるのは、首都ティラナから日帰りで行ける山城のある「クルヤ」。
ハンドメイドの逸品がリーズナブルに買えるオールドバザールは石畳の小径もフォトジェニック。史跡や絶景も楽しめるよくばりな場所なんです。

アルバニアの首都ティラナからクルヤへは安いバスも出ているけれど、バス停はまちの外れだし、時間通りに来るかも謎だったし、サイトにも「時間が変更する可能性あり」みたいな注意書きがあったので、思い切って送迎&ガイド付きの1日90ユーロの日帰りツアーに申し込むことにした。

もうバックパッカーじゃないし、わずかな日程で来ている失敗が許されない働きマンなのでここはお金で解決だ。

90ユーロと言うと物価が日本の3分の1以下くらいのアルバニアでは結構な値段なので、最小催行人数もなく、前日にホテルのフロントを通して予約したら即決となった。

要は客は私ひとり、完全プライベートツアーである。今回の旅でもうひとつ3日間のヴァルボナ渓谷ツアーにも申し込んでいたのだけれど、それも申し込み人数1人でも実施になったので(とはいえ目的地付近で別のツアーに混ぜられたので完全プライベートツアーではなかったけれど)、一人旅にはなかなか使い勝手の良い国である。

最初に写真を見せてしまうと、本日の旅の目的地はこんな場所。

石畳の小径に刺繍、レース、編み物、織物、木工細工、カゴ、アンティーク♡

手仕事好きの女子ならこの風景を見ただけで「行きたい!」と思ってしまうはず。実は私も、UKOARAちゃんの記事「悶絶級にかわいい「クルヤ」のオールドバザール」を見て、胸熱になったクチ。アルバニアに行くならマストゴーと思っていた場所でした。

■ティラナからクルヤまでの道のり

ティラナのホテルまで送迎に来てくれたツアー会社のドライバー兼ガイドは30代くらいの男性で(ここからは便宜上ベラトさんと呼ぶ)、ホテルのレセプションとしてヨーロッパ各地で働いていたというキャリアの持ち主。観光業界歴が長いだけあって物識りだし親切。質問するとたいていのことには答えてくれる。

たとえば、アルバニア到着後、空港からティラナ中心地へ向かう途中に見かけた衝撃的な風景。

あきらかに爆撃を受けたような一角で、「何かの紛争で被害を受けたのだろうか。やはりここはバルカン……」としんみりしていたのだが、クルヤへのワンデートリップの途中、ふたたび前を通ったので、ベラトさんに破壊の理由を尋ねてみると、

「あー、これは高速道路を作るために拡張工事をしていて、周辺の建物を壊してるんですよ」とのこと。何だよ!!

まだ人が暮らしているような状態で爆破しちゃうのもびっくりだが、瓦礫の中で普通に暮らしているアルバニア人もたくましい。

道すがら、ベラトさんはアルバニアについて教えてくれた。

「アルバニアの産業の第一位は農業ですが、第二位は観光産業。日本では観光地として人気がないみたいだけど、物価が安くて海や山などリゾート地も多いのでヨーロッパの人々、特にドイツ人とイギリス人に人気なんです。夏のビーチなんかすごい人ですよ。貧しい国とはいえ、もう10年ぐらい経済成長も続けています」

そして、途中通過したフシュ・クルヤという町では、こんなコネタをくすくす笑いながら教えてくれた。

「2007年に欧州を歴訪していたアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領がこの町に立ち寄ったんです。ここはティラナ空港から近いですから。ブッシュ=フシュという名前の近さもあってか、この町の人々は大歓迎。その後、ジョージ・W・ブッシュの銅像まで作ってしまったんですよ。さらにジョージ・W・ブッシュという名前のベーカリーやカフェもあります」

なにそれ面白い!というと、わざわざ銅像の前で車を止めてくれたので一回来ただけの大統領の勇姿をパシャリ。

フシュ・クルヤにあるブッシュ像。オバマ政権誕生時に小浜市が盛り上がった国から来たので笑えないです…。
ジョージ・W・ブッシュという名のパン屋さん。

あとで知ったのだが、首都ティラナにある通りの名前にもジョージ・W・ブッシュの名がつけられていた。とにかくアルバニアは大の親米なのだ。

■クルヤに到着!

共産政権時代に作られた安普請のコンクリートビルが多いティラナからくると、ぐっと風情があるクルヤの町。それもそのはず、ここはティラナよりずっと長い歴史がある国の英雄スカンデルベグゆかりの地。今も中世の城壁が残るアルバニアが誇る観光名所だ。

このスカンデルベグ、アルバニアを旅するなら絶対知っておいたほうがいい超重要人物なのでここでざっくりとプロフィールを紹介しよう。何しろあちこちに銅像があり、お札にもなっており、国旗に描かれた双頭の鷲もこのスカンデルベグの家紋が由来である。

15世紀から20世紀初頭までオスマン帝国の支配下にあったアルバニア。紀元前はローマ帝国、その後はビザンチン帝国、かと思えばオスマン帝国と、常に近隣の大国に占領され従属を強いられてきたアルバニア史の中で、一瞬の奇跡のような輝かしい時代を築いたのがスカンデルベグだ。

1405年、アルバニア中部の領主の子として生まれたスカンデルベグ(本名 ジェルジ・カストリオティ)は、子どものころ人質としてイスタンブールへ送られ、彼の地で軍事教育を受ける。
その勇猛さから帝国内で頭角を表し、ついにはオスマン軍の司令官としてアルバニアに赴任。オスマン帝国は、わりと実力主義で植民地の国の出身者も出世できたりしたのだ。

1443年、彼はこのクルヤの土地で突如オスマン軍に反旗を翻しトルコのスルタンに勝利、その後、約25年間、アルバニアの独立を勝ち取ったのである。

幼少期から今川義元の人質として育てられ、桶狭間のあと故郷の岡崎城に入るや今川から独立を企てた徳川家康を思わせるエピソードだ。

クルヤの城壁内にあるスカンデルベグの博物館にて。中央にいる強そうな人がスカンデルベグ。

アルバニア最大の英雄がレジスタンスの拠点とした栄光の土地クルヤに来たならば、まずは城壁の中に足を踏み入れてみよう。

城内にある観光資源のひとつが、スカンデルベグに関する資料を展示しているミュージアム。

展示品に興味がない人でも楽しめる、絶景のバルコニーもあるので、ぜひ足を踏み入れてほしい。

博物館前に残る石垣は5〜6世紀くらいのものだとか。そのほか、トルコ風浴場ハマムや民族博物館などもある。

城内を見学したあとはお楽しみの手仕事のお店が連なるオールドバザールでお買い物をするか、

オールドバザールに隣接する4つ星ホテル内の絶景レストランでランチを楽しむのもいい。
高級ホテル然としているけど、パスタが500円くらいというアルバニア価格のリーズナブルなレストランです。

なお、オールドバザールでのお買い物について詳しく言及すると長くなるので、次回お届けするとして、今回はさらにディープなクルヤ観光をご紹介したい。

100円のバスで来なくてよかった!とつくづく思ったのは、山頂のディープな史跡にまで車で連れていってもらえたこと。ふつうバスで来たらクルヤ城址とオールドバザール見物でジ・エンドなのだけど、実はこのスピリチュアルな山には知る人ぞ知る名所があるのだ。

■クルヤ山頂にある絶叫スポット、神秘主義教団の聖地。

クルヤ城から先は、切り立った岩山沿いの曲がりくねった道を行く。

道路沿いには山羊の姿も。そういえばスカンデルベグの兜には山羊の頭部が付いていた。

約20分も走ると、駐車場もある山頂に到着する。車を降りればそこは……

絶景!!

というか、晴れた日にはアドリア海まで見渡せる絶壁。高所恐怖症の人は正直無理な感じの眺めです。

「ここにはベクタシュ教団の聖地とされている洞窟があるんです」とベラトさんは言うと、足がすくむほど急な階段をすたすたと降りていく。

ベクタシュ教団について詳しくはWikipediaをご覧いたただきたいが、簡単に言うとアルバニアやバルカン半島、トルコなどで支持されたイスラム教の神秘主義哲学の教団。


洞窟の入り口。

「あの、私イスラム教徒じゃないけどこういう聖地みたいなところに入ってもいいのかしら?」とベラトさんに聞くと、「全然問題ない。僕もクリスチャンだし。普通に家族の幸せとかお願いすればいいんです」とのこと。

そういえば、アルバニアは共産政権時代に宗教活動を禁止していたせいか、宗教に関しては寛容、というかゆるく、日本人と感覚が似ているのだという。データ上はイスラム教徒となっている人のうち7割以上はモスクに行かない、なんて語るガイドさんもいる。

洞窟へ入ると、ベラトさんは私にお願いごと用のろうそくを手渡してくれた。ありがたく頂戴し、火をつけ無病息災などを祈る。そういえば山頂の駐車場でベラトさんが道端で何か買っていたのだが、この洞窟でお願い事をするときに使うろうそくを買っていたのだった。お願いごとをするなら洞窟へ降りる前に購入をお忘れなく 。

なんとなくこの風景、既視感があるな……と思ったら、鎌倉の長谷寺の弁天窟にちょっと似ているのだった。「日本でも洞窟に入って、ろうそくに火をつけてお願いごとをするお寺があります。私達は近い文化を持っているのかもしれないですね!」とベラトさんに伝えると、なんだか嬉しそうだった。

<関連記事>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。 https://tripplanner.jp/topics/2338 Tue, 25 Jun 2019 17:41:44 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2338 そもそもアルバニアに行こうと思ったのは、ここに来たいからでした。登山体験はわずか数回という初心者が、人っ子一人…

The post 南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
そもそもアルバニアに行こうと思ったのは、ここに来たいからでした。登山体験はわずか数回という初心者が、人っ子一人いないディープ・アルバニアの山へ挑んだ記録をお届け。

「日本人が一番行かない国」なんて言われたり、そもそもどこにあるのか知らない人も多い、ヨーロッパの片隅にある小さな国アルバニア。

日本での知名度は低いけれど、欧米の若者に大人気の旅先になっている理由は、その手付かずの自然のクオリティと、アジア以下といっていい物価の安さ。ヨーロッパの若者にとって「安くて近くて絶景」の国なので、人気が出るのも当たり前なのだ。

今回私が挑んだのは、「アルバニア・アルプスの宝石」と呼ばれているヴァルボナバレー(Valbonë Valley National Park )でのトレッキング。

本当はTheth(テス)という山の反対側にある村に行きたかったのだけど、私が旅した5月はじめはまだツアーがリリースされておらず今回は断念(5月中旬から売り出すらしい)。

Thethはヴァルボナから山越えしないとたどりつけない秘境的な村で、ヴァルボナからテスへ向かうハイキングコースは初夏から夏にかけて大人気。

距離は長いけれど、知人によれば「高尾山が登れるくらいのスキルがあれば大丈夫」らしい。ま、片道6時間はかかるらしいけれど。(参考URL)

私は一人旅なので山のガイド付きのパッケージツアーに参加。今日は大学生ガイドのミュアヤンくんと二人、ヴァルボナのMaja e Rosit (2,533 m)方面に向けてプチ登山に挑戦するのだ。

宿を出て、牛がうろつく道路脇をスタスタと登山口へ。ちょっと山の方に足を向ければ、もうコースが始まっている手軽さだ。

トレッキングコース入り口。舗装された道路からすっと入るともうこんな風景です。
馬がいてなかなかフォトジェニックな風景なども。

ご覧のように頂上付近は針金のように尖った岩山。あんなところ、さすがに登る人いないよねぇとミュアヤンくんに聞いたら「え、僕登ったよ」とのこと。彼はロッククライミングが大好きなのだそうだ。

「冬になるとあのあたりはすっぽり雪に包まれるんだけど、前にアメリカのCM制作会社がヘリで頂上に乗り付けて、そこからプロスキーヤーに雪山を滑らせてたこともあったよ。」とのこと。場所によってはほぼ崖みたいな角度なのでさぞかしすごいCMになったに違いない。

ヴァルボナ渓谷には、たぶん大昔の火山で吹っ飛んできたのであろう巨石がごろごろしている。磐座(いわくら)信仰のある日本なら、しめ縄を巻いて拝んでしまいそうな立派な岩ばかり。
雪解け水が豊富なため、滝や湧き水が作った池などもそこかしこにあり、「巨石、滝、湧き水」と三拍子揃った、日本だったら何かしらの聖地になってもおかしくない土地だ。

そんなことを考えながら歩いているとガイドのミュアヤンくんが、「もう少し歩くと、この山では最後の村クーカイがあるよ」という。

クーカイ!?   巨石がごろごろしているスピっぽい風景の村の名前がクーカイだと?

「クーカイって日本で最も有名な僧の名前と一緒だよ! 日本人は巨石に神が宿ると信じているので、こんな場所にある村の名前がクーカイだなんて、不思議な縁を感じるわ!」と興奮気味にミュアヤンくんに伝えたが、「へえ」というそっけない回答。

私の英語力の問題で通じてないのか、彼が興味ないのか。どなたか、私のこの思いをヴァルボナのクーカイ村の人にお伝えください……。

「アルバニア人は地名を名前に付けることが多いんだよ。たとえば、男はアルバン、女はアルバーナ、これはアルバニア由来の名前。そして、ベラト、ブローラ、ヴァルボナ(すべて有名な観光地の地名)もよくある名前。地名が名字になるケースも多くて、たとえばさっきのクーカイ村出身の人はクーカイという名字が多い」とミュアヤンくんは付け足す。
「それは日本も一緒だよ。地名が名字になっているケースは多い。でも下の名前に地名を付けるケースは少ないかな」と私は返す。千葉という苗字の人は珍しくないけど、下の名前に千葉は珍しい。

そんな話をしながら到着したクーカイ村がこちら。

Kukai village

……えーと、家が一軒しかないけど本当に村?  という感想しかない。日本とは村の概念がずいぶん違うようだ。

何はともあれ、このクーカイを超えると、山の中には文字通り人っ子ひとりいなくなる。もちろん公衆トイレも、売店も、休憩所も見晴台もない。ちなみに往復3時間ほどのトレッキング中、一人のハイカーともすれ違わなかった。こういうところが「欧州最後の秘境」と呼ばれるゆえんかもしれない。

この日の気温は13度くらいだったけど、半袖半ズボンで登山に挑むミュアヤンくん。若い。力が有り余っているのか、軽装で軽快にスタスタと山を登っていく。登山経験がたぶん5回ぐらいの私は、息切れしながらついていくのが必死。ぜいぜい言う自分の息が見苦しい。

ときおり、私がついてきていないことに気づいて手を振ってくれる若者。こっちは初心者なんだぞ……。す、少しは休ませて……。

とブツブツいうと、立ち止まってくれて、ガイドらしい解説もしてくれた。この木に描かれている白と赤のマークは、「ここが正しいコースだよ」という意味らしい(これは世界共通とも)。道に迷ったかも?と不安になったらこのマークを頼りにするといいんだって、知らんけど。

この日は日本では令和元年の初日となった5月1日。ヴァルボナ渓谷は春を迎え、まさに花盛りだった。
花の写真を撮る口実で休憩しまくっていたら、ミュアヤンくんが「あんまり休むと足に悪いよ」と言い、またスタスタと歩き出す。そ、そうなの?

写真はほとんどミュアヤンくんの後ろ姿である。ついていくのが必死だった記録と言えよう。

ご覧のようにコースのほとんどは、大した傾斜もないので初心者向きというウリ文句に間違いないんだけど、普段から山歩きなどしていない私の心肺機能ではそれなりにこたえる。

「日本から羊羹持ってきたけど、ジャパニーズスイーツに興味ある?」「大変、GoProでムービーも撮らなくちゃ」などと、あらゆる言い訳を駆使して休んではミュアヤンくんの足を止める。

しかし、今日のトレッキングツアーがガイドと二人きりで本当に良かった、と途中胸を撫で下ろした。本来は複数人仕様のパッケージツアーなんだけど、人件費が安いアルバニアでは、一人でも申し込みがあればツアーを催行してくれちゃったりする。
おかげでマンツーマントレッキングが実現したので、それなりにマイペースを保って登山できたのだ。

これがガチアウトドア派のアメリカ人学生たち等と一緒だったら、団体行動に支障をきたしていたか、必死についていこうとして足がもつれて転倒するかしていただろう。登山がらみのツアーに入るときは、自分のレベルをチェックしてから参加がマストだな、という教訓を得た。

写真はほとんどミュアヤンくんの後ろ姿である。ついていくのが必死だった記録と言えよう。

私は日本で登山なんて数えるほどしかやったことがないけれど、眺めやコースそのもののクオリティでいえば、日本にも同じように美しい場所はたくさんあるのかもしれない。が、360度どこに目をやっても、人っ子一人いないという静かな登山風景は珍しいようにも思う。

季節がよく、アクセスもよく、難易度も手軽な山なのにツーリスティック過ぎない、というのが、あるいはアルバニアにおけるトレッキングの魅力の一つなのではないかと思った。絶景を独り占めできる喜びとでも言うのだろうか。どんなに素晴らしい場所でも人の数で印象は変わってしまうものだ。

あとで聞いたら、山岳地帯の住人とはいえアルバニア人やコソボ人にはまだあまり「登山」というカルチャーが浸透していないのだとか。「すぐ近くに山はあるけど基本的に住人はあまり登らない。登っているのはツーリストだけ」なんだそう。

そう考えると日本人はけっこうな登山好きなのかもしれない。同じように山だらけの国に住んでいても、文化が違うのだ。

トレッキングを始めて1時間半くらい経っただろうか。高低差でいうと900mくらい登った地点に、何やら人気を感じる建物を発見。

山羊飼いとかが使う施設らしい。今の季節は当然ながら誰もいないし山羊もいない。でも何かあったら避難場所にできそうだ。ちなみにここあたりの通信環境は完全に圏外。助け、どうやって呼ぶのかしら…。

建物の上を見上げれば、うっすらと雪が残るはだかの山肌がずっと続いている。

半ズボンの若者が、ヘイヘイーこっちだよー、と叫んでいる。彼の背後に広がる風景を見ると、この先頑張って登ってもそれほど目にする風景も変わらないのでは……と正直思ってしまう私。そしてついに意を決して大声で叫んだのだ。

「もう帰りたいー!」

ミュアヤンくんは私のギブアップの叫びを聞くと、スタスタと降りてきて、「予定より30分くらい早いけど、ま、いいか。よし戻ろう」と賛同してくれた。助かった…!

我々はくるりとUターンをして下山を始める。

下りは心臓への負担は減るが、膝や股関節へのダメージは強まる。膝が笑ってしまって気を抜くと転げ落ちそうである。ちょ、半ズボンくん……待って……。

などと弱音を吐きながらも無事下山。往復3時間くらいのトレッキングコース、やり遂げました!!

山を下りると水量の少ない河原に出る。橋がわりに架けられた板を使って乗り越えていく。

山を降りてようやく第一村人発見!  かと思ったが英語を話していたのでツーリスト。イギリス人か、アメリカ人か。

何やら愚痴が多すぎたきらいもあるが、人っ子ひとりいない、家も村も何もない、手付かずの自然を満喫できて本当に素晴らしい体験になったし本当に行ってよかった。

宿に戻ってすぐランチタイム。

この日のメニューはバタータイスといろいろ野菜のソテー添え、さっぱりとした山羊のチーズ入りのサラダ。この宿の料理は初日の夜を除けば、基本的にベジタリアンのようだった。でもこれがすごく美味しい。バターライスのバターの香りの素晴らしかったこと。なんでも、すべて自家製の素材を使うことにこだわっているようだ。

ゲストハウスのドアに掲げられていた「地元の食材しか使ってません」マーク。

半ズボン男子はちょっと目を話したすきにランチを完食していた。飲んだのか!?  的な早食いである。こういうところは日本の体育会系男子と一緒でほほえましい。
個人的にヨーロッパで男子が食事をがっついているシーンを見たことがなかったので(会話を楽しみながらカチャカチャ、みたいな人しかいないエリアだと思っていた)、地味に感動したひとこま。

私は正直もう一歩も動けないレベルに疲れ果てていたのだが、ミュアヤンくんは近所のコンビニ帰りくらいの元気さである。若いってすごい。そして一息つくと、彼はこんな提案を持ちかけてきたのだ。

「午後がまるきり空いちゃったから、サイクリングでもする?」

ということで、ライフはゼロなはずの私が老体に鞭打ってヴァルボナでサイクリングしてみた日記に続きます……。

<関連記事>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post 南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう! https://tripplanner.jp/topics/2360 Sun, 23 Jun 2019 20:12:23 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2360 アルバニア北部の絶景スポット、ヴァルボナ渓谷。登山はちょっとハードすぎるってな向きにはのんびり楽しめてそれなり…

The post アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう! appeared first on トリッププランナー.

]]>
アルバニア北部の絶景スポット、ヴァルボナ渓谷。登山はちょっとハードすぎるってな向きにはのんびり楽しめてそれなりの絶景もばっちり楽しめるサイクリングのご紹介。

アルバニアを旅していて良く思ったのは、「10年後はたぶん全然違う風景になっているのだろうな」ということ。
30年前までなんと鎖国していた(!)国なので観光地としてはまだ発展途上。いままさに工事中! という印象が強いのだ。

facebook経由で友人から聞いた噂を紹介すると、「イタリアでは、アルバニアは10年前のクロアチアみたいだと言われている」らしいこと。世界的な人気観光地と言っていいクロアチア(「魔女の宅急便」のような景色として日本でも人気のドゥブロヴニクなど)も、一昔前までは通好みの、ミステリアスな旅先のひとつだった。それが今やバルカン好きエンジニアの郡山さん(こちらの記事参照)もいうように「完全に西ヨーロッパな感じ」。

美しい山岳リゾートのヴァルボナも、こんなにのんびり静かなのも今のうちかもしれない。

それを証拠に道路沿いに目をやれば、建設中の建物が結構あったりする。


「あの眼の前に見える高い建物は、完成したらヴァルボナで一番の規模のホテルになるんだ」とガイドのミュアヤンくんは言う。今しか見られない風景、静かで美しい雰囲気を、悔いのないように味わい尽くさねば。

ということで、ガイドと一緒に登山のあとはサイクリングに挑戦です。

宿泊した宿にはギアつきの自転車が複数台あり、1日500円程度でレンタル可能(なんでも激安の国だけどレンタル代は普通ですな)。

午前中に登山を終えてもうほぼ体力が残っていない私も、舗装された道路を走るくらいならできそうなので老体にムチ打ってゴー!

ガイドのミュアヤンくんのミッションは午前中の登山で完了しているので、彼は午後、部屋でごろごろしていても何の問題もないのだが、私が退屈だろうと(そしておそらく彼も退屈なので)好意でサイクリングに連れ出してくれている。

なので彼はもう完全にお遊びモードである。「ねぇねぇ写真撮ってよ」と、友達か? のようなリラックスぶりである。しかも、セルフィー文化の強いヨーロッパの、セルフィー大好き世代なので、記念撮影も本気だ。

写真撮るよー、というとここまでやるのが欧米の若者か。

記念撮影はニコパチでいい国から来るとポージングが一歩先を行っている感じ。

「君も撮ってあげるよ!」と言われたので、普通ににっこりして待ってたら「ダメダメ!」とダメ出しされる。
「足を揃えて、センターラインのちょうど中央になるように立って」と注意され、さらに「何かポーズを」と要求された。

アルバニアといえばの定番ポーズ「双頭の鷲」で決めてようやくOKをもらった一枚。

宿から20分も走ると、ロードサイドに建物も見えなくなってくる。

単調な一本道に飽きてきたらしい若者は「せっかくオフロードバイクなのだからもっと面白い道を走ろう」と言い出す。「午前中に登山したので体力残ってないし、あんまりハードなところはちょっと……」と言いたかったが、せっかくオプション料金なしで遊んでくれているのだから……と思い直してOK。……もしかして遊んであげているのはこっちか?

とはいえ、未舗装というだけでそれほどハードな道ではない。時折大きめの石とかに引っかかるとヒヤッとはするけれど。

舗装された道路をそれて未舗装の道をちょっと走ると、わりと瀟洒な宿なんかがひょっこり現れる。どこの国でも、ロードサイドよりはやや奥まったエリアにある宿の方が素敵なものだ。

「さっきからホテルにアメリカ国旗が目立つけどどうして?」と尋ねると「アルバニアはアメリカが好きなんだよ」とのこたえ。本当に親米の国なのだ。

これ以上見るものがなくなると、今度は来た道を戻って反対側に行ってみよう、といいだすミュアヤン。我々は踵を返して宿のほうへ戻り始める。やや下り坂になっているせいか、来るときよりもずっと楽である。私もひゅーっと軽快に走る。

あえて言わなくてもいいかもしれないが、下り坂を行くということは帰りは登る、ということなのだが、このときはうっかり気づいていない。

途中、山羊の群れと山羊飼いに出合う。

やがて日も落ちてきて、空があわいピンク色に染まる。いやあ、本当にきれい……。

うっとり風景に見とれてる私をよそに、ミュアヤンくんはこっちにダムがあるよー、と叫ぶ。

舗装された道から15mくらいの場所で楽しめるコバルトブルーの水辺。昔旅した北海道の神の子池を思い出す神秘的な青。

このダムはとても自然な工法で作られていて環境を破壊しなくって……的なことを説明しはじめるミュアヤンくん。しかし私は体力の限界もあって集中力が極端に落ちているので込み入った英語をノーモア理解できず。細かいところはよく聞き取れなかったが、へえ、そうなんだ、ふうん的な相槌をうってごまかす。

ざっくりまとめると、こういう工法のダムが今度最新の、環境にあまりよくないダムに切り替えられるからヴァルボナの自然が心配だ、的なことを嘆いていた気もするけれど定かではない。

次に来たときはもうないかもしれない絶景。

しかし、本当に美しいところである。暮れなずむ谷の風景が美しすぎて胸が震える。
と同時に、膝も震えている。そう、体力の限界が来たのだ。これ以上とても自転車で走り回ることなどできないのだ。

「もう疲れたから宿に帰りたい」と率直に伝えると、ミュアヤンくん、ああ、そうだよね、帰ろうか? と応じてくれた。

それでは来た道を戻るのかと思うと、なぜかまた未舗装のほうへ走っていく半ズボン。

そうして迷い込んだ道の向こうには、岩山を背にした瀟洒な宿が見える。へぇ、太陽が落ちると岩山は淡い紫色に染まるのか……などという感動を味わう余裕も気力もない私。

これ以上凸凹の道を走る力は残ってなかったので、自転車を降りて手で押しながら半ズボン男子のあとをよろよろとついていく。

「大丈夫?」と聞かれたので、「大丈夫じゃない。疲れていてもう足に力が入らない。ところでこっちは近道なの?」と聞くと、「近道じゃないけど、こっちの道のほうが走っていて楽しいじゃん」とのこと。

「さっきから疲れたって言ってんじゃん!!」

と、初めてキレる日本人。半ズボンはやっと私の本気に気づいて「……sorry……」と小声であやまる。子どもか。

でもこういう、ノーマニュアルな感じの接客は実は嫌いではない。日本のサービス業は優秀過ぎて、教育されすぎていてスキがなく、ちょっとでもスキがあると文句をいう客も多く、ヘルシーではないとつねづね感じているからだ。ミュアヤンくんのようなフリースタイル接客はサービス過剰な国からくると率直で好ましく思えた。嘘がない感じでこちらもリラックスできる。

あらゆる意味で、発展途上なところが魅力でもあったヴァルボナ。10年後は、スイスみたいにたくさんのホテルやコテージができていたりすするんだろうな、という予感のする旅先だった。

<余談>

ヴァルボナの宿の朝ごはんでの気付き。こちらでは目玉焼きの卵は黄身を潰すらしい。焼けるのが早くて便利そうです。

<関連記事>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。

The post アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう! appeared first on トリッププランナー.

]]>
アルバニアのクルヤは手仕事の店が連なるクラフト好きの天国だった。 https://tripplanner.jp/topics/2300 Sun, 23 Jun 2019 12:07:31 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2300 アルバニアの首都ティラナからのワンデートリップ先として人気の歴史ある山間のまち、クルヤ。とにかく買い物が楽しい…

The post アルバニアのクルヤは手仕事の店が連なるクラフト好きの天国だった。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
アルバニアの首都ティラナからのワンデートリップ先として人気の歴史ある山間のまち、クルヤ。とにかく買い物が楽しいワールドバザールがおすすめすぎます。

歴史ある山城の城門の前にある、16世紀から続いているクルヤのオールドバザール。
風情ある石畳の小道沿いにずらりと並ぶ、刺繍、絨毯、手織物、民族衣装やアンティークのお店。売ってるものだけでなく、映画のセットみたいな風景にもうっとりです。



ガイドのベラトさんがまず連れて行ってくれたのは、アルバニアの民族衣装で、男性がかぶる白い帽子「ブリス」などを作る職人さんがいるお店。

アルバニアの民族衣装
ティラナで偶然会った民族衣装を着た観光PRのお二人。右側の男性がかぶっているのがブリス。

せっかくなので私もかぶらせてもらったのですが、ちょっと日本での活用方法が不明だったのでパスして、かわりに羊毛100%で昔ながらの作り方で作るルームシューズを見せてもらう。親切な職人さんが実際に羊毛をたたいてのばして、成形するところまでプレゼンしてくれた。

これがこうなるんだよー。
出来上がったルームシューズ類がこちら。デザインにもよるけれど、一足10ユーロくらいからあり。あったかそう!

とはいえ、まだまだいろいろ見たいからと言って店を出ると、ベラトさんは「まぁゆっくりお買い物を楽しんで。僕はホテルのカフェで待っているよ。買うときはぜひ値引き交渉してね。ものによっては2−3割下がるから!」と言って去っていく。

私のテンションから相当時間がかかると悟ったのであろう。世界中どこでも女の買い物に付き合いたい男は少ないのだ。


個人的に心ゆらいだのが、個性的な柄のラグ類。メキシコ風のものは日本でもよく見かけるけれど、アルバニアのデザインはちょっと独特でかっこいい。

 

悔やまれるのが、クルヤを訪れたのがアルバニア到着の翌日、つまり旅の序盤だったこと。残りの日程を考えるとあんまりでかい荷物を増やすのもなぁ……という気持ちが生じてしまい、大きめのラグを買うのを諦めてしまった。こんなの日本で絶対に手に入らないし、買えばよかったと枕を濡らす日々です……。

後日訪れた首都ティラナのかわいいカフェでは、タペストリーとして壁に飾っていた。こういう使い方もいいなー。

腰が引けてしまった私が実際に買ったのは、テーブルクロス的に使うという小さめのラグ2枚。

こちらのおばさまのお店で購入。大きさはこんな感じです。

これにアルバニアの伝統的な柄の手織りコットンのテーブルクロス(またはスカーフ)を買って、3つで3,000レク(約3,000円)。最初は4,000レクと言われたので、確かに2割以上下げてもらった計算になる。お買い物のあと、ベラトさんに値段を伝えると「それはなかなか良い買い物だ」と褒めてもらえた。
ちなみにクレジットカードはまず使えないので現金のご用意をお忘れなく。

ここからは余談になるが、その後6日間ぐらいアルバニアにいたけれど、ついに、このクルヤを超える物欲スポットに出会えず。かわいいものが買いたいならここがワンアンドオンリーだったのだと悟って、最終日のティラナで地団駄を踏んでいたら、なんと国立歴史博物館のミュージアムショップにプチ「クルヤ」的な空間を発見!


あああ、クルヤで買いそびれた、手織りコットンのストールや手編みのテーブルクロスなんかが売ってる! 値段は2倍だけどな!
ミュージアムショップの人によれば、これらはみなアルバニアが鎖国していた時代(30年以上前)に作られた完全なハンドメイドだそう。もう手に入らない技術も使われていて、ひとつ作るのに10日以上かかるものばかりだとか。細かな刺繍入りのアンティークの民族衣装もあり、100年以上前のものも1万5千円ぐらいだったりした。

本当にクルヤでもっと買っておけばよかったのだけど、後悔先に立たず。あきらめて2倍以上の価格で白いテーブルクロスなどを購入。それでもおそらく日本や西欧に比べれば半額以下かと思う(ストールが3,000円くらい、刺繍のテーブルクロスが1,500円くらいだった)。

私が買ったストール。空港でもっと品の悪い量産品が4,000円くらいで売っていたのでそれなりに満足。

ちなみにアルバニアのラグやテーブルクロスを使って真似したいインテリア事例がこちら。

私がアルバニアで一番良いと思ったミュージアムHouse of Leaves(秘密警察博物館!)の中にあった「典型的なアルバニア人」の部屋。私、いつかこういう、東欧のおばあちゃんちみたいな家で暮らすのが夢なんです……。

ということで、余談も挟んだクルヤのオールドバザールお買い物日記。

今は本当にびっくりするような値段で手仕事の品が買えるけど、たぶんもうすぐいいものはなくなっちゃうんだろうな、という気もする。

鎖国時代のデッドストックなんて有限だし。訪れるなら今!なクルヤ。アルバニアの首都ティラナに滞在するならマストゴーと推薦します!

<関連記事>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post アルバニアのクルヤは手仕事の店が連なるクラフト好きの天国だった。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫? https://tripplanner.jp/topics/2266 Sat, 22 Jun 2019 15:29:34 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2266 特に日本で情報収集が難しい不思議の国アルバニア、意外と快適だった旅の実態をレポートします。 ■事前情報が少なす…

The post ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫? appeared first on トリッププランナー.

]]>
特に日本で情報収集が難しい不思議の国アルバニア、意外と快適だった旅の実態をレポートします。

■事前情報が少なすぎるアルバニア、実態は?

アルバニアに行くと決めてから国内で手に入りやすいガイドブック(とはいえ『地球の歩き方 中欧』のごく一部に触れられているくらい)やウェブの情報をいろいろ漁ってみると、このバルカン半島の小さな国の概要はだいたいこんな具合になる。

・ギリシャの上、イタリアの海を挟んで向かい側にある四国の約1.5倍の広さの国
・国土の7割は山
・人口は約290万人
・バルカン半島の国だが旧ユーゴスラビアではない
・共産党の独裁者エンヴェル・ホッジャの政策により1990年ごろまで鎖国していた
・その時代に仮想敵国に怯え国内に50万とも100万とも言われるシェルター(トーチカ)が設置され今や負の遺産に
・共産党政権が崩壊後、国民の3分の1が「ねずみ講」のため全財産を失う事案が発生⇒ヨーロッパ最貧国に転落

まったく旅心がくすぐられない独特すぎる情報、ありがとうございます!(涙)

いまや廃墟化している「エンヴェル・ホッジャ博物館」。この不思議な風景もティラナの名物のひとつ。

おまけに独自通貨のレク(1レク=1円)は日本では両替できず、アルバニア国内では日本円の両替もできないから一旦ユーロに換えていく必要があるとか、国内の移動手段はミニバンみたいなバスしかないし時刻表情報も調べるのが難しいとか、旅の難易度が高そうな情報ばかりをネットで拾ったりする。

あまりにも独特な文化と歴史なので「ヨーロッパ最後の秘境」なんていうコピーで紹介されていたりもする「不思議な国」なのだ。

けれど結論から言えば、これら前情報は正直悪すぎ。愛用しているオンライン英会話でアルバニアの先生ばかりを指名して独自に聞き込み調査をしてみると、ふつうに安全で便利そうな国だったりする。

「今度ひとりでアルバニアを旅するつもりなんだけど、スマホを外で出しても大丈夫かな」と、あるとき私は英会話講師に聞いてみた。パリなどヨーロッパの大都市で「スマホを人前で出すとひったくられるから出さないように」みたいな張り紙を目にしていたからだ。特にiPhoneなど端末価格が高いスマホは要注意らしい。

その質問を受けて、首都ティラナに住んでいるという先生はポカーンとし、「え、なんで人前でスマホ出せないの?」と不思議そうに聞く。
「いやほら、ひったくりとかさ」
「えー、ないない! iPhone、Nexus、Galaxy、ピカピカの新品をみんな思い切り使っているよ!」
「じゃあさ、ティラナで夜、女ひとりで歩いても大丈夫かな」
「驚くかもしれないけど、ティラナでは夜8時過ぎたあたりから街が賑わい出すんだよ。子供連れの母親もそれぐらいの時間に集まってくるし、女ひとりで歩いている人も多いよ」

夜9時過ぎのティラナの街角。両親がディナーを楽しむ横で子供が走り回っていて「わ、本当に夜遅い街に子供がいる!」と驚きました。

まぁ私はチキンなので、そう言われても基本的に夜10時前には宿に戻るようにしていたが、少なくとも人通りの少ない暗い場所や公園など、日本だって危ないよ! というエリアを避けて常識的な時間帯に歩く分には全く問題ない印象だった。

■ 両替、通信、あらゆることがばっちりすぎた旅の真実。

両替だけは最後まで情報がはっきりしなかったものの、思い切ってユーロに換えないままアルバニアに入国。この国ではクレジットカードはあまり普及してないので(これは本当だった)、もしレクが入手できなかったら結構まずい。

ターキッシュ・エアラインズでイスタンブール乗り換えで入国。このほかアリタリア航空でローマ乗り換えもおすすめのルート。

でもそんな心配は空港で一気に解決してしまった。まずティラナ国際空港が小さいながらも結構近代的で、24時間OPENのATMがゴロゴロあるのだ。

国際クレジットカードか海外でも使えるVisaデビット付キャッシュカードがあれば、ATMでさくっとレクがおろせてしまう。両替が不安な人はぜひこの2つを用意していきましょう。もちろん空港だけでなくティラナなど都市部ならあちこちにあります。

そして、ネット環境も空港内でさくっとゲット。
レンタルWifiもいいけれど、私は荷物が増えるのが嫌いなので基本的に海外旅行では現地SIM派。SIMフリースマホをお持ちで、旅先でもネットを使いたいなら、迷わず空港内のVodafoneへ向かいましょう。

ここでSIMを買うと端末にセットしてテスト、開通までスタッフがやってくれて安心。私は電話番号付き10ギガのSIMを1300円くらいで購入。
まだまだWifi環境が整ってないだろうと思い多めのギガにしたのですが、結論として8日間の旅で2ギガしか使わず。ホテルやカフェ、レストランで普通にWifiが使えたので、田舎に行く人以外はこんなにギガいらないかも。

Wifiだけで乗り切ろうという猛者は、日本でアルバニアのGoogleMapとアルバニア語⇔日本語のGoogle翻訳のデータをスマホにダウンロードしていくと便利です。

旅行業に携わっている人や若者はたいてい英語が話せるし、なんか思ってたより快適なんですけど、ここ、本当にヨーロッパ最後の秘境なの……!?

■ 時間もきっちり。トラブルもなく。

これまでヨーロッパは13カ国ぐらい旅してきたけれど、南側に来るのはアルバニアがはじめてだったので、「きっと温かい地方の人は時間にルーズに違いない」「ヨーロッパ最貧国の一つなんだからホテルのお湯が出ないくらいは覚悟しよう」などと、偏見まるだしで思い込んでいたけれど、結論から言うとこれらのトラブルも個人的には全く体験しなかった。

ちなみにアルバニアは別に温かい気候でもなく冬はふつうに山間部では雪も降るし、全体的に日本に近いです。

ティラナで滞在先に選んだ3つ星ホテルは、人気の市場やレストラン街に近く一泊3千円程度だけど普通にお湯も出るしトイレも流れるし(当たり前か)冷蔵庫にフリーWifiまでついて設備も十分。朝はコンチネンタルブレックファーストもついている。
山奥の秘境、ヴァルボナ渓谷のバンガローはWifiはないものの(というか通信回線事態が弱い)、お湯もトイレもトラブル無し。

宿泊したJolly Hotel. 実はティラナ在住のオンライン英会話の先生におすすめされたホテル。立地もホスピタリティーも素晴らしかった。

このホテルで2度ほどツアー会社のピックアップや、タクシーの迎車を体験したけれど、すべて送迎時間きっかりに迎えにきてびっくり。いや、びっくりするのも失礼なんだけど、イタリアとかギリシャに近いからもう少しラテン系の、ゆるい文化だと思いこんでいたのよねぇ……。本当に疑ってごめんなさい!

と、いうことで覚悟していたより全然都会だし普通に快適だったアルバニアの旅。

ひとつだけこれはちょっと危険、と思ったのはドライブマナーだろうか。
公共交通機関があまり発達していないので、もしかしたらレンタカーするかも? と思い一応国際運転免許証も持参で行ったけど、タクシーに乗った時点で私レベルのスキルではあの国では運転は無理…! と実感。スピードは出すし、がんがん煽るし、急な車線変更もあたりまえ。驚いたのはみんな100km以上出しているような高速道路にも突然人が飛び出してきたり、何ならたまに牛まで飛び出してきたこと。

首都ティラナ近郊では、交通事故で亡くなった人に捧げられた花、下手したら500mおきにあるのでは……という区間もあり、さすがにうわぁ…と思いました。タクシー運転手さんも「若い子たちが本当に制限速度守らないんだよ。信じられないよ。取り締まって欲しいよ」と嘆いていました。

ということで、街歩きは安心だけど車の運転はちょっと注意してほしいアルバニアから旅の準備編をお届けしました。

<関連記事>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫? appeared first on トリッププランナー.

]]>
まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…! https://tripplanner.jp/topics/2323 Sat, 22 Jun 2019 13:33:57 +0000 https://jp.tripplanner.jp/?p=2323 手付かずの自然が残り、「ヨーロッパ最後の秘境」と呼ばれることもあるアルバニア。今回は人気のアルバニア・アルプス…

The post まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…! appeared first on トリッププランナー.

]]>
手付かずの自然が残り、「ヨーロッパ最後の秘境」と呼ばれることもあるアルバニア。今回は人気のアルバニア・アルプスに向かう、絶景のフェリー航路をご紹介します。

今回のアルバニアの旅の最大の目的地は、北部の山岳リゾート、ヴァルボナ(Valbona Valley バルボナとも)だった私。これまでのヨーロッパ旅行は一人旅が多いということもあってどうしても都市部中心になっていたので、秘境のような場所で心癒されたかったのだ。疲れているのかもしれない。

ヴァルボナ
ヴァルボナはこんな場所。控えめに言っても絶景…!

2,000m級の山々が連なるアルバニア・アルプスにあるヴァルボナは、最近欧米のハイカー、トレッカーに大人気の8,000ヘクタールの広さを誇る国立公園(Valbonë Valley National Park)。

アルバニアの首都ティラナから行くには、コソボを経由して陸路で行くか、あるいは急峻な山々の間を縫うように行くフェリーを使って向かうのが一般的。

一人旅の私は自力でここへ向かうのは早々に諦め、ティラナからの送迎や宿、食事がついて382ドルというリーズナブルなパッケージツアーに参加。人件費が安いせいか「最少催行人数」とかないらしいアルバニアでは一人で申し込んでもあっさり催行が決定したりする。

行きは「明日ヴァルボナからコソボへ向かう一人旅女性」と一緒に、現地では「違う場所からヴァルボナに来たツアー客ら」と合流、二日後は、コソボからティラナに戻る団体客に混ぜられる、と会社としてなんとか赤字を出すまいとしているらしい編成を組まれはしたけれど、まぁ安いし色んな国の人と出会えそうでこちらはウェルカムだ。

早朝5時にティラナの宿にさっそうと4WDでピックアップに来てくれたのは、ティラナ大学でコンピュータサイエンスを学んでいるという大学生のミュアヤンくん。山登りとロッククライミングと、GoProとDJIのドローンが大好きな現代っ子。ちなみにティラナ大学はアルバニア最高学府の国立大学なのでたぶん賢い。

ティラナからしばらくは普通に舗装された道路だったが、アルバニア・アルプスに近づいてくると、結構なオフロードになってくる。
ガードレールのない道なのに崖みたいになっている箇所があったりして若干怖い。レンタカーで自力で行こうという猛者は注意されたい。

犬が道路で遊んでいたりもするので注意。

猛スピードで無茶な運転をするのがデフォルトと噂のアルバニア人だけど、さすがにこんな悪路だとミュアヤンくんもかなりのノロノロ運転である。「気をつけてね」と声をかけると、「実は4WD運転するの今日が初めてなんだよね、ははは」と苦笑い。え? そ、そうなの!?

正直な告白にちょっぴり肝を冷やしている間、なり続ける青年のスマホ。「出なくていいの?」と聞くと、ミュアヤンくんはちらりと着信画面に目をやり、「家族からだよ。心配で何度も電話してくるんだ」とはにかんでいる。
そういえば、彼はまだ子どもなのだ。そりゃママも心配だろうよ、こんな悪路を息子が不慣れな4WDで走るなんて……と、なんだか母親のような気持ちになる日本人旅行客なのであった。

なんだかんだで何事もなく無事にフェリー乗り場に到着。


工事現場のようにも見えるけれど一応ここがターミナル。近くに巨大なダムがあるため、こういう雰囲気なのかもしれないけれど、ここ、ターミナルって気づくかいな、普通……。

私達が乗船したターミナルは①Koman。②のFierza Lakeで降りて、ヴァルボナに向かうのだ。

船内はこんな感じ。小さな売店みたいなのもあって中でエスプレッソなんかも注文できる。

しかし普通は絶景で知られる航路(たとえばこんな感じ)なので乗客はあまり船内にいない。デッキに登ってその絶景を楽しむのが普通なのだがこの日は雨が降って極寒なので、しぶしぶいるという感じ。

私も頑張って寒空の中、外に出てみる。こちらはフェリー乗り場からすぐのところで見た十字架。コマン湖にはこうしたキリスト教関連のスポットがいくつかあるらしい。

一瞬雨がやんだときの風景。これを秘境と言わずして何が秘境であろうか。行ったことないけど写真集で見かけたフィヨルドにそっくり。
近代的なものが、看板の類が、人の気配がまったくない、今どき珍しい深い深い自然の中。ここも何年かしたら、水辺にコテージなんかができちゃったりしているのだろうか。

デッキにわらわら集まってきた若者の多くは英語を話している。アメリカ人や、イギリス人に人気のリゾートという噂はどうやら本当のようだ。
晴れていればもっと鮮やかな美しさなのだろうが、緑が深く幻想的な雰囲気の雨の日も悪くない。

これはもう、交通手段というより、このフェリーこそが目的地でもいいのかもしれない、と思ったら、普通にここを目指す人も多く、専門のツアーなんかもある。

個人的にはこのフェリーを降りて向かったヴァルボナも素晴らしかったので、両方あわせてのアルバニア絶景の旅をおすすめしたい。

<関連記事>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。
ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…! appeared first on トリッププランナー.

]]>
日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。 https://tripplanner.jp/topics/1681 Tue, 04 Jun 2019 16:22:19 +0000 https://tripplanner-jp.preview-domain.com/?p=1681 「こんどアルバニアに行くんだ」というと、概ね「それ……どこ!?」という反応がもらえるヨーロッパ南東の小さな国。…

The post 日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。 appeared first on トリッププランナー.

]]>
「こんどアルバニアに行くんだ」というと、概ね「それ……どこ!?」という反応がもらえるヨーロッパ南東の小さな国。
紛争のイメージからか日本人にはあまり人気がないバルカン半島にあるものの、実は欧米の若者には大人気の「穴場中の穴場のヨーロッパ」をご紹介します。

なぜアルバニアに行くのか

長期休暇が取れる度に、遠くへ行くのを生きがいにしていた会社員時代。特に頻繁に旅したのは少女の頃から憧れていたヨーロッパでした。
ロンドン、パリ、アムステルダム、ブダペスト、ヘルシンキ……どこへ行っても「ああ、絵になる。シャッターを押す手が止まらない」と興奮したものですが、それも12カ国目くらいになると、正直、段々スレてくるところがあります。

パリの街角にて

「ああ、またこの、スキのない感じか……」とでも言うべき贅沢なぼやき、あるいは「おしゃれ疲れ」

特に大陸側はなんだかんだでかつては神聖ローマ帝国の一部か、あるいはハンザ同盟都市だったりするので、そこはかとないドイツ感が漂ってくることも多く、「はじめての国だと思ったらちょっとドイツだった」的な感慨を抱くことも少なくなかったりします。

そんな私の旅心を刺激したのが、普通に想像するヨーロッパとはちょっと違う雰囲気を持つ南東欧、具体的にはバルカンの国々。
バルカン半島というと「ヨーロッパの火薬庫」だとか「ボスニア紛争」「コソボ紛争」など、まっさきに「危険地帯」をイメージしてしまう人も多いのですが、もちろん私もそんな1人でした。そのネガティブなイメージを変えてくれたのが、意外なことにオンライン英会話サービスだったのです。

1レッスンあたり500円程度という安さも魅力のオンライン英会話は、アジアなど日本よりも人件費が安い国の講師が多く、ヨーロッパだとバルカン半島の先生ばかりだったりします。それゆえ自然とバルカン半島の人たちと話す機会が増えたのですが、彼らは口々に「旅が好きならうちの国においでよ」「観光客でいっぱいだよ」「自然もきれいだし物価が驚くほど安いよ」とお国自慢をするのです。

だんだんと気になりだして、もと同僚でバルカン半島に毎年行っている大のバルカン好きのエンジニア、郡山昭仁さんに質問してみると、彼もまた熱をこめてこのエリアの旅の素晴らしさを語るのでした。

「ローマ、ラテン、トルコと文明文化の渚のようなところで、山、海、川、湖、歴史、文化、宗教、全部が凝縮している場所。とにかく通貨が弱いので、なにもかもバーゲン状態だし、ヨーロッパで一番フレンドリーな地域。どこに行っても歓迎されますよ!」

そんな郡山さんが特におすすめしてくれたのはルーマニア北部とアルバニア。

「誰に聞いても評判がいいのはアルバニア。人の優しさでくらべるとこの地域一番だと思います。クロアチアくらいになると完全に西ヨーロッパな感じですが、ヨーロッパ最貧国の1つで鎖国していた国だから、ちょっと独特。バルカン諸国は治安でいえば西欧の都市に比べて全く問題ないレベルなので、そこは安心していい」とのこと。女ひとり旅で行きたいので、治安情報には結構ナーバスです。

とはいえこれらは旅慣れた男子の意見、ここは女子にも話を聞いてみよう、ということで昔一緒に取材旅行にいったことがあるブロガーのUKOARAさんの「クルヤのオールドマーケット」の記事を見て質問攻めにしてみると、彼女も治安については「全然問題なし!」と太鼓判。

見慣れたヨーロッパとは違う体験ができそうだし、絶景や多様な文化に触れられて、手仕事ショッピングも楽しめる。そして安全。これはもう、次のヨーロッパはアルバニアに決まり!

私が見たアルバニアの風景セレクション

前置きが長くなりましたが、まずはいますぐアルバニアに行きたくなる風景セレクションから。今回女ひとり旅で8日間、アルバニアだけに滞在してきたので言いたいことは山ほどありますが、すべてを語ると10ページくらいになってしまうため今回はざっとダイジェスト版でお届けします。

1.  Valbona Valley(ヴァルボナ(バルボナ)バレー)


アルバニア北部にある「アルバニアアルプス」は、まるでスイスを思わせる山岳リゾート。特にThethとValbonaを結ぶトレッキングコースは欧米の旅行客に大人気。アルバニア人ガイドによると「Valbonaはアルバニア語で美しい谷という意味で、女性の名前に付ける人も多いんだよ。僕のママの名前もヴァルボナって言うんだ」とのこと。

どこへ行ってもため息が出る美しさ

アルバニアの首都ティラナからヴァルボナに向かう途中コマン湖でのフェリーを挟んだのですが、この「途中の風景」も忘れられない絶景。

切り立った岩山の間を抜けていくフィヨルドを思わせる航路。この日はあいにくの雨模様でしたが、霧がかかってかえって幽玄な雰囲気に。

ちなみに、さすがに女ひとり旅で山はハードル高いので、私はtourradarというサイト経由でツアーに申し込んで向かいました。首都ティラナからの送迎、絶景で知られるコマン湖フェリーの運賃、2泊の宿代、ランチ3回、ディナーと朝ごはんがそれぞれ2回ついて382ドル(私は一人旅でしたので90ドルの追加料金あり)となかなかお得。
このサイトは質問すると即レスしてくれるし使い勝手も良かったしおすすめです。もちろんツアーを主催しているChoose Balkansスタッフのホスピタリティにも満足です。

⇒ ヴァルボナの記事はこちら

2. Kruja(クルヤ)

アルバニアの首都ティラナからの1Dayトリップの行き先として人気の歴史ある山間のまち。アルバニアをオスマン・トルコから守った国の英雄スカンデルベクゆかりの地で、山城などの史跡も残っています。
ここはなんといってもかわいい手仕事のお店が連なるオールドバザールが女子の心を鷲掴み。

ハンドメイドのストール、テーブルクロス、ラグマット、ルームシューズなどが手頃な値段で買えて素晴らしいです。他でも買えると思って手加減したらティラナには一切こういうお店がなかったので、手仕事のいいものを買いたい人はここであまりケチケチしないように。
ちなみにガイドの人に「かならず3割ぐらい下がるから値引き交渉して」と言われたので、私も頑張って3割くらい下げてもらってお買い物しました。手織りのテーブルクロスやラグマットなどが日本円で1枚1,000円くらいでした。

⇒ クルヤの記事はこちら

3. Durres(デュラス)

こちらもアルバニアの首都ティラナからの1dayトリップ先として人気の港町。1914年には独立国家アルバニア最初の首都となったこともある歴史ある街で、いまではビーチリゾートとして有名ですが、ローマ時代の円形劇場がぼそっと街なかに残っていたりするので、「文明文化の渚」としてのバルカンを感じることもできます。紀元前からあるものが普通の国だと、これぐらいほったらかしにするのね……と恐れ入ったローマ時代の円形劇場。でもいま一生懸命整備しているみたいです。

アルバニアの観光資源はざっくりいうと史跡(世界遺産のベラトやジロカストラ)と海と山なので、ティラナ中心にいてアドリア海も見ておきたいという人は足を伸ばすといいかも。ただ、海のクオリティは沖縄などを知っている日本人からすると透明度が微妙なので泳ぐというより海辺でのんびり過ごすタイプの場所という感想。アルバニア人によれば本当にきれいな海に行きたいなら絶対南部(ギリシャとの国境付近のヴローラなど)だそうです。

4. Tirana(ティラナ)

アルバニアの首都で空の玄関口。古代ローマからの長い歴史を誇るアルバニアにしては比較的新しい都市で(とはいえ作られたのは1614年。バルカン半島の時間感覚だと「最近できた」となります)、大学や政府機関、博物館などのほか、ショッピングモール等もあります。
正直観光地とは呼べないですが、共産主義時代の負の遺産(あちらこちらに作られたトーチカというシェルターや、かつての独裁者のために作られ今や廃墟の謎建築、秘密警察博物館など)に触れたり、市場でお買い物したり、安くておいしいレストランでのんりびりしたりと、わりと楽しく過ごせます。何より街の規模が小さいのでどこへも歩いていけるのが女ひとり旅にぴったり。

そして、私が期待していた「西欧、北欧とはちょっと違うヨーロッパ」の風景もしっかりありました。共産主義時代に作られたボロい建築を、ペインティングでちょっとよく見せたい!という狙いで独特のイラストがほどこされているビル群など、ちょっと不思議な風景。

と思いきや、「やっぱりヨーロッパね〜」という素敵な小路もあったり。おしゃれとちょいダサが混ざっていると日本人としては親近感が湧きますね。スキがある!

⇒ ティラナの記事はこちら

 

ネットではアルバニアは「日本人の99%が行かない国」などと書かれることも多いですが、とにかく物価が安いを超えて破格といっていいレベルだし、知人のコメントどおり人は本当に優しかったし、食べ物はおいしく、治安も全く問題なし(外務省による海外安全情報を見ても何のアラートも出てないです)。

ギリシャと全く同じクォリティのビーチがアルバニアなら3分の1以下の予算で旅行できる、スイスと全く同じクォリティのトレッキングがアルバニアなら(以下略)、という理由で欧米の若者に大人気の旅先だというのも納得。これから日本でも人気が出ちゃうんじゃないかな〜と思ってます。

まずはダイジェストでご紹介したアルバニアの旅。より詳しく知りたい人は以下の続報で続きをチェック!

ヨーロッパ最後の秘境!? 南東欧アルバニアの旅。治安・事前準備、Wifi、両替は大丈夫?
アルバニアの首都ティラナ、複雑すぎる歴史と「負の遺産」に触れるウォーキングツアー。
アルバニアの首都から日帰りで行ける絶景の山城「クルヤ」。英雄スカンデルベグゆかりの地への行き方と見どころ。
石畳の小道沿いに手仕事の店が連なるクラフト好きの天国、アルバニアのクルヤ、プチプラお買い物日記。

まるでフィヨルド! アルバニアの山岳リゾートに向かう「コマン湖フェリー」が美しすぎる航路だった…!
南東欧アルバニアの絶景山岳リゾート、ヴァルボナの誰もいない山でトレッキングしてきた。
アルバニア・アルプスの山岳リゾート、ヴァルボナ。サイクリングで気軽に絶景を楽しもう!

The post 日本人が行かない国!? 南東欧のアルバニアは、絶景と激安に感動する穴場の旅先でした。 appeared first on トリッププランナー.

]]>