トリッププランナートップ > ピックアップ > 日本のプラモデルに影響も?「東海の日光」静岡浅間神社の職人技がすごすぎる!

ピックアップ

旅やおでかけの達人インタビューや、おすすめの旅先レポートなどをお伝えする特集コーナーです。

日本のプラモデルに影響も?「東海の日光」静岡浅間神社の職人技がすごすぎる!

更新:2016年11月18日
トリッププランナー編集部 みきP

静岡駅からほど近い場所に「東海の日光」と呼ばれる極彩色の神社があるのをご存知でしょうか。ここは日光を見なくてもケッコーと言える穴場、静岡浅間神社。江戸時代の一流職人たちが魂を注いで彩った社殿はまさに生きたアート。実は静岡の地場産業、プラモデルにも深い縁があったのです。

狩野派、立川流など日本の職人技が凝縮された濃密なアート空間

世界遺産に登録された日光の東照宮にくらべればまだまだ知名度も低く、ゆえに混雑もさほどしていない、徳川ゆかりの極彩色の神社が静岡駅からバスで約10分程度の場所にあるのをご存知でしょうか?
江戸時代は日光東照宮と並び称されるほどの華やかさを誇り、今も「東海の日光」と呼ばれる、駿河国総社「静岡浅間神社」。東京駅から新幹線のひかりで約1時間で着いてしまう静岡駅近くに、これほどの壮麗な神社があったなんて! 完全に見落としてました。

神社や歴史の話題は難しい漢字や聞いたことのない建築用語が出てきてつい脱落してしまう……というタイプのみなさま。この記事にもそれらがいくつか登場しますが、どちかというと写真中心にお届けするので、「わー読めない漢字来た、無理!」とか思ったら適当に飛ばしてフォトギャラリーとしてお楽しみください。今回、特別に許可を得て、普段は撮影禁止の「大拝殿」内の狩野派の絵師たちの作品などもカメラにたっぷりおさめてきましたよ。

静岡浅間神社は、神部(かんべ)神社・浅間(あさま)神社、大歳御祖(おおとしみおや)神社の三本社に、麓山(はやま)神社・八千戈(やちほこ)神社・少彦名(すくなひこな)神社・玉鉾(たまぼこ)神社の四境内社を総称したもので、通称は「おせんげんさま」。その歴史は2000年以上を誇り、今川、武田、豊臣、徳川などから厚い保護を受け、崇敬されてきた歴史があります。

徳川家康ゆかりの駿府にあるため、特に徳川氏からの尊崇を受けたこの神社は、一度消失した社殿を1804年〜1865年の約60年の歳月をかけて当時の金額で十万両を投じて再建されました。このとき作られた総漆塗、極彩色の社殿群は現在すべて重要文化財に指定されていて、今なお圧倒される壮麗さを誇っています。

神部神社、浅間神社の入り口にある楼門(ろうもん)。しめ縄の両面を精密な力士像や随神が守ります。

立派な金の龍は、「水呑みの龍」と呼ばれています。

舞殿(ぶでん)。この後ろにあるのがアート尽くしの本殿です。神部神社、浅間神社の二社同殿で、中央に相の間があり、向かって右側が神部神社、左側が浅間神社。こういう造りを比翼三間社流造と呼ぶそう。こういう建築用語がすらすら言える、博識のおばあちゃんになりたいけれど、道は長い…!

大拝殿内部。天井絵は、幕府お抱え絵師の狩野栄信(かのうながのぶ)、狩野寛信(狩野融川とも)が手がけています。

狩野寛信「天人」琴。

狩野栄信「八方睨の龍」。ブルックリン美術館や国立博物館などに収蔵されている狩野栄信の作品が、無機質なガラスの向こうではなく、今なお足を踏み入れることのできる神社で鑑賞できる幸せ。個人的に美術館よりも、実際に使われている場所で見るアートのほうが、当時の人の気持になって鑑賞できるので好きなのです。

栄信による「迦陵頻伽」琵琶(左)と、「天人」蓮花(右)。

寛信による「天人」柄香炉。

栄信と寛信という二人の天才絵師の競演を楽しめるのもとっても贅沢。栄信は木挽町家狩野派八代目でありいわば立身した人で、寛信は若くして自らの信念のために切腹して果てた「悲劇の人」でもあります。二人の絵を比べると、栄信の描く天女はふくよかで力強く、寛信のそれは、ちょっと細面で繊細な印象。歴史を知った目で見ているせいもあるかもしれませんが、二人の絵師の人生の明暗を感じたりします。

タミヤに受け継がれるプラモデルの源流

天井絵も素晴らしいですが、建築を華麗に彩る彫刻群の豪華さも圧巻です。

これらの彫刻を担当したのは、信州諏訪に本拠を置いていた「立川流」の職人たちで、長野の善光寺や諏訪大社、京都御所など国内の名所の仕事も手掛けた名門です。静岡浅間神社の再建には、立川一門が初代から三代目まで約40年間携わり、彼らにとってはまさに大事業。

静岡に本拠を置くプラモデルで有名なタミヤを始め、国内のプラモデルメーカーの多くが静岡にある理由の一つに、実はこの浅間神社の造営が関係しているのだそう。江戸時代末期に行われたこの仕事のために、立川流を始め全国各地から集められた職人たち。その後迎えた明治維新後も、彼らの工芸技術がこの地に残り、建具や人形、家具調度品などの産業を育んていったのです。その緻密な手仕事は、やがてプラモデルの聖地としての静岡へ……そう考えて建築内部の細工を見回してみると……



ちょっとプラモデルに連なるDNAを感じる…! 

大拝殿から一段高いところには、静岡県の語源にもなった「賤機山」を背にした神部神社と浅間神社。こちらは外観のみ鑑賞。

武運、必勝、開運の八千戈神社は立川流の彫刻がすごい

さて、続いて徳川家康の念持仏たる摩利支天を祀る八千戈(やちほこ)神社へ。こちらも立川流の彫刻の技が随所に光ります。

唐門格狭間に描かれた「麒麟」。一説によるとキリンビールのロゴのヒントになったとかならないとか。

 軒下には大迫力の波が掘られています。葛飾北斎の浮世絵を思わせる豪快さ。

赤、黒、青の配色もかっこいい。

いやぁ、ツッコミどころが見当たらない完璧な職人さんたちの仕事に感服。
最近、国家的プロジェクトに巨費を投じると何かと国民から非難されるご時世なので、こんなすごいものもう作れないかもしれないな……、などとちょっとさびしく思ったりもしました。

お守りや御朱印帳もかわいい

最近大人気の御朱印。静岡浅間神社オリジナルの御朱印帳は、東海の日光と富士山のコラボがいかにも日本!という感じなので購入。最近の御朱印ブームで「浅間神社専用」や「一宮専用」など使い分ける人も多いんだそう。全国1300社にもなる浅間神社をめぐる御朱印帳にちょうどいいかもしれませんね。



仕事もがんばりますので、富士山よろしくお願い申し上げます。

干支のお守りもかわいい。

2017年は大政奉還150年で、いっそう注目を集めそうな徳川ゆかりの地。この浅間神社は、徳川家康が元服式を行った場所であり、家康が関が原のときに使った軍配や、小牧長久手の戦いの和睦の際に秀吉から送られた太刀などのゆかりの品が保管されているので、かなり濃厚な徳川スポットといえます。近くの駿府城や久能山東照宮ととも徳川スタディーツアーをするのも楽しい静岡駅周辺なのでした。

帰りに静岡おでん街でしめれば完璧。しかしこの極彩色の横丁の雰囲気、ちょっと静岡浅間神社を思い起こせますね…。(みきP)

静岡に関するトリッププラン

過去のピックアップ一覧

関連するトリッププラン

ページの先頭へ