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国宝の彦根城が、こんなにフォトジェニックで大きいなんて知らなかった

更新:2017年08月21日
みきP

映画『関ヶ原』や『おんな城主 直虎』で話題の彦根城は2017年に築城から410年。フォトジェニックなお城のある彦根の風景を、歴史好きじゃなくても楽しめるよう、異色のお手紙調でお伝えします!

久しぶり。元気? このあいだ、初めて彦根に行ってきました。
あなたはあんまり歴史に興味ないだろうから、そのへんはほどほどにして、彦根城に初めて行ってきた感想を書くね。

これが今年築城410年で話題の天守閣。三層三階の天守だからこぢんまりして見えるでしょう?
私も実際に行くまでは「小さなお城」だと思ってたの。姫路城とか大阪城に比べると確かに天守閣は小さいけれど、実はお城全体は想像よりずっと大きいの。



今回彦根城に行ってみてしみじみ思ったのは、「お城の大きさは天守閣の大きさじゃなくて面積でみるべし」ということ。これだけは写真では伝わらないと思うけど、お城の周りにそのまま残る御殿や武家屋敷を含めると、ちょっと驚くほどの大きさなの。かつては三重だったというお堀は、中堀と内堀がいまも健在で、中堀のまわりをぐるりと歩こうとすれば数キロあるという広大さ。駅前で自転車を借りておいて本当に良かった!

しかも、彦根城は標高133mの彦根山(金亀山)の地形をそのまま利用しているから、小さな天守でもかなり高いところにそびえているの。彦根には高い建物があまりないから、町のどこから見ても天守が見えてまさにシンボル的存在。

そんな彦根城に行くなら、ぜひその「全体」としての大きさを実感するために、天守閣に登って終わりじゃなくて、全国的に見ても珍しく、江戸時代そのままに残されているお城のまわりの「構成要素」をめぐってみて欲しい。



たとえば、これは全国の城郭の中でも彦根にしか残っていない、大きな馬屋。いわゆるお殿様専用のガレージね。



そしてこれがお堀沿いに残る1759年ごろに建てられたという武家屋敷「埋木舎(うもれぎのや)」。桜田門外で命を落とした井伊直弼が17歳から32歳まで暮らした屋敷がそのまま残っているの。

日本の城下町って、天守閣だけがあって、お堀を渡るといきなり近代的なビルが…! みたいなところが多いけど、彦根城は中堀を渡ってもまだ江戸時代の風景が続いていてすごい。
『大奥』『武士の一分』『るろうに剣心』や『信長協奏曲』など、挙げだしたらきりがないほど映画のロケ地になっている彦根城だけど、こんなふうに天守閣以外にいろんな建物が残っているからじゃないかな。


さて、あちこちで沈没しているといつまで経っても天守に登れないから、そろそろ先を急いでみるね。

天守閣まではこんなふうに大きな歩幅の石段を上って行くんだけど、実は結構歩きにくいの。わざと歩幅を変えたりして歩きにくくしているらしい。

というのも、この彦根城が出来たのはまだ関ヶ原の合戦が終わったばかりの戦乱の火種くすぶる時代。大阪城にはまだ豊臣家がいたし、ここ彦根城はかなり重要な軍事拠点だったのよ。

平和な現代に暮らす私たちからすると、お城って「観光資源」だし、「わぁきれい」なんていいながら眺めたり写真を撮ったりする場所だけど、本来は戦のために作られたものだったのよね。そんなことを思い出させてくれるポイントがいくつもあるのも彦根城の面白さ。



たとえば、表門から入るとすぐにある大きな空掘は敵の侵入を防ぐためのもの。ここに架けられている廊下橋は、いざとなったら落とす仕組みになっているのよ。

この橋が落とされたら、敵はこの高い石垣を登らないと本丸にはたどり着けないというわけ。これは手強い!

落としてしまうなんてもったいない橋の向こうに見えるのは、日本でもここにしか現存しない天秤櫓(てんびんやぐら)。長浜城の大手門を移築しているという説も。



この廊下橋からの琵琶湖の眺めもなかなか。しかし、彦根の空は高い。


さぁ、いよいよ天守へ。


大津城の資材が使われているという真っ白できれいな天守閣。華やかに見えるのは、現存する天守の中でもっとも多い18もの破風(三角形の形をした部分)があるから。

優雅に見えるけど、ここにもしっかりと戦国時代らしいからくりがあるの。たとえば、この天守閣には、鉄砲や矢狭間が75カ所もあるけど、外側から見えないように漆喰で埋められているのよ。いざとなったら漆喰を壊して使う「隠し狭間」というやつで、気を抜いていると鉄砲や矢が飛んでくるから気をつけて。

これが天守閣からの琵琶湖の眺め。どう、絶景でしょ? 彦根城がかなり高い位置にあるのがわかるかしら。石田三成の時代はもっと湖面が近かったそうで、3つの堀と琵琶湖に守られた堅牢なお城だったのよね。

見た目は綺麗だけときっちり大阪方面ににらみをきかせている、戦国時代ならでは戦う気まんまんのお城、彦根城。
これとは対照的に、徳川譜代大名の筆頭で、江戸時代の大老10人のうち5人を輩出した高貴な家としての井伊家の歴史に触れられるのが、1677年ごろから造営を始めたという彦根藩下屋敷「玄宮園」。



もはや戦国の世など感じさせない天守を借景にした優雅な池泉回遊式庭園。ドラマや映画の『大奥』でもよく登場している場所なので見覚えがある人も多いかも?
個人的にはここから見る彦根城が一番美しかった。間違いなくベスト・フォトジェニック賞。
この庭園では、江戸時代、井伊の藩主や家臣たちが池で船遊びしたり、茶室では茶会を開いていたそうよ。徳川筆頭の家柄らしい優雅なエピソード。

かつて藩主が客人をもてなした茶室、鳳翔台(ほうしょうだい)も残っていて、庶民の私でも優雅なお茶席をわずか500円で楽しめてしまった(笑)。

井伊直弼ゆかりの銘菓「埋もれ木」とお抹茶が楽しめる休憩タイムは、お殿様気分が楽しめてかなりおすすめ。

この他、かつては藩主が暮らした屋敷跡にある彦根城博物館や、屋形船でお堀めぐりなんかしていたら、お城の中堀の内側だけで1日過ごしてしまえるほどの大きな彦根城。この大きさだけは行ってみないと本当にわからなかった。

せっかくレンタサイクルを借りたので、お城のまわりを離れてちょっと自転車で町を走ってみたんだけど、どこからでも彦根城の天守が見えて、なんだかじんわりする風景だった。

こんなふうに、市民の日常に寄り添う彦根城もなかなかフォトジェニック。東京近郊の埋め立て地で育った私にとって、城下町での暮らしなんてわからないんだけど、たぶん、すごく守られている気持ちになるんだろうなと思った。懐かしい風景の中にお城がある暮らしっていいな、とシンプルにうらやましい。

姫路城に続いて、世界遺産登録を目指しているという彦根城。自転車なら琵琶湖までもすぐだから、カメラが好きなあなたならきっと楽しめると思う。良かったら行ってみてね。ではでは、長くなってごめんなさい。(みきP)
※この記事はお手紙文体で書かれています。

井伊家だけじゃなく石田三成ゆかりの地でもある彦根。駅からは佐和山城跡も見えます。

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