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各国で違いすぎる!! ヨーロッパの「アール・ヌーヴォー建築」を楽しもう。

更新:2018年09月24日
みきP

建築好きじゃなくてもきっと楽しめる、百花繚乱のヨーロッパのアール・ヌーヴォー建築。植物をモチーフにした曲線が特徴の……という固定観念を覆す名建築がいっぱいですよ。

日本で"アール・ヌーヴォー"というと、パリで活躍したミュシャの絵とか、エミール・ガレのランプとか、ルネ・ラリックのガラス工芸とか、フランスの香りがするロマンティックで華麗な何かを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。はい、私もそうでした。

Wikipediaの説明文にも冒頭に「花や植物などの有機的なモチーフ」などと書かれていますしね。


実際、パリに行けばご覧のような、想像していたとおりのアール・ヌーヴォー空間が今もカフェやレストランとして現役で活躍しています。


こちらは、パリの地下鉄のエントランスなどで知られるエクトール・ギマールによる「カステル・ベランジェ」。パリで最初のアール・ヌーヴォー建築と言われているとか。ロマンティックな佇まいで今見てもすてきですねぇ……(※建築当初はものすごく批判されたみたいですけど)。

でも。

何度かヨーロッパに足を運ぶうちに、少女の頃の夢みたいな華麗な空間だけがアール・ヌーヴォーではないのだ、と気づき始めます。


たとえば、パリのアール・ヌーヴォーにだって、こんな変化球が。


取っ手がトカゲという、子どもが泣きそうなドアの真上に女の生首!   趣味が悪い…とさえ感じてしまいますが、これ、実はパリの名建築のひとつ。ギマールと並び、アール・ヌーヴォー建築家として著名なジュール・ラヴィロットによる1901年の代表作「ラップ通りの集合住宅」の入り口なんです。

でもまぁ、ちょっとズレてはいるものの、まだ私の中の「アール・ヌーヴォー」観を覆すほどではありません。

それが、ウィーンに来るとこうなります。

植物のような、曲線で有機的な……みたいな概念からずいぶん離れてきました。こちらも建築的には名作中の名作、ウィーンを代表する建築家オットー・ワーグナーによるアム・シュタインホーフ教会。ちなみにドイツ圏では、「アール・ヌーヴォー」ではなく「ユーゲント・シュティール」といいます。


さぁ、どんどん行きましょう。次はベルリン。

もう植物のような曲線美とかほとんどなくなってますね。むしろ四角い。ええと、アール・ヌーヴォーとは……。

お次はフィンランドの首都、ヘルシンキ。



こちらも名建築、フィンランドの国民的建築家エリエル・サーリネンによる「ヘルシンキ中央駅」。特にちょうちょやお花などは舞っていませんが、立派なアール・ヌーヴォー建築です。

ヘルシンキにはこのほか、(たぶん)無名の建築家によるアール・ヌーヴォー建築がたくさん残っていて、個人的には結構ファン。北欧雑貨を思わせる、かわいいものが多いんですよねぇ(萌え♡)。

「フィンランドのアール・ヌーヴォー」という本が出たら絶対買うのに、といつも思っているのですが、全然出ないみたいで、アール・ヌーヴォー界では、フィンランドの知名度はいまひとつなのかもしれません。

まだまだありますが、そろそろしめくくりましょう。

最後に、私がヨーロッパで一番驚いたアール・ヌーヴォー建築をご紹介します。

それはバルト三国、ラトビアの首都、リガにある「アール・ヌーヴォー建築群」です。


どーん!



え? 怖い!?

いえいえ、こちらも名作中の名作で、設計を手がけたのは世界的に有名な……映画監督のお父さんです!

『戦艦ポチョムキン』などで知られ、モンタージュ理論を確立したことで映画史にその名を残すセルゲイ・エイゼンシュテインの父は建築家のミハイル・エイゼンシュテイン。世界的な映画監督の父親の感性も、やっぱり半端なかったのですね。


そんな彼の一風変わった建物を含む、リガ独特のアール・ヌーヴォー建築が街の一角を埋め尽くすという空前絶後の不思議スポット。もう冒頭でご紹介したパリのアール・ヌーヴォーが思い出せなくなるほど、私達は遠くへ来てしまったようです。

知れば知るほど、アール・ヌーヴォーがよくわからなくなりますが、言葉の意味としては、フランス語で「新しい芸術」ぐらいなんですよね。ヨーロッパ各地で好き放題(?)やって全然足並み揃ってなくても、これでいいのかもしれません。

ヨーロッパで楽しむ、国ごとに特色のあるアール・ヌーヴォー建築ウォッチング。個人的にはとってもおすすめなアクティビティの一つですよ(みきP)。

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