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【島根県隠岐諸島】海辺の森のコースランチ!ガイドブックにのらない島後の隠れ家レストランへ
隠岐諸島最大の島である島後、隠岐の島町。大自然に抱かれるこの癒しの島を訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのが「Café La Mer(カフェ・ラ・メール)」。隠岐の観光サイトではあまり見かけない、知る人ぞ知る隠れ家レストランです。
海辺の森に佇む「Café La Mer」。豊かな島の味をゴージャスに、オシャレに楽しめるとあって、国内からはもちろん、ヨーロッパなどからの観光客もしばしば訪れるそう。ランチは1,500〜5,000円の範囲で、希望を伝えるとメニューをアレンジしてくれます。
まずはお酒えらびから。エーデンピルスやハートランドといったビールに焼酎、ウイスキー、ソフトドリンクなどが揃う中、この日、特にオススメだったのがワインです。
フランスの「Dom. Condamine Bertrand Elixir Rouge(ドメーヌ・コンダミン・ベルトラン エリクシール ルージュ)」がありました。果実味があってシャープな味わい。キリッと冷えた、隠岐の島への来島を祝福してくれるようなワインをあけて、いよいよコースの幕開けです。
熟成させた地魚のカルパッチョが登場
最初の一品は、ぐーんと長いダイナミックな隠岐産の杉皿の上に、キジハタやイワシなど、キリッと冷えた隠岐の地魚がたっぷりとのったカルパッチョ。とれたてよりもぐっと旨味が増すように、熟成させた状態での登場です。
珍しいのは、ブドウにパイナップル、リンゴといったフルーツ類を合わせていること。ほどよい酸味がいいアクセントになっています。
新鮮アワビのゴージャスな茶碗蒸し
まるでモロゾフのプリンのように運ばれてきたのは、お店の人気メニューである茶碗蒸し。なんと、黒アワビだけを使った贅沢な仕立てです。具だくさんも楽しいけれど、こちらはシンプルな分、黒アワビの味を満喫できるのが魅力。それにしても、噛めば噛むほどアワビの身はぷりんぷりん。噛むごとにジュワッと旨味がしみだして、口の中に幸せがやってきます。
サルシッチャを使った激旨ペンネ
熱々ペンネが運ばれてきたら、グラーニャパダーノを雪崩ができるほどふりかけて、雪山のようにして食べるのが「Café La Mer」流。豪快にスプーンですくって、パクリ! ふわふわして濃厚なチーズと塩気、サルシッチャの美味しい脂、ペンネの歯ごたえにうっとり。いつまでも噛んでいたいような味わいです。
これを食べに世界中から訪れる!名物パエリア
地元で採れたケンサキイカ、高級魚アコウ(キジハタ)のカマ、その他、色とりどりの魚介が彩るパエリアが登場! カモのダシを使っているのが美味しさの秘密なんだとか。
おそるおそる口に運ぶと、舌の上で旨味が爆発! カマからもたっぷりと旨味が出て、そこへさらなるカモのダシが援軍に。「お、恐ろしく美味しい…」とブルブル。底面にあるパリパリのおコゲがまた美味です。
「お米は隠岐のもの。パエリア用のお米を契約農家に作ってもらっています」とオーナーのご主人。そう、この隠岐の島は海水ではなく真水が出るため、お米を作っているのです。つくづくレアな島!
冬になるとコタツで水ようかん!?
デザートも大充実。ステーキのように横たわるのがチョコレートブラウニー。後方・右はイチジクの赤ワインコンポート、白いクリームはマスカルポーネチーズ。その向こう、後方・左に輝いているのは、甘くてトロトロの水ようかんです。
「我が家では、冬になるとコタツに入ってようかんを食べるのがおなじみ。コタツでアイスを食べるような感覚ですね。だから、寒くなるとようかんが食べたくなるんですよ」と笑うシェフ。オーナーの奥様です。
水ようかんというと夏の風物詩のように思いがちですが、どうやら福井や東北といった日本海側にも同じ風習があるそうで、これには北前船が関係しているとみられます。北前船とは、江戸時代から明治時代にかけて活躍した商船のことで、大阪と北海道を日本海周りで結んでいました。北前船は積荷だけでなく、おいしいカルチャーも運んでいたのかもしれませんね。
「隠岐の島のテロワール(風土味)」を活かした料理は、何度でも訪れるリピーターが多いのも納得の味でした。昼・夜ともに1組限定。予約が必須です、どうぞお忘れなく。
【「Café La Mer」へのアクセス】西郷港から車で30分
住所:隠岐の島町卯敷1004
昼夜1日1組限定・予約制(ランチ12:00〜15:00 ディナー17:00〜22:00)
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