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アラフィフだけど、ポルトガルで図らずもクラブデビューしてしまった話。

更新:2020年02月26日
みきP

外国でクラブに行くなんて怖い?  それがそうでもなかったんです。ポルトガル第二の都市、ポルトの宿から参加したウォーキングツアーで訪れたクラブは、これまでのイメージを覆す、カジュアルで誰でも楽しめる場所でした。

はじめに断っておくと、私は音楽オンチである。
フェスやライブに行くこともほとんどない。数年前、音楽好きの友人に「一度はどんなところか見てみたい!」と頼み込んで渋谷のクラブに連れていってもらったが、あまりの音楽偏差値の高さに(ピチ◎ートファイブの小西さんがDJをやるようなクラブ)驚き、ここはガチの音楽好きが来るところだ……とひれ伏したぐらい。クラブってそういう音楽エリートかパリピみたいな人が集まるところなんでしょ? 知らんけど……という認識しかない。

そんな私が、一人旅で訪れたポルトガル第二の都市「ポルト」でクラブ巡りに繰り出してしまうなんて。
一体、何が起きたのか。

かんたんに言うと、きっかけは勘違いである。

ポルトで最初に泊まった宿、「セリーナ」は、学生街にあるカジュアルな宿。一人旅向けのドミトリーも多いことから、宿発のさまざまなウォーキングツアーを開催しており、それがこの宿を選んだ理由の一つでもあった。

特に楽しみにしていたのが「パブ巡り」(参加費10ユーロ)である。一人旅だと殆ど行けない酒場に、ウォーキングツアーで参加できてビールを飲んだりチップスをつまんだりするツアーなのだろう。いかにも楽しそうではないか。

ところが、まず最初に連れていかれた「パブ」はこんな店。

あれ?

私が想像していたパブって……。

こういうところだったんですけどー!!

よく考えたら、夜11時スタート4時頃解散という時間設定がパブ巡りにしては変である。その時点で気づくべきだったが、どうせ時差ボケで朝方まで寝付けないからこういう深夜ツアーはウェルカムぐらいに思っていた。こっちではPubってClubのことだったの?

ウォーキングツアーを先導してくれたのはまだ大学生だという可愛らしい女子。宿から参加したのは、私のほかに、ペルーからヨーロッパに留学中という女子学生ら5人と、オランダから来たという若男子5人組、チリ人の男子一人と、韓国から一人旅中だという韓国人の女子である。

ペルーやチリから来た若者たちは、見た目は地味なのに店に入るやいなや、やおら本気で踊りだす。さすが南米、踊る文化圏から来た人たちのこなれ具合はすごい。オランダから来た男子軍団はまずはビールを飲んで大はしゃぎである。小突きあったり馬乗りになったり、変顔をしあったりと「……小学生?」というくらいのはしゃぎぶり。

「僕ら毎年ガールフレンド抜きで男だけで旅行しているんだよ。たのしそうだろ、バカ丸出しだよねー!!」
なんだその開放感。男だけで遊ぶ楽しさは万国共通なのかも。

そんな微笑ましい(?)光景を眺めながらお酒を飲んでいると……あれ、なんだかとてもリラックスして楽しんでいる自分に気づく。



リラックスしている理由の1つ目は客層である。恐れていたパリピみたいな人もほとんどおらず、大学のキャンパスに普通にいるような普段着の若者ばかりである。そして若者だけではなく中年だってちゃんといる(まぁ東京でもそうなのかもしれないけどほとんど行ったことがないからわからない)。

2つ目は、かかっているプレイリストの音楽偏差値が全然高くないこと。
後学のためにスマホアプリを使って曲名をメモしてきたのたが、ある日の選曲はこんな感じ。

I Gotta Feeling(ブラック・アイド・ピーズ)、Waka Waka(シャキーラ)、Let's Get Loud(ジェニファー・ロペス)、Senorita(カミラ・カベロとショーン・メンデス)、No Lie(ショーン・ポール)、Give me Everytihing(ピットブル)、I Will Survive(グロリア・ゲイナー)、Saturday Night ( ウィグフィールド) 、YMCA(ヴィレッジ・ピープル)、bad(マイケル・ジャクソン)……。

1980年〜2000年代の大ヒット曲や、新しい曲でもビルボードTOP10みたいな音楽に関心がない私でも耳にしたことがあるようなメジャー曲ばかりだ。

……しかもマイケル・ジャクソン!?

お前ら絶対に生まれてないだろ!とツッコみたくなる若者たちが、もう大はしゃぎで踊りまくっている。どう見ても20代のオランダ人男子組もノリノリで踊っている。いやぁ、これはアラフィフでも楽しい!

帰国してからシカゴのクラブで長年働いていたというオンライン英会話の先生にこの話をしたら、「ああ、90年代とか2000年代の曲をKids(若者)たちが大好きなのは世界的傾向だよ。いろんなクラブで90年代ナイトとかやってるし。それにマイケル・ジャクソンはレジェンドだからね!」と教えてもらった。

なんか自分のクラブ苦手意識がガラガラと崩れていくのを感じる。たぶんこの街でクラブに行くという精神的ハードルは日本のカラオケボックスぐらいなのではないかと思った。

自分は踊らなくても、カウンターで楽しそうに踊る人たちを眺めているだけで幸せな気持ちになる。これはもしかして、一種の祭り見物ではないか。



ちなみにポルトで健全でいい感じのバーは、このThe Wall barのある小道に集中していて、パブ巡りツアーで巡った店はすべてこの通りにあった。泊まっていたセリーナからも徒歩5分くらいである。

深夜11時ぐらいまでは普通のバーのようなお店が多く、人々が踊りだすのは0時を回ってからだ。通りの雰囲気も含めて健全な感じで怖さゼロなので(何しろ学生街である)、ツアーに入らなくても友達などと一緒に足を運んでみてもいいと思う。

一回目のツアーがすごく楽しかったので。ちょうどニューイヤーのタイミングで2回目のパブ巡りにも参加。その時のツアー仲間であるスペインからの旅行客たちとカウントダウンをしたのも良い思い出。

日本でも今度勇気を出してクラブに行ってみようかしらと思うくらいの精神的革命が起きたポルトの夜。もっと音楽聴こうっと。(みきP)

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