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香港の魅力は街だけではなかった!香港グローバルジオパークで、大自然にふれるショートトリップ
高層ビルが立ち並ぶ大都会、香港。実は香港全土の3/4は田園地帯なのをご存知ですか? 今回は香港の「自然」を満喫するハイキングレポートをおとどけします!
人口が都市部に密集している香港
香港というと超高層ビルが林立する都会のイメージがありますよね。
今回、香港でハイキングに行く、と聞いて驚きました。
聞いてみると、実は香港は都市部から少し離れればサーフィンもできるビーチや、トレイルが盛んなすばらしい山岳地帯が広がっているのだそうです。
香港の国土は東京都の約半分ほど。もともと狭い国土のうえ、香港の国土の60%は山岳地帯のため世界で最も人口密度が高い都市の一つとなっています。60%は大自然なのです。
今回私が伺ったのは、新界北西部に位置する中国香港世界地質公園。2011年にユネスコの支援する「世界ジオパークネットワーク」への加盟も認定された香港グローバルジオパーク内にあります。
九龍のすぐそばにこんなに自然豊かな地区が広がっています(出典:香港政府観光局)
行き方は陸路と海路がありますが、いずれにせよ、まずバスで西貢という街をめざします。海路の方は西貢の港からボート、陸路の方はさらにバスに乗り、北潭涌で下車します。私たちは陸路で向かいました。
北潭涌のジオパークビジターセンターより東は政府の管理する自然保護地区になっていて一般車両の通行はできません。ハイキングがてら歩いて地質公園まで向かう方もみかけましたが、10km以上ありますので観光目的ならタクシーがおすすめ。ちなみに北潭涌から奥は道こそ舗装されているものの、民家もお店もなく、いるのは野良牛ぐらいです。水も買えませんので、必ず用意して行きましょう。
しばらく行くと、湖のようなものが見えてきました。
萬宜水庫
香港の水瓶、ダムだそうです。
あの人口密集都市までここから水を運んでいるのですね。
さらに進むと、中国香港世界地質公園に到着。
ここまで市内の中心部から1時間半ほどでした。
ほんの1時間半でこの大自然が味わえるなんてすごい!
ここもダムの一部です。せきとめられたダムの向こうは海、という不思議なロケーション。
世界的にも稀な六角柱
この地質公園の目玉は、なんといっても世界的にも稀な六角柱状節理群が見られるということ。
地震がないから高層ビルを建てられるイメージの香港ですが、約1億5千年前は火山活動が活発で、西貢地区は火山の大噴火に見舞われたのだそうです。
その時に堆積した火山灰がゆっくり冷えることによってこの六角柱が形成されました。通常六角柱は灰色の玄武岩がほとんどで、このようなオレンジ色の流紋石はさらに珍しいとのだとか。
ほどんどの六角柱はまっすぐ起立しているけれど、所々湾曲したり、ほかの時代の地層によって分断されたりしているのも興味深い。
ハイキングコースのツアーも開催されます
香港の大自然、いかがでしたか?
実は、今回ご紹介したのはほんの入り口にすぎません。香港はイギリス統治下の70〜80年代に当時の行政によって自然保護区が整備され、その際に各公園をつなぐトレイルが作られており、その総延長は300kmにもなります。
香港4大トレイルという有名なコースもあり、実は世界中からトレイルやハイキングを楽しみに来る方がいるのだそうです。
2016年の11月、12月には、香港の大自然を楽しむプログラム、グレート・アウトドア香港 2016も開催されていて、人気のハイキング・サイクリングコースを1,000円ほどで楽しむこともできます。
帰りに港町、西貢で美味しいものを食べる楽しみも
地質公園に行くなら陸路・海路のいずれにせよ通ることになる街、西貢。実はこの街、シーフードがおいしい街として有名なのです!
港沿いにはシーフードレストランが立ち並び、新鮮な魚介を好みの方法で調理してもらうことができます。
ミシュラン獲得で一躍有名になった「六福菜館」もこの町にあります。
港町のそぞろ歩きも楽しいので、もし時間に余裕があったらぜひ西貢の街も楽しんでみてください。
※「香港ハイキング&サイクリングガイド」(日本語)がこちらからダウンロードできます。ご参考までに!