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天国から降ってくるシャワーのよう…滝の概念を覆してくれた、島後「壇鏡の滝」が神秘的!

更新:2019年12月05日
みきP

ユネスコ世界ジオパークに認定されている島根県の隠岐諸島。中でも最大の大きさを誇る島、島後(隠岐の島町)にあるジオサイトのひとつ、壇鏡の滝へ。滝の概念を覆す、不思議な風景に出会いました。

昔話になりますが、学生時代、カナダまで「ナイアガラの滝」を見に行ったことがあります。世界三大瀑布のひとつということですごく期待して行ったものの、その巨大すぎるルックスと爆音すぎる水の音を前に、「確かにすごいけど、な、なんか違う……」という複雑な感想を抱いたのを覚えています。ひとり静かに鑑賞するよりは大勢で記念撮影するほうが似合うウェーイ系の名所、とでも言うのでしょうか。「古池や蛙飛び込む水の音」の国から来た人間にはなんとなく情緒に欠けるというか、や、たしかに素晴らしいんですが、根が地味な性格なのであの派手さを受け止めきれなかったのかもしれません。

以来、国内でもあちこちで滝を見て来ましたが、ナイアガラには遠く及ばなくても、ある種の迫力があるスポット、というのが常でした。そんな私の滝観(?)を覆してくれたのが、今回ご紹介する島根県隠岐諸島、隠岐の島町にある「壇鏡の滝」だったのです。


え? 滝だってわからない?

失礼しました。この写真は、滝の裏側に回り空を見上げたカット。丸くくり抜かれた空から、レースのカーテンのように繊細な水がさらさらとこぼれ落ちてくる、なんとも不思議な光景を楽しめる滝なのです。こんなに控えめな滝なのに、きちんと「日本の滝百選」にも選ばれています。



正面から見ると少しは滝らしく見えるでしょうか。壇鏡の滝には2つの滝がありますが、こちらは落差40mの「雄滝」のほう。滝の裏に回って鑑賞ができる「裏見の滝」でもあります。
隠岐に流された貴人の一人で、平安時代初期の公卿だった小野篁(おののたかむら、802-853)は、壇鏡の滝に打たれて帰京祈願をしたそうだけど、こんなに繊細な滝になら私も打たれてもいい!




神秘的で、情緒があって、日本の美ってこういうことよね……としみじみ感動する滝。繊細すぎるルックスゆえインスタ映えはしないので、今後もそれほど大ブレイクはしないかもしれないけどすごくおすすめ。ここだけは実際に足を運ばないとその素晴らしさが実感できないと思います。
ウェーイ系の場所じゃないので一人静かに時を過ごしたい向きにもおすすめ。この滝の下で、ぼんやりとさらさら落ちる水を眺めてるだけで不思議と心が落ち着いたんですよね。ヒーリング効果が高いような気がします。

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癒やされるのは心だけではありません。

この滝の水は「日本の名水百選」のひとつで、長寿の水、勝者(女神)の水、火難防止の水としても有名。実際、島内も長寿が多いそうなので、ぜひおいしい水で体も癒して帰るのをおすすめ。
800年以上の歴史を誇る島の闘牛大会や隠岐古典相撲大会に出場する関係者は、必ずこの水を大会前夜に迎え、清めてから臨む慣習が続いているそう。


ペットボトル持参で持ち帰りも可。

滝のすぐわきにある「壇鏡神社」は、なんと平安時代創建という古さ。


壇鏡神社の狛犬。

ちなみに壇鏡神社の鳥居のすぐそばには大きくて立派な杉の木が2本並んでいて、こちらにも古い歴史と心温まるエピソードがあるんです。

昔、出雲大社から「神殿を修理するから境内の杉の木を切って送るように」との要求が壇鏡神社に来たときのこと。村人たちは立腹したものの、従わざるを得ないと諦め境内の杉の木を切り始めましたが、ある村民が鳥居の位置を本殿のほうに動かそうと提案。

鳥居さえ動かしてしまえば、その外側にある杉は壇鏡神社のものではないといい張れると知恵を絞ったわけです。そんなこんなで村人が力を合わせて鳥居を移動、結果この立派な杉の木は、今もなお壇鏡神社の鳥居と仲良く並んでいるのです。巨木そのものが信仰の対象になっていることが多い隠岐の島町ならではの自然への敬意と崇拝を感じるエピソード。

美しい滝だけでなく、村人たちが守った美しい巨木もお見逃しなく。(みきP)

【壇鏡の滝へのアクセス】 西郷港から車で45分
※落石の恐れがあるため滝の裏側へ行く際は十分ご注意ください。

壇鏡の滝

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